住宅クレーム110番

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J110 News

基礎断熱の土台


<AMさん(会社員・36・男)>


 基礎断熱(断熱材内張り)の場合、基礎と土台が密着すると思いますが、密着すると土台がコンクリートの水分を吸って腐るという話を聞きました。それは檜などの腐りにくいものを使えば防げるものなのでしょうか?
 教えていただければと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 基礎コンクリートと土台は緊結することが建築基準法で定められております。そのため、一般の住宅は、基礎コンクリートと土台が密着しているのが普通です。しかし、基礎パッキンなどという、公的な認定を受けたパッキンでコンクリートと土台が密着しない構造ものも存在しますので選択は可能です。価格もそんなに高くありません。
 問題は、地下水面位(地盤を掘って溜まる水面の地表からの距離)の高い地盤では、基礎コンクリートも含め、床下環境が常に湿気を抱える状況になる場合があります。この場合、土盛りなどで敷地を高くして地下水面位を低くする必要があります。
 地盤が湿気を抱えたままの状態では、木材に檜材などの腐食し難く、シロアリのつき難い樹種を使用したり、防腐防蟻処理を施した木材を使用しても、短期間で朽ちる場合があります。地盤面によっては何の処理をしなくとも、全く問題の起こらない地盤のほうが多いのですが、地盤を掘ってみて地表より数十センチのところまで水が上がるようなら処理が必要です。
 地盤の湿気対策とは土盛り、暗渠、排水溝、防水処理などがあり、家の構造に合わせた処置を講ずることになるでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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カビ・カビ・カビ」への回答に対して


<Sさん・会社員(53歳・男)>


 常時換気について、この回答を読むと一般の方は第3種換気にしておけば大丈夫、と思い込んでしまうのではないでしょうか?
 確かに第2種換気は特殊な用途の空間を対象としていますが、空調換気扇などは第1種換気ですし、局所換気を含め定常的な風量の見込める第1種換気のほうが、コストを別にすれば、ベターではないかと私は思います。
 多湿時には換気を止め、外気の湿気を室内に導入しない、という基本動作をアナウンスすべきではないでしょうか。別に法的に常時換気が定められているといっても、使用するしないはユーザー判断でしかるべきでしょう。シックハウスばかりが住宅の敵ではないのですから、専門家という立場の人間のアドバイスとはそういうものではないでしょうか。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 メール文書で行う質問と回答に限界こそありますが、このような意見に対して回答することで正確な趣旨が伝わるもの思われます。
 そもそも換気とは何なのかという基本に立ち返らなければなりません。隙間が多くて安全性の高い素材を使用した家づくりでは、第1種だ第3種だなどという換気そのもが無用です。昔の家に換気などは設置されておりませんでした。
 換気の手法と使用方法は、家の使い方と家の気密・断熱の性能で異なってまいります。意見にあるような第1種換気は、多くが2個のモーターを使用しており、イニシャルコストもランニングコストも高くなり、これを行う家は、気密性能が相当に高くなければ費用対効果がでません。
 気密性能が高い家で第3種換気を行えば、室内が負圧状態となり、換気扇が空回りして換気ができなくなるために、排気と同時に吸気を行うものが第1種換気です。つまり、一定の隙間がある家は第3種換気で、気密性の高い家は第1種換気といえるでしょう。
 質問にあったような第2種換気では、一般の方々が住まいする通常の実生活に適応しないと思われます。
 また、仰せのとおり、現在の住宅にシックハウスを引き起こすような建材はほとんど使用されなくなり、そのシックハウス対策だけを意識する換気ではいけないと思います。換気は湿気や有機ガスを出すためのものですが、また不必要な湿気(乾燥空気も含む)や花粉、有機ガスなどを入れてしまう機器でもあります。
 できるのであれば、室内と外部の環境を精査しながら換気扇の「入り」「切り」を行うの上手な使い方ということになるのでしょう。しかし、一般の方に、どのような環境時に換気扇を稼動させるのかを知っていただくのは至難の事といえるでしょう。
 カビカビカビの質問事象には、まず徹底した換気を行い、空気を動かすことが事象を解決するために最も適切な措置と思われます。湿気の多少に関わらず、カビは動く空気に触れるとほとんど発生しないからです。
 しかし、現場での事象を見ないでこのような回答を行うことに、常々不安を感じながら回答しています。現場を見ると想定外の要因を見つける場合があるからです。このような意見があればこそ、その難しさを知っていただく機会になったかと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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家を建てるのってこんなに苦痛なものなのですか?」へ、私の意見


<神奈川県厚木市・MSさん(48歳・男)>


 家づくりに限らず、人って結局、自分中心に物事を考えるものだと思います。「高い買い物したのだから、もっと親身になって対応するのが当たり前でしょう!」って思うと、「なんで、まずミスを認めて謝らないの?」と考えるのは当然です。
 が、一方で営業マンから見ると、「多少のアフターフォローのクレームはつき物、それより今月の売り上げノルマの達成が優先や!」と思っているかもしれません。想像だけの話で恐縮ですが、残念ながら、今の社会では効率優先で、しかも人が少ない状況ですから、大手といえども非常に競争が激しいのが現状だと思います。外見ではわかりにくいかもしれませんが、おそらく売り上げ最優先で担当者はへとへとになっているのではないでしょうか?
 そのような背景があるとすれば、「あのとき言ったでしょ!」と言われても、うわの空でしか聞いてない可能性もありますし、その都度、その場面を言いつくろっているだけの可能性があります。ここは、感情的になるより冷静に対処するほうが得だと思います。
 例えば、議事録を採ることです。いつ、どんな問題が発生して、いつまでに、誰の責任で対応する、というような簡単なメモで、双方のサインがあれば良いと思います、念のために会社にも送付させていただきます、と一言やんわりとプレッシャーかけるのも良いかもしれません。
 また、期日までに出来たことがひとつでもあれば、感謝の気持ちを伝える(担当者とその上司へ)ことで、残った案件に対しても、やる気にさせる動機になると思います。要は愚痴を言っても解決にはなりません。相手の立場、性格を理解してうえで冷静に対応するほうが結局うまくいくのではないでしょうか。何でもやってもらうためには、買い手もある程度努力しないと改善できないのだと思います。
 少しずつでも改善していくことが見えれば、また違った見方もできるような気がします。

2007/02/10 「家を建てるのってこんなに苦痛なものなのですか?」についての私の意見



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フローリング張り替えによるダメージ」のTKさんへ


<北海道虻田郡・take chanさん(会社員・51歳・男)>


<〜NPO住宅110番より〜 以前より掲載中の「フローリング張り替えによるダメージ」について、すでに掲載済みのアドバイスとは違った見地での、以下のようなアドバイスが寄せられましたので、掲載いたします。それぞれのアドバイスを参考にしていただけると幸いです。>

 あくまで、写真からの私の考え、および、私ならこうする。ということで、お聞き願います。
 まず、剥がした状態ですが、1枚目の写真の状況が大半なり、半分ほどがその状態なら、悪い状態ですね。私なら、何がしかの対処をします。でも、2枚目の状況が大半というなら、そのままにするかもしれません。
 すでに壁が張ってある状態のようですので、張り替え、交換ということは、壁をも傷めることになります。かといって、その内側で切り取ることは下地の関係で問題ないのでなければ、難しいでしょう。
 たとえば、壁(石膏ボード)を多少傷めることが可能であるなら、壁の下の方を450mmくらい、要は壁下地間で切り取り、合板の張り替えの算段をします。
 もう一つ。では、取り替えないで上に合板を張り重ねることは?と考えました。今張られているであろう12mmもしくは15mmほどの合板が張れれば、それがおすすめです。が、最近の通例のバリアフリーの納めであれば、その分、床に段差がつきます。ここがネックですね。問題なければ、それをおすすめします。
 それをおそれるあまり、薄い合板なら確実に床がウグイスになります。いずれにしても、写真を見ての考えですし、現場全体を見れるわけでも無し、上に張るフロアに影響されることもありますので、一概にはいえません。
 工務店などと、よく話し合われることをおすすめします。



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