住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

シロアリ・防腐剤追加散布


<埼玉県さいたま市・UAさん(主 婦・31歳・女)>


 このたび新築後5年を迎えるわが家では、シロアリ防止の期限がちょうど切れ、点検と共に見積もりを取ってもらいました。その際に、写真で床下の状況を説明していただき、シロアリだけでなく床下の湿気が気になったとのこと。
 確かに気になってはいたのですが…。築5年で、使っている金具がもう錆びている写真を見ると、納得しました。ただ、防腐剤を現状に散布したところで、湿気ているものにいくら効力のある薬を使用しても100%の効果は得られないとのこと。床下に拡散型・排気型の扇風機のを設置、約250種類の防カビ効果のある軽石を敷き詰め、防腐剤を散布というトリプル対策のプランをすすめられました。
 そうなると予算も膨らみ、支払いが厳しくはなるのですが、悪くなってからではもっとかかってくるものだから悩んでいます。主人は騙されているんじゃないか?と疑いの目で見ているのですが、素人の私たちでは未知の世界なので、ご助言いただきたく投稿させていただきました。



アドバイスいたします
害虫のことなら駆除から再発予防まで
(株)青山プリザーブ
前林 十三男
電話:011(882)1722


ホームページ:http://www.aopuri.co.jp/

 全日本シロアリ分布図(日本シロアリ対策協会 2007:4)によると、お住まいの県はヤマトシロアリの分布域で、その他のシロアリの勢力はないようです。シロアリ防止期限が切れたのではなく、保証期限が切れたのですね。シロアリ(虫)はUAさんの家にシロアリ防止期限があるなんて知らないでしょうね。
 点検の方が、不要な工事をすすめているとは思えないのですが、受注額を増やすための営業トークがあるようです。営業マンなら当然ですね。しかし何を発注するかは、家主であるUAさんが決めることです。
 心配なのは、生物劣化(これは自然現象です)といったりしますが、虫や微生物が木造住宅に与える劣化の度合いがどのように侵攻するのかということでしょう。短時間に大きな害を及ぼす生物など、そうざらにはいません。じっくり納得ゆくまで勉強してから必要な工事を発注するという対応でいいでしょう。別な業者から見積もりをとって比較するのも勉強になります。
 勉強の材料はリプランをはじめとするまじめな書物です。きらりと光る一行があるはずです。


J110 News

防火地域での屋根材


<北海道夕張郡・HYさん(自営業・37歳 ・男)>


 新築の家を計画中ですが、屋根材のことで聞きたいことがあります。屋根の一部(下屋)にシェイク(杉の柾)を張りたいと思っているのですが、工務店の方に「ここは防火地域だから木は張れないよ」と言われました。シェイク張りの屋根は見たことがあるのですが、確かに街中では見かけないような気もします。室内側(天井面の室内側)の処理等で、法的なものをクリアできる方法はないのでしょうか?



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 都市計画では用途地域とは別に市街地における火災の危険を防ぐために、防火地域や準防火地域を定めています。また、それ以外の地域でも広域的な防火対策として、屋根を不燃材料でつくるか、または葺くことを建築基準法第22条で定めています。法22条地域と呼ばれるこの法律は、都市計画区域のほとんどが対象とされています。
 ご質問の防火地域や準防火地域ですと、屋根は次の1から3までのいずれかの構造とする必要があります。
1.屋根を不燃材料でつくるか、または葺く。
2.準耐火構造(屋根面準不燃材料)。
3.耐火構造で30度以下の勾配の屋根の場合は、外側に断熱材や防水材の使用が認められています。
 このように、市街地において木を使用した屋根は不可能です。
 ただし法22条地域の場合には、茶室や10平方メートル以内の物置で、延焼の恐れの無い部分(隣地や道路中心から1階で3メートル、2階で5メートル以上後退した部分)については除外されています。
 市街地における延焼の防止のために出来た基準なので、ご納得いただくしかありません。


J110 News

床下水漏れ事故が起きました。シロアリ、腐食が心配です。


<埼玉県富士見市・TTさん(会社員・49歳・男)>


 築3年が経過した軸組み木造の高気密・高断熱住宅に住んでいます。1週間前にキッチンの床下収納のフードを開口したところ、床下に水が溜まっている状態を発見しました。水深は約10センチで、原因は洗濯機用の床下排水管と床面の口金(フランジ)の結合不良で、隙間から洗濯排水が漏れて床下に溜まってしまったことでした。
 工務店では配管業者を呼び、すぐに基礎側面のコンクリートに穴を4ヵ所あけ、溜まった汚水を外部へ排出しました。その後、床下にもぐり、水洗い・水のバキューム吸引・基礎床面側面の拭き掃除を施してもらいましたが、高気密・高断熱のための断熱材は水を吸っていまい、簡単には乾かない状態です。工務店の説明では、施工に問題があったと非は認めた上で「浸水してたのはコンクリートのところまでで、木材のところまでは浸水してないので大丈夫だ。束(金属製)は念のため全部(30本)取り替える」とのことでした。
 私は、「今後、床下が完全に乾くのか」「断熱材・木材に湿気が残って断熱効果が得られなかったり、将来、シロアリの発生や木材の腐食の原因になるのではないか」と心配です。
 新築直後の性能・状態を取り戻し、耐久性が損なわれないような完全な改修・対策の方法はあるのでしょうか? 教えてください。



アドバイスいたします
害虫のことなら駆除から再発予防まで
(株)青山プリザーブ
前林 十三男
電話:011(882)1722


ホームページ:http://www.aopuri.co.jp/

 私の経験による評価ですが、床下への排水漏れの対応としては良心的によくやってくれているほうです。
 木材の腐朽やシロアリなど、どうしても心配であれば、工務店にお願いして危ないと感じる部材の含水率を計測してもらいましょう。建築用材であれば15%まで乾燥してから用いるのがよいとされていると、ネット上のフリー百科事典Wikipedia : 木材にありますので、概評値として比較してみるとよいでしょう。
 何も問題が起きなかったとしても3年経過しているのですから、新築直後の性能・状態への復旧はできないでしょう。お手元にそのときの何らかの性能・状態を数値で表した資料があれば、同等の検査や測定で現在の値と比較することができると思いますが、この検査等にかかる費用は施主負担と考えたほうがよさそうです。
 余談かもしれませんが、室内空気環境を品質として住宅が販売される時代ですが、お施主さんの環境に対する認識はまだ低いようです。検査や測定という仕事は工務店に任せるのではなく、施主自身がこれらの検査業者に直接依頼して、自らその性能を確かめるというふうにしなければ、本当の検査とはいえないのではないでしょうか。


J110 News

天井裏の梁の亀裂


<神奈川県座間市・OKさん(会社員・49歳・男)>


 1年前に平成10年6月築の中古住宅を購入しました。先日、天井裏に入ってみると、梁に亀裂が入っていました。写真を添付しました。
 この程度は普通のものなのでしょうか? それとも補修が必要なものなのでしょうか? どうか教えてください。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 普通かどうか、大丈夫かどうかの判断は、何を基準にするかで違ってきます。写真の割れ具合を見る限り、極端に危ない割れではないと思います。部材を取り替えるとなるとけっこう大変な工事なりますので、簡単な補強をしてみたらいかがでしょうか。
 方法は割れた部材を真ん中に、両脇から別な木材で挟み込み、ボルトで締め付けると良いでしょう。そのとき割れた部分と挟み込む部材の間に、木材用のボンドを注入してから締め付けてください。簡単ですがかなりの補強になります。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。