住宅クレーム110番
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マンションの乾式戸境壁について


<ピエーラさん>


 はじめまして、検索エンジンから貴ページにたどり着き、たいへん心強く思いました。さっそく質問をお送りします。
 新築マンションの購入を考えている部屋の壁が、コンクリート戸境壁ではなく、乾式戸境壁というふうに書かれています。構造としては中心に軽量鉄骨下地を縫うようにグラスウールがあり、その両側に2重張りボードがあってクロスとなっています。厚みは150ミリです。カタログにはJIS特級にあたるTLD56の遮音性能とありますが、その下に小さく「TLD値とは音響試験室で測定した遮音性能であり、実際の2空間の遮音性能であるD値を保証するものではありません」と書かれてあります。 
 営業の方はコンクリートと騒音は変わらないと言いますが、素人からすると厚みはあってもボードであれば木造と変わらないのでは?と、とても心配です。またTLD値についてもわからなく、アドバイスいただけると幸いです。
 よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 以前にも同じ質問があったので、私の以前の回答もあわせてご覧いただきたいと思います(「乾式耐火間仕切壁の遮音効果って?」)が、結論を言うと、コンクリート壁と乾式壁の遮音性能差はTLDが同じであれば当然ありえません。これは基準なので当たり前です。むしろ、遮音に限定すると乾式壁のほうがそのTLDに限りなく近い数値を現場施工でも保持しうると私は思ってます。なぜか? コンクリート壁はコンクリート打設の際のまぎれが生まれる可能性があること(ジャンカと呼ばれる「す」になっている箇所など)、電気関係のコンセントや電話、TVのボックスが打ち込まれる場合が多いことなどで、無垢の壁になりづらいことがコンクリート壁の遮音性能を低下させる要因となります。乾式壁は少なくともこの2つの要因を製品規格で排除してます。誰が施工してもまぎれが生じにくい工法といえます。
 次に、マンションのコンクリート壁は戸境ではせいぜい200ミリがよいところですから、当然、表面積に比して重量が少ない面となり、その剛性の高さゆえ固有振動数は低くなり、むしろ振動系の音は伝えやすい弱点を持ってます。まあ、マンションの中で振動するものを壁面に設置することは通常考えづらいですから、これはそんなに心配には及びませんが、いずれにしろコンクリート壁が劇的に遮音に有利と思うのは素人の感覚の問題です。高層ビルなんかみんな乾式ですよ。隣の音が聞こえるオフィスなんて誰も借りないでしょ。それと同じです。あとは、隣との間が大ハンマーで叩くと壊れるかどうかの違いだけです。コンクリートも腕っこきの解体屋は大ハンマーで150ミリぐらいの壁ですと壊しますが、200ミリあると骨が折れるでしょう。乾式壁はおそらく壊せると思います。それがいやかどうかの違いです。遮音性では個人的には乾式が上と私は認識しています。

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