住宅クレーム110番

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建物の配置位置がNGで建築会社と対立しています。


<愛知県・Tさん(会社員・43歳・男)>


 はじめましてTと申します。戸建の新築注文住宅で現在建築工事は、上棟が済み外面一面に補強面材の施工が終わり(サッシを入れる前段階)、室内は根太施工完了といった状態で工事を一時中断しています。
 というのは、つい先日に外構業者のところで外構プランを立てていて気づいたのですが、愛車を南側、駐車場へ入れると壁面ギリギリでまったく余裕がないことが判明しました。(それなのに北境界から家までは広く空いているのです。)一応、平面図はいただいてはいましたが、図面では以外と違和感がなく、こんなものかなーくらいに思っていました(住宅会社を信頼しきっていました)。
 自分の確認不足であったのか? と大変悩んだのですが、ふと今までのことを振り返ってみると、建築会社側からの配置検討はスケジュールには3回と明記してあるのですが、初回打ち合わせから今まで、配置に関する討議はまったくありませんでした。最重要な地縄確認もなかったのです。私は家の内部等の仕様選定で頭が一杯でした。今の今まで建築会社側から家の敷地に対する配置検討がなかったといえる状態でここまで工事が進んでしまったのです。
 「やり直してほしい! 納得がいかない!」と建築会社上層部に伝えましたら、「地縄確認をしなかったのは悪いが、うちだけの責任ではない! 平面図は渡しているのだから」といいます。もうすでにかなりの費用(@700)がかかっているので、基礎から(一から)やり直しはあり得ない! 元のベタ基礎に追加で基礎を継ぎ足し&家と現基礎を切り離し、家を移動するというのです。当然、基礎の強度は、契約上のベタ基礎ではなくなり強度低下は否定できないので私としては、納得がいきません。(場所が場所だけに)
 このままだと、その対策になってしまいそうなのですが、建築のプロが素人を相手に建物の配置計画をまったくといっていいほど検討、監督しなかった責任としてこのような対応は妥当といえるのでしょうか!?  こちらはあくまで建築に関し素人なのです。契約約款にも「施主立会いのもと地縄確認する」ということがうたってあります。やり直しではなく、改修(費用は建築会社持ち)。本来、配置確認していたら…という希望の間取りも融通が利きません。ほとんど、契約内容とは違う基礎の弱い建物になってしまいます。
 私は一生をかけた人生最大の大きな買い物で、住宅会社の都合で、当初のまま正規の料金を払うのに、そのような対応に我慢しなくてはいけないのでしょうか?  住宅会社の取締役からは「裁判にしても100%勝ちはありませんよ!」とクギを刺されています。こういう問題にお詳しい方、アドバイスよろしくお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 駐車スペースを確保できないため建物を移動する必要が生じ、建設会社から「その対策として現ベタ基礎に基礎の継ぎ足しを行い建物を移動する」と言われたとありますが、移動する側に外周基礎を設け、移動した側の外周基礎を切り離すという単純な工事では、基礎の構造として成り立ちません。ベタ基礎はこれ自体で荷重を受けているので、継ぎ足すにしても鉄筋の定着長さ(鉄筋径の40倍)が確保できなければ土間が一体とならず折れてしまいます。継ぎ足す部分の既設のコンクリートをはつり、鉄筋を出すことも上屋があるので無理です。また、内部間仕切りの下にも基礎があると思いますので建物の移動によって基礎のないところに間仕切壁が移動してしまうと考えられます。アンカーボルトを切らないと移動できませんが、移動後のアンカーボルトはどのようになるのでしょう。
 上記のことから、間取りや基礎形状がわかりませんが、単純な上屋移動はできないと思います。今回のような場合の対策としては、正式な『曳き舞』の施工をすることです。建物を持ち上げ、既設の基礎を解体し、移動位置に新たに基礎を設け、その上で建物を移動し、新たな基礎に据付をする工事です。技術的には確立されていますので専門業者であれば問題なくできます。基礎の継ぎ足しのような簡単な費用ではできませんが、上屋をつくり変えるよりは、はるかにローコストででき、居住しながら工事することも可能です。
 今回の問題は建物位置の確認不足からきています。建物位置の確認は設計管理者の責任で施工業者の責任ではありません(図面通り)が、設計・施工での請け負い契約であればどちらにしても逃れられません。施主側にも早い段階(設計図は貰っているので)で言えば大きな問題にならず、確認ミスもあるのですが、車社会において駐車スペースが確保できないというのは大きなことであり、現地での立ち会いもなかったということは建設会社側に大きな責任があると思います。裁判を考えた場合、
 1、基礎の継ぎ足し
 2、正式な“曳き舞”
 3、解体作り直し
がありますが、その場合、正式な『曳き舞』(会社側の費用)になることが予測されます。単純な基礎の継ぎ足しは構造的に成り立ちませんので、『曳き舞』を申し入れ、問題解決を図ることをおすすめいたします。


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床鳴りで困っているようなのでアドバイスいたします


<床鳴り担当Nさん(その他・男)>


 下地(コンクリート)は、打設後3週間以上経ってから職人の手によってフローリングが張られます。下地の不陸は1mあたり3mm以下として調整され、大きい不陸のまま張ると、張った職人が叱られるのです。(検査が多数あり)でも絶対にないとはいえません。
 某メーカーの製品は厚さ12mm、防音のF45表面は突板、合板にはスリット、下部には5mmのクッションがついており、踏むと堅いところとやわらかい部分があり、浮いているように感じます。コンクリートにウレタンボンドを乗せ、クシ目ゴテで塗布しフローリングを張っていきます。張った時は含水率約10%プラスマイナス2%ですから、水分を含んで1%上がると0.02mm伸びます。(実際は下にウレタンボンドとクッションがくっついているのでこれ程伸びない)
 廊下ですと平均で36枚程度になり含水率が上がって膨張してくると,巾木の下にとってある隙間以上にせってきて、隙間がなくなりフローリングが柔らかいので左右で擦れて床鳴りが発生します。この音は乾燥させる(風を通す)ことで鳴らなくなります。足で踏んでギシギシ、キュキュといつまでも止まらない床鳴りは、専門の職人にまかせれば完全には無理ですが(小さな音が残る場合があります)補修で、潤滑油だけで、ほぼその場で止まります。いずれにせよ、売主と相談してください。きっと良い解決方法が見つかります。



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