住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

築18年の住宅基礎のヒビについて


<大阪府枚方市・HOさん(会社員・35歳・男)>


 はじめて投稿させていただきます。築18年の一戸建て住宅に住んでおります。最近基礎にヒビがあることに気づき、家全体の基礎を調べましたら、基礎天部分(基礎とモルタル外壁の境目部分)にひびが家全体の半分にあることがわかりました(写真1)。
 家の前はバスやトラックが行き交い、また盛土をして建てておりますのでバスなどが通ると家が揺れますし、築年数も古いので多少のヒビはあまり気にはしていませんでした。しかし一箇所、縦に激しくヒビ割れをしており(はがれ出した部分が浮き上がっているだけならいいですが…)、横から確認するとズレも生じております(写真2・3)。ただこのヒビの周りで建具や建物自体に大きな傾きがあるようには思われません。このような状態で地震やバスなどの揺れで取り返しのつかないことにならないか非常に心配しております。どのような対処をすべきか教えていただきたく投稿させていただきます。よろしくお願いいたします。
添付画像



アドバイスいたします
上野 憲之(北海道建築士会 岩内支部)

 築18年ですと、平成になってからの建物ですね。一応基礎は鉄筋コンクリート造かと思います。
 写真1の基礎と天端モルタルの境目部分のクラックはコンクリートとモルタルの継ぎ目なので、通常でもクラックは入りやすい部分かと思われます。普段、交通量がかなり多く、また、盛り土をして建てている、ということですので、立地条件はあまり良くないですね。おそらく18年前であれば、地盤調査、杭工事等はされていないと思います。
 写真2のクラックは基礎にモルタルの上塗りがあるにしても、大きなクラックだと思います。一般的にはクラックの幅が0.3mmを超えると、注意が必要だといわれますが、写真で見るかぎり0.3mmは軽く超えていそうですね。やや斜め方向に入るクラックは何らかの応力がかかった構造クラックの場合が多いようです。想像ですが、一番の原因は地盤沈下によるものではないでしょうか? 写真2のような状態の箇所が他にもあるのでしたら、なるべく早めに専門業者に見ていただいたほうがいいと思います。「どれくらいあれば」の判断は、写真の他にもう1ヵ所あれば注意、と
考えていいかと思います。
 基礎の修復方法はいろいろ考えられますが、床下に鉄筋コンクリートのべた基礎をつくる方法、基礎の外部側にもう一度基礎コンクリートをつくる方法、いずれにしても大変お金がかかります。近所の信頼できる専門業者に相談してみてください。


J110 News

宅地造成の仕方について(費用の少ない方はどっち?)


<匿名さん(その他・38歳・男)>


 宅地造成において、畑に20m四方で高さ1mの盛り土をする場合、現場でコンクリートを打つのと、L字擁壁を並べる方法では、どちらが造成費用が安いでしょうか。山陰地方では都会と違い、現場打ちのコンクリート代は高いと聞きましたが…。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 現場打ちコンクリートの擁壁工事と既製(2次製品)コンクリートの擁壁工事のコスト比較は、擁壁の高さと施工条件によって変わります。盛土部分の高さが高いほど現場打ちコンクリート擁壁が有利になり、逆に低いほど既製コンクリート擁壁が有利になります。土留の高さが大きくなると、擁壁のサイズがそれに伴って大きくなり重量も増えるため、運搬・設置費がよりかかってしまうのです。
 サイズ(重量)により、現地において運搬車の搬入ルート・レッカー車作業範囲などの確認が必要になります。今回の場合は高さ1mの盛り土ということなので、現場施工に問題がなければ既製コンクリート擁壁の方がコストダウンになると思います。地域差もあると思いますので、できれば両方の見積もりを取って確認することをおすすめいたします。
 既製コンクリート擁壁は出来合いの設置になるので工期有利になりますが、割付により既成サイズに合わないところは受注生産になり、その分の製作日数が必要になりますので、その日程を見越して工程を組んでください。
 その他、擁壁工事で重要なことは、地質調査・構造計算によって転倒しない擁壁を施工することです。地盤によって地盤改良が必要になったり、擁壁の断面形状・配筋等が変わりますので注意してください。


J110 News

雨水の通り道について


<神奈川・匿名さん(会社員・31歳・男)>


 ご相談させていただきます。我が家は3階建ての木造の戸建てで、1階の半分くらいがガレージになっています。ガレージ脇に少しポーチがあり、玄関は段を1段上るようになっています(写真参照)。玄関扉のすぐ外側部分には25cm四方くらいのタイルが敷いてあるのですが、そのタイルの目地を通って、玄関向かって左側の壁のない部分から吹き込んだ雨水が、ガレージのコンクリートのほうに流れて行くので、少しの雨でも段差とガレージの繋ぎ目の部分のコンクリートが濡れてしまいます。そのせいなのかわかりませんが、ガレージには車を停めていないのに、入居後2年も経たないうちに段差の繋ぎ目からガレージを真横に横切るように、長さ1.5mくらいのひび割れが入ってしまいました。施工業者からは、ひび割れは乾燥によるものだと言われました。乾燥によってコンクリートにひびが入るのは仕方ないとわかっていますが、少し早すぎるような気がしますし、長さが長いようにも思います。また、上記のような雨水の流れになっているのに「乾燥」というのも少しおかしい気がします。
 雨水の通り道が家の外側ではなく、ガレージ内に入るようになっているのは、設計上おかしくはないのでしょうか? 雨量が多い時には、写真よりももっと多く雨水が流れてきます。ちなみにビー玉を置いてみましたが転がらなかったので、ガレージ側に傾斜しているわけではないようです。よろしくご解答お願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 配置・平面図・断面図がないため、ガレージ・玄関ポーチの位置関係・道路との取り合い・勾配が解らず、うまく答えることが難しいです。今回は、「雨水の通り道について」とありますので、玄関ポーチ(床タイル張り)の水が道路側のアプローチに流れないで横のガレージ側に流れることが問題となっていますが、その場合においても(1)勾配が悪い、(2)勾配がガレージ側になっていなくても目地から浸透した水が下地コンクリートの勾配により右に流れてつなぎ目が濡れる、(3)雨のときはいつも左から右に風が吹く、ということが考えられます。
 ビー球が転がらないということなので(2)か(3)によるものと思われますが、対応としてタイル目地に撥水塗装を塗って浸透を抑えるようなことも考えられます。しかしこれは一時的なものになります。今後、床タイルの浮き・ひび割れの増大などがない場合は、支障がないものと思います。現時点で建設会社が現況を確認しているのであれば様子を見ることで良いと思います。
 また、ガレージにおいて床のひび割れが問題になっていますのが、建物本体と外構工事において、基礎工事等の仕様レベル(たとえば本体は杭工事を行い、外構工事はない場合)の違いにより、その接点にひび割れが生じることは致し方ないものと思われます。ちなみにコンクリートの乾燥収縮は工事後半年で止まります。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。