住宅クレーム110番

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完成3ヶ月のカーポートが台風で破損。カタログ台風圧値以下でも有償?


<三重県伊勢市・Fさん(会社員・46歳・男)>


 今年の7月にカーポートを完成させました。両側支持タイプの2台タイプを2セットにし、4台駐車可能なカーポートです。しかし10月8日に発生した台風18号で無残にも半分(15枚)もの屋根のボードが飛んでいってしまいました。一部本体も破損しました。カタログ記載の耐風圧強度は34m/sです。メーカー保証書の免責事項に「天災その他の不可抗力(たとえば、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地盤沈下、落雷、火災など)により、商品の性能を超える事態が発生した場合の不具合は有料修理となる」となっており、自宅近くの観測計(同市)では、19m/s、最大瞬間風速32m/sとの報告書があります。周りの家の被害はほとんどなく、我が家のカーポートだけが青空天井となった状態。ある集中した時間帯で屋根ボードが飛んでいったのなら瞬間風速が34m/sを超えたため飛んだ可能性もあると思いますが、夜中1時過ぎから5時までの間で次々と飛ばされていきました。隙間の細い装飾のプラスチックが外れ、半分ぶら下がった状態で風にあおられ、車にも無数の傷が付きました(この分は請求はしませんが…)。
 上記により、業者へ保証内ではないかと聞いたところ、「メーカーは、お宅の場所が瞬間風速の最大を超えた可能性があり、有償となる」との回答でした。自宅の風圧など調べようもなく、言われたまま有償で修理しなくてはいけないのでしょうか? 納得ができません。
 飛ばされたボードが家にほとんど当たってから飛んでいったものですから、家の修理も25万円かかり、保険は16万円出るとの連絡がありましたが、こちらのほうも9万円の赤字です。カーポートは保険対象外でまったく保険は出ません。
 たった3ヵ月でこのような事態になりショックです。業者はこのような台風は10年に一度などと言いますが、来年来ない保証もなく、これからも台風がくるたびに心配しなくてはならない施主の気持ちはまったく考えていないような感じです。もともと風当たりの強い場所なので、打ち合わせ時から充分にその説明はしてきました。業者に修理依頼をしてから11日間音沙汰がなく、こちらから保証の話をしてからまた10日間も待たされて、対応も遅いです。再度メーカーにお願いしてほしいと業者へ伝えましたが、直接メーカーと話をしたほうがよいのでしょうか。よろしくお願いします。メーカーの最終回答がまだありませんので匿名でお願いします。
添付画像



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 画像だけでは立地場所・条件はわかりませんが、想像しますと住宅密集地ではなくすぐ前に畑が確認でき、風がまわるような場所と考えられます。当日の現地近くの観測データーが最大瞬間風速が32m/s(メーカのカタログ記載:耐風圧強度34m/s)とありましたが、現地ではそれ以上だったのかもしれません。文面の中に「もともと風当たりの強い場所」とあったように、現地が「風が溜まり風の抜けない」場所のため、ポリカーボネート板に風圧がかかり、耐え切れずポリカーボネート板が抜けてしまったと思われます。風速の数値に関しては証拠があるわけではないので論争の話にはなりません。その反面、屋根部のポリカーボネート板を押さえる押縁(フラットバー)を止めるビスの止め方・枠とパネルのかかり方等の施工方法が悪いと強度不足になり風速が少なくてもポリカーボネート板が吹き飛ぶ可能性があると思われます。その時の風速や施工の問題等をお互い紛争し、どちらかを証明することは難しいと思います。基本的には瞬間風速・立地場所等の問題と考えられますが施工も100%完璧とは考えられませんので、工事店とFさんとの歩み寄りで解決するしかないかと思います。今回の工事において、地元の施工業者だとしたらその地域の風向きや立地場所を知っていて判断し、施工や販売をするものと思いますが、Fさんが発注された商流(ルート)がもし地元ではないエクステリア専門業者直接だとしたら面倒ですね。今後の折衝については、メーカーとの話ではなく今回直接施工(契約者)した業者になります。


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浄化槽、放流先への勾配不足について


<埼玉県さいたま市・Aさん(会社員・32歳・男)>


 お世話になります。現在、浄化槽を使用して生活雑排水を処理しています。先日、U字溝への接続工事をいたしました。しかし浄化槽の定期点検の際に、放流先への勾配が足りず、浄化された水が溜まっている状態だという指摘を受けました(溜まっている上っ面だけはチョロチョロと放流されている模様)。点検業者には改善を要すと言われ、その旨を工事業者に伝えたところ、浄化槽の設置場所からギリギリの勾配しか取れないと言われました。さらには、U字溝への接続工事の際にはよくあることで、その先に影響が出ることはあまりないとまで言われました。家を建てるうえでまったく知識のない浄化槽のことなので、この先どのように対応していけばいいものかアドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いします。



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住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 U字溝への接続が決まっていたならば、建築工事のスタート時点で浄化槽の位置・設置レベル(排水管の勾配から逆算して)を決め、建物の敷地地盤高を予想していきます。今となっては、U字溝を下げることはほぼ無理であり、浄化槽を上げることは可能としても、その場合には浄化槽に流入される汚水排水配管すべてを上げなくてはなりません。さらに建物内部からの配管も上げなくてはなりません。想像するに現状はぎりぎりの勾配条件で施工されていて、それでもU字溝への勾配がない結果だと思います。工事業者から「このようなことはよくあることで影響はない」と言われたとありますが、無責任な対応だと思います。
 排水の原理原則は「全量移動」にあります。すなわち排水管の中は常にカラで水がない状態が基本ということです。排水管の上水だけが流れ、常に排水管に排水が溜まっている状態であれば、バクテリアが繁殖し、排水管の底に腐敗物が堆積し管が詰まる原因になります。
 対策としては、浄化槽で処理をされた排水をポンプアップ(排水ポンプで排水)し、決められた以上の勾配をとってU字溝に排水することです。工事としては、ポンプ層を設置して電源および自動の運転停止ができるポンプを追加設備することになります。費用ですが、おおよそ20万〜30万円くらいだと思います(配置図等の詳細がないので何とも言えませんが)。このほかにポンプの電気料金・メンテナンス等のランニングコストがかかります。新築時であれば住宅会社の責任になりますし、新築後の工事であれば設備会社の責任になります。責任の所在を確認の上、イニシャルコストとランニングコストについて協議してください。


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雨漏りの修繕について


<旭川市・Iさん(自営業・59歳・男)>


<〜NPO住宅110番より〜 以前より掲載中の「雨漏りの修繕」について、すでに掲載済みのアドバイスとは違った見地での、以下のようなアドバイスが寄せられましたので、掲載いたします。それぞれのアドバイスを参考にしていただけると幸いです。>

 安易にコーキング補修をしないで、コーキングが切れた原因、雨漏りの原因を確認することが大事だと思います。住宅メーカーさんと共に確認後、必要な対応策を施すことをおすすめします。
 コーキングは劣化や施工不良で、切れることはあります。窓まわりの場合だけでなく、コーキングが切れても、すぐ雨漏りとならないように、壁下地材を張ります。これが、二次防水で、アスファアルトフェルトまたは、透湿防水シートなどです。サッシの下部等にステ張りをして、サッシ枠ツバと壁下地材を両面粘着防水テープ等で密着させるようにします。こうしておくと、コーキングが切れても、すぐに雨漏りとはなりません。
 一次防水のコーキングは必ず劣化してきます。そのため、二次防水の下地材を施します。二次防水も100%とはいえませんが、水の流れに逆らわなければ、大丈夫です。
被害が広がらないように、早めに対応してもらいたいところですね。



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