住宅クレーム110番
J110 News

ビニールテープでとめた配管工事について


<東京都目黒区・Nさん(自営業・30歳・女)>



住宅クレーム110番 さま

 配管工事について教えてください。何分、配管についての知識がないもので、教えていただけたらと思い、メールさせていただきました。
 当方、今年の5月から新築マンションに入居したのですが、その際トイレに付いている手洗いがモデルルームと大きく違うということで、入居後、つい先日なのですが、取り替え工事が行われました。その際、排水管につながるほうのトラップの下のつなぎ部分を、ビニールテープで巻いて止めたようなのですが、配管工事としては、それが一般にありえることなのでしょうか? 施工会社は「今回はどこも同じような工事です」と言っています。
 下水管につながる管とトラップの位置がうまく合わず、ジャバラの管をトラップの下に使用しているので、排水管につながる管とのジョイント機具がないのは知っていますが、このままで、平気なのでしょうか? ビニールテープの耐久性は何年ぐらいなのでしょうか? ビニールが劣化し、匂いがあがってくるのではないか心配です。また、このような解決方法しかないのでしょうか?
 申しわけありませんが、教えていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。



お答えいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 まず初めに、モデルルームの配管はどのようになっていましたか。まさかこのような配管にはなっていなかったはずです。「今回はどこも同じような工事です」とのことですが、他の入居者のお宅はどのようになっていますか。確認してください。Nさんのマンションの手洗い器の排水管の施工方法が、どこのお宅も皆Nさんのところと同じなら、このマンションの標準仕様でしょうから、良い・悪いは云々できません。
 モデルルームと大きく違っている手洗い器がついていたとのことですから、器具を取り替えたので排水管の位置がずれたのでしょう。これを直すのには床または壁を壊さなければならず、工事が大変なので、配管だけで簡単に納めようとしたものと思われます。
通常はこのような形の納まりは「ヤッツケ仕事」と称して一流どころの工事業者ではやらないし、デベロッパー・設計事務所の検査でもOKは出ません。「今回はどこも同じような工事です」との工事業者の言葉ですが、今どきこのような配管をやっていること自体、珍しいですね。30年近く前でも、流しや洗面化粧台の下など人目につかない所にしか見られませんでした。
 ただし、念のため、知人のサブコンの技術者に問い合わせたところ、「こんな施工はしたことはないが、材料メーカーに確認したら、(Nさんのような場合でも)きちんとした施工ができるようにフレキシブル・チューブ(ジャバラ管)用のアタッチメント(部品)はある。ビニールテープも耐久性のあるものを使うようになっている」とのことでした。Nさん宅がそのように施工されているかについては、施工状態を見ていないので何ともいえません。
 施工が完全であったとしても、グレードの良い施工法とは云えませんね。トイレに手洗い器がついているという事ですから、便器のタンクと手洗い器が一体となっているマンションと比べれば、グレードの高いマンションといえます。『また、このような解決方法でしか無いのでしょうか?』というNさんの疑問は、「見てくれ・見栄え」について納得いかないからではないですか?洗面器の排水管のようにクロームメッキした排水管が床又は壁まで延長されていて、排水管に接続されているのが通常の施工方法です。排水管との多少の芯ズレがあってもクロームメッキ管を曲げ加工して普通は何とか見られるような施工になっています。このようにジャバラ管が見えるような仕上がりでは、デベロッパー:○○不動産、施工:○○建設の看板が泣きますね。
 デべロッパーの方には相談していますか?モデルルームを見て、購入したわけですから、販売価格相当のグレードの解決方法(正規の配管方法)を要求して良いと思います。又、他のお宅と比べ明らかにグレードの低い配管の仕上げは何とかしてほしいところです。
 この程度のグレードのマンションを分譲しているのですから、デべロッパーのしかるべき立場の方に相談すれば、きちんとした対応をしてもらえるものと思います。

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