住宅クレーム110番

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J110 News

2階トイレの水から悪臭


<愛知県豊明市・KAさん(会社員・31歳・男)>


 はじめまして。HPを拝見させていただきました。原因がわからず、悩んでいます。お願いいたします。
 新築して2年目ですが、当初から毎日ではないのですが、2階トイレの水を流し、使わずに(主に夜しか使わないので)1日〜2日ほど経つと、汚い水になり、腐っているような匂いがしてます。
 便などの匂いではなく、茶色と緑色が混ざった白く濁っているような水です。その水を流すとまた綺麗な水に戻り半日とかでは汚くはなりません。汚い水が出るときは毎日ですが、いいときは1週間に1度くらいです。1階のトイレは一度もこのような現象はありません。
 これを売主、施工業者に申し出たところ、見たところ配管に問題はないとのことで原因はわからないと言うのですが、匂いもたまらず、困っています。
 なお、下水の設備は浄化槽です。浄化槽の点検業者に相談したところ、浄化槽本体には異常なしということでした。
 このような現象が起こるのは何が原因なのでしょうか? また、このような現象はどこにでもあるものなのでしょうか。いったいこれは直るものなのでしょうか。本当に困っています、どうか教えてください。よろしくお願いします。

画像添付あり



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 管内の水をスムースに流すため、排水管には通気管が設けられますが、住宅の場合は省略されることがあります。このため、1階のトイレを流すと、2階器具でゴボゴボ音がして、トラップの水がなくなり、排水管内の臭気が抜けてくる事例は、ここでも取り上げられています。
 トラップの水は完全に抜けなくても、下の階で大便器の水を流すたびに、少しずつ引っ張られて少なくなります。流れが止まるたびに、大便器の排水口まで引っ張られていたトラップの水が、トラップ内に戻ります。この際に大便器排出口付近の汚れも一緒に洗い落としたような形になるのでしょう。1枚目の写真はトラップ内の水がたくさんあって、汚れの色は薄い状態です。2枚目ではトラップの水はわずかですが、色は濃くなっています。トラップの水は、何回も引っ張られ、戻りを繰り返すたびに少しずつ減り、汚れが濃くなってゆくという現象が想定されます。この際に配管内の臭気も出てくるものと思われます。
1階のトイレで水を流して、2階トイレの水位の変化を確認してください。

建築基準法では「(排水のための)配管設備には、排水トラップ、通気管等を設置する等衛生上必要な措置を講ずること」と決められています(建築基準法施工令第129条の二の五−2−四)。
 一戸建て住宅の場合は、2階からの排水管サイズをあげれば、通気管がなくてもトラップの水が抜けることはなく「衛生上必要な措置」を講じたことになります(上記の法規の「通気管等」の「等」にあたります)。しかし配管の状況によっては、KAさん宅のように衛生上問題が発生することがあります。
原因は通気管の不備ですから、正規の通気設備を設置するか、排水縦配管に「通気弁」を取り付けてもらってください。


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賃貸アパート 赤水・サビがでる


<金沢市・TSさん(会社員・31歳・男)>


 どうしたら 水道管交換をしてくれるのでしょうか?
 私は、今年4月に引越しましたアパート(築30年ほどの3階建て)なのですが、風呂・洗面・台所などどの蛇口からも水を活きよいよく出すと赤錆・赤水がでます。
 すぐに不動産に連絡すると「水道を3日間流しっぱなしにしてみてください」と言われ そのとおりにしました。毎日のように水を普通に使ってていますが、いまだに水はサビくさく朝一番の水は濁っているし、いまだに勢いよく水をだしても、赤水やサビがでます。
 今年8月頃、水道局の人にも水質検査や話を聞いてもらいました。配管内のサビは明らかで、交換時期である、水質は問題ないとのことでした。不動産にも話したら、「ほかの人からは、そう言った苦情はきかれません。もう少し様子を見てください」と言われました。 



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


30年経ったら赤錆が出てもいいというわけではありませんが、仕方ないことともいえます。水質が問題ないということなら、鉄分は多いが「飲用適」ということでしょう。様子を見ても直らないのは配管内に赤錆が付着していて流れ出てくるからでしょう。
フィルターをつければ綺麗にはなるでしょうが、TSさん宅の様子では直ぐに詰まりそうです。昔は水道水から赤錆など出るときは、蛇口にガーゼの袋をフィルター代わりにつけました。
 配管の交換は工事費がかかります。漏水が頻発でもしない限り不動産屋は直してくれないでしょう。念のため試しに、流量を絞ってみてください。ゆっくり流れれば赤錆の流出は少なくなるかもしれません。


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マンションでの上の階からの水漏れ音に悩んでいます


<愛知県・IMさん(主 婦・女)>


 マンションでの上の階からの水漏れ音に悩んでいます。築7年の中古マンションを購入し入居したばかりです。
 その夜から、上の階の方がトイレの水を流すたびにポタポタと水の漏れる音がします。流した後しばらく続き、流さないときは聞こえません。板の上にポタポタ落ちる感じの音です。
 内装をリフォームしたばかりで、今のところ水漏れ跡などは出てきていませんが、排水かもしれない…と思うと、眠れません。毎晩、音も量も増えている感じです。
 管理会社には「上の階の方と自己負担で」と言われてしまい、上の階の方の協力は得られそうにありません。しかし、被害が出る前に早急に確認しようと思っていますが、どんな方法がありますか? また、その際の費用は自己負担するしかないのでしょうか?



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


問題点が2つあります。
・1つは、「ポタポタ音」です。
 まず、管理事務所に行って、給排水設備配管の竣工図か施工図を見せてもらってください。上の階とIMさんとは同じタイプですか? 同じなら自分のトイレで漏れそうなところを調べてください。
 中古とはいえ、7年前に出来たマンションなら配管方式は最近のマンションと同じでしょう。
 大便器の排水管は見えますか? 後ろから配管が出て、後ろまたは横の壁に入っているでしょう。ここにパイプシャフ(PS)があり、排水の共用縦配管が入っています。水漏れはおおむねつなぎの箇所から発生します。目に見える箇所でどうなるか想定してください。下の階で聴こえるほどの音になるでしょうか? また、便所内で漏れば床上が濡れますから、上の階の方が気がつくはずです。
 「排水流水音」と「ポタポタ音」はどちらのほうが長いですか。排水管には常時水は入っていませんから、漏れるのは、トイレ排水を流している間だけです。「ポタポタ音」がしばらく続くということは、配管の中に水が滞留していなければなりません。また、PS内で漏水があったとしても同様です。ですから漏水の可能性は低いと思います。
 排水管がIMさんの天井上、上の階の床スラブ下にある場合は、漏水音の可能性はあります。ただし、この型のマンションは現在ほとんど見かけません。この場合は換気扇の吸込み口を外して音を聞いてみてください。

配管からの漏水音に似た音はマンション、一戸建て問わず発生することがあります。おおむね配管類の膨張・収縮によるものです。流しの下の排水管(お湯を流したとき)や、給水・給湯管で発生しています。寝室の上で音がするので天井を開けてもらったが配管は無く、よく調べたら照明器具の笠が原因だったというのは他のホームページにありました。トイレの排水管での事例は初めてです。
熱膨張が原因とすると、便所内暖房やウォシュレットで暖められた水と、冷やされた排水管といった組合せが考えられます。トイレの排水管のPSが外壁に面していませんか? またPSを換気用シャフトに兼用していませんか? これらが原因で排水管が冷やされていれば、タンク内で温まった温水により膨張し、配管固定材とすれて音が出る可能性があります。
トイレ内に手洗い器があり、温水が出る場合は、手洗いの際に温水で排水管が膨張して同じような音がします(こちらの音の確率大)。熱膨張が原因の場合は、暖かくなって、温度差が小さくなってくると、音は消える傾向にあります。
音は気になると、大きくなったように感じます。いずれにしても早く調査・手直しして安心したいですね。

・問題点の2つ目は管理会社の対応です。
基本的に、管理会社は、組合員全員から依頼を受けているので、どちらかに偏らず、皆様の悩みの相談に乗り、集団生活の問題を解決し、支援し、皆様から信頼を得ることが重要です。
したがって、調査の仲介の労を取ることは当然です。場合によっては理事長に相談し、管理会社が間に入って、仲介するよう要求してはいかがでしょうか?
こんなサービスをやっていては、管理会社はいずれ切られることになるでしょう。


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洗濯機で揺れる自宅の耐震性に不安があります


<鹿児島市・IDさん(31歳・男)>


 木造3階建て(在来工法)の建売を平成17年に購入しましたが、購入当初より外壁サイディングからの雨漏りや、室内への床幅木とフローリングとの隙間からの隙間風に悩まされてきました。さらに最近は、家の揺れに悩まされています。
 周辺に大きな幹線道路等はなく、周辺の道路は幅3メートルおよび3.4メートルのみですが、周辺を乗用車が時速20キロメートルほどで通るたびに家全体が揺れます。そのほか、2階部分にキッチン等があり、2階で洗濯機を動かすと、共振等でなく家全体が揺れ、3階床も揺れます。
 また、各室内のコーナー部分は購入当初より隙間が開き、コーキング剤等により隙間を塞いでもらってきましたが、現在も隙間が進行しています。構造計算書等の書類はそろっており、工事に伴う施工管理は、構造計算を行った設計会社の名前が記入されています。そのため、施工管理の実態につき設計会社に問い合わせたところ、名義を貸しただけなので、わからないという答えでした。
 そのほか、2階の一部、2階から3階にかけて吹き抜けの部分がありますが、同会社が施工したほぼ同様の間取りの住宅には、吹き抜け部分に梁および火打ちが施工してあるにも関わらず、わが家にはどちらもありません。
 以上あまりにも不具合が多くまとまりのない内容になりましたが、一番の不安は耐震性能です。本当に洗濯機等で揺れる家が地震に耐えられるのでしょうか? 耐震調査等をお願いすべきか悩んでいます。



アドバイスいたします
平 竜次 ( 北海道建築士会 余市支部 青年委員長 )

 3階建ての木造建築物は、建築基準法により構造計算による安全性の検討が義務づけられています。建物を建設する際は、構造計算書や構造図が法律の規定に適合しているかについて事前に建築確認申請により審査されますので、お手持ちの構造計算書等はこれに基づくものと思われます。
 このため、「吹き抜け部分に火打が施工されていない」とのことですが、構造図自体に記載されていないのであれば問題はないと思われます。
 問題は、この構造計算書や構造図通りに建物が施工されているかということですが、工事に伴う施工管理(法律上は「工事監理」)者として記載されている設計会社が「名義を貸しただけなのでわからない」と回答したとのこと。いわゆる「名義貸し」は建築士法により禁止されており、この発言は相当問題があります。
 自動車が付近を通行したり洗濯機を使用するたびに家が揺れ、さらに工事監理が適正に行われたかはっきりしないのであれば、構造計算書や構造図通りに施工されていない恐れもありますので、費用は掛かりますが、耐震調査等を行っている第三者の設計事務所等に調査を依頼することをおすすめします。
 調査した結果、構造図と異なる施工や、手抜き工事により建物の安全性を満たしていないことが判明した場合は、当然、損害賠償請求の対象となり、工事監理者として名義貸しを行った建築士も建築士法による処分対象になると思われます。
 これらを踏まえた上で第三者に調査を依頼するか、住宅販売業者に誠意ある対応を取るよう求めるかを判断されてはどうでしょう。


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強風時の騒音」への私の意見


<東京都・Hさん>


 強風時の騒音は、外部についているいろいろなものが風に共振し、躯体(コンクリート壁)に伝播して発生します。
 最上階の場合は、避雷針やTVアンテナの事例が多数ありますが(このサイトで「マンションの騒音問題」070605040508参照)、4階建ての最近のマンションではこれではないでしょう。

・風はバルコニーの正面から吹き付けてましたか?
・または、長手方向の壁沿いに流れていましたか?
・手摺はどのような形をしていますか?
 コンクリートの手すりでなく、スチールかアルミの細身の手すりならば、壁沿いに流れる風で振動する可能性があります。音がする時に触ってみてください。

・その他、外壁から出っ張っているものはありませんか? 雨排水管やバルコニー設置流しの排水竪管の可能性もあります。屋上のルーフドレンや通気口に強風が横から吹くと、笛がなるような現象を起こすこともあります。
 両隣や隣の住戸のバルコニーにTVやFMアンテナなどの突起物がありませんか? 皆さんが感じておられるのなら共通のクレームです。

 竣工2年以内でしたら、瑕疵期間内ですから、責任はデベロッパーにあります。
 マンションの場合はこのようなトラブルは、MMさん ⇒ 管理組合 ⇒ 管理人 ⇒ デベロッパー(不動産屋)⇒ 施工会社といった連絡経路で原因追及・手直しを行ってもらうことになります。
 大手(中堅どころでも)施工会社では、騒音に関する研究部門を持っていますから解決が早いと思います。

 尚、壁の仕上げ工法が、GL工法にはなっていないでしょうね?(大手のデベロッパーや施工会社では設計・施工基準で禁止しています。)コンクリート壁に団子状の接着用建材をつけて、それにボード類を貼り付ける工法です。仕上げのボードが浮いているので、音が伝わった場合に太鼓のように音が増幅されます。
 素人の方では、竣工図からは判断できないでしょう。手直しの会議・打合せ等があるでしょうから、その席で確認して下さい。



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