住宅クレーム110番

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J110 News

マンションの結露


<札幌市東区・Tさん(主 婦・33歳・女)>



 4階建ての賃貸鉄筋MSに住む者です。築20年は経つと思われるのですが、内外装は時々してくれます。部屋が居間と続きで和室があり、どちらも東窓(窓は、昔ながらの一枚窓で、その内側に木枠の窓??というか、ふすまのようなのが付いています)が付いています。
 外にはマンションが隣接しているため、日光はほとんど入りません。そのためか、古さのためか、寒い冬に結露が酷く、和室の窓上の天井がカビて困っています。掃除をして取り除いてはいますが、幅10cmほどで天井に付いていて、きりがない感じです。時々そこに室内なのに水滴が付いています。居間と和室ともに結露は凄いのですが、結露が原因であれば、ぜひ何か結露解消の良き方法をぜひ教えてください。毎日、見るたび憂鬱な気持ちになります。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 湿った暖かい空気は冷やされると水になります。これが結露です。湿度が高いとわずかに温度が下がるだけで水になります。逆に乾燥していると温度が下がっても水になりにくくなります。したがって、湿気をためず換気し、温度の下がる部分を排除することが結露防止対策になります。
 このようなことから、本来であれば高気密・高断熱・全館暖房(全室暖房)・計画換気が、結露防止のために必要なのです。また、窓部分で温度が下がり、冷気流が発生するので、窓下にパネルヒーターをつけることがベストになります。また、タンスの裏も、空気が滞留し冷やされて温度が下がり、結露しやすくなるので、対流させることが大切です。このことは押入れの布団の裏も同様です。
 今回の建物のように窓が2重サッシの場合は、特に内窓の隙間からの湿った空気が冷やされ、タンスの裏現象のように滞留し結露します。このように結露のメカニズムを理解できるといろいろと、対策がわかってきます。
 まず□1.暖房した暖かい空気を全室に廻し温度を上げること。□2.湿った空気を換気して湿度下げること。できれば窓のような部分的に温度が下がるところを改修(窓をペアガラスのPVCサッシに改修できると良いのですが賃貸であれば無理ですね)する。
 対策として、セントラル換気扇をつけると良いのですが(賃貸では無理?)と思いますので、1.トイレ・UBなどの換気扇をセントラル換気扇として利用すること、2.湿度の問題は発生と排出の問題なので、洗濯乾燥機などを使用し湿度の発生を抑えること、□3.部屋を開放し暖気を廻す様にしてください。
 全館暖房の考え方で絶対間違ってはいけないことが、煙突のないストーブ(灯油・ガス)を使うことです。特にポット式ストーブは灯油を燃やすと同じ量の水を発生するので絶対に使用しないでください。
 根本的には、全館暖房・計画換気・窓の改修が必要ですが、結露のメカニズムを理解して暮らしを考えてみてください。


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盛土不足? ポンプ汲み上げ浄化槽


<群馬県前橋市・OTさん(会社員・31歳・男)>


 昨年7月に住宅を建てました。合併浄化槽を設置し、道路側溝に排水しています。建築前に盛土を30〜40センチして、現在は道路と敷地の高さは、ほぼ同じです。
 昨年の建築中に合併浄化槽を設置する段(建物自体はほぼ完成時)になり、建築業者から相談があり、浄化槽の高さと側溝の深さの関係から、ポンプで水をくみ上げて排水せざるを得ないとの話がありました。他に方法は無いとのことだったので、ポンプ代は業者持ちということで承諾し、現在に至ります。

 これまで浄化槽の検査が数回あり、指摘されたことは、
1、居住人数・期間の割りにはトイレットペーパーの滓が多い。
2、万一ポンプが壊れた時のために、もう一台予備のポンプをつけることが望ましい。
という2点でした。
 また、住んでいて気付いたことは、1階トイレから臭い(古漬けのような臭い?)がすることです。

 私、素人ながら、これは盛土が足りなかったということが原因なのだろうと考えます。しかし、建築前の打ち合わせ時には、私のほうから「費用を抑えるため盛土は最小限で」とは言いました。

そこで質問です。
Q1、ポンプでくみ上げて排水するということは、建築業者のミスと思ってよいのでしょうか? 確かに私のほうから盛土は最小限とは言いましたが、ポンプが必要なほど低いというのは、問題なのでしょうか?

Q2、もし、業者の責任だとすればどのように行動すべきでしょうか? 引き渡しから期間がたってしまうと、責任追及は無理なのでしょうか?

Q3、業者の責任は無い場合には、今後浄化槽を使用するうえでの注意点はありますでしょうか?

以上よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 1階のトイレから臭気がしたことが要因で、本件の質問に至ったものと思われます。しかし、1階トイレの臭気と、敷地高さは関係しないものと思われます。
Q&A方式で回答します。
 A1・ポンプでの汲み上げ排水については特に問題はありませんが、盛土を最小限にすることによって浄化槽が側溝より低くなり、ポンプが必要になるということを事前に調査し、そのことをお客様に伝えるべきでした。この点については、建築業者さんの説明不足があったといえますが、このような敷地は本件以外も多く存在し、当然ながらポンプ排水を余儀なくされます。敷地の高さと側溝の高さによっては浄化槽に限らず、雑排水などもポンプ排水を行わざるを得ませんし、ポンプが正常運転している限り、特に問題はないと思います。
 A2・ポンプが必要になることが事前にわかったのか、工事途中でわかったのかが、明確ではありませんが、建築業者さんの負担でポンプを取り付けたということは、説明不足を考慮し、責任を負った形になったことと思います。予備ポンプの件ですが、通常では1本でも問題はないのですが、交互運転させてポンプ寿命を延ばすことができることと、どちらかが故障した際の対処が可能になります。また、降雨時期などにポンプが故障した場合、トイレが使用できなくなる場合もあり、その予備ポンプを備えたほうが良いと思います。予備ポンプ設置費用は、今回の経緯を踏まえた上で業者さんと相談してください。
 A3・特に注意点はないと思いますが、浄化槽の場合、定期的な保守点検(有料)が必ず必要となります。そのつど、点検業者さんに適切なメンテナンスを要請することになります。本件に限らず、浄化槽の管理はそのようにしております。1階トイレの臭気ですが、浄化槽の臭気は便器のトラップ(臭気止め)で室内には上がってこないようになっています。洗面器具や換気設備などの状況を調査して対応してください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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断熱欠損の対策方法と、通気止めについて


<青森県青森市・かふぇおれパパさん(会社員・35歳・男)>


 お世話になります。以前、防湿シートの破れ・貼り忘れと隙間風で質問させていただいたものです。
 ハウスメーカー(以下HM)と調整中でありますが、写真1のように、見える範囲でも何箇所も断熱施工不良がありますが、HMの回答が「当該箇所の外壁を外し、断熱を補修の上、再度外壁を取り付ける」とのことでした。
 この場合、こちらで目視できた箇所以外対応しないようにも取れたため、全周チェックを事前にして欲しいことと、必要であれば点検口の取り付けも行う旨(現時点では点検口として使えるのが1ヵ所、しかも人が横に移動できる場所ではない)提案しています。
 施工時のチェック不足と施工者の技術不足から生じたことではありますが、確実に補修してもらわないと寒くてしようがありません。
 HMが点検の提案をしてこないため、点検口増設を提案しましたが、まず、点検はこれ以外の方法でなにかあるものでしょうか? それと、補修方法自体も外壁を切り取りますが、耐久性その他を考えた場合に問題がないものでしょうか?
 また、写真2は2F間仕切り壁内から床下を撮影したものです。見てのとおり床下と壁内は完全につながっており、これが1F、2F全ての壁が天井裏と同様につながっております。2F床下(=1F天井裏)はユニットバス下部と、ベランダにて外気と繋がっております。そのため、冬季においては壁内を外気が流れている状況です。
これについてもJoto等で気流止めがあるため、追加施工で対応できないか検討してもらってますが、どうも間仕切壁は通気止めをする考えがないようなのです。補修は外壁上部だけのような回答が着ております。
 天井裏および壁内をガンガン外気が流れている状態で、間仕切壁の上下を気流止め施工するというのは効果がない、もしくは建築の常識として行わないものなのでしょうか? それとも「行わないほうがよい」ものなのでしょうか? 前回の回答では「施工しないことはありえない」でしたが、それを見せてもHMの態度が変わらないことに業を煮やしております。
 後施工が可能な部材を使って点検口さえ付ければ、自前で追施工していこうと考えていましたが、いかがなものでしょう? ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

追記:
住宅建築時に作成したHPです。
他の写真などもありますので、よろしければ問題をご指摘いただければと思います。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 HPも見せていただきました。工事は昔からの在来工法で建築が行われており、ハウスメーカー・建設業者共に、気密・断熱に関する技術はないものと思われます。
したがって、今回の業者に気密のこと、気流止めのこと、断熱欠損のことをいっても対応ができないと思います。構造を組むときから断熱・気密のために在来工法を改良していくもので、新しい技術が必要です。
 高気密・高断熱のレベルは北海道 I 地区、青森が II 地区の指定になっており、新省エネ、次世代省エネなど、どのランクにするかで、C値(隙間相当面積)、Q値(熱損失係数)が決められています。使用する断熱材の仕様も決められています。
 今回は、気密・断熱に於いてどのようなレベルの建物にすることで進められたのか? それに対して対応できる実績のある業者だったのか? そもそもそれを求めては発注したのか? “住まいを科学する”部分の考え方がお互いになかったものと思われます。
 問題は改修をどのようにするかですが、30年前の同様の工法でつくられた建物を、断熱改修する技術は確立しています。既設(中古住宅)住宅の断熱改修の技術です。ただし、新築でも高気密・高断熱を推進し、なおかつ既設住宅の断熱改修の技術も確立している業者に限っての話です。
 今回の工事を見る限りにおいては、今回の業者は無理と思います。高気密・高断熱に対する理解がなければ根本的に直すこともできません。どのような気密・断熱のレベルにするかを決め、それをできる業者に頼むことが一番です。高気密・高断熱の勉強を専門にしている団体があります。新住協です。検索して相談してみてください。


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アンカーボルト


<旭川市・NYさん(会社員・31歳・男)>


基礎工事が終わり見てみるとアンカーボルトが少し斜めになっていました。
また、少し欠けがありました。これって問題ないんでしょうか?



アドバイスいたします
いずみ建築工房
泉 徹
電話:011(738)2006


ブログ:http://kenchikudanten.way-nifty.com/
建築の不思議な納まり:http://kenchikudanten.way-nifty.com/photos/izumiya_phot/

 貼付の木工事解説のあるように、仕口90°材の交点から150mm離さなければなりません。他のアンカーボルトの位置は筋違等の位置がわかりませんから、正しいかどうか判別できません。
 次にアンカーボルトが中心に収まっていないのは問題です。通り芯がわからないので許容範囲であるか判別はつきません。アンカーボルト高さがまちまちなのはなぜでしょうか。所定の定尺が呑み込まれいるか疑問です。
 地元の設計事務所協会の建築相談調査会の建築士に現場を見てもらことをすすめます。


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屋根からのうねり音」について


<宮城県塩竃市(会社員・35歳・男)>


多分、タイベックだと思います。我が家もそれが原因でした。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 「屋根からのうねり音」の回答は次の質問内容が要点となります。
 【「ウォーン」という強弱のあるうねり音が断続的に聞こえ、とても気になります。特に風の強い日などはかなり大きな音が響いてきて、夜寝るときなど気になって仕方ありません。バルコニーに出てみてもよく聞こえず、部屋の屋根裏のあたりからうねり音が聞こえるかんじです。】
 このウォーンという音の感じですが、透湿シートが強風でハブリングを起こしているように感じません。稀にですが、透湿シートが外壁の上部で強風ハブリングを起せばバルコニーのほうがよく聞こえます。これは内部の断熱材に吸音されて、むしろ外部側に音が出てきます。このような強風ハブリングの可能性をチェックしますと、サッシ震え、網戸の震えなども考えられますが、それは全てバルコニーの外部でのほうが確認しやすいと思います。
 当然、タイベックのような透湿シートの強風によるハブリングも、100%否定できません。我々も日本全国、様々な事例、象例を経験しておりますが、メールや写真で判断できる最も可能性が高いと思われる要因で回答しています。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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