住宅クレーム110番

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ウッドデッキに松は?


<高知県安芸郡・NMさん(主婦・45歳・女)>


 亡父(大工)が数年前、倉庫内に小部屋をつくるつもりで10x14センチ、4メートルの木を20本購入していました。もったいないので製材して、後からの張り替えが容易なデッキ面材、パーゴラ天材に使おうかと考えていました。が、調べて見るとマツは腐るよりヤニが出るとのこと。何か対処できる方法はないのでしょうか? アルコールで拭いてもダメでしょうか? 腐ることばかり考えていましたが、丈夫なら束柱や通し材など床下にはどうでしょう? 設置場所は丘の上の東南で天気なら陽射し抜群で湿気はありません。松は見た感じ赤みがかった薄チョコレート色で、塗料を塗ったようにきれいです。製材料が掛かりますが、木がもったいないので何とか使いたいのですが…。



アドバイスいたします
北野木材販売(株)
専務取締役 山田直登
(北海道建築士会 空知支部滝川分会 青年部)
電話:0125(23)1178


ホームページ:http://wb-hokkaido.com/

 使用される場所が土間でなく湿気がないところに使用されるのであれば、どんな所でも腐る心配はありません。松の色がチョコレート色になっているのは、時間が経って木の渋が表面に現れ、乾燥されている証拠です。強度とは関係ありません。ヤニの部分は使用しないで切り捨てたほうが良いと思います。


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コンクリート部分が白く変色


<北海道小樽市・TRさん(公務員・36歳・男)>


 昨年の9月に1階:鉄筋コンクリート造、2〜3階:木造の家を新築し、ひと冬越しました。雪が融け、1階コンクリートの外周が白カビでも生えているように白くなっていました。白くなっているのは雪が接触していた部分(外周全体)です。1階コンクリートの仕上げを「のろ引き」で行っており、コンクリートにひびが入っているところはありません。近所の新築と思われるお宅を見て回ったりしましたが、打ちっ放しやモルタル仕上げには見られず、のろ引き仕上げのお宅に何件か同じような現象が見られました(程度の差はありますが)。
 いろいろ調べてみた結果、エフロレッセンスではないかと思い、酸性洗剤(サンポール)で洗浄してみましたがきれいになりませんでした。美観的に良くないので業者に相談したところ、除去は難しく塗装するしかないと言われました。塗装するにしても、原因がわからないと根本的に解決したことにはならないし、塗装した場合に心配なのが、再びエフロが発生しないのか(エフロだとすれば)、剥離やひび割れしないようにするにはどのような塗料を使い、どのような手法で行えば良いのか(業者との打ち合わせに必要な知識として)ということです。
 この白いものはエフロレッセンスなのでしょうか? またエフロだとすればコンクリートはひび割れしていないので原因は「のろ」なのでしょうか? もし、原因が「のろ引き仕上げ」によるものだった場合、補修(塗装)費用を業者に請求することはできるものでしょうか。施工不良ではないとは思いますが、「のろ引き仕上げ」がこのような現象を起こす場合があるとの説明は受けなかったことと、1年も経たないのに、補修費用がかかることに今ひとつ納得がいきません。お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。



アドバイスいたします
高橋明裕 (北海道建築士会小樽支部 幹事)

 1階コンクリートの表面仕上げが『のろ引き』とのことですが、使用した材料がセメントペーストもしくは補修材かによって状況が違います。
 セメントペーストの場合、刷毛引きの強弱及び日光の当たり具合により、白くぼやけたりすることがありますが、品質的には問題ありません。
 次に補修材(樹脂製モルタル)ですが、本来の用途は、塗装前等にコンクリート表面の下地処理として塗布するものですが、のろ引き仕上げにも使用します。補修材は、雨・雪等から吸水すると成分の微粒子が表面に浮き出て白くぼやけてきます。セメントペーストと同様に品質的には問題ありませんが、外観上きれいとはいえないかもしれません。
 TRさん宅の状況を見ていないのではっきりとは言えませんが、コンクリート表面にひび割れ・剥離の状況が見られないのであれば、エフロレッセンスではなく、前記した症状ではないかと考えます。ただし、のろ引き表面の白い物の除去は無理だと思います。壁の白い部分を除去するために酸性洗剤で洗浄したようですが、コンクリートはアルカリ性のため化学反応を起こし、ますます白くなったり、剥離の原因になりますので、絶対にやめたほうが良いです(タイルやレンガの場合に酸を希釈して洗うことは一般的です)。
 外観上、気になるようであれば塗装ということになりますが、のろ引きの状態には問題がないようなので、水性透湿弾性系の塗装が良いと思います。コンクリート表面から発生する湿気を外に吐き出す性質と塗装自体の追従性により、経年で必ず発生するコンクリート表面の微細なひび割れを塗装表面に発生させない性質を持っています(構造的に問題のある大きなひび割れは無理です)。どちらか一方の性質を持った塗装もありますが、TRさん宅の状況等も考慮して選定しなければならないので、塗装業者さんと打ち合わせが必要だと思います。
 費用については、ひび割れ・剥離等の品質的な欠陥がないとなれば、別途掛かるのが一般的だと思います。ただ、のろ引き表面が後々白くなってくることは、事前に業者さん(設計者・施工者)がTRさんに説明する必要はあったかと思いますので、業者さんに再度ご相談されてはいかかがでしょうか。


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電話線の配管について


<福岡県小郡市・STさん(会社員・45歳・男)>


 一戸建て住宅(2×4)を新築し2000年5月より住んでいます。電話回線はメタル(ADSL)を私用していますが、今度、光回線に変えようと思い、電話会社に工事をしてもらおうとしたところ、電話線の配管がされていないため工事できないと言われました。
 私の家は某不動産業者に設計・施工を一括でお願いして建てていただいていますが、一般的に電話回線の配管は設計・施工上、必須なのでしょうか。もしくは配管がないのは手抜き工事なのでしょうか。家を建てるとき電話線の配管については何の説明もありませんでした。ご回答よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
一級建築士事務所
ATELIER AG-PLANNING
今井優子(北海道建築士会 札幌支部青年委員)


ホームページ:http://www2.odn.ne.jp/hokkaido-agp/

 通常、既存の住宅に光ファイバーを導入するときは、電話配管やエアコンのスリーブなどを利用して室内に引き込みます。その先は、回線終端装置からLANケーブルでルーターを通してパソコンやIP電話などにつなぐことになります。NTT東日本のサイトですが光導入工事について説明されていますので参考にしてみてください。

http://flets.com/opt/const_single_house.html?mhttp://flets.com/opt/report/case01.html NTT

 ですが「電話線の配管がなされていないから工事ができない」と言ったことの真意はわかりかねます。
 確かに電話の配管があれば一番工事は楽ですが、ないからといって、できないわけではありません。エアコンのスリーブがなくても換気孔など、どこかに屋内に引き込める場所はあるのではないかと思います。それすらなければ小さな穴を開ければいいことです(費用は別途かかります)。ただ、そこから実際に使う場所まで配線を引き回わさなくてはならないという不便さは発生するかもしれません。
 電話の配管がないことが手抜き工事かどうかということですが。 結論から言えば、いわゆる「手抜き工事」という性質の問題ではないということです。言ってみれば、チョッとした配慮があったかなかったか、気の利く奴か、言われたことだけやる奴か……の違い見たいなものではないでしょうか。
 2000年の新築ということですので、当時はまだアナログからISDN→ADSLといった流れの真っ只中だったのではないでしょうか。その時点で次は光だ!と予測し、さらにその光がこのような速さで普及すると予測できた人は少ないのではないかと思います。情報回線がどんどん進歩して、普及しているものもすぐに古くなるだろうという予測は、今でこそでききますが、だからといって、5年先に対応して何かを用意しておくなんてことは、住宅では不可能といえます。
 現在、私が新築の設計をするときも、施主に光を引く意思を確認して、回線終端装置やルーターの設置場所を決めて、またどの部屋でパソコンを使うのか、LANはどうつなぐのか、無線か有線か、電話はどうする、FAXは?…etc、いろいろ検討してもらって、それに合わせて配管しておくようにしてますが、それとて5年後には全て無用の長物になっている可能性もあるわけです。残念ですし、もったいないことですが、現状では仕方のないことです。


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火打ち梁のナットが緩んでいるのですが


<福岡県糟屋郡・Uさん(会社員・42歳・男)>


 新築で住宅を建て、入居して11年10ヵ月経つ者です。先日点検で天井裏を見る機会があったのですが、そのとき火打ち梁と梁を止めているボルトのナットが緩んでいることが発覚しました。この部分だけはその日締め直してもらったのですが、それ以外の箇所も当然緩んでいるのではないかと不安です。
 緩んでいるとして、構造的に問題はないのでしょうか? また、締め直すにしても壁に塞がれている部分はどうしたらいいでしょうか? どうか対策を教えていただけたら幸いです。



アドバイスいたします
針ヶ谷 拓己(北海道建築士会 札幌支部 青年委員)

 火打ち梁は、柱や梁のように建物の荷重を直接受ける重要な部材ではありませんが、床組、小屋組などの隅角部に入れる水平補強材として、水平力を軸組に伝えると共に、水平面の変形を防ぐ役割をしています。ご相談の火打ち梁のボルトの緩みについてですが、木造の場合、木材の乾燥収縮が原因ではないかと考えられます。
 一般的に火打ち梁と、梁との接合部(仕口)は凸凹(ほぞとほぞ穴)になっていて、火打ち梁は、梁にめり込んで組み合わさっています。その組み合わせが外れるほどの異常なボルトの緩みであれば、締め直す必要があると思います。その場合は、壁で塞がれている部分についても仕上げおよび下地材を撤去して、ボルトを締め直すべきであると思われます。
 火打ち梁の部材仕様、ボルトの緩み度合いなど不明な点がありましたので、一般的な回答となっております。
 ご心配でしたら、一度、工務店や建築士の方に現状を調査していただき、処置の方法を検討されることをおすすめいたします。


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