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マンション上階の騒音:押入れを居室にDIYでリフォームし防音材なし


<愛知県・匿名さん(主 婦・女)>


 RC造、築15年のマンションに、私たち家族と実母が、別々の部屋を購入し、住んでいますが、母が上階の騒音に悩まされています。
 私と母は異なる階に住んでいますが、全く同じ間取りです。部屋は、いわゆる典型的な田の字型の配置の間取りで、南側にリビングと和室、北に廊下をはさんで洋室が2間ある、約70平米の3LDKです。先方のお宅は、夫婦と子ども2人(中学生女子と小学校高学年男子)の4人家族です。カタカタ、ドンドンと始終音が響いてきます。日中は我慢できるのですが、夜中も騒音が続くので、母は寝不足で我慢の限界の様子。母も相当辛いと思うのですが、愚痴を聞かされる私まで参ってしまいそうです。

 先方は「小さい子どもがいないから、わが家が騒音を出すはずはない」と思っているようです。しかし、よくよく聞いてみると、2人の子どものために南側の和室を2つに区切り、机を置いて子ども部屋にしているとのこと。しかも和室は6畳で狭いため、ご主人が押入れをDIYで取り払い、そこも子ども部屋として使用しているそうです(家に上げてもらい、実際の部屋も見せてもらいました)。
 このマンションの押入れの床は、コンクリートの上に根太を渡して空洞ができた上にベニヤ板を張っただけの仕上げで、防音材は入っていません(管理会社に確認済み)。先方は、そのベニヤ板の上に、市販のビニールタイルを敷き、その上に子どもの机を置いています。先方は「防音材が入っていない箇所は、机や棚が置いてあるだけで、歩いたりしていないので問題ない」とのこと。
 しかし、同じマンションの他の部屋に比べ、上階の音が増幅して伝わってきている気がしてなりません。なぜならば、私たちの住む部屋の真上に、幼児が2人いる一家が住んでいたことがあるのですが、時折走る音やおもちゃを床に落とす音が気になったことはあるものの、絶え間なくカタカタという音が聞こえたり、ドスンという衝撃音が聞こえてくるようなことはなかったからです。また、音がずいぶん近くに聞こえる気がするのです。防音材が入っていない箇所から、音が増幅して流れ込んできているのではないかという気がしてなりません。

 そこで、まずは第一段階として教えていただけたらと思うことは以下のことです。
(1)マンションの押入れを、管理会社や管理組合に無届けでDIYで改造することは、許されるのか?
(2)マンションの居室の床の一部が、(たとえ普段歩かない場所だとしても)遮音がまったくされていない状況というのは、常識的に考えて、許されるものなのか?
(3)遮音されていない床から、部屋の音が増幅されて伝わることがあるのでしょうか?
(4)先方の床に防音対策を依頼する場合、具体的にどのような材料を、どのように施工すれば良いのか。またその費用は?
(5)先方が防音工事に応じてくれない場合には、母の部屋の天井で防音対策をしたいと思います。その場合、具体的にどのような材料を、どのように施工すれば良いのでしょうか?



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

(1)マンションの押入れを、管理会社や管理組合に無届けでDIYで改造することは、許されるのか?
 マンションにはそれぞれの管理組合規約があり、その決めごとも一律ではありません。しかし程度の問題はありますが、基本的には管理組合に工事の届け出をしなければなりません。それを無届けで工事を行い、他の居住者に問題が生じた場合、問題を話し合うのも管理組合の役割の一部です。ただし、満足のいく解決になるかどうかは別問題ですが。

(2)マンションの居室の床の一部が(たとえ普段歩かない場所だとしても)遮音がまったくされていない状況というのは、常識的に考えて、許されるものなのか?
 音の問題は遮音、吸音、防音等といろいろな言われ方をし、捉え方も人それぞれで違います。また、音の性質や伝わり方も違うと、対策もまったく違ってきます。マンションによっても違いますが、すべての床に音の対策をしているマンションはまだ少ないと思います。マンションは音のトラブルが一番多く、最近では音そのものが伝わりにくい構造を売りにしているマンションも出てきております。

(3)遮音されていない床から、部屋の音が増幅されて伝わることがあるのでしょうか?
 音の性質、伝わり方、伝わる環境それぞれは密接に関係しております。太鼓のような環境だと、叩く音がとてつもなく増幅します。住宅も似たような環境だと増幅しますが、今回の場合、増幅しているかどうかはわかりません。

(4)先方の床に防音対策を依頼する場合、具体的にどのような材料を、どのように施工すれば良いのか。またその費用は?
 一般の人が現況を見て、音を聞いて状況を確認しても、完璧な対策は難しいものです。音の性質にもよりますが、一般的な対策としてはマンションの構造体に響かないような素材、床上はカーペットや畳、裏にラバーがついた遮音フロアー等が考えられます。ちょっと価格は高いんですが、最近はゴム板の防音材を使用するケースも多くなってきました。費用的には押入れの床だけの工事なら10万円以内だと思います。ただ先方様との問題や、その場所だけで解決できるかが心配です。

(5)先方が防音工事に応じてくれない場合には、母の部屋の天井で防音対策をしたいと思います。その場合、具体的にどのような材料を、どのように施工すれば良いのでしょうか?
 まずその前に、管理組合にご相談するべきです。問題の内容がマンション特有のトラブルであり、もし天井に防音対策で構造体がからむ場合は、マンション共有の問題ともなってしまいます。音はコンクリートの構造体を伝わってきていると思われますので、天井裏で防音材といわれる遮音材や吸音材を入れたり、二重天井にしたりする方法もあります。いずれも階下天井裏での対策は大変な割りには効果は少なく、階上の床で対策を考えたほうが良いと思います。

 マンションの音問題は、音を出すほうの尺度と聞くほうの尺度も一律に決まっているわけではなく、それぞれの感覚や独自の常識、価値観の問題にも関わってきます。それを公平に判断し、互いが納得する方法で解決するのは、言い放しで、何の権限も持たない私としては判断しづらいものがあります。もし思っていた音の緩和が得られない場合、新たなトラブルに発展し、問題を複雑にしてしまうことにもなりかねません。そのような状況の中で私が一番良いと思われる解決方法を、下記に書かせていただきます。
▼手順
1、まず、ここの「クレーム110番」で、マンションの音に関するトラブルが多数掲載されてるので、その事例を参考にする。
2、次は管理組合に相談して解決する方法を探る。
3、どうしても独自で工事をしなければならない場合、現地の建築指導センター等で専門家に相談してから行う。
4、最後の手段としてお母様とご自分の部屋を取り替えてしまう。


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騒音問題で転居されたときの基準について


<kさん>


<〜NPO住宅110番より〜 ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんで同様の問題を解決された方や、ご意見・アドバイスをいただける方、ご投稿ください。>

分譲マンションでの騒音で転居され、賃貸マンションにお住まいの方は、転居の際にはどのような基準で物件探し、物件選びをされましたか? 現在、賃貸住まいで、下階の騒音に悩まされております。よろしければ、ご参考までお教えいただければと存じます。




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