住宅クレーム110番

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喘息の住民に影響の少ない方法は?


<神奈川県伊勢原市・MKさん(58歳・女)>


 雨漏りで、屋根裏の柱等に白カビ、黒カビ、六角ビスにサビ発生。業者は消毒撒布による処置を言う。しかし喘息なので影響が心配。そのままで20年ぐらいもつか、また撒布するなら害の少ない防腐剤抗菌剤、カビを抑える別の方法があれば紹介してほしいです。
 築25年木造です。ぜひお願いします。



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HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 喘息の根本的な要因の特定が必要と思います。
 状況から察してハウスダストの可能性もあると思われます。しかし、小屋裏のカビが居住空間に影響を与えることは、物理的に少ないのが実状です。
 それは小屋裏は、自然換気が行われていることが前提の構造になっているのが普通であり、人の住む空間に影響など無いようになっていなればなりません。また、小屋裏の自然換気がなされていれば、小屋裏に白カビや黒カビなど発生することもありません。
 本件は、そのあるべきことのない事象が小屋裏に発生しているということだと思われます。つまり、本件は自然換気が十分になされるような環境になっていないと思われます。そのような状況では、カビの胞子が居住空間まで浮遊して来ている場合もある可能性が考えられます。したがって、小屋裏の防腐、抗菌処理より優先して、カビの発生しない環境へ改善すべきです。
 対応策としては、小屋裏の換気を促す処置が必要です。小屋裏の自然換気のため、軒天からの空気導入や小屋裏の機械換気などの対処方法があります。安易な防腐、抗菌処理を行うことで、薬害によるアレルギーや喘息症状がいっそうひどくなる場合もあります。とにかく小屋裏換気を十分に行うように対処して、様子を見る必要があります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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基礎のシミとクラックについて


<宮崎県・M.Nさん(会社員・37・男)>


 2006.1月に家を建てました。3ヵ月後くらいだと思いますが、基礎部にクラックとシミが発見されました。工務店に相談したところ、クラックはヘアークラックで問題ないとのことですが、クラックの裏側(床下から見て)もクラックがあり、つながっているのでは?と考えます。
 また、基礎のシミも問題ない、どの家も同じですよと一蹴されました。知り合いの工務店なので強く言うこともできず、困っています。納得のいく回答が得られないまま、この状態が続いています。基礎部分の写真を添付しますので確認ください。ご意見よろしくお願いいたします。
写真



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代表 福地 脩悦


 基礎コンクリートが硬化する際にヘアークラックを生じさせるものです。ヘアークラックということですから0.1ミリ程度のもので、構造体に影響を与るものではありません。
 本件の場合は基礎コンクリートの表面をモルタルで被せた仕上げをしており、基礎コンクリートの亀裂を確認することはできません。また本件のように、モルタルにも収縮クラックが発生いたします。本件の場合、写真で見る限り、モルタルの収縮クラックは許容の範囲かと思われます。
 基礎モルタルの水によるシミの状況ですが、雨水が通気層を通じて水切りから排出したものが内側に回ったものと思われます。写真で見る限り、水切り施工法は正常に行われているようです。しかし、正常な取り付けであれば、水切りの突先から内側のモルタルに回り込むことは不自然です。この写真では確認できませんが、外壁材の内側にある通気層の防水シートが、水切りの立ち上がり部分の内側に入り込むような施工ミスで、このような状況になる場合があります。
 水切りの回り込みも、通気層の防水(透湿)シート張りミスも、放置しておいてはいけない問題です。しかし、写真と文章だけでは断定できませんので、本回答を参考にして施工工務店に調査と改善を要請すべきでしょう。

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カビ・カビ・カビ


<東京都江戸川区・TNさん(30歳・女)>


 2004年11月に2階建ての木造住宅を購入し夫婦2人で生活をはじめました。3LDKで1F部分に3部屋、2Fにリビング・ダイニングとキッチンがあり、寝る時以外は1Fをあまり使わない状況でした。もちろん窓を開け、換気もし、24時間換気システムも各部屋に付いています。3部屋ともドアは開けっ放しにしていました。そして2005年9月に衣替えをすると、シャツ・コート・帽子などにカビが生えていて、部屋を片づけていると黒のソファが真っ白になっていることに気がつきました。衣類も処分したり、クリーニングに出すなどし、すべてシミ抜き扱いで現在6万円にもなってしまっています。ブランドの革のバッグもカビていました。すべて白い胞子状のカビです。仕舞っている布団一式セットは怖くてカビの確認ができず、クリーニングも高額になると思うので手を付けていません。
 売主の建築会社に相談したら「24時間換気システムは家購入時の初め2ヵ月間くらい、臭いを取るために使用するものなので、使用し続けると梅雨時期は特に湿気でカビが発生してしまう」との回答で、軽く私たちのせいにされてしまいました。
 2006年は換気システムを使わず、よりこまめに日中窓を開け、空気の入れ替えを行っていました。しかし、またカビを発見しました。去年の残りかもしれないけれど、2006年に入って発見したカビはタンスの引き出しの縁に発生していました。
 知り合いの建築業者に事情を説明すると図面を見てくれて、家の中を確認してくれました。結果、部屋に付いている24時間換気システムは、給気タイプのもので、それに対して図面上にはある、部屋を締め切った状態での排気口が確保されていませんでした。
 結局、売主に訴え、ドアの縁の部分を隙間の空くように交換してもらいましたが、これでもカビの発生が改善されない場合どうしたらいいのか聞くと、換気システムを湿度センサー付きの換気タイプ(×3=5万5千円)に交換するか、除湿機をフル稼動させるか、壁材を替えるか、と言われました。
 本当にこの方法で良いのでしょうか? 他に策はありますか? これ以上、自己負担で費用を要さなければならないのでしょうか?



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HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 現場を検証せずに断定的なコメントはできませんが、考えられることを記述します。
 まず、今どき給気式の換気扇を一般住宅に取り付けていたとは考えられません。一般的な換気扇方式は第3種換気といって、排気型のものを使用します。この場合、家の細かい隙間から給気して排気換気扇から排気します。ほとんどの一般住宅は、このような換気扇を使用しています。
 給気式は、家の中に外部から空気を取り込んで内部の気圧を上げ、隙間から室内空気を追い出す仕組みですが、病院の手術室のような特殊な用途にしか採用されていません。実際に給気式換気扇であれば、排気式に取り替えを行うべきでしょう。価格は2〜3万円程度で取り替えが可能です。
 しかし、本件のような家具の裏やクローゼットの中などのカビを、換気だけで抑えることはできません。閉鎖された空間に換気された空気が行き当たることが困難だからです。そもそも、換気扇の役割は、日常生活で発生させる生活水分と汚染空気を排出することが目的です。新築時には、確かに建材などからの有機ガスが多く発生して換気の役割が重要ですが、普段でも生活に見合った換気量を確保しておく必要があります。
 また、梅雨時には外部の湿気が多くなりますが、だからといって換気扇を止めても、普通の住宅なら隙間から湿気が浸入して来て外部湿度とほぼ同等になります。梅雨時でも換気扇を稼動させておきますと、入った湿気分を排気しますので停止させてはいけません。
 本件の根本的な要因は、家の断熱層の性能にありそうです。壁の内部の断熱層がしっかりしていない家の場合は、壁の中が外部から冷やされて露点温度以下となり、その部分に室内で発生した湿気が結露状態となってカビになる場合が多いのです。壁の中や床下などの断熱材の様子を一度確認すべきでしょう。
 さらに、室内で熱帯魚の飼育など湿気を多く出すような環境ですと、少しの低温部分にもカビが発生する場合があります。室内の温度と湿度を計測してみてください。室内を20℃に保ち、湿度が50%のときは、9℃以下の部分に結露、もしくはその部分の含水量が多くなりカビが発生します。この、冬の間の東京地域の外部は乾燥状態となりますので、正常な換気方法で充分に換気を行うことと、室内での湿気発生を抑えるように意識することで、かなり改善できると思われます。
 室内発生水分が抑制できない場合は除湿機も一定の効果はありますが、冬期間の場合は乾燥した外部空気で換気したほうが遙かに効果的です。

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柱寸法について


<岐阜県中津川市・井上 隆(会社員・35・男)>


 新築を計画しており、各社見積を取得した結果、工務店1社に絞り交渉をしています。工務店の基本仕様は、基礎の上に設置する木材が3.5寸で、通し柱が耐震強度を確保するために、4寸となっているとの説明でした。
 構造見学会に行った際に、基礎の上に設置されている柱から通柱がはみ出た状態になっていることに違和感を感じましたが、強度上そのような状態でも支障はないのでしょうか。



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代表 福地 脩悦


 本来、基礎コンクリートの真上に土台が載るべきもですが、多少なりともはみ出る場合もあります。はみ出る限界もありますが、1センチ以内なら許容範囲といえるかもしれません。一般の住宅の多くは3.5寸(105ミリ)で施工しておりますが、強度的に特別問題になることはありません。通し柱に4寸角を使用するのは、桁や梁を受けるための欠き込み部分が多くなる場合があるからです。欠き込みが多くても、丁寧に施工して全ての欠き込み部分にホゾが埋まると、問題はありません。
 本件の場合、通し柱に4寸角を使用する工務店さんのこだわりかと思われますが、そのこだわりに気概を感じます。こだわりのある工務店さんは出来上がる家にもプライドを持っているものです。本文で「基礎の上に設置する木材」とありますが、土台のことだとするならば、本来4寸角柱を受ける土台もまた4寸角にしなければ、通し柱が土台からはみ出てしまいます。こだわりの工務店さんに指摘してみてください。

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フローリングの塗装について


<愛知県名古屋市・TYさん(主 婦・30歳・女)>


 わが家の床はパイン無垢材なのですが、仕上げで悩んでいます。
 当初は、自然塗料で木目が透ける白でステイン仕上げにしたいなあ、と思っていたのですが、ペンキ屋さんが、「人がよく歩くところ等はすぐにハゲてきて、後から自分で補修しようとしても難しい」と言うのです。何度も塗っているうちにペタヌリになって木目が見えなくなるとも。そうなると、クリアーのワックス仕上げになるのですが、そうすると、年月を経るごとに床の色は濃くなってくる。
 窓枠なども白のステイン仕上げにしているので、できれば床も白のほうがいいのですが、それほどハゲハゲになってしまうものでしょうか? クリアーのワックス仕上げのほうがメリットは多いのでしょうか? 白のステイン仕上げで、良い案があれば教えていただけませんでしょうか?
 文章がわかりづらくてすみませんが、どうかご回答お願いいたします。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 塗装屋さんとの話し合いの状況や、意味がよくわからない部分がありますので、一般的な回答をさせていただきます。
 一般的に床材を選択する場合、傷や汚れが付きにくいコーティングされた材料を選ぶか、多少傷が付きやすくても自然の風合いを生かした無垢材を選ぶかに大別されます。ほとんどのフローリングやフロアーと呼ばれてるメーカー商品は、表面に硬化膜が施され、丈夫で、日常の手入れはたまにワックスをかけるくらいです。無垢素地材の場合は、ワックス等でコーティングしてしまうと木の風合いが消えるので、日常の汚れ防止にはステイン等、浸透系の塗料を使います。私どもではそのような場合は、オスモという自然塗料を多く使っております。色を付けず木肌そのものを生かす場合はクリアー色を使います。
 無垢素地材は傷も付きやすいし、時間と共にやはり色も濃くなっていきます。しかしそれは床材だけが濃くなるのではなく、他も同じように濃くなっていくため、風合いを増していくのも無垢材の魅力だと思うのですが…。


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フローリング張り替えによるダメージ


<静岡県吉田町・TKさん(会社員・34歳・男)>


 よろしくお願いします。フローリング下の捨て張りについて質問させてください。
 戸建新築物件の購買契約を行いましたが、売主の発注ミスにより、フローリングの色が間違っているので張り替えたいとの申し出がありました。家へのダメージが心配だったのでそのままにして欲しいと伝えたのですが、「仕様だから張り替える」とのこと。
 元のフローリング材は捨て張りと接着剤で強固に止めてあったため、剥がすときにコンパネ材の表面が剥がれて持って行かれていましたが、新しいフローリングはこの表面が剥がれて凹凸のあるコンパネの上に再び張られていました(写真を添付します)。フローリングを止める接着剤は1液型ウエレタン樹脂でクッション性があるのかもしれないのですが、捨て張りとの凹凸のために生じる床鳴り等の将来のトラブルが心配です。

<質問内容>
 通常接着剤で止めてあるフローリングを張り替えるときには、捨て張りも新調するものではないのでしょうか? 写真程度のコンパネでは使い回してしまうのでしょうか?
 また、この張り替えにより懸念される性能低下(床鳴りなど)がありましたら、ご教授ください。素人には物の程度がわからなく、つい心配になってしまいます。どうぞよろしくお願いいたします。



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 通常、私どもではこのような床の張り替え工事の場合、下地材が剥がれてしまうため、そのまま使用することはありません。その下地材を取り替えるか、またはその上に捨て張りをしてからフローリングを張ります。
 ただ、その上にどのようなフローリング材を張るかにもよって、微妙に考え方が違ってくる場合もあります。よくマンション等で使われるフローリング裏にクッション材を貼り付けているものがあります。それはマンションの床コンクリート直に接着するため、床コンクリートのフリク(床のでこぼこ)の吸収と、階下への音を伝えにくくするために使用します。そのような材料を選択するのであれば、多少の凸凹は吸収してくれます。
 ただ、その場合は歩くたびにふわふわ感はいなめません。いずれにしても今回の場合、ご指摘のように後々床鳴りの危険性が考えられるため、剥がれた後の処理をしてから仕上げをするべきだと思います。


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家を建てるのってこんなに苦痛なものなのですか?」についての私の意見


<北海道河東郡・MFさん(公務員・50・男)>


 相当ひどい営業担当者にあたったようですね。ご本人の怒りの気持ちが伝わってくる文章です。でも、考え方を変えたらどうなんでしょう? あなたは、自分の気に入った土地が売りに出されていて、その土地を手に入れて、自分の家を建築できたんですよね。それで満足できませんか? できあがった家に満足はしていないのですか? 満足できているのなら、今後のメンテナンスや保証について、契約どおりキチンとするように、会社にうるさく言えば良いのです。契約に基づく保証や、メンテナンスはやってもらうものでなく、相手が必ず履行しなければならないものと理解し、強く交渉していくべきです。
 では、あなたができあがった家に満足していないとしたら、どうすべきでしょうか? 契約内容と異なった状態(例えば、未完成、仕様が契約と違う等)のままで、引き渡しを受けるべきではないと思います。ましてや、残金の支払いを行うべきではありません。支払ってしまえば、その状態で了解していると判断されかねません。今までのことより、今後のことをよく考えて、この会社と交渉すべきと思います。担当者が話にならないなら、支店なり営業所に直接出向き、上司を含めて話をできるようにしたほうが良いと思います。あなたは、営業担当者と契約したのではなく、会社と契約したのですから。
 この方の場合、気に入った土地が見つかり、その土地が条件付きのため、このような結果になりましたが、土地ではなく先に住宅のための建築業者を探していたら、ここまで不愉快な思いをしなかったかもしれませんね?



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