住宅クレーム110番

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J110 News

給湯管からの水漏れ


<千葉市・SYさん(会社員・49歳・女)>


 初めて質問させていただきます。お力を貸していただければ本当に助かります。よろしくお願いします。
 築13年のマンションですが、階下で水漏れがあり、調べたところ我が家の給湯管から水漏れしていました。床に穴をあけて確認したところ、床のボードすれすれ15センチくらいプールのように水が溜まっていました。穴から水を吸い出して、水漏れ箇所を止めているので今は水漏れはありません。水は2トンくらいあったということです。長年ひどかった結露が排水後になくなったことや、何回か階下の排水管から水があふれたことがあるため、かなり以前から水が溜まっていたと考えています。

(1)30センチ四方くらいの穴を2つ開放しているのですが、自然乾燥だけでよいのでしょうか? 穴からのぞくと濡れたコンクリート部分がまだあります。
(2)床下にカビの発生がないかどうか調べる方法はあるでしょうか?
(3)カビや虫の発生を防ぐ方法はあるでしょうか?
(4)大量の水を含んだコンクリートは今後大丈夫なのでしょうか?(表面は大部分が乾いたようです)
(5)床を支えているプラスチックの台座のようなものや木材は腐ったりしないのでしょうか?
(6)床はパーティクルボードというもののようですが、水のあった裏面は白カビのようなものが付いています。放置しておいて大丈夫なのでしょうか。また、配管部分にもずっと白いものが付着しています。これもカビでしょうか。

 漏水の問題部分を確認すると、配管が3本接触して交差しており、給湯管はその真ん中で曲がった(曲げられた?)状態です。
(7)給湯管は被覆銅管というもののようですが、正常な使用をしていて寿命はどのくらいなのでしょうか?
(8)通常、間隔もあけず重ねて交差させて配管するものでしょうか(管は丸くなくいびつになっています)。
(9)その配管が適正なものかどうか調べていただけるような所はないでしょうか?
(10)給湯管の上下は給水管・排水管のようですが、給湯管と接触していたことで悪い影響はないのでしょうか。
(11)管理会社はアフターサービス期間を過ぎているからということで、最小の対応しかしていただけないようです。まっすぐな部分が破損していたなら運が悪かったとあきらめることもできますが、どうにも納得いかずにおります。どうぞよろしくお願いいたします。
添付画像



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 マンションの水まわりは、床スラブ上に転がし配管を行うため、床スラブが150ミリ下がっています。この部分に水が溜まったものと思いますが、水量から逆算すると、リビングや他の寝室の下にも溜まっていた可能性があります。他の部屋の床下も調べたのでしょうか? 古い建物であればコンクリートスラブにクラックがあり、すぐ下に漏水しますが、比較的良い床板だったものと思われます。階下のどこに漏水したものかわかりませんが、通常は階下の漏水住戸に多大の被害をもたらします。
(1)30センチ四方くらいの穴を2つ開放しているのですが、自然乾燥だけでよいのでしょうか? 穴からのぞくと濡れたコンクリート部分がまだあります。
:住戸の1/3程度の範囲が濡れたと思われますので、広範囲で乾燥させる必要があります。開口部を数か所に広げ、ファンで乾燥させる必要があります。濡れたコンクリート面があるようでは、まだ未乾燥です。よく乾かしてください。濡れた箇所がなくなっていることを確認してください。
(2)床下にカビの発生がないかどうか調べる方法はあるでしょうか?
:水が溜まっている間にカビが発生していても、乾けば発生は止まります。
(3)カビや虫の発生を防ぐ方法はあるでしょうか?
:日本の環境では、高湿度なら確実にカビが発生しています。乾燥が終われば大丈夫だと思いますが…。
(4)大量の水を含んだコンクリートは今後大丈夫なのでしょうか?(表面は大部分が乾いたようです)
:大丈夫の意味が不明ですが、強度的には問題ありません。
(5)床を支えているプラスチックの台座のようなものや木材は腐ったりしないのでしょうか?
:プラスティックは問題ありません。木材は水に浸かっていた期間にもよりますが、おおむね大丈夫でしょう。
:壁のボード類は大丈夫ですか? 下のほうが水を吸っている可能性があります。一度水を吸ったプラスターボードは膨らんで戻りません。ビニールシートが膨らんでいる箇所がありませんか?

(6)床はパーティクルボードというもののようですが、水のあった裏面は白カビのようなものが付いています。放置しておいて大丈夫なのでしょうか。また、配管部分にもずっと白いものが付着しています。これもカビでしょうか。
:何ともいえません。配管に付着しているものは、滞留水の中の炭酸カルシウムや不純物、またはモルタルやコンクリートから析出した水酸化カルシウム・水酸化ナトリウムなどが空気中の二酸化炭素と反応した「白い粉」(炭酸ナトリウム・炭酸カルシウム)と思われます。今後、乾燥状況が維持できれば悪化することはないでしょう。
(7)給湯管は被覆銅管というもののようですが、正常な使用をしていて寿命はどのくらいなのでしょうか?
:銅管の耐用年数は15〜20年です。被覆銅管は薄肉銅管が使われていますが、マンションの専用部に用いられた場合は、使用時間が限られているので厚肉銅管と同等と考えてよいでしょう。最近では架橋ポリエチレン管が主に使われています。

(8)通常、間隔もあけず重ねて交差させて配管するものでしょうか(管は丸くなくいびつになっています)。
:通常は写真のような無理な配管はしません。交差はやむを得ないですが、管が変形するような配管は、絶対にやってはいけない不適切な施工です。写真の場合でも、給水配管をちょっとずらせば、交差はあっても、無理な配管とはなりません。写真のようにつぶされて曲がっていても、とりあえずはお湯が出るし、不具合は起きません。ただし、給湯配管はお湯により膨張・収縮を繰り返しますから、曲がったところに応力が集中し、長い間に穴があくことになります。また、お湯の通る断面がつぶれて流速が早くなり、断面変形による偏流の影響もありますから、孔があいたということも考えられます。

(9)その配管が適正なものかどうか調べていただけるような所はないでしょうか?
:信頼できる設計事務所・施工会社に写真を見せれば、調べるまでもなく、どこでも小生と同じ回答をするでしょう。公的機関はありませんが、弁護士に相談すれば、弁護士会などを通じてどこか紹介してもらえるかもしれません。ただし、施工会社は同業者を刺すような形になりますので、こういうことは辞退するかもしれません。建築トラブルに関する相談窓口はあちこちにあります。ホームページで探してください。

(10)給湯管の上下は給水管・排水管のようですが、給湯管と接触していたことで悪い影響は無いのでしょうか。
:常時温度の高いお湯が通っていたわけではないので、ほとんど問題ありません。
(11)管理会社はアフターサービス期間を過ぎているからということで、最小の対応しかしていただけないようです。まっすぐな部分が破損していたなら運が悪かったとあきらめることもできますが、どうにも納得いかずにおります。
:デベロッパーと元の施工会社に連絡しましたか? 明らかな施工ミスですから何らかの対応は要求できるでしょう。
:修理はどこがやったのですか? 修理の費用負担はどうなったのですか? 保険でやったのですか?
:納得いかないとは、どういう意味でしょうか? 修理の費用負担だけでなく、床の張り替えや、ボード類の補修までしてほしいとのことでしょうか? この場合は施工会社との話し合いになります。
:管理会社は単なる連絡係です。交渉相手は、元の工事を行った施工会社です。デベロッパーが仲介役ということになるでしょう。まずは、管理組合に相談してください。


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外壁のつなぎ目から水漏れ


<名古屋市・Yさん(主 婦・40歳・女)>


 初めまして。新築して1年3ヵ月になります。今年1月にカーポートを施工したところ発覚したんですが、雨が降ると玄関横のバルコニーすぐ下の一定の区間の外壁の上下のつなぎ目から、複数水が流れ出していることがわかりました。建設屋に問い合わせたところ、外壁の裏を流れている分には支障はないとの話でしたが、玄関屋根の瓦の隙間などをコーティングしました。でも水漏れは止まらず、そのあと、瓦と樋の間一部分、バルコニーの外壁のつなぎ目をコーティングしました。そうしたら、今度は外壁の中を伝って外壁の一番下、基礎のすぐ上から水漏れしたり、バルコニーの下のボードのつなぎ目や外壁の真ん中あたりの高さからも水漏れがするようになりました。外壁の一番下から水漏れしてる場所は、サイディングを取り付けるための木がある場所のようで、その木が腐らないか心配です。
 建設屋は、家の建っている場所が高台で風の強い地域なので、風が雨を巻き込んで瓦の下から雨が入って漏れると言っています。確かに風向き、雨の量によって水漏れの仕方は違うんですが、風があまり吹いてなくても漏れるときもあります。風が強いからといわれると台風がきたら、どこの家も水漏れすることになるのでは?と納得がいきません。今度は、瓦と樋の間をすべてふさぐようなことを言われましたが、空気を循環させるために開けてある隙間をすべて塞いでしまって本当に大丈夫なのかと、とても心配でもあります。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 ALC板や断熱パネル、発泡断熱などの特殊工法では、通気層を用いないものもありますが、本件の外壁は、通気層があることを前提で外壁が構成されているようです。画像が無いので文章だけで状態を正確に掌握することができず、抽象的な回答になってしまうのが残念です。
 外壁の裏側は、外壁材だけで防ぎ切れない漏水を除去し、外壁材の乾燥を促し、外壁材が受けた太陽熱などを逃がすための通気層となっています。業者さんが主張しているように、単に外壁の裏側を雨水が流れているだけなら何の問題もありません。
 しかし、文章で判断できないのですが、瓦と雨樋のことが書かれていることが気になります。 本来、屋根瓦からの雨水が外壁に伝わらないような構造になっていなければなりません。瓦を伝った雨水は、雨樋を通じて外壁を伝うことなく排水されていることが基本です。
 通気層は、サイディングの下部から空気を取り込み、その上部(軒天の付け根)から開放する構造が基本となっています。したがって、吹き上げるような風雨によってサイディングの裏側に雨水が入ることもありえます。質問者が仰せのとおり、むやみに通気層を塞ぐことは上記のような機能を阻害します。
 サイディングの下部の「木」という記述がありますが、水切り台だと思われます。その木には必ず、トタンかアルミの水切りプレートが取り付けられているはずであり、木が風雨や紫外線に曝される付け方はしないのが普通です。このような構造になっているかどうかをしっかりとチェックし、業者さんと交渉すべきと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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床下の黒カビと湿気


<静岡県静岡市・ISさん(女)>


 築21年の一戸建て。新築当時より畳はカビだらけ。大工さんには、以前住んでいた家(同じ土地)が湿気が多かったため、対策はくどいほどお願いしてありました。数年前に床下工事の業者に見てもらったところ、どこも黒カビでいっぱい、とのことでしたが、そのまま何も手を付けないまま今日に至っております。最近では雨が続いたときにすっぱいような匂いがします。床も部分的ですが「ブカブカ」し始めました。いろいろ拝見し、庭よりも床下のほうが低いのではないかと思い始めています。また、山の斜面の下に家があります。根本的な解決を急いでしなくてはなりません。わが家の場合はどの組み合わせが一番効果的なのか、知識も予算もあまりありませんが、効果的な解決法をお願いします。よろしければ、自宅に近い信頼できる業者さんも教えていただければありがたいです。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 文面から判断しますと、かなり水はけの悪い敷地に建った家屋のように思われます。地盤を掘って水が沸いてきたら、その水面の高さと、地盤面からの寸法を「地下水面位」といいます。例えば試しにご自分でスコップを使ってでも敷地を掘ってみて、1メートル以内まで水が上がってくる場合は対策が必要です。床下の地盤面に砂などを敷いて嵩上げを行い、その上にポリフィルムを被せて継ぎ目を乾燥砂で押さえるなどの施工が有効です。また、山の斜面と家屋との間に側溝か暗渠を入れて、山から流れてくる雨水を敷地内から排除する対策もあります。
 床下に換気扇や調湿材などの設置や散布をするためには、まず上記の対策を行ってからでなければ効果を発揮いたしません。対策を行わなければ、土台や柱、間柱にとどまらず、1階下部すべての部材を取り替えるなどという大事にもなりかねません。
 知識も予算も無いとのことですが、さらに時間もありませんので、早急な対策を実行すべきです。ご近所で、経営者の顔の見える工務店さんに、上記記載の事項を確認させてから施工依頼をすべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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