住宅クレーム110番

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小屋裏収納の天井断熱材の施工方法


<神奈川県藤沢市・YYさん(会社員・41歳・男)>


 こんにちは。いつも興味深く、参考にさせていただいております。
 現在、2×4で木造2階建て住宅を建築中です。小屋裏収納の天井の断熱材の施工方法について質問させてください。
 わが家では、2階の天井の上に小屋裏収納を設けているのですが、設計当時、小屋裏の換気方法が気になり、小屋裏の天井部分の断熱材および通気方法を図面で描いてもらいました(写真1)

 当初、断熱材は100mmロックウールとしていましたが、その後、天井のみ100mmのポリスチレンフォームに変更してもらいました。

 ところが、先日、上棟で現場の確認に行くと、実際の施工は違っており、屋根板部分に断熱材のポリスチレンフォームが密着して取り付けられ、その下側に通気層、そして天井(石膏ボード12.5mm)の順に施工することを現場監督が職人に指示したということでした(写真2、3)
 疑問に思い、現場監督に何度か確認しましたが、断熱材をロックウールからポリスチレンフォームに変えたから、このような施工とし、この会社では、いつもこうしていて、何も問題ないとの説明でした。

 通気層の外側に断熱材があったのでは、室内の断熱効果が無いのではないでしょうか。
また、この場合、冬場には軒天から棟換気に向かう通気経路に冷気が通り、すぐ下に小屋裏収納の天井(石膏ボード)が接しているため、石膏ボードが冷やされ、小屋裏収納の天井に結露が出ないか心配です。特に小屋裏収納には窓が無いためカビも心配です。

 このような施工方法は、この会社の現場監督が言うとおり、一般的なのでしょうか。よろしくご指導お願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 ロックーウール断熱は吹き込み施工なので、屋根の部分の施工が難しかったと思います。 質問者の要請で断熱材を換えたということですが、スチレンフォームでは、仰せのとおり、軒天からの通気が断熱材で止まってしまいます。スチレンフォームの屋根材との密着部分の構造詳細がどのようになっているかわかりませんが、屋根材に断熱材が密着しているとすると芳しいことではありません。
 藤沢市などでは、夏場の屋根材の温度が100度にもなり、そこに断熱材のスチレンフォームが密着していれば、屋根材裏面に温度の逃げ場所が無くなり、断熱材にも、屋根材にも影響を与えます。スチレンフォームはロックウールより断熱性能に優れていますが、高温に弱く、70度以上になりますと熱劣化を起こして断熱性能が低下いたします。
 また屋根材の種類にもよりますが、高温になった屋根材も熱には弱いため、断熱材と屋根材の間に通気層を形成して、屋根材と断熱材の保護できる構造にすべきでしょう。
 添付図面を見ますと、棟換気構造になっておりますが、このままでは全くこの棟換気が活用できません。現在、どこまで工事が進捗しているかはわかりませんが、断熱材を写真に写っている母屋材の中ではなく、その下側へ取り付け、軒天からの空気がその母屋の通気部分を通って棟換気口から排出できるよに改造すべきです。現在の構造のほうが異常であるといえるでしょう。
 このようになった経緯はわかりませんが、スチレンフォームの特性や屋根材の管理などを考慮すれば、工事の変更を求めるべきと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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新築住宅なのに床下水漏れ


<川崎市高津区・Mさん(その他・35才・女)>


 どこに相談し判断したらよいかわからず、右往左往していたらここにたどり着きました。早速ですが、相談です。
 新築建売住宅を見に行ったところ、床下に水漏れがありました。台所の床下収納をどかして床下を見たところ、透明な(汚れていない)水が人差し指の第一関節くらいの深さでありました。その場で案内してくれた不動産仲介販売会社の方に言うと、「すぐに業者に連絡します」とのことでした。
 それから4日後に「給水管に亀裂が入っていて 漏水していたとのことで、すでに直しましたとのことです。 他への影響もなかったとのことでした」と不動産会社から連絡がありました。大変気に入っていて迷ったのですが、契約はお断りしました。その際「もう直したんですけどね。今週末には200万下がるようなので決まってしまうかもしれませんよ」と言われました(売り出してから2ヵ月ですでに200万円下がっていますので、計400万円値下がりしている物件です)。
 どんなに環境が気に入っても、安心して暮らせないかもしれない…と、この家を断念しましたが、そもそも新築でこのような床下の水漏れなんていうことがあるのでしょうか。また、契約前に売主の承諾を取り、こちらの負担で専門家に調査を依頼しおかしな箇所が発見された場合、売主に直してもらうことはできるのでしょうか。
 口頭で「直した」と言われて納得するわけもなく、また、購入をせかす不動産会社の態度に欠陥住宅を売ろうとしているのでは?と疑心暗鬼になってしまいます。
 ちなみに建物は2×4基礎パッキン工法で現地では「ベタ基礎」であることも言われました。土地は、海が近く山に囲まれているのせいか、どちらかというと若干じめじめした印象です。
 以上、みなさんのお知恵、ご意見をいただきたく、よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 建主さんにとっての家づくりは一生一代の大事業であり、生涯における一番の買い物だともいえるでしょう。仰せのとおり、2ヵ月足らずで400万円も値引きする業者側の対応に不信感を持ったものと思われます。

 本件のようなベタ基礎構造では、配管のトラブルで床下に水を溜めることは決して稀な事故ではありません。しかし、以後の対応を完全に行わなければ、床下に腐朽菌を発生させたりして、家を支える土台や柱などの重大な問題を生じさせる場合があります。本件の場合、販売業者の対応に少なからず、不信感を抱かせる状況にあったと思われます。

 家づくりも人の行うものですから、本件のような配管ミスも皆無ではありません。このような施工途中におけるミスで竣工後に問題を発生させ、土台などの主要構造物に欠損を生じさせた場合、瑕疵担保責任という、法律の対象となると思われます。当然、販売者もしくは施工業者がその瑕疵に対する対応を法的に義務化してあります。 当然、買主は、販売者もしくは施工業者に対して、しっかりした対応を求めることができます。

 とはいっても、業者交渉や改善工事などで多大な精神的負担を背負う場合も考えられます。法的に保護されたとしても、その要求を行うためのアクションが伴うことになります。家は出来上がって住んでからさまざまな事象が起きるもで、建主さんは、その施工業者と共同でさまざまな対応を行うことになります。しかるに販売者、施工業者とのしっかりとした信頼関係が保持されていなければなりません。

 本件の場合、そのような煩わしさを考慮した場合、質問者の購入を諦めた決断は賢明であったといえると思います。決断をなさったのであれば、綺麗さっぱりに忘れ去り、心機一転、悔いの残らない家づくりを行ってください。

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基礎のクラックの重要度について


<埼玉県狭山市・Sさん(会社員・35歳・男)>


 今回、初めてご相談させていただきます。内容は基礎のクラックについてです。
 現在、家を新築中の者ですが、基礎立ち上がりから耐圧盤に至るまでクラックが発生しております。業者はコンクリートの収縮クラックと言っており、エポキシ樹脂で修復と言っておりますが、業者の回答には納得できません。

・最大幅で約0.8mm程度
・基礎全体で約35ヵ所程度
・金槌などで軽く叩くと、木材を叩いているような軽い音がする
・ヘアークラック程度の細いクラックを入れると約70ヵ所は超えるクラックが発生している
・盛り土をしているが、大小の礫岩を混ぜて盛り土をしており、その岩は、手で簡単に割れてしまうような岩を使っている(写真)
・配管を通す穴を開け、2ヵ所配筋を切断している(ここも同様にクラックが入っている)

素人ながら、いろいろ調べた結果、以下のような原因があるのではないかと感じます。
・コンクリートの強度不足
・水セメント比の高いコンクリート(シャブコン)の打設
・不同沈下

 問題のないクラックなのか、重要な瑕疵なのか判断出来る範囲で結構ですので、ご回答お願いいたします。
 また、一級建築士に鑑定をしていただきましたが、コンクリートのクラックに関しては知識がなく、的確な回答が得ることができませんでした。重要な瑕疵の場合は、どのような方(専門業者?)に相談するべきなのでしょうか?

画像添付あり●(5点)



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HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 写真で見る限りですが微妙なコンクリートクッラクの状況です。
 1枚目と3枚目の写真はヘアークラックの許容範囲内とも見れないこともありません。しかし、2枚目の写真は構造クッラクと思しき深刻な亀裂に見えます。4枚目の写真は平面部分(防水コンクリートかベタ基礎コンクリート)の表面クッラクと思いますが、地盤の転圧が不十分な時に発生しやすいクラックです。一番深刻なのが、地盤強度、地層平行度、経年変化地質などを要因とした不同沈下によるものですが、写真で見る限り不同沈下ではなさそうです。
 コンクリートの強度はセメントと水の比率で決まりますので、本件の場合は、現場で水を加えてコンクリート打設をしやすくした、俗に言う「シャブコン」であった可能性があります。
 コンクリートにクッラクが発生し、そのクッラクから雨水などが浸入して鉄筋などを酸化させますと、さらにコンクリート剥離という大きな亀裂に発展する場合があります。

 現在、瑕疵担保責任という法律が施行されており、瑕疵担保責任という法律は「施工中の瑕疵が要因で構造体に問題が生じた場合、施工者はその瑕疵を担保する事を義務化する」という内容です。
 このように法律で弱い立場の建主さんが保護されるようになっており、本件の0.8ミリものコンクリートの構造クッラクなど、重要な瑕疵がある場合、施工者は法的に太刀打ちできませんので、施工者もできうる限り最大の対応をせざるを得ないのです。

 本件もその責任対象になる案件と思われますが、エポキシ樹脂での補修をするということもその責任対応の一旦となります。施工者が全く対応もせずに建主に損害がでるような場合は、施工者に対して法的責任を負わせることができるようになっております。
 現在、基礎コンクリートの樹脂補強材は、公共建築物のコンクリート橋桁や大事な構造物にも使用されるような、強固な素材もありますので、樹脂補強でも十分に安心できる補強が可能となっています。
 不同沈下でない場合、この樹脂補強でも大丈夫と思われますので、まずは施工業者が補強工事をしやすい状況をつくってあげることが賢明な対応と思われます。

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基礎の欠け、鉄筋についての質問です


<狛江市・IJさん(会社員・39歳・男)>


 新築、在来工法にて建築しました。今月入居するにあたり外周を確認したところ、基礎部分に添付のような欠けと、鉄筋が飛び出ている部分が見つかりました。設計者に確認したところ、「問題ない」という言葉のみで明確な説明を受けることができませんでした。
 このような欠けや鉄筋は問題ないものなのでしょうか? コンクリート部分はモルタル等での仕上げは行っておりません。知識がないもので…。よろしくお願い申し上げます。

画像添付あり



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HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 1枚目の写真に写っている鉄筋のような突起物は、コンクリート打設の際に型枠を抑えるために用いる金物です。この金物は出っ張っている部分を軽く叩くと折れ落ちるような構造になっているはずです。また、下部のコンクリートと上部の打ち継ぎ部分に段差がありますが、通常、この後にモルタルで仕上げて段差を失くする仕上げを行うものです。

 写真を見る限り、この状況が仕上げだとは思えず、工事途中であるものとしか考えられません。2枚目の写真では、基礎コンクリートの出隅の欠けは問題にするような欠けではありません。むしろ、柱の付け根の部分の水切りが途絶えていますが、柱(付け柱か)の下部に水が回る場合があり、その部分を腐食させることも考えられます。この部分もこれで仕上がりだということはないと思いますので、施工業者にしっかりと確認してみてください。

 万一これで仕上がりだというのであれば、下部の鉄の突起部分から酸化してコンクリートを剥離させる場合もあります。また、角の柱の部分もこのままだとするのであれば、竣工後に問題を発生させる恐れが十分に考えられます。写真で見る限り、常識的に判断しても、仕上げ途中であるとしか思えないのが実状です。

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