住宅クレーム110番

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J110 News

上棟後の雨ざらし


<三重県四日市・R・Sさん(28歳・女)>


 上棟が終わり屋根が上がったのですが、まだサッシなど入っていなく、横は何もしていない状態で天気予報を見ていたら、明日は雨ですということで不安に思い、業者に連絡を入れて、雨への養生をお願いしました。

 ブルーシートを張らなくて大丈夫かなど必要以上に確認したにもかかわらず、朝見に行くと足場のネットすら張っていなく、床の合板には水がたまっており、大工さんがあわてて水を切っているのを目撃…。言わなくても雨に対しての養生してくれるのが当たり前と思っていたのに。言ってこれなのっと怒りがこみ上げてきました。

 業者には乾かせば問題ないと言われましたが、不安が残りますし、工期の延期などで金銭面でもこちらの負担が増えるのはおかしいと思いますが、どこまで言っていいものかと迷いもあります。教えてください。



アドバイスいたします
高島 忠義(北海道建築士会 当別支部 青年部長)

 R・S様だけではなく、ほとんどの皆様が感じていることだと思いますが、家を建てることは、人生でも数少ない貴重な経験をされる事業ですし、ましてや、みなさん相当な思い入れを込めて設計し、自分の家をつくるという一大イベントでもあり、その間にはわからないことや初めての事柄が多く、大変苦労されていると感じています。

 さて、ご質問の件についてでありますが、『床の合板に雨水がたまってふき取っている』状況を想像しますと、たぶん、下地材の合板のことを意味していると思いますが、合板の濡れ具合によっては、多少変わると思います。何日も水に晒されて、その合板がふやけているなら、当然、乾かしたとしても木材の強度や接着剤等が劣化しています。その場合は取り替えていただくのが賢明かと思いますが、多少の雨水で、雑巾等でふき取り、乾燥後に最初の状態に戻る程度であれば、大丈夫かと思います。
 養生シートにつきましては張り方によって、うまく施工しないと、風が吹けば安いブルーシートは夜など隣近所に騒音で迷惑をかけます。また少しでも雨が浸入してしまったら、雨がやんで天気になれば蒸れてくるので即はずさなければならず、梅雨など雨の多い時期は大変です。それを煩わしく思う工務店が少なからずいるとは思いますが、通常の工務店であれば、今後のメンテナンス等、建主との今後の関係を考えて、建主が心配しないよう現場には十分に配慮して施工するとは思います。ただ、そこの工務店は、前日にR・Sさんからも申し出があったにも関わらず雨の対策を怠ったことについては、多少疑問が残るところだと思います。

 それと、工期の延長により建主に負担を負わせるような記述がありましたが、長雨によって一時工事が中断しなければならない状況が発生した時などは別として、今回のような養生作業が増えることによって工期が延長されるものでないと感じます。一様には言えませんが、通常は、契約工期内に納めれるよう作業工程を考えて施工しますし、契約工期についてもそれらを考慮して少し余裕をもった工期設定をするはずです。
 また養生シートについては比較的安く購入でき、通常の養生代は仮設費の一部であり、当初の契約に含まれているかと思いますので、建主に新たに負担を課すものでないと考えますが、契約内容がわからないので、何とも回答することは難しいのです。工務店とよく話し合っていただくしかないかと思います。

 ちょっと気になるのは、『足場にネットすら張っていない』とのことでありますが、法律上「境界線に近く(5m以内)、高さ7m以上の建物を、建築や外壁の修繕等、高所で作業する際にはゴミや木屑などの飛散防止と資材など落下防止、また落下物の危険を回避するため、ネットや帆布等で覆わなければならない」とされています(建築基準法施行令第136条の5)。設計士や施工監理者等は建築士の資格をもった方がやられてますので、その方など第三者を間に入れて工務店とよく話し合っていただくのも問題解決の一つだと思います。


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新築なのに風が吹くと屋根がガタつく


<室蘭市・Kさん(公務員・35歳・男)>


 家を建ててまだ8ヵ月です。家の形態は外壁、屋根ともガルバリウム鋼板で、屋根はフラットルーフ(1/100勾配)で東西に長尺葺き(7.2m)で、東側に雨が流れるように勾配がついています。
 東からの風が吹くと屋根裏からガタガタと、何かが持ち上がってまた戻るというような音が鳴るので施工会社に見てもらったところ、「小屋裏の通風孔から風が入り鉄板が多少持ち上がって音が鳴っている。長尺葺きなので多少の音が鳴るのはしょうがない、ほかでもよくあることだ」との回答。
 正直、風が吹くと屋根の鉄板がガタガタ鳴る家など今まで聞いたこともないのですが、この屋根の形状ならば本当にしょうがないことなのでしょうか。しかもガタガタ音は多少ではなく、居間にいても非常に気になるくらい鳴っています。



アドバイスいたします
旭川市春光4条8丁目11-13
有限会社飯田板金工業
飯田 均


 建物の状況(写真)や音が聞けるとわかりやすいのですが、風の強い所では風の負圧(持ち上げられる力)により屋根トタンが多少のバタバタ(板鳴り)というような音はします。

 本件の場合、強風時に音の出所と音質を確認する必要がありそうです。「小屋裏の通風孔から風が入り、……」音が鳴っているのであれば、換気量をある程度制限すれば改善は望めると思います(室蘭であれば小屋裏に風が吹き貫けるまでの換気は必要ないと思います)。また、屋根上でトタン板が風でバタバタと音がするようであれば、対策は少ないのですが、トタン板の中ほどにスジを付ける・ハゼを締めなおす、などができます。

 風の強い地方では屋根に断熱材が張ってあれば、多少音は軽減されます。また、屋根トタンと下地材の間にコーキングを塗って(部分的に)トタンと下地材を接着して、板鳴りを防ぐ方法や下地材が両面接着タイプの制品で接着する方法もあります。

 まずは音源を確認してください。


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