住宅クレーム110番

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モルタルの塊


<杉並区・KMさん(主 婦・37歳・女)>



 新築です。隣家との境界にあるフェンス、基礎はコンクリートブロック2段になっています。温かくなってきたので、庭づくりをしようとこのブロックに沿ってスコップを入れたら、ガリっといって土を掘り返すことができませんでした。おかしいと思い、掘り下げてみると、ブロックに沿ってモルタルの塊がびっしりはりついていました。このモルタルがブロックの支えとなっているのでしょうか? その場合はこれらを無理に引き剥がさないほうが良いのでしょうか? フェンスを設置する場合はこのような施工になるのでしょうか? あまりにもモルタル塊の量が多いので質問させてください。よろしくお願いします。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 どのようなフェンスでどのような地盤に施工されているか、詳細がわからないので判断できる範囲でお答えさせていただきます。
 コンクリートブロックを積んで基礎にする場合、一般的に2段積みまでは基礎のために掘った部分に現場で練ったモルタル、もしくはコンクリートを流し込む「捨てコン仕上げ」という方法で施工しています。通常ブロック3段以上になると、ベース基礎等で鉄筋を組みますが、段数が2段ということもあり、捨てコンでベースをつくる簡単な方法で施工したのだと思います。
 相談にあるブロックに沿ってついているモルタルは、流し込んだモルタルの上にブロックを積んだときに押し出され、はみ出したモルタルだと思います。ブッロクの下をもう少し掘ると先に流し込まれたモルタルがブロックの下に見えると思います。この手の簡易的な施工の場合、1日で完了する(基礎部分は)のが一般的なので、モルタルを流し込んだ後、すぐにブロックを積んでいき、完了後すぐに土が埋め戻されます。ですので、ブロックに沿って掘っていくと写真のようなものが見えてくると思います。
 もしそうであれば、この塊は取らないほうが良いといえます。どのような方法や手順で施工するのかは全体の費用に影響します。そのため、金額と内容を決めるときに説明をしますが、確認はされていないのでしょうか。もし、されているのであれば、その内容と実際の施工が合っているかを問い合わせてはいかがでしょうか。また、施工前に確認されてないのであれば、工事を依頼した業者さんにこの塊が何なのかを素直に質問してみてはいかがでしょうか。使用材料や施工方法などを選択した根拠が明確に説明されれば、強度や費用等の要因に納得することができると思います。今一度、確認することをおすすめいたします。


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ふさがった土間に溜まった雨水


<神奈川県藤沢市・MNさん(自営業・34歳・男)>


 いつも拝見させていただいております。現在、新築工事中です。基礎や土台、上棟からずっと毎日のように現場に足を運んで状況を観察しています。よろしくお願いいたします。

■状況:家には6畳ほどの玄関土間があります。その土間は、基礎(内寸立ち上がり30cm)に囲まれています。基礎の工事の最後に、その土間部分に、RC砕石を入れ、軽く転圧し、蓋をするように15cmくらいのコンクリを打っています。密閉された箱のような状態です。
 完了した翌々日に軽い雨が降り、見てみると、あとから打ったコンクリと、立ち上がり基礎のコンクリの隙間から中に雨水が入り込み、唯一開いている土間の外側にある5cm角の排水口から微量な水が出ていました(排水口は完成の際に埋めるということです)。その日から、上棟まで2週間ほど間があるということだったので、大雨も考え、現場監督に「隙間をふさいだほうが良いのでは?」と訴えたところ、「コンクリも常に水分を蒸発するので大丈夫」との回答でその場を終えました。しかし、その数日後、大雨が2日間降り、かなりの雨水が入ったようで、上棟後(屋根が付いてから)1ヵ月半経つ今でも、常に排水口から水分が出ているようです。

■質問:このような状態で、完成時(1ヵ月後)までにしっかりと乾燥するものでしょうか? コンクリートの基礎幅は15cmあります。蓋のコンクリも15cmです。内側の水分はコンクリを通して基礎の外に排出されますか? 排出されない場合、コンクリが常に湿った状態であることによる弊害はありますか? もしくは、乾燥するまで相当な時間がかかる場合は、部屋内や土間に沿った室内壁をつたって湿気が上がるのではないかと懸念しています。常識的に考えて、風の通りのまったくない、完全に閉じてしまった土間内部の水分はそう簡単には乾燥しないように思うのですが…。ご意見をうかがえれば幸いです。

■写真の説明
a、基礎外側の排水口から水分が出ています。
b、基礎外側の型枠止めの隙間からも。
c、基礎内側の型枠止めの隙間からも。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 写真から、現在は上棟の状態にあるので、雨が降ると基礎の立ち上がりのある土間コン部には雨水が溜まります。そのために排水口を設けることは一般的な対応策です。これから屋根を葺き外壁ができると、こられの部分に外部から雨水が入らなくなりますので、排水口をふさぐことができます。
 ご質問は、完成までに土間内部・コンクリートの水分が抜けるかどうか? また、乾燥まで時間がかかる場合はその水分が建物に悪い影響をもたらさないか? の2点ですが、まず、土間下の水分はコンクリート土間を通して外部(室内)に排出されます。コンクリートは水分を通しますので、こもることはありません。また、コンクリートそのものの乾燥期間のことですが、一般的に半年かかるといわれています。したがって、建築中に常に窓を開けて通風を良くして外部に放出することを心がけ、時には床を何ヵ所か開けて床下にこもらないようにし、必要があれば除湿機を設置し水分を取り除きます。
 通常は、このような対応をした上で、お客様に引き渡し後も半年は換気を心がけることをお願いします。建物内の湿度が高いと、木材が乾燥収縮して狂いが生じ、カビ発生などの原因になりますので、建設中も完成後も湿度管理は必要です。


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基礎コンクリート打ちの時期と硬化遅延剤について。


<長野県・Oさん(会社員・47歳・男)>


 初めて投稿させていただきます。もうすぐ、6月末より着工予定です。新築場所は長野の南部です。信州ですが、夏には気温が30℃以上になることもあります。梅雨時に着工することになったため、いろいろと不安になってきました。「暑さ」と「雨」が心配です。気温が30℃近くなる暑い時期にコンクリート打ちをすると強度が充分に出ない、と建築設計担当者より聞きました。建築会社に非常に心配である旨伝えたところ、その会社では一般的に下記の対策をしていると言われました。
 暑さ対策については、(1)シート養生:基礎立ち上がり部分へのコンクリ打設時に天日に直接あたらないようにする。(2)散水養生:コンクリ硬化を早めないように散水を数回する。この2点で充分ではないかと思われる。梅雨の終盤でのコンクリート打ちは湿気があって外気温が高い。コンクリ打設には一番良い環境での工事ができると思われる。このほかの対策はほとんど経験がないが、基礎施工業者へ確認したところ、コンクリ硬化の遅延剤(生コンに配合)を使う場合もある。
 雨については、コンクリートを打った夕方に雨が降るのが一番良いくらいですし、散水もするくらいだから雨は心配しなくても大丈夫です──とのことでした。

 そこで質問です。
・コンクリート硬化遅延剤を使用してもらったほうが良いでしょうか?(有料にはなるそうです)
・もし使用する場合、弊害(コンクリの中の鉄筋が傷む等)はありますか?
・雨に濡れることは業者が言うとおり心配ないのでしょうか?
 基礎工事は非常に重要な工事と思います。暑さのためにコンクリートの強度に問題が出てしまったら…と思うと不安でしょうがありません(コンクリート打ちは7月中旬以降になると思います)。のちのち後悔しないために、どうぞアドバイスをお願い申しあげます。

<構造規模>
・新軸組工法2階建
・ベタ基礎 (深さGL-550 砕石t=120ランマー転圧 防湿フィルム 主筋D13 スラブD10-300@ 厚さ150)
・1階 94平米、2階 68平米



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
SUDOホーム
代表 須藤芳巳

ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 暑さ対策についてのご質問ですが、建築会社の対策が一般的なもので、模範回答になります。日光にさらされ、紫外線からの照射で型枠の木材成分が変化したり、乾燥することにより起こる(型枠がコンクリートの水分吸収するため)硬化不良を防ぐために、打設時前の散水は非常に有効であり、高温により起こる(コンクリートの急激な硬化)ひび割れ防止などのために、シート養生、打設後の散水も有効な対策になります。また、このような暑さ対策のため、いろいろな混和剤が出ていますので、必要であれば使用することも良いことです。
 いずれにしても、「キチンと強度が出ているか」が問題になります。テストピース(圧縮試験の試験体)を取り、テストピースによる圧縮試験を行い、仕様書どおり強度が出ていることを確認してください。不安を取り除くのに一番確実なことです。ぜひ実施してください。


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