住宅クレーム110番

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アンカーボルトとホールダウン金物を田植え式で施工について


<徳島県鳴門市・匿名さん(会社員・33歳・男)>


 現在、基礎の立ち上がり部分の工事をしているんですが、写真のようにアンカーボルトとホールダウン金物が、ちょっと見ただけでもわかるくらいに色んな方向を向いていました。ハウスメーカーに問いただしたところ、両金物とも田植え式で施工したとのこと。アンカーボルトもそうですが、特にホールダウン金物を田植え式で施工するのは欠陥工事ではないでしょうか? 先生方の判断よろしくお願いいたします。
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 木質系住宅建築現場のアンカーボルトの施工法には、確かに、「田植え式」と「事前固定式」が存在します。「田植え式」は、生コンを流し込んでから、固まり始める前にアンカーボルトを埋め込んでいく方法。「事前固定式」は、生コンを流し込む前に、型枠や専用固定部材、鉄筋などに固定しておく方法です。
 「田植え式」の場合、工事費が安く上がるメリットがありますが、アンカーボルトを設置する時間が限られるので、設置工事が粗雑になりやすく、位置を間違ったり、入れ忘れたりする危険性もあります。「事前固定式」の場合、工事費は少しかかりますが、あらかじめ本数や設置位置などを確認できるので、品質管理の上では、高精度な仕事といえます。住宅金融支援機構の木造工事共通仕様書では、事前固定式の施工を推奨しております。
 前述のような差がありますが、「田植え式」だからといって欠陥工事だというものでもありません。所定の位置にアンカーボルトを田植え施工した後に、空隙ができないように処置をしてあれば、少々曲がっていても、強度には問題ありません。写真を見る限り、アンカーボルトの向きが不揃いで、高精度な仕事とはいえませんが、この程度であれば、まっすぐになるように補正をすれば良いでしょう。
 しかし、アンカーボルト(ホールダウンを含む)が所定の位置に設置されているかどうかの説明は、求めましょう。「ホールダウンアンカーボルトの埋込深さが、規定値以上確保されているか」という点と「アンカーボルトのフック部分で、コンクリートのかぶり厚さが確保できているのだろうか」という点も危惧されます。
 太さ16mmのホールダウンアンカーボルトは、通常品であれば、360mm以上の埋込深さが必要です(特殊なホールダウンアンカーボルトで、必要埋込深さ200mmのタイプもあります)。通常のホールダウンアンカーボルトの埋込側先端は、U字型に折り曲げたフック形式になっているのですが、コンクリートのかぶり厚さは30mm以上必要なので、埋込みの向きを誤ると、フックの部分でかぶり厚さが確保できていない可能性があります。埋込深さについては、使用したホールダウンアンカーボルトの長さを出荷証明などで確認し、コンクリートから出ている寸法を差し引けば確認できます。360mmより著しく不足している場合には、問題がありますので、手直しを要求すべきです。
 かぶり厚さについては、残念ながら簡単には確認できませんので、どのような施工をしたのかの説明を求めましょう(鉄筋探査機を使って確認できるかもしれませんが、アンカーボルトのフックを探査するのは、難しそうに思います)。


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欠陥住宅かも


<愛知県・Iさん(会社員・41歳・男)>


 現在、建築途中ですが、外構工事と内装一部未完成で2009年12月末にとりあえず入居しましたが、やばいと思ったのが入居の際に掃除をしないと入れないぐらいに木屑だらけ。トイレ、お風呂、サッシなどのビニールはすべて付いたままで、養生シートを剥がした床の杉板は、死に節だらけで(抜け節もあり)よく見れば柱、梁、天井板と、死に節だらけです。また、床、柱、壁のいたるところにキズがあります。そして、家に入ってすぐ感じたのがとにかく寒い。家中の物音は筒抜け。いたる所で床がきしみます(足で踏むと沈む所もあり)。2階からの配水管が1階洗面所から抜けているのですが、そこの周りから外の明かりが見えます。キッチンの換気扇も同じことになっています。2階屋根裏収納の中からも外の明かりが見える個所があります。
 これまでに契約時の仕様とかなり変わっており、外玄関の霧よけも雨漏りの原因になるからと普通の霧よけになったり、お金の払込みも、うちはすべて現金決済だからお金が入らなければ、キッチンが入らないなどといろいろ言われ、現在すべて払ってしまいました。最後のお金を払ってからは態度が変わり、やることも雑になり今すごく不安で、この先どうやって対処をして良いのか困っています。文章にするのが苦手でよく伝わらないかもしれないのですが、アドバイスしていただけると助かります。よろしくお願いいたします。



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 発症している現象の程度の良し悪しや先方の態度については、主観もありますし、直接拝見していないので、とりあえずコメントは控えます。それよりも「契約書」はどの程度のものだったのでしょうか? 簡単な図面と受発注書程度ではないですか? 現金前払いの新築工事契約などというのは、あまり聞きません。ましてや、支払いをしないとキッチンを納入しないなどと言うのは疑問です。お気の毒ですが、それだけでも、かなり「怪しい」臭いがします。
 残工事に関して「念書」「覚書」程度は交わしていますか? 契約書に今後のメンテナンスに関しての記述はありますか? すでに引き渡し、入居されているようですから、まず残工事に関しての書面を手交するように要求してみてください。「怪しい」ようであれば、それすら嫌がるはずです。
 今、発症しているのは、「重大な瑕疵」に該当するような事項ではなく、仕上げの程度が悪かったり、雑だったりという判断になります。残念ながら、契約通りですと言われてしまえば、Iさんが迂闊だったとしか言えません。まずは相手が本当に「怪しい」のか「怪しくない」のかを見極めてください。
 今後、雨漏りや地盤沈下などが発生したり、残工事を行わないということであれば別のステージに移行します。(つまり、法的な話を含めて本気の喧嘩ですね。)その時には、今まで交わした図面や書面、口頭の連絡でもその日付の入ったメモなどは重要になりますので、捨てたりしないでくださいね。


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増築した周辺の床の高さが不均衡


<三重県伊勢市・Oさん(主 婦・44歳・女)>


 120cmの出幅でリビングの南面を広げました。既設の床面にも増築部と同様の無垢板を張ってもらいました。ところが、既設と増築の境目の周辺で歩いてすぐ違和感を感じるほどの高低があるのです。業者に問い合わせたところ、既設部が傾いているのでそうなったと言われました。平にするためには既設部の元の床板をめくり基礎(コンブト)からやり直さなくてはならなっかたとも。しかし、家はまだ築13年で地盤は岩盤です。試しにビー玉を転がしたら既設の床面では転がらず、増築との境目で転がります。工事は、増築部から先に床材を張ってそのまま既設の床面を張っていましたが、測量ミスで無理やり合わせたとしか思えないのですが…。家は時間が経つとどうしても傾いてくるので仕方がないと業者に言われましたが(築13年で?)、そんな話は聞いたことがありません。本当にそうなのか教えてください。



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 いくつかの誤解と説明不足が錯綜しているようです。まずコンブトというのは、きっとネタ(根太)のことですね。となると、基礎というより、床の下地材になります。
 「家は時間が経つとどうしても傾いてくる」という説明は、ある程度正しいと思います。新築の家でも、時間経過、温度変化によって、床の下地材は若干傾きますし、梁も荷重によってたわみます。また、家全体も地盤の状態によっては沈みます。そのそれぞれに許容限度の数値目安があります。目安があるということは、普通は「0」ではないということです。
 増築の場合は「新築」の部分と「増築」の部分で、さまざまな部材の状態(木の乾燥度など)が違いますので、問題が生じやすいものです。大規模な増築ではそれを見越してエキスパンジョイントという方法をとりますが、小規模な増築では予算的に難しいでしょうね。増改築にはそのようなリスクがあることを事前に説明しなかった施工者に「説明不足の非」はあると思います。しかし、そのリスクを回避するためには、工事費もUPしたでしょうし、それほどの規模ではなかったのだとも推察します。生活に支障があるようであれば、どなたか専門家にご相談なさってみてください。


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珪藻土の塗壁について


<福岡県筑紫郡・フカさん(会社員・40歳・男)>


 天井以外を塗壁にしたのですが、採用した塗壁材を使用したことのない左官が作業を行ったため(本人の口から確認)、ところどころ継ぎはぎだらけです。工務店との話し合いの結果、補修をするとのことで建築費を支払いました。それなのに、お金を支払った後、技術的に不可能でこれ以上できないと言われ、泣き寝入り状態です。どのようにしたら良いのでしょうか?
 この他にも色々あり、ドアがゆがんでいるにも関わらず、入居後2ヵ月が過ぎても対応していただけない状態が続いています。



NPO住宅110番より

 お察しいたします。整理させていただくと、壁の塗装について「ところどころ継ぎはぎだらけ」というのが第1点ですね。常識的に考えれば、塗装のことですからやり直せばそれでいいと思うのですが、「技術的に不可能でこれ以上できない」と言われたということが、理解できません。構造の問題が絡んでいてということなのか、この文面からだけでは判断しかねます。現場を見てみなければアドバイスは難しいと思いますので、地元市町村の役所の建築課などに相談されてみてください。


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