住宅クレーム110番

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J110 News

床下のかび


<北九州市・HRさん(主 婦・64歳・女)>


 築33年の木造家屋(水田1m埋め立て。布基礎)のことでお尋ねいたします。

(1)床下の白、黒、緑のかびで困っております。床下の土も湿っており、布基礎コンクリートの5〜7cmくらい、水で濡れたようになっております。このHPで砂をまき、ポリフィルムを張るとありましたが、その際、砂の下の水分はどのようになるのですか。また気温が上がったり、通風孔から風が入ってきても、ポリフイルムが邪魔して、いつまでたっても砂の下の土は乾かないのではないのでしょうか。

(2)隣地(うちより30cmくらい高い)の家からいつも水が少々流れてきて、隣地との間の溝(セメント塗り)に滞っています。何年もの交渉の結果、風呂や台所の壊れたパイプは直してくれましたが、まだ旧式のため枡から白い水などが流れております。その溝は勾配も少なく、3分の1くらい剥げかかっています。隣地は擁壁をついていますが、うちは下から全部ブロックです。その水が滞っている部分のうちのブロックに穴があいています。うちの地面はその溝の底部分から60cm上にあります。またこの溝にはまだ3軒上のほうからも流れてきており、雨の時には水かさ8〜15cmになります。うちも擁壁をついて、U字溝にしないといけないのでしょうか。この一面だけで23mもあり、金銭的に悩んでおります。

(3)屋根(化粧石綿スレート葺き。1度塗り替え済み)がかなり傷んでおります。現在のものは昔のより品質が大分良いと聞きましたが、葺き替え時期にきているのでしょうか。

長々と読みづらかったことと思いますが、ご意見いただければ幸いに存じます。  



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 床下環境がかなり深刻な状況にありそうです。床下に白、黒、緑のカビがあるということですが、そのカビが土台や柱に波及すると家の構造体に大きなダメージを与えます。
 文章だけで詳細を掌握できませんが、水はけの悪い地盤であることはうかがえます。1階の床面から、床下の地盤面までどれだけの寸法があるかにもよりますが、外部地盤面(GL)から床下地盤面が10cm程度、高くなっているかどうかを調査すべきです。おそらく、GLと床下地盤面が同等か、床下GLが低くなっていそうにも思います。
 ポリフィルムを敷き込むのは、GLより床下地盤面が高くなっていることが前提です。もし、同等か低い場合は、砂か砂利などを仕込んで高くすることが必要です。床下寸法の関係でそのような手法ができない場合は、深い側溝か暗渠をつくる必要があります。高額なU字溝でなくとも素掘り側溝でも効果があります。床下の地下水面位(地面を掘って出てくる水の高さ)を低くすることが目的です。側溝設置の費用もかかりますが、構造体の腐朽菌増殖を止めなければ、もっと深刻な状態になることも考えられます。
 屋根(化粧石綿スレート葺き。1度塗り替え済み)はそろそろ葺き替え時期になっているように思います。「現在のものは昔のより品質が良い」といいますが、33年前のスレート屋根と比べますと、現在は無数の種類が販売されており、価格や種類によっては、高耐久性能にかなりの格差があります。慎重に選定すべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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2世帯住宅音の問題


<愛知県一宮市・OYさん(会社員・40歳・男)>


 完全同居の2世帯住宅を新築中です。1階両親の寝室の上に子ども部屋があります。木造在来工法で2階の音が心配です。工務店は2階のスギの無垢フローリングの下地床材として、D社の断熱・吸音材を敷くと言っているのですが、充分かどうか心配です。各部屋の戸も引き戸で遮音性が低いかもしれませんが、せめて話し声や歩く音が聞こえにくい程度に1階天井、2階床下、壁に防音に配慮した施工をしたいと思います。具体的にどのような工事をどんな材料ですれば良いか教えていただけるとありがたいです(子どもは3歳、両親は70代)。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 多くの2世帯住宅を建築してきましたが、階下に住む両親は意外と孫の元気な足音を気にする事例が少ないようです。家族の営みを良いことのように感じられる家族関係を保持できるているからでしょう。むしろ、お母さんのほうが両親に気遣いし、その気遣い気配りが良好な家族関係を保持することにもなりそうです。つまり、2世帯住宅で幸せな生活を送るには、そのような家族の信頼関係が不可欠ということです。
 遮音に関する技術的な方法ですが、「無垢フローリングの下地床材として、D社の断熱・吸音材を敷く」という方法は、かなりの効果が期待できます。在来工法は2×4工法より、室内反響音や振動音が少ないので、上記の方法は適切なものであるといえるでしょう。さらに両親の部屋の天井に遮音シート(鉛の入ったシート)を敷いて、その上に両面に何も付いていないグラスウールを吸音材として敷くとさらに効果的です。
 この遮音シートを両親の天井、壁全部とドアや戸に挿入する方法もあります。多少の費用はかかりますが、両親への気遣いとしてはとても良い方法と思います。また、騒音の出そうな部屋すべてにこのような遮音仕様で施工することも良いでしょう。
 しかし、鉄筋コンクリートの家と異なり、木造住宅では、人の生活音を完全遮音を求めるのは困難です。やるべきことを行って、あとは家族愛の構築が不可欠と思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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