住宅クレーム110番

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J110 News NEW (2010/06/19 UPDATE)

地下水位が上昇


<京都府木津川市・Aさん(会社員・31歳・男)>


 基礎掘削時には水が染み出た等の報告は一切無かったのに、竣工後、現在の庭や家の周囲を掘ると、ほぼ確実に水が染み出てきます。深さ1mの穴を掘ると、うっすら水が染み出てきて、最終的には数時間で地表面から30cmの位置まで水が溜まります。深さ50cmの穴を掘っても地表30cmの位置まで溜まり、なくなりません。つまり地下水位30cmということでしょうか。「家が建つ前は地下水位は低かったのに、家を建てたら急に地下水位が高くなった」なんてことは考えられるのでしょうか? とても困っています。
 庭の植樹どころか、基礎の湿気も気になっています。(布基礎ですが防湿コンクリート6cm厚です)水は溜まったら排出を繰り返し、1週間ポンプアップし続けても、無くなりません。レベルの関係上、深い位置に暗渠を設けられず、対応策もまったくわかりません。排水に詳しいと思われる土木業者にも見てもらいましたが、「こんなケースは初めてです」と言われました。
 水の原因を解明して、湿気から家を守り「長く住み続ける」という目的のために、今どのような手段をとるのがいいのでしょうか。下のようにいくつか考えてみたのですが、現実的な手段がありますでしょうか。専門家の立場から率直なご意見をいただきたく思います。

a)深さ1m以下にある硬い粘土層が破壊されるかチャレンジする (2mくらい?)
b)1mの位置に暗渠を設けて、集水枡に集めた後、ポンプアップ
c)家の外周に深さ1mの穴を掘り、土壌改良を施した土を埋め戻して、家の外周地下に水が寄らないように、堤防をつくる。
d)最近の住宅は防湿対策がしっかり為されているので、何もしない (ただし、床下点検や強制換気扇設置など湿度には気をつける)。
これまでの経過・推移
添付画像



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 地下水位の季節変位は「大きい」のが当たり前だと思います。北海道ですと雪解け後の春先はグッっと水位があがりますし、本州ですと、梅雨がそれにあたるのかもしれませんね。また、水位の上がっている期間もほんの2〜3日から1ヵ月以上まで、さまざまです。よって、「基礎掘削時に水が出なかった」「ボーリングでは大丈夫だった」という判断も、「目安」にはなりますが「絶対」ではありません。
 お写真を拝見する限り、南宅の擁壁の丸い排水口の茶色の跡が気になります。過去、経常的にそこから水が出ていた。よって、既に撤去されたようですが、排水溝も設置してあったと、判断するのが普通だと思います。となると、当然、南宅敷地内の水位は、Aさんのお宅の地盤面より、標高が高いのですから、Aさん宅地表面まで水が上がってきても、何の不思議もありません。失礼ながら、土木業者さんが「はじめてです」とおっしゃるほど難しいケースとは思えないのですが…。
 a)、c)については、苦労(費用面・技術面)の割りに報われないので、お辞めになったほうが無難です。私が当事者で、排水処理を解決するだけであれば迷うことなくb)を選択します。南宅擁壁の基礎下端より深い位置に、暗渠を敷地幅いっぱいに敷設し、最終桝(当然、桝底は、暗渠より深くしなければ意味ありませんよ)に誘水し、そこでポンプアップ排水するのが、一番効果的なのかな?と判断します。桝に溜まった水位によってスイッチがON・OFFできるポンプがありますので、自動運転になります。これで、ほぼ問題はなくなると思います。ただし、水量が多いと、常にスイッチがON状態ですので、存外、電気代がバカにならないケースも考えられます。そうなると、d)という判断もありかと思います。残念ですが、お庭に植える植栽の種類は限定されてしまいますね。
 コンクリートの強度という意味では少々湿気があったほうが強度が出ます。ただ、柱や土台の「木」の部分には大敵です。床下換気を換気扇で強制的に行い、常にスイッチON状態でも、排水ポンプよりは電気代がお安く済むと思いますよ。基礎底盤表面まで水が浮いてくるようなことがなければ、d)が現実的かもしれませんね。


J110 News NEW (2010/06/19 UPDATE)

巾木の後ろに隙間があります。


<山形県酒田市・Kさん(その他・45歳・女)>


 新築1年になる我が家について相談です。先日ふとしたことから、トイレの手洗いのトラップカバー付近の巾木がカットされていたことに気づきました。これは、トラップカバーが邪魔で巾木を途中でカットしなければいけなかったのでしょう。そこで見つけたのが、巾木の後ろの壁と床の間にできた1〜2cmの隙間です。
 私は虫が大の苦手なのですが、ここから虫が出入りするのではないか?(実際去年、新築にもかかわらずトイレに便所コオロギを発見しました)また、家中の巾木の後ろは壁が浮いているのではないか?と不安になりました。こんな状態で耐震性は大丈夫なのでしょうか。
 2階にもトイレがあるので、同じように手洗い場を見てみたら、1階ほどではありませんが、やはり数ミリの隙間がありました。これは普通のことなのでしょうか。



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 まず耐震性に関してのご質問ですが、ご心配の通り、壁の石膏ボードや壁下地の合板を耐震要素(耐震壁)として設計した場合は、釘の種類や釘の間隔など、細かな規定があり、おっしゃっているような状況であれば、その壁は耐震的にまったく役立っていません。しかしながら、設計の時点で、その壁を耐震要素としているかどうかが、いただいた情報だけではわかりません。もし他の耐震要素(筋交い)などで、設計しているようであれば、耐震的にはまったく問題ありません。建築された業者さんに、「筋交い計算書」「耐力壁検討書」などを提出してもらってください。これは確認申請上「添付」省略可能な図面ですが、設計者として計算を省略していいということではありません。時として、その計算自体をまったく行っていない場合もあり(それでも、制度上は確認申請OKが出てしまいます)そうなると、まったく別の次元のお話になります。もし提出自体を渋るようであれば、「問題あり」の確率高しと容易に推測できますので、信頼のおける第三者に、設計図一式をチェックしてもらってください。
 巾木と床の隙間については、木造の場合、どうしても竣工後わずかながら床が下がる傾向があり、それを見越して、最初から隙間の空いている巾木を使用する場合があります。それについては、当初から見越していることであり、「想定内」の事柄ですので、
見た目が嫌だ!ということでなければ、安全上の支障はありません。


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