住宅クレーム110番

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J110 News

ウレタン2次発泡のため改修工事(2回目です…)


<大阪府高槻市・NAさん(主 婦・30歳・女)>


 以前、こちらで投稿させていただき、アドバイスをいただきました。
 新築マンションで、購入から3ヵ月、ウレタンが2次発泡して、窓枠が押され、隙間ができ、全部屋修繕しました。
 ところが、その2年後の今、再びウレタンの発泡によって全部屋修繕しなければならなくなりました。

 前回私たちの手は煩わせないよう工事すると言われながらも、業者が帰った後、埃まみれで、自分たちでも半日掃除しなければなりませんでした。2日間だったのですが、1日目、とても就寝できる状態でもなく、急遽外泊しなければならなかったり、食事を作ったり食べたりできる状態でもなく、2日間外食しなければなりませんでした。
 全部屋の工事で、自分たちの居場所もなく、でも家を空けるわけにはいかず、苦痛な思いをしました。そのうえ、一度予定していた日に、施工会社の担当者はきたのですが、作業員が来ず、ドタキャンの延期になったり、とにかく印象は最悪です。

 前回の工事で窓枠の両サイドの壁をはがして削っての修繕でしたが、今回は前回に修繕しなかった窓枠の上下や玄関の部分で同じ症状が起こっています。前回に「これでもう大丈夫」ということだったのですが、その時の判断が甘かったせいで、再び工事になったのだと思うと、腹立たしいです。

 今回、迷惑料というか、食事や外泊費や拘束される苦痛の代償は支払うよう申し出ると「お支払いします」とのことです。今回は3日かかるかもしれないとのことで、会社も休まなければなりません。小さい子どももいますし、前回の分も合わせて、15万から20万程度要求しようかと思いますが、その額はどうでしょうか。

 それと、このような不具合が生じ、修繕した場合、本当に資産価値は下がらないのでしょうか。売却する際に専門家が見たら、わかってしまうものでしょうか。そうなると、迷惑料ですまされる問題でなくなります…。

どうかよろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 現場ウレタン発泡の2次発泡亀裂といわれる現象は、20ミリ程度の薄い厚さの場合に発生することがほとんどありません。
 開口部の充填や入隅などでウレタンが厚く重なった場合に発生することがあります。ウレタンの現場発泡は吹き付けすると高熱になって発泡しますが、これが定着しないうちに、後から重ね吹きをした場合、上部の樹脂がドーム状に最初の樹脂を囲ってしまいます。このため、ウレタンの膨らみが行き場を失って破裂する現象のことを2次発泡亀裂といいます。
 したがって、2次発泡は施工後、一両日中に発生するのが普通です。

 本件は購入、3ヵ月で2次発泡を起こしたとありますが、施工直後に発生したものが、その時期なって発生したものか、あるいは特殊な2次発泡の要因で問題が発生した可能性もあります。
 雨水の浸入による加水分解という場合も稀にありますが、本件の場合、あちこちに発生している状況から推察すると、特殊2次発泡亀裂のように思われます。特殊2次発泡亀裂とは、吹き付けウレタンの原液の処方不具合で起こす現象です。

 いずれにしても施工者(発泡施工者や原液メーカーも含む)の責任は免れません。NAさんのお怒りはもっともなことで、心よりご同情を申し上げます。NAさんがご質問の迷惑料の件ですが、当然のごとく請求する権利があると思います。
 迷惑料の金額については、我々、法律家でない者が提示することはできませんが、NAさんがご提示の金額くらいは順当なものであると考えます。
 あまり感情的にならずに、冷静に相手側と交渉し、実情を理解してしていただくように努力すべきです。

 建物は竣工してから、さまざまな補修やメンテナンスを行うのが常道であり、本件のような主要構造(耐震構造体など)以外の補修によって資産価値が低下することはありません。
 したがって、完全な補修を求めるのは当然ですが、それによっての資産価値低下を迷惑料の金額に提示することは相手側を感情的にさせる場合もあり、賢明な対応とはいえないと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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家の中の湿気


<青森市・NKさん(主 婦・49歳・女)>


 新築2年、高気密・高断熱・オール電化・無垢材使用(床・天井)・ペアガラス・ホタテ貝入りの内壁で、とにかく湿気対策を依頼しました。が、曇りや雨天日には湿気がひどく、除湿しても、除湿器を止め2〜3時間するとまた湿気がひどいです(湿度計が90%になります)。特に1階より2階の寝室が一番ひどく、エアコンをドライにし、朝まで作動させたままで就寝しています。
 建築士に相談しても「わからない」と解決になりません。みなさん、お願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 気温20℃の部屋で、湿度が90%になれば露点温度(結露が始まる温度)18.3℃です。つまり、室温よりわずか1.7℃低い18.3℃以下の部分に結露を発生させます。
 青森県での冬季の外気温は氷点下にまで低下することから、開口部だけでなく壁の内部も露点温度以下になっていることが考えられます。

 湿度90%とは、室内で発生させる湿気量が異常に高くなっています。ライフスタイルによって室内で発生させる湿気量が異なりますが、本件の場合、湿気対策の内壁材がむしろ逆効果に移行しているように思われます。調湿内装仕上げ材として珪藻土や貝殻を素材としたものが多く使用されますが、室内で発生させた湿気を一旦吸着し、室内で乾燥したときに放出する作用があります。むしろ保湿材として作用を持って調湿材と称しております。
 本件のように大量の湿気を室内で発生させますと、湿気吸着が飽和状態(目いっぱい)となり、単に湿気の抱えた内壁材料となってしまいます。

 高気密、高断熱ということですが、その実際の性能が判明しませんので詳細について言及できませんが、室内に洗濯物などを乾燥させるなどのライフスタイルはすぐにでも改善すべきです。
 その他に、観葉植物、熱帯魚、金魚鉢など湿気を発生させる要因を取り除き、生活改善に取り組むべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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べた基礎の幅が一部分11cm


<横浜市栄区・Kさん(会社員・38歳・男)>


 現在契約した建売住宅の基礎が終わり、基礎の幅を確認したところ、べた基礎の幅の一部分に11cmのところがありました。
 "建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件(平成12年5月23日 建設省告示第1347号)では、三, 立上り部分の高さは地上部分で30cm以上と、立上り部分の厚さは12cm以上と、基礎の底盤の厚さは12cm以上とすること。"となっており、べた基礎の厚さ(幅)は、12cm以上ないといけないのかと思っていますが、
添付写真のように一部分幅が不足している場合は、どのような対処が必要になりますでしょうか。
 お手数をおかけしますが、よろしくお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 基礎の立ち上がり部分の厚さ(布基礎)は、よく使用される住宅金融公庫の基準においても12センチ以上となっています。
 この厚さの基準になっている事柄は、"鉄筋のかぶり厚さ"(鉄筋の保護)の確保から決められています。
 "鉄筋のかぶり厚さ"については部位によって決められていますが、その中に仕上げのある物はコンクリート打ち放しより1センチ少ないという規定の部分もあります。
 したがって、一部分であれば、上記に準じて、その部分を樹脂モルタル等で仕上げ・保護するという考えで現場対応をすることをおすすめいたします。


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マンション外壁にヒビ


<千葉県船橋市・MSさん(会社員・33歳・男)>


 築15年の中古マンション購入を検討しています。
 14階建てのマンションです。内覧に伺ったところ、内側吹き抜けになっているところにヒビが多数(写真1)。通路の手すりに至ってはひどいことになっていました(写真2)。この物件はまだ大規模修繕も行われておらず、今後の予定を現在確認中です。
 初めての中古マンション購入ですが、この先、積立修繕金が跳ね上がるのではないか? 倒壊してしまうのではないか? と不安です。
 ご意見をお聞かせください。



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

(写真1)からの判断。
 コンクリートの収縮にひび割れ。
 開口補強筋が適切か? コンクリートの被りは正しいか? 水切りの納まりは正しいか? 水切りの際から浸水していないか? 適切なひび割れ補修、水切りの改修、高性能のアクリルゴム塗料の塗布が必要でしょう。

(写真2)
 手すりの付け根は応急処置がされているようです。
 しかし、手すりの付け根からの浸水は止められず、中で鉄筋の爆裂が考えられます。倒壊等は構造の専門に診断を仰ぐ必要があります、詳細は構造の専門家に管理組合が調査を依頼すべきでしょう、新耐震基準ですから、姉歯事件のようであれば問題ですが…。
 管理組合か管理会社が確認申請複本、竣工図、構造計算書など書類がきちんと管理されていれば、まずは第一段階は合格です。

 建物修繕調査には20年以上経験のある設計者の建物診断を依頼すべきです。長持ちする改修は工事費がかさみます、適当に安価な工事はいくらでも工事はいくらでも安くできますが…。
 写真で見る限り早急に建物診断を行ったほうが良いでしょう。私のブログを観ていただければ、いろいろ参考になると思います。


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「設計図とちがう」


<東根市・MAさん(会社員・50歳・女)>


 RCマンション3階建ての建設にあたり、完成後の天井高が設計図よりどの階も2センチずつ低くなっており、そのことに関しては、業者から触れることはありませんし、説明もありません。なぜ低くなったのか、こちらでもまだ触れておりません。引渡しは終わりましたが、追加工事の代金の支払いがまだ少し残っています。なぜ低くなったのか、きちんと説明をしていただきたいのと、残金で多少の弁償をしていただけるものでしょうか。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 この建物は設計施工ですか、それとも設計事務所が関与していますか? 設計事務所が関与しいるのであれば、監理責任者と協議してください。
 ただし、設計図は施工図(作るために必要な図面)でないので、設計図と全く同じとはなりません(日本の場合は)。
 しかし、設計図に寸法を入れる意味は、設計者の目的の意志を示すものです、ですから軽々に変更することは問題です。ただし、改築など壊してみないとわからないものは別として。
 工事代金の弁償は弁護士の仕事です、天井が低くなった合理的説明をしてもらうことと、天井が低くなった損害の算出が必要です、最寄りの弁護士とご相談ください。
 また、天井高さはどこの部位を測定しましたか? 軽量鉄骨下地の天井ですか? 直天井(コンクリートの床がそのまま天井の場合)ですか?天 井の高さは平均高さかですか? 壁まわりの高さですか? 直天井のスラブ(コンクリート床)は自重で1cmから3cm撓みます。軽量天井の場合レーザーレベルで天井高さを測るので撓みは少ないと思います。


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