住宅クレーム110番

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風で揺れる家


<福岡県宗像市・Kさん(39歳・女)>


 築2年の木造の在来工法の家ですが、高台にあり強風が吹く時に2階で寝ていると揺れを感じます。最近揺れに気づいたので新築当初から揺れていたのかは不明です。総2階、片流れの屋根、三方を家で囲まれているのですが、道路に面している、風が一番強く吹いてくるほうの屋根が高くなっています。地盤は赤土で固い地盤だそうです。揺れもそうですが、強風で屋根が飛ばないかどうかと、長方形の家で風が当たる部分の面積が広いため、家が倒れないかどうかも不安です。軒は1メートルないくらいの長さです。揺れを感じてから天気予報で風が強いと言われると、気分が沈み食欲さえなくなってしまいます。どうか良きアドバイスをください!



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 家の揺れには、地盤が軟弱で地盤の揺れ波長と、家の構造的な揺れ波長がフィットした時に大きく揺れるといわれます。つまり、どちらかの波長をずらしてしまえば揺れを解消することが、理論上可能となります。しかし本件においては地盤が固い敷地だということなので、波長が合っていることもないようです。
 実際に家がどの程度の揺れなのか、どの波長で揺れているのかを調査する必要もありますが、かなり過敏になっている様子も感じます。
強風が吹くと、多少なりとも家が揺すられることもあり、同時に外部から風音やモノが吹き飛ぶ音などが聞こえることでしょう。
 一般的な住宅工法でも、屋根や外壁を止めている釘、ビスなどの引き抜き強度は充分に担保されているものです。建物が吹き飛んで破壊するのは、外壁や屋根が吹き飛んだ部分から風が入った時です。しかし、国内で発生する台風などにおいても、よっぽど強い強風でなければそのような被害に見合うことなどありません。揺れと家の倒壊を同次元で考えないほうがいいと思います。
 どうしても心配なら施工工務店と相談し、耐力壁(筋違いなど)を多くしてもらうことも必要になる場合があります。小屋裏の束に筋違いを入れたり、間仕切りや外周壁の一部に筋違いや構造用合板などで補強する方法がありますが、構造体を充分に調査する必要があります。
 できれば施工業者と充分に連絡を取りながら、強風の時に立ち会ってもらったり、万一の時の万全対策をとって精神的に安堵した状況で様子を見るべきと思います。意外と取り越し苦労であった場合などもあります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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施工会社が倒産


<神奈川県横須賀市・ハニーさん(会社員・42歳・女)>


 はじめまして。昨年、平成12年築の中古物件を購入しました。今年になって雨漏り、同時期にシロアリを発見。シロアリ駆除業者の方に見ていただいたところ、土台には損傷がなく、雨漏りの箇所が食われているとのことでした。
 損傷のある箇所の修理を始めたところ、外壁タイルの内側ほとんどすべてが腐っている状態だとわかりました。タイルの張り方の問題と空気口がなく、中に入った水が逃げられない造りになっているのが大きな原因のようです。施工業者の保障が10年ついていたので電話をしたところ、倒産しているようです。下請けの会社に聞いてみたら、調べてくれて5年くらい前に倒産している可能性が高いとの返事。
 家の購入時に施工会社の倒産により、保障なし物件ということは売主からも、不動産屋からも聞いていませんでした。このままでは、地震等がきたら、危険な状態です。修理をするとしてもかなりのお金がかかります。この修理費用は、自己負担する他ないのでしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 平成12年4月以降に竣工した家には、瑕疵担保責任という法律で施工や販売業者の責任が竣工後10年間、義務化されました。本件もこの対象案件である可能性があります。しかし、この法律は竣工までの設計や工事ミスによって発生する雨漏りや構造体の瑕疵に限られ、しかも新築物件のみが対象です。シロアリ被害については瑕疵担保責任の範囲から外れており、2次的要因であるこの雨漏りが竣工までの瑕疵なのかどうかの判断も、とても困難だと思われます。
 結論からいって、相談者(ハニーさん)にとってお気の毒ですが、本件の修理代金は、自己負担になる可能性が強いといえそうです。中古物件を購入する際には、外観だけでなく、土台や構造体の状況を調査すべきです。
 本件は、補修費用を負担させるべき業者が破綻して存在していないことになります。このようなケースは少なくありません。家を中古物件として購入する際の、「重要事項説明書」の有無と記載内容、またその関係者からどのような説明を受けたかを吟味して対応すべきでしょう。販売関係の業者さんに少しでも修理協力を得られると幸いです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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陥没処理


<東京都新宿区・SMさん(会社員・49歳・男)>


<〜NPO住宅110番より〜 以前より掲載中の「基礎下陥没の修復方法について」について、すでに掲載済みのアドバイスとは違った見地での、以下のようなアドバイスが寄せられましたので、掲載いたします。それぞれのアドバイスを参考にしていただけると幸いです。>

 たまたま「地盤の陥没」に関して検索していたところで、お悩みの件を拝見しました。本題はいつ投稿されたのかはわかりませんが、本当にその地盤面がご心配であれば、100%結果がわかるというものではありませんが、試掘してみることで陥没の原因を調べることはできます。
 ただ、現状をみるとベタ基礎であるため、建物の影響は今のところ見られないようですが、陥没部は支持力が弱くなっているでしょうから建物補強が必要かもしれません。つまり、山砂で締め固めても、基礎下に空隙がある場合には仮に締まったとしても流れていくことが考えられます。セメントミルクにしても局部的な補強ですし、広い範囲での補強は無理と考えられます。充分に地盤の状況を把握され、適切な処置をされる必要があると考えます。



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