|
![]() 破風板と軒天の塗装はく離<名古屋市緑区・ttさん(会社員・38歳・男)>
わが家は建てて3年半が経とうとしております。2年経った頃に軒天の塗装が剥離してきました。それ以前より軒天を手で触ると手が白くなっておりました。雨が吹き上がる日などは、軒天が濡れ、上から白くなった水が落ちてきて外壁のサイディングが白くなるほどです。
破風板についても、3年を過ぎたところから、玄関とベランダ側(雨といの後ろ側)の塗装面が剥離するようになりました。*破風板は設計図を見るとセメント化成板となっております(触ると手に塗装の色がつきます)。 この年数で塗装が剥離してくるのは普通なことなのでしょうか。原因は何だと考えられるでしょうか? 業者にクレームで修理させることは可能でしょうか。教えていただけますか。 添付画像 アドバイスいたします いずみ建築工房 泉 徹 電話:011(738)2006 ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/ 建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/
細かい状況はわかりませんが、塗装の剥離は凝集破壊でしょう、塗装の引張り張力が強くて下地に接着していられなくなり剥がれるのが「凝集破壊」といいます。
破風はセメント成形板でしょうが、実際はケイカル板ではないでしょうか? 推測として、塗装を塗るための下地処理(プライマー)が素地との相性が悪い、塗料その物の品質が適切であったかも疑う必要があります。 塗装保証は一般的に2年ですから、クレームとしては困難でしょう。環境を配慮して石油系溶材から水性に替わり、塗装自身の性能が悪くなっていることも考えられます。 |
![]() 外壁のヒビ<千葉県山武郡・NKさん(公務員・39歳・男)>
新築の設計段階からいろいろと参考にさせていただいています。
さて、わが家は新築3年半が経過したところなのですが、最近になって外壁に0.5ミリ程度のヒビが何ヵ所か入るようになりました。 具体的には、直接風雨を受ける南東面の外壁や、窓枠の下の外壁部分などに5ヵ所ほど見られます。雨の後に外壁を見ると、外壁の色がヒビに沿って若干違って見えるので、ヒビから湿気が抜けていることは明らかだろうと思います。 なお、私の住んでいるところは、千葉県の外房地域で、住宅の密集地域ではなく、風や雨の影響を直接受けやすい環境にあります。 外壁は、通気工法を施した上で、ラストップという構造下地材に、モルタル+弾性アクリルリシン吹き付け、というものです。 工務店のアフターサービスの方に見ていただいたのですが、その方が言うには、弾性アクリルリシンといっても弾性は0.1ミリぐらいしかないので、3年経過してきたらこういったことは起こってくる。防水シートを入れているので、構造材が雨の影響を受けることはまずない。ヒビが入った部分を補修することは可能だが、補修箇所が目立ってしまうのでかえって良くないのではないか。5年あるいは10年経てば外壁の吹き替えは必要になってくるので、そのときに全体を考えたほうがいいのではないか。ヒビが入った部分について、通気水切から雨が落ちるようなことがあれば問題なので、もしそうなったら連絡してほしい。連絡がなくても5年後は必ず点検に来ますから──ということでした。 工務店の方の言うことはあながち嘘でもない気はしますが、では放って安心か、というとそうでもなく心配で悩んでいます。 相談は、 ・アクリルリシン仕上げの場合、やはり5〜10年後に外壁を全面的に吹き替える必要が生じるのでしょうか。 ・外壁のヒビなどの場合、工務店の保証の範囲は実際にはどこまでなのでしょうか。 ということです。 抽象的で申しわけありませんが、何卒よろしくお願いします。 アドバイスいたします 山田設計 山田 清巳 ホームページ:http://www.ne.jp/asahi/kaiteki-home/yamada/
ラストップの仕様を見たのですが、 ヒビは継ぎ目部分だと思われます。間柱に通気胴縁を打ち付け、そこに構造耐力壁を兼ねたラストップを取り付ける。
地震時の揺れに対しても胴縁分外側になりますので、より変形するでしょうから、ヒビも入りやすくなるでしょう。 ヒビの部分の下地は縦胴縁ですので、木材です。通気水切りから雨が落ちたときは胴縁の強度はなくなっています。ということは、構造壁の強度もなくなっています。できれば濡らしたくはないので、見栄えを気にせずに補修をおすすめします。 10年保証は主要構造部と雨水の浸入を防止する部分ですので、今回の場合もそれに該当する可能性があります。 ●基礎・柱・はり・壁等のひび割れ、欠損 ●床の傾斜、たわみ、破損 ●壁の傾斜、たわみ、破損、雨漏り ●屋根からの雨漏り ●土台、柱からの傾斜、たわみ、破損 などの瑕疵が引き渡しから10年の間に認められた場合、建築請負業者は無償で補償もしくは損害賠償を行わなければなりません。 築3年半ですので保証書に書かれている検査機関に再検査を依頼してはいかがでしょうか。 |
![]() 台所が北側なのに暑い。4〜5日前、朝29℃ありました。<富山県滑川市・SSさん(66歳・男)>
昭和54年に建築しました。台所とその隣の部屋は2階がありません。2階のある下は涼しいのですが、とにかく昔でしたので屋根裏に断熱が入っていないため、朝から暑く昼間は火をつけていると思うほど暑いので、真夏は朝からクーラーをつけるありさまです。
最近の住宅を見に行き、屋根裏の断熱がなんというのかわかりませんが、雪のように固まっていくのを見ました。天井裏には入れるようになっていますが、あまり予算もないので、改造は無理ですが、何か良い方法で断熱できないか教えてください。私が家を建てたころは外壁だけガラス繊維の断熱で、大工さんに天井においたらどうかと聞いたら、ねずみの巣になると言われ、良い方法を考えてもらえませんでした。良いアドバイスをお願いいたします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
直接日射熱を受けた屋根材の温度は100℃にもなります。このため、小屋裏の気温も70℃近くまでも上昇する場合があります。
断熱材が不完全な場合、天井材から輻射熱が放射して、室内の床材、壁材、家具などに蓄熱してしまいます。構造体が温まると、空気を冷やす熱量の900倍もエネルギーを使用するだけでなく、冷やすまで相当な時間を要してしまいます。本件の場合もそのような状況になっているものと推察できます。 質問者がご覧になったのは、現場発泡断熱材か、吹き込み断熱材と思いますが、相当の工事費がかかります。 本件の対応策として最も安価にできる方法としては、厚さ100ミリのグラスウールをホームセンターから買って来て、自分で天井に載せると良いでしょう。グラスウールの価格もそんなに高くありませんし、天井の点検口から入れられると思います。 できれば、最近発売されるようになった、透湿性のある遮熱シートを、そのグラスウールの上に載せればもっと効果が上がります。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
![]() マンションの音<練馬区・Fさん(会社員・34歳・女)>
2年前、某大手不動産会社の新築分譲マンションを購入しましたが、上下階、隣から音があまりに聞こえてきて、苦しんでいます。
仕様は、 コンクリートスラブの厚さ 約200mm 外壁の仕上げはGLボード 隣戸とのコンクリート壁の厚さ 約180mm 隣戸との界壁はコンクリート直貼りクロス 床はフローリングで二重床、床スラブ200mmで吸音材が敷かれている RC造、11階建て、1フロアに3部屋。 東側に2LDK部屋、通路をはさみ、西側に2LDK、1LDKが1部屋ずつ。 うちは7階の1LDKです。 入居してすぐに、床、壁に固いものがあたって生じているらしい、ガタゴト、カタコトという音が主に外壁伝いにあまりにクリアに聞こえてくるので、おかしいと思いました。深夜眠りかけると、どこかからガタッ、ドスン、カタカタコトコトと聞こえてきて起こされてしまい、次第に疲労困憊しました。 当初は上階住人のモラルの問題と考えていたのですが、上階の住人の方としばしやりとりした後、建物に問題があるのではと考えはじめました。 上階の住人に協力してもらい、いろいろな音出しの実験を行った結果、 台所の戸棚やリネン戸棚等、部屋のすべての戸棚の扉を閉める音 トイレのドアを閉める音 トイレの流水音 ガス台に鍋を置く音 壁際に置いた机の引き出しを閉める音 風呂場の床の上で生じる音 等、あたりまえの生活音がみな聞こえてしまうことが判明しました。足音や引戸を閉める音ももちろんです。 床の上で直径3センチほどのスーパーボールをはねさせてみたところ、呆れるほどクリアに聞こえました。特に外壁は筒抜けの感じで、コツコツ、とノックしてもらったところ、そのまま聞こえましたし、壁に固いものがあたる音は大なり小なりすべて聞こえるようです。出窓の上で生じる音も筒抜けで、上階の人が出窓に携帯を置き、バイブ設定で毎朝目覚ましとして使用していたのですが、その音で私も起きてしまうのでやめてもらいました。 上階の方は帰宅時間が遅く、11時半頃から台所を使い、入浴をし、その間2時間ほどは音は聞こえ続けになります。さして大きくない音も、カツコツとクリアに響くので、眠ろうとしているときはとても気になります。 眠っていても、トイレのドアを閉める音で毎晩必ず起こされてしまいます。ドンッと閉まる音に続き、壁の中から流水音が聞こえます。 また、隣に小さいお子さんがいて、お子さんの足音も響きます。 お互いの寝室同士が隣り合っているのですが、隣の人に聞いたところ、寝室を走り回ったりすることはなく、遊ぶのは1部屋隔てたリビングと言っていました。いつか、あまりに響くので私も寝室を出てリビングに避難したのですが、それでも聞こえてきました。2部屋もはさんで足音が響いてきたのです。 隣戸の玄関の音も非常に響き、施錠の際実際に出ている音量より大きくなっているように思います。それも玄関のあるほうから聞こえるのではなく、部屋の隅の柱の中から聞こえてきます。 売主兼販売会社である不動産会社に訴えたところ、アフターサービス部署の人間が来て、音出しと測音を行いました。音出しは会社の人間が行い、普段、私が聞いている音とは違う種類、大きさの音でした。測音計も簡易なものでした。しかし、この測音の結果、音量としては基準値におさまっているので建物には問題がない、会社は対応しない、という判断を出されてしまいました。 設計図を建築士に見せたところ、建材も仕様も悪くない、それにも関わらずそんなに音が聞こえるのは、施工時に問題が生じたとしか考えられないと言われました。 それはさておいても、壁の電気スイッチを入れる音が聞こえることさえあるのに、基準値内だから問題ないですむことなんでしょうか。 音は人によって感じ方が違う、と必ず言われることなので、マンション住まい経験者の友人複数人にも聞いてもらいましたが、みな「こんな聞こえ方は経験ない、これはおかしいと思う、へんだ」との意見でした。 アドバイスいたします いずみ建築工房 泉 徹 電話:011(738)2006 ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/ 建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/
集合住宅の問題で一番解決の難しいのが、この騒音問題です。音に関する物理的原則を説明すると長くなるので、ウィキペディア 音 で検索して見ください。
■質問で不明な部分 質問を読んでわからないこと、二重床とはどのような、構造の床なのか? 管理会社が測定した方法とその試験結果はどのような結果であったのでしょうか? その報告書を拝見できれば良かったのですが。 その内容によってはずいぶん答えが変わってくることを前提に考えてみます。 ■原因推定 質問の内容から見ると、個体伝播による障害であると思われます。 個体伝播は、個体を打撃された、その振動が原因なので、それを遮る必要があります。 ■遮音の原則 遮音設計の原則は、気密・吸音・質量による遮音・個体伝播遮断。 ■暗騒音レベルと個人差 空気伝播暗騒音レベル40〜35db(放送局のスタジオ内で無音の状態程度)といいます。実際、夜間住宅内の雑音は多く冷蔵庫、エアコン、暖房用ガスボイラーと認識された物の音は、雑音と認識しないというメンタルな問題が、この音の問題をややこやしくします。住戸に騒音計を何台か設置し、長期に測定分析する必要があると思います。 ■丁寧な仕事が仇になる 集合住宅の界壁でコンクリートの壁を両側ボード貼り、接着のお団子が両面同じ位置あるため共振してしまう場合あります。また、コンクリートの壁が直接仕上がっている場合、アウトレットボックスが背中合わせになっていて、コンクリートの隙間がある場合があります。実際にその場面に遭遇した経験があります。 ■音響の専門でカウンセリングのできる建築士 音の問題は前にも述べたように、物理的問題と心理的問題が重なっています。解決の方向は管理組合が解決しなければならない問題です。 生活騒音を住人の交流で生活情報音に変える、これも管理組合の協力が必要です。 販売会社に建物の音響学的特性を明らかにしてもらう、できれば公的な調査機関が良いでしょう。 それらをコーディネートしてくれる建築士が必要と思われます。 雑駁な答えですが、実際に現状を体験していないので、これ以上のコメントは困難です。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |