住宅クレーム110番

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J110 News

擁壁の強度について


<千葉県千葉市・K.Mさん(会社員・39歳・男)>


 今新築を建てているのですが、東側道路面より1m30cmほど高い場所から家を建てています。(写真File1)
 造成時の擁壁(厚み40cm)と基礎との距離が23cmでほとんど隙間がありません。(写真File2)
 又北側道路に関しては、傾斜道路なのですが普通のブロック(厚み15cm)が3段積んであり、基礎との距離が一番短い所で15cmです。(写真File3
 家の荷重や地震の時に家が傾かないか?あるいは擁壁がくずれないかとても心配です。
 擁壁が建物からどれくらい離れていれば安全と言えるのでしょうか??(以前どこかに擁壁から30度以内に入らなければOKとありました。)安全で無い場合、既存の擁壁に補強が出来るのでしょうか?又は既存の擁壁を一度壊し、新たに擁壁を作ることは可能でしょうか?
アドバイスをいただけませんか?宜しくお願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 住宅地盤は道路面より1,3m高いとのことですが、写真ではコンクリート擁壁(写真File1、2) と普通コンクリートブロック塀(写真File3)の2種類の写真があります。
コンクリート擁壁は造成時(土木)にあったもので、普通ブロックは地盤にあわせて造り、建築会社が盛り土をしたものだと思います。
 特にブロック塀側を見るとすぐ側溝があることからブロック下基礎はベースなしと思われます。宅地側にL字と思いたいのですが、写真は道路面からすでにブロックが始まっていますので、基礎もブロックだけと容易に想像できます。
 さて、本題の住宅基礎と擁壁との距離ですが、千葉県ですからGLより30センチ下にベースを設けていると考えると、旧地盤面(想定)より1m上に基礎ベースがあることになります。(写真コンクリート面が見えている部分がGL下部で、横にはみ出ているコンクリートが底だと思います)
 本来、盛り土の場合は安全に建物荷重を地盤に伝達出来ない訳ですから、何らかの地盤補強工法が必要になります。
 一般的には盛り土のように軟弱地盤層が2m以下の場合、軟弱層をコンクリートで置き換えするラップルコンクリート代替なども考えられます。
 このような改良工法を行った場合でも支持力をもった面からの高さの半分、(今回の場合旧地盤面を道路と仮定して)1m÷2=50cm以上が基礎ベース最低改良範囲となります。
{改良厚さと改良範囲を算出する計算}から引用。
 この範囲内に写真のようなブロック塀があると、地震などにより「ハラミ」が発生することは十分考えられます。
 相談者が「擁壁から30度の範囲」に触れていますが、これは地耐力をもった地盤が基礎底辺から伝わる力の範囲で、今回の様な盛り土では異なります。写真だけからの判断で実際的地耐力がわかりませんが、コンクリートブロック塀が膨らむか、道路面に傾くことは、十分考えられます。
 新たに擁壁を設けて・・・とありますが、現地の状況から見てブロック塀をやり直しても建物基礎下に空洞が生じるだけで、有利には働かないと思います。
 宅地造成については土木工事の分野ではありますが、住宅が建設されることを基本に行われているわけで、当然住宅地の耐震性確保が十分に保障されることが大事です。

 特に建築工事に関しては、
・良質土で埋め戻されていること。
・振動を併用して砂や砕石を入れて地盤を固める。
・地盤中に砂柱などを埋設して擁壁の水抜きまで排水を促す。
 これらが行われたか総合的に確認をすることが大事ですので、構造に詳しい信頼のおける建築士に調査を依頼し対応策を講じて下さい。


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耐震金物の不備


<静岡県御前崎市・浜風さん(会社員・32歳・男)>


 現在新築中の物件なのですが、筋交の耐震金物の不備が多数あり、工務店に指摘したのですが、問題ないとの事で内装工事もほぼ完了になってきました。が、他の方に聞くとおかしいのではと言わ悩んでいます。不備について耐震補強が必要になってくるのか瑕疵担保責任にて行えるのか心配です。画像を添付しますのでアドバイスをお願いします。
 最初の写真は柱側のビスが4本で2本不足しています。2枚目は背割り部分への施工です。3枚目は柱側のビスが6本施工してありますがメーカー指定の長さのビスでは無く短いビスです。4枚目は他社のビス(皿頭)を使用しプレート側に皿頭の欠きが無い為しっかり締まっていません。5枚目は筋交とは別になりますが、隅木が短かったみたいで相欠き継でビス3本で接続してありました。筋交の耐震金物の不備は1階に10箇所以上ありました。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 これはすでに施工済みで内装が出来ています。まず筋交い金物の白墨で標されている金物ですが、(柱・土台部分に使うビスと筋交い側に使うビスは種類が違うものを指定しているメーカーもあります)。基本的には金物と指定ビスで強度を確保しているため、指定されたもの意外はだめです。従って、問い合わせの内容の様にビス本数不足や指定品以外のビス打ちは全て「NG」です。

 ほとんどの専用ビスは□穴仕様となっており、平成12年建設省告示1460号第1号で仕様が決められ、筋交いの厚さにより分類されているため、ビス長さも異なります。設計段階で筋交い係数をどの値で見ているかも問題となります。金物はZマーク表示されています。または同等以上認定品はDマークがついています。

 白墨で表示されているものは金物以前の話で、柱・梁が割れているのではないでしょうか。割れているところに筋交いからの水平力が掛かると、断面破壊する恐れがあります。
完成後の瑕疵の問題ですが、これらの構造体のクレーム(隠蔽されてします部分)についてはその時点で、指摘した内容と業者の対応策、このような写真をつけて必ず施工会社の印鑑を取っておくことが必要です。施主が瑕疵内容を承知してから1年以上経過した場合、
施主が不利になり事もあるので注意が必要です。

 設計図には使用する金物の種別等が記載されていることも確認することも必要です。
 隅木の補強に関しては補強した材料が切れている理由がどうしても理解できないので返答できません。
全体に施工能力が低いと思われますので、信頼のおける建築士に工事管理をお願いする事をお薦めいたします。


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アパートの騒音11・17さんへ


<Nさん>


 夜型生活なのは、あなたの勝手です。普通、一般的に考えて、集合住宅の場合、夜中の0時に洗濯はしません。音は建物の構造などにもよりますが、思いもかけず増幅し、振動します。しかし、仕事の都合上、かえりが夜中になったりなどする方に関しては、足音やある程度の生活音はしかたありません。
 でも、洗濯は別です。夜中にしなければならない必要性はまったくありません。一週間ずっと昼間不在のことはないですよね?昼間できるときにすればどうでしょうか。その日の天候も関係ありません。全ては自分に都合の良い条件をそろえたいだけではないでしょうか?私がアパートに住んでいたときは、洗濯はまとめて日中(しかも土日はお休みの方も多いと考え、午前中の洗濯はさけていました)におこなっていました。人間個人差があり、音に対しての感受性も様々です。足音が大きい、ドアを閉めるときに大きな音を立てるなどは、長年の生活習慣の産物ですし、家庭環境もありますからなかなか直せるものではありません。しかし、常識で考えて対応できることはたくさんあると思います。今までみなさんいえなかっただけかもしれません。良かったんじゃないでしょうか、今の時点で世間の一般常識の範囲を考える機会だとおもいます。



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