住宅クレーム110番

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J110 News

隣の塀の事でなやんでいます。


<千葉県・Hさん(会社員・49歳・女)>


 隣の塀に囲まれた我が家のひび割れがひどいので、今回建て直しをすることにしました。しかし、隣の塀が倒壊寸前で、工事中に倒壊し、賠償責任をとらされると困ります。昔から何回もお願いはしているものの、「はいはい」と受け流されてしまいます。工事中に壊れたり、新築物件に傷つけられると困るので、どうしたらいいのでしょうか? また、その場合の修理責任は誰になるのでしょうか?
添付画像



アドバイスいたします
松本 純(北海道建築士会 札幌支部 青年委員)

 近隣との関係は非常に難しいですね。写真を見ただけですので正確な判断はできませんが、塀自体がかなりの高さもあり、すでに破損している部分を見ると補強の鉄筋も確認できません。また、コンクリート基礎部分にも非常に大きなひび割れがありますので、危険な状態であるというのは間違いないと思います。
 当然ですが、建物・塀は所有者の責任において維持保全をしなくてはいけません。これは常識でもあり、法令にも規定されていることです。ただし、昔から何回もお願いしているのに受け流されるということはやはり、このままでは対応は期待できないと思います。近隣のお付き合いを考えると、常識論や法律的な正論を直接ぶつけることはかえって問題をこじらせ、結果的に今後更なるトラブルや住み辛さなどが生じると思います。
 案としては、今回ご自宅を建て直されるということですので、こちらの施工業者さんに話をしてもらうということが考えられます。施工業者としても工事中に倒壊や破損となっては、責任問題になります。着工前に挨拶にうかがっていただき、技術者としての客観的な判断を交えながら、隣家の方に相談してもらってはどうでしょうか。たとえば、「工事によって影響が出た場合、あとあとご迷惑をかけるといけないので…」と、建物や塀の現地確認や写真撮影等の簡単な家屋調査・確認をする。その際に「塀が危険な状態なので…」と修理等の相談をしてもらうのです(あくまで施工業者と隣家の方とのやりとりです)。そうすることで責任も明確になります。
 第3者が入ることで危機意識が変わる可能性もありますし、証人にもなっていただけます。実際にトラブルを解決・回避する方法としても一般的に行われていますので、施工業者さんに一度ご相談してみてはいかがでしょうか。


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雨水マスの水が浸透しない


<東京都八王子市・H.Yさん(会社員・34歳・男)>


 雨水マスが浸透しないのでメーカに聞いたところ、これで正常だといわれました。バケツでギリギリまで入れてから3時間たっても変わりませんでした。ただ浸透するのが遅いだけなのでしょうか?
添付画像



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 ご質問の意味がよくわかりません。「バケツでギリギリまで入れてから3時間たっても変わりません」というのは、どういうことでしょうか? 「雨水マスが浸透しない」とありますが、写真で見る限りでは水は浸透しているようですが、何が問題なのでしょうか。写真が2枚あり、底には水が見えますが、3時間前の状況との比較なのでしょうか? その上でこれを問題にされているのですか?
 浸透マスに水を入れて何時間で浸透すればよいのかについてはなんともいえません。敷地の土質や、浸透マスの底部の施工状況(雨水の浸透方式については行政の基準があります)、地下水位のレベルにより違いがあります。地下水位のレベルが高ければ写真のような状況はあるかと思います。カラカラとまではいかなくても、もう少し乾いた状態になることを期待されているのかと思いますが、この状況が特に正常ではないとはいえません。もちろん何時間たってもしみこまないのであれば異常といえますが、写真の状況ではバケツで入れた水は正常に浸透したもののように見えます。底が乾いていないのは、敷地の水位によるものと考えられます。


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外壁クラック


<流山市・ショウさん(会社員・37歳・男)>


 前回塗装から5年。クラックが目立っています。塗り替えを考えていますが、またすぐにクラックが入ってしまっては意味がありません。根本的に構造に問題があるのか調査したいのですが、そういった場合はどこに相談すればいいでしょうか?



アドバイスいたします
高島 忠義(北海道建築士会 当別支部 青年委員)

 ショウさんのご質問の詳しい概要はわかりませんが、例えば木造モルタル2階建ての一般住宅であれば、構造的な問題やモルタルなど下地の問題が考えられます。お近くの信頼のおける建築士や工務店に相談されるのが良いと思います。まずは、ご相談物件の所在地近辺にある相談窓口にご連絡されることをおすすめします。ご参考までに(社)千葉県建築士会、(社)千葉県建築士事務所協会、千葉県建築家協会などが建築に関する相談窓口を開設しているようです。


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洗面台の下から悪臭が…


<千葉県松戸市・SKさん(会社員・35歳・女)>


 築3年の一戸建てに2人住まいです。最近、洗面台の下から浄化槽のにおいが…。パイプ清掃をしても変わりなかったし、浄化槽も正常に動いているとのこと。水道屋さんに依頼して見てもらうと、配管が図面と違うことが判明! 図面では家の外を回して浄化槽へとつながっていますが、実際はすべての排水が一本で床下を通って、浄化槽へ流れています。
 マスもないので点検のしようがありません。これらはよくあることと聞きましたが、なんで図面で申請したものが実際と違っても違法ではないのでしょうか? トイレの水を流すと台所の水が揺れるので、「封水破壊が起きているのでは?」とのことでした。気休めに(?)高圧洗浄をしてもらいましたが、たいして変化はない気がします。
 施工業者には「なぜ図面と違って作ったのか」「実際は床下でどのような配管になっているのか」と問い合わせをしていて返事待ちですが、配管のアフターサービスは2年までです。今後対策するにしても、実費で行わなければならないのでしょうか?



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 申請図はたぶん浄化槽の申請図でしょう。浄化槽の申請は、浄化槽の構造が建築基準法等の規定に従っているかどうかについての審査が目的です。したがって、浄化槽に流入するルートについては、申請図と実際とが違っていても、違法云々にはならないと思います(このようなケースに直接遭遇したことが無いのでなんともいえませんが…)。ただし、浄化槽の機能障害が発生した場合は別でしょう。
 臭気の漏れは施工不良か、トラップの封水切れでしょう。これを防ぐために一般の排水管には通気管が設けられていますが、戸建て住宅では省略されることがよくあります。そのため3階建て(まれには2階建てでも)住宅の場合は、トイレを使用するとトラップの水が抜けます。小生の回答ページに事例(『2階トイレの水から悪臭』)がありますが、SKさん宅はこれではないようです。
 もうひとつ考えられる原因は、換気用の給気口不足です。厨房のレンジフード運転時には大量の空気が必要です。そのため必要な給気口がついていますが、これが小さいか閉じられていると、レンジフード運転時にトラップから配管内の空気を引っ張ります。これは、1LDKや2DKなどの小規模マンションで発生します。戸建て住宅では給気口の数や、サッシの隙間があるので発生は少ないですが、厨房給気口を閉じたための排水口からの臭気の逆流は、やはり小生の回答ページに相談事例『洗面台の排水口、キッチンの排水口、浴槽の排水口からもにおい』があります。レンジフード運転時に洗面器のところで確認してください。
 上記原因とは別に、洗面器の排水口を掃除しないと、髪の毛が引っかかって毛細管現象によりトラップの封水が切れて、臭気が上がってきます。最近ということですから、これもありうることです。チェックしてください。
 臭気が洗面(器)の下からということですから、施工不良も考えられます。洗面器の下を覗いてください。目に見える範囲は問題ないと思います。各室の給気口をすべて閉じ、レンジフードと浴室換気扇を運転してください。排水配管が立ち下がっている隙間から、空気が流れます。線香の煙で確認できます。そこが臭気源なら床下配管の施工不良といえます。


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2階のトイレを流すと台所からボコボコと音が…


<大阪府堺市・IHさん(38歳・女)>


 ご教授お願いいたします。2階にトイレとキッチンがある3階建ての戸建てに住んでおります。この家を買った当初から、トイレを流すと隣にある台所の流しからボコボコと音がします。戸建てに住んだのは初めてで、2階にトイレとキッチンがあるのだから音がするのも仕方ないのかなと思っていたのですが、別の件で水道局の方に来てもらった時に聞いてみたところ、「音がしないように施工するものなんですけどね」と言われ、やっぱりおかしいんだと気づきました。トイレの排水管が家の中を通ってるようなのですが、この場合、音が鳴らないようにするには大げさな工事をしなければいけないのでしょうか? 調べているうちにミニドルゴというものがあると知ったのですが、流しの下の排水管に取り付ければ改善されるのでしょうか?
 家を買ってからもう7年も経っています、施工した工務店に今さら言ったところで、相手にされないのではないかとも思っているのですが…。ご助言よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 「音がしないように施工するものなんですけどね」ということは、通気管が無いことを言っているのでしょう。建築基準法には「配管設備には、排水トラップ、通気管等を設置する等衛生上必要な措置を講ずること」とあります。戸建て住宅で2階にトイレがある場合は、汚水排水管をサイズアップすることにより、通気管を省略することがあります(上記の「等」に相当?)。臭気の逆流が無い限りは「衛生上必要な処置を講じ」てあるとはいえます。通気管を設置するのが最善策ですが、ミニドルゴはこのような場合に効果があります。取り付け位置については施工業者にご相談ください。


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