住宅クレーム110番

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築1年ほどのマンションで屋上に50ヵ所のクラックが・・・


<大阪市旭区・UMさん(会社員・37歳・男)>


 15階建て(96戸)マンションを購入しましたが(最上階)、築1年ほどでベランダで水漏れ、エフロエッセンスが垂れてきました(写真1)。販売主に言って一緒に屋上に上がりましたところ、大小50ヵ所のクラックが入っておりました(写真2,3)。販売主曰く「コンクリートの収縮によるもので問題ありません」とのことで、一応補修工事が完了しました(写真4)。
 環境によりけりかもしれませんが、実際に部材に問題がなかったとしても、1年ほどでこれほど多くのクラックや、防水が貫通するほどのクラックが発生するものでしょうか? 施工上の問題はないのでしょうか?



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

防水天端の略図
 この屋上の納まりは温暖な地域の一般的な納まりだと思います。
 コンクリートからエフロレッセンスが出ることが問題で、コンクリートの劣化を促す要因ですから、コンクリートの宿敵は水なので、コンクリートを水から守るという点から見ると、個人的意見として、いかがなものかと考えます。
 ひび割れが多い原因としては、コンクリートの水分が多い場合と、鉄筋量が少ない場合が考えられます。
 パラペットのように温度による伸縮の影響が多いところは、部位的にひび割れがおこりやすいもの。
 寒冷地で、そのような納まりをすると凍害を起こし、一般的なコンクリートではバラバラになってしまいます。寒冷地の優れた納まりを導入すれば、このような初歩的問題は解決できるのですが。

※付図は防水天端の略図です。


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断熱材の施工について


<宝塚市・HHさん(会社員・37歳・男)>


 木造改良軸組工法、高気密・高断熱住宅をお願いして新築中です。気に入った土地が建築条件付き土地であったため、高気密・高断熱住宅の施工に慣れた業者ではなく、少し心配しております。断熱材についてはお願いして何とか外壁ロックウール90ミリ、天井ロックウール165ミリにしてもらうことにしました。

 先日、カーテン屋に行って取り付けの話をしていた時のこと…

 私「うちは高気密・高断熱住宅の予定なのですが、最近は高気密住宅が増えてきてカーテンレールの取り付けも気を使うこともあるんじゃないですか?」

 店長「基本的に柱のある場所を狙って穴をあけるので大丈夫です。でも新築なら各窓の上のところに下地の板を入れてもらっておくと安心ですよ」

 ということで、写真のような施工になっています。カーテン用下地のところは断熱材(袋入りロックウールを使用)の耳でカバーされておりません。このような施工で大丈夫でしょうか。あまりカーテン用下地などは入れないほうがよいのでしょうか?
 天井の断熱材施工状況も添付させていただきます。何か問題があればご教授ください。また、今後の施工にあたりチェックしておかなければならない点はどのような点でしょうか。

●画像添付あり●



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協理事
兼 北海道Webサイト事務局 兼 札幌支部事務局
勇和建設株式会社
代表取締役 齋藤 保雄

新住協北海道:http://www.shinjukyo-h.jp/
勇和建設HP:http://www.yuuwakk.co.jp/
ブログ:http://blog.livedoor.jp/replanblog012/

 カーテンレール取り付けでは、壁の中に45または50センチ間隔である木材(間柱)にビスをねじ込みます。通常のものであれば、下地を意識する必要はないと思います。
 また、断熱性・気密性に影響があることはありませんので、ご安心ください。「高気密・高断熱住宅の 施工に慣れた業者ではなく少し心配しております」とのことですが、添付の天井の施工写真を見ると、確かにそのように思えます。

  1. 天井に張った気密防湿シートを木下地のないところでテープでジョイントしている。
  2. 気密防湿シートと天井断熱材の間に大きな隙間がある(天井下地方向と断熱材の敷き込み方向が直交しているため)。

以上の2点で、そのように思えます。

 手直しできれば、天井の断熱材の施工方向を変えて、天井根太の間に1層目を施工して気密防湿シートとの間の隙間をなくすほうが良いと思います。その上に、直交する方向で、2層目の断熱材を施工するほうが、断熱効果が十分に発揮されるでしょう。
 床は、根太レス工法のようなので、外壁の足下部分の気密性は高いと思われます。
 壁の石膏ボードが天井上の桁梁にかかるまで張り上げて施工していただけると、壁の上部の密閉性能が向上するのですが、現場での施工はどうなっているのでしょうか?
 サッシもペアガラスが使われているようで、結構なことと思います。断熱厚さ(壁ロックウール90ミリ、天井ロックウール165ミリ)は、建設地を考えると十分な厚さと思います。
 床下や天井裏に入るための点検口などがあると思いますが、これらも、冷気が侵入してこない・暖気を逃がさない・断熱欠損とならいような工夫が必要です。
 工務店さんと良好な関係の中で、性能の良い家が出来るようご祈念申し上げます。


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漆喰の施工


<東京都荒川区・ごうずさん(会社員・37歳・男)>


 去年の12月20日に外壁漆喰が仕上がり28日に竣工しました。1月20日には漆喰が凍害になり、春にはボロボロです。
 寒冷地なので家全体をブルーシートですっぽり養生しヒーターも使ってました。工務店は冬季の養生としては上手くいった、と言っています。漆喰施工中に所どころ小さい範囲で凍害があったが、取り除いて補修したそうです。寒冷地で外壁に漆喰は使ってはいけないのでしょうか?
 漆喰の養生期間が6日でしたが、十分硬化したのでしょうか? 小さい範囲の凍害は取り除いて補修したら、問題ないのでしょうか? よろしくお願いします。

●画像添付あり●



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 漆喰に関してはあまり詳しくないのですが、この写真を見る限りでは東京でも凍害が起きるようですね。どんな地方でも気温が5度以下になると、やはり凍害の対策を考えなければなりません。北海道の場合はマイナス10度前後の冬期施工もしなければならず、かなりの重装備な凍害対策をしております。
 今回のご相談は写真のような現象が出ているのは、やはり凍害対策が甘かったのではと思われます。対策としては、現在の漆喰下地に問題がなければ、気候の良い時期に凍害の起きた部分を取り除き、その上から丁寧な施工をしてしていただくのが良いと思います。古い建物の場合でも、もろくなってる部分は当然取り除きますが、通常は古い漆喰の上に上塗りをして修復していきます。
 ポイントは凍害部分をしっかりと取り除くことだと思いますので、数年後にまた現象が起きないようしっかり施工してもらってください。お互いのために!


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北海道のマンション 内壁にヒビ


<北海道札幌市・まちのさん(その他・23歳・女)>


 初めまして。
 2001年春、新築のマンションに入居し6年が経ちました。2007年(今年)の夏に初めて内壁のひびに気づきました。ベランダへ続く大きな窓の下方と床の間に10センチほどの内壁がありますが、その高さ10センチほどの壁に幅2ミリ・深さ(奥行き)13ミリ・長さ62センチの大きな水平に延びる横長のヒビを発見しました。
 何かをぶつけたこともなく、なぜ、そこにヒビが出来たのか原因はわかりません。
 以前、入居半年で押入れがカビだらけになったこともありますが、その時の対応も不親切で生活スタイルのせいだと言われました。管理会社を信頼できません。
 私は温度差でヒビが入ったのだろうと思うのですが、また生活スタイルが原因などとはぐらかされたくなく、何が原因なのかが知りたいと思っています。
 またできれば管理会社の負担で内壁を修理して欲しいと思っています。
 2008年冬に引っ越す予定なので、引越しの前にこの問題を済ませたいです。ぜひ教えてください。よろしくお願いします。

●画像添付あり●



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 問題は、2つ結露と窓枠下端のヒビ割れ。
 結露は現在の断熱方法と換気装置では物理的限界があります、物理的限界なので、管理会社が物理的限界を測定するか、外部に調査を委託するか(有償)、管理組合が管理会社に(分譲と管理が同じ系列の会社の場合)調査を要求する方法があります。
 室温23℃・相対湿度50%を超えると空気の対流の悪いところでは結露の発生が懸念されます。
 ※量販店の乾湿計は精度が悪いのでくれぐれも注意

 窓の下のヒビ割れは、下地が何で出来ているか、現物を見なければわかりません、材質の違いによるクロスが引っ張られ、割れたのかもしれません。仕上表を確認してみてください、そして専門家に直接見てもらったほうが良いと思います。写真ではそれ以上は確認できませんので悪しからず。
 専有部の共有部の境で起きたこと、管理組合の協力が必要です。


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契約解除について


<茨城県日立市・IKさん(会社員・48歳・男)>


 1年前に、あるハウスメーカーと仮契約だというので、いつでもお返ししますからとりあえず手付金100万円入れてくださいというので、手付金として100万円入れました。いろいろ打ち合わせしましたが、結局、借入金のほうでうまくいかなかったもので、他メーカーに相談したところ、借入れができることになり、そのメーカーと契約しました。すると最初のメーカーから、二重契約なので手付金は返しませんと言われてしまいました。私は営業の方が仮契約だというし、いつでもお返ししますというから信じていました。この場合、手付金は1円も返ってこないのでしょうか?



アドバイスいたします
NPO住宅110番より

 困った事態になってしまいましたね。
 まずは、最初のハウスメーカーと交わした契約がどのようなものであったかが、一番のポイントであると思います。それと、その内容の精査が必要ですね。建て主側からの契約解除ができるのかどうか、その場合、どのような「違約金」が想定されているのか、ということだと思います。こういう点を良く確認してください。それともう一点、借入に関して、別のハウスメーカーでは同じような条件で可能だったのか、ということの精査も必要だと思います。たぶん、借入総額が違っているのではないでしょうか?
 以上を踏まえてですが、最初のメーカーとの話し合いが進展中「借入金のほうでうまくいかなかったもので…」という記載がありますが、その時点で、契約解除の意思は伝達されていなかったのでしょうか?  「営業の方が仮契約だというし、いつでもお返ししますというから信じていました」と書かれていますが、その内容からすると、「仮」とはいえ、本格的な契約だったのだろうと推測できます。そこに至るプロセスでの営業担当とのやりとりというのは、「言葉の解釈」という壁に阻まれると思います。やはり、交わしたとされる「契約」の内容が最優先されるでしょう。それは、あなたも認めて交わした書類なのでしょうから。
 そのうえで、二重契約というように先方が硬い態度を取っているのは、どうも契約解除の意思を伝えなかったということだと思います。であるならば、常識的には先方に理があるのは否めないと思います。
 契約の文面を良く確認していなかったのは、どうも事実のようですから、立場は決して強くはないと思います。こちらとしては営業マンが言ったという「仮契約で・・・」という点がこの場合のポイントだとは思われるので、契約内容を記載した書類を持って、地域の弁護士協会などの無料相談窓口などに相談されてみてください。


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