住宅クレーム110番

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窓枠下の石膏ボードに亀裂!


<大阪府大阪市・Kさん(61歳・男)>


 築後6年半の10階建て分譲マンションです。私の部屋は9階ですが、南側窓の窓枠右下部分の、石膏ボードの継ぎ目に、亀裂が発生しているのを発見しました(写真1)。
 亀裂は石膏ボードの継ぎ目に沿って縦方向に発生しています。裂け目の上部25ミリは石膏ボードの茶色い部分が露出し、亀裂部分の左右の段差は2ミリはあります。そして、クロスの上から触れると、左右の段差は100ミリ下にまで達しており、亀裂が進んでいるものと推定されますが、正確にはクロスを剥がなければわかりません。同じ窓の左下部分には膨らみが発生しており、時間の経過と共に右側と同じ状況になるのではと心配しています。さらに、南側に面している他の部屋の窓の左右下部に同様の膨らみが確認されます。さらにさらに重要なことは、同じ南側の部屋のある10階、8階、7階でも同じ亀裂が発生しているのが判明しました。垂直方向の同じ窓の、同じ箇所の石膏ボードが亀裂しているのです。6階より下部は、構造が異なりますので確認していません(※2~6階は1フロアー5戸、7~10階は1フロアー4戸)。7~10階の垂直方向の部屋における石膏ボードの亀裂なので、素人の私たちはたいへん不安を感じています。現状のままクロスを張り替えてもすぐに破れるのは、素人でもわかります。
 先般、売主であり施工主である会社の方に見てもらいましたが、全く相手にされず、売主であり施工主である会社に非常な不信感を抱いています。「建物が地震等で揺れて、この部分にゆれの力が集中したので仕方ない」で済まされています。
 素人で構造的にはわかりませんが、当マンションは外壁はタイル張りです。鉄筋コンクリート部分の内装は、鉄筋コンクリートにボンドの様な接着剤を「団子状」にしてコンクリートに付け、その上から「石膏ボード」を張りつけているそうです。
 蛇足ですが、本件と関係ないかもしれませんが、外壁タイルの亀裂・ひび割れが急に目立ちはじめた気がします(写真2写真3)。2~3年前にタイルの一斉点検を実施し、一部、亀裂・ひび割れタイルを取り替えた経緯があります。石膏ボードに亀裂が発生したので、注意して外壁も見るようになったのでしょうが、外壁タイルの亀裂・ひび割れが多くあります。主に縦方向の亀裂・ひび割です。ひどいのは15枚以上連続して割れています。具体的に数えてはいませんが、200~300枚はあると思われます。
 さらにコンクリート部分に吹きつけ塗装を施した部分があります。ベランダの内側、ベランダの天井部分、ベランダの柱と梁の部分、共用廊下の内側、天井、柱と梁の部分にヘヤークラックが上層階に多数発生しています。私の部屋のベランダのクラックは、決してヘヤーとはいえない「名刺」が十分に入る太さです。念のため、剥がして見たところコンクリートにもクラック(ひび割れ)が発生していました(写真4)(この箇所はベランダそのものです。※剥がした部分と亀裂は、自分で「補修剤」にて塗装し修理しました)。本件に関しても、売主であり施工主である会社の社員は「大規模修繕時に修理すればよい」と言いました。放置すれば雨水が入りコンクリートに良くないのではと聞いたところ、「放っておいていいです。何もする必要はありません」とのことです。全く親切心もなく、信用できません。
 以上だらだら書きましたが、ご専門家の方並びにご経験者の方からのご指導並びに参考意見をお願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

・建物概要
平成12年竣工10階建て共同住宅
鉄筋コンクリート造10階建て ラーメン構造?
外周壁に関してはGL工法PB+ビニールクロス張り
外装タイル仕上げ
RC造ベランダ付
1階      ホール・トランクルーム
2階~6階  1フロア5戸
7階~10階 1フロア4戸
文中構造が違うとありますが、構造ではなく間取りが違うのではないでしょうか。

 平面・立面・構造形式も不明な中の話ですが、状況からごく一般的に考えられるのは開口部四隅に発生する「割れ」だと思います。おそらくラーメン柱と外壁との関係で柱横スリットが正しく施工されていないため、柱に発生した水平力が非耐力壁(雑壁)に伝わり、弱い開口部コーナーが割れたのだと勝手に推測します。開口部は梁下端からはじまっているため、開口部下にのみ亀裂が生じていると思います。

・疑問点
1.現場で開口部コーナー補強筋が正確に実施されていたのか
2.構造スリットがどのように配置されているのか、現場はどうであったか
 これに関しては管理組合に設計図があるはずなので確認をするとわかります。設計施工販売・管理組合も同列会社が一緒という最も困ったパターンのマンション販売の場合、図面があっても出さないと思います。

 助言としては、販売担当者と話してもだめです。直接、設計・工事監理名義人または施工会社上部に面会しない限り、適当にあしらわれて終わります。この場合、図面を見て構造がわかる人を同行させるべきでしょう。施工図や設計図(確認申請書)は必ず保存しているので、借りて専門家に見てもらうこと。
 タイルの剥離に関しては、構造亀裂により最初発生したものとは思いますが、その後は雨水浸入により拡大する場合もあるので、調査が必要。ひび割れと同じ範囲にあるのかどうか? ベランダ面の外壁など足場がある部分のタイルであれば、タイル業者に依頼してタイル引っ張り試験をすれば、剥離状況を知ることができます。
 窓開口部の亀裂に関しては、非耐力壁なのか耐力壁なのかによって、構造問題かただの亀裂か、話が変わります。GL工法でしょうから、外壁のずれ=内壁ボードの亀裂と考えていいのではないでしょうか。
 ベランダの亀裂は配筋状況と厚さにより、適当なかぶり厚が確保されていないと発生します。これも図面を見るしかありません。
 所詮素人が集まって文句を言っても勝てないので、早い段階で専門家に必要図面、施工写真等の提示をして戦うのかあきらめるのか決めることと思います。戦う以上はそれなりの費用がかかります。文書からの内容では室内への雨水浸入がないようですが、雨水浸入等があれば契約書で(RC造で10年)保証期間があるのでやれます。だいたい販売担当者に親切心などを期待するのは無理で、販売担当者は建築士ではなく買主と同じただの素人です。


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タイルのクラックと浮き


<千葉県千葉市・SAさん(会社員・30歳・男)>


 新築してやっと1年、引渡し後からお風呂場のタイルの不良に悩まされ続けています。壁、床、浴槽周りがタイルです。壁の縦のクラック50センチ程度のものが4ヵ所。浴槽まわりのタイルは浴槽とのシーリングがさけて、勾配も逆です。あまりにひどかったシャンプー台の前は現場監督も認め、補修を行って、4度目の修理で直りましたが、他はいまだ直っていません。
 施工者は通常あることとしてシーリング補修しか認めません。私共はどういった対応をしたらいいでしょうか? 私共で確認できているのはエプロン部はブロック下地(縦に積んでいます)で浴槽まわりは別の下地だということしかわかりません。補修済みの一番ひどかった画像と現在の浮きの画像を添付しますので、よろしくお願いいたします(<写真1写真2写真3>)。



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 通常、床と基礎の立ち上がりは、コンクリート下地に防水処理をしてモルタル下地の上にタイルを張ります。また、その上の壁は、防水または防湿処理をしてからラスモルタル下地の上にタイルを張ります。浴槽まわり、蛇口部分はCBを積み(給水給湯配管のために必要)モルタル下地の上にタイルを張ります。タイルとタイルの目地は専用の目地材を詰め、タイル同士の入隅、サッシと浴槽との取り合いは柔軟性のあるシール(構造的にクラックが入りやすいため)を打ちます。このような施工でクラックが入るようなことにはなりません。コンクリート土間の上にCBを積んで施工を行うことは通常のことで問題ありませんが、タイルのつなぎ目にクラックが入ることは構造的にも気になります。クラックから水が入り込んでも、すぐには問題になりませんが、やはりタイルがはがれやすくなるので、クラック、逆勾配は直すことが必要です。
 現場監督の対応にあまり誠意を感じられないようであれば、会社のトップに要望(直に)をしっかり伝えて問題解決を図ってください。


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新築マンションでのひび割れなどについて


<神奈川県横浜市・Oさん(主婦・31歳・女)>


 新築マンションで共有部分のコンクリートの補修工事で、施工会社の作業に疑問を感じております。
 地下にある駐車場や駐輪場の床が、入居して間もない頃からひび割れが生じています。壁は部分的に塗り直しをしたのか、色が違う部分が多々あります。1区画というように綺麗に色が違うのではなく、斜めになっていたり、線のようになっていたりばらばらです。床はひび割れ部分の補修作業として、上からまたコンクリートみたいなものを塗って補修しているようなのですが、その補修の仕方が非常に汚く、まるで白いコンクリート部分にグレーのビニールテープを貼っているかのように、補修部分の色が全く違い目立ちます。しかも色がついているだけで、ひび割れは数ミリあいたままです。長さも、数十センチあるものから2メートルくらいになるものまであります。それと、建設工事中に床に釘を置いていたのでしょう。さび跡がそこらじゅうにあり、ひどいので補修作業を行ったのですが、釘のさび跡部分を表面的に削っただけという感じで、削った部分だけが白く浮いていてとても汚いです。まるで築何十年も経った古いビルの壁や床のようで新築マンションとは思えません。
 施工会社は「収縮クラック」だと言います。コンクリートを薄めていたりする手抜き工事をしていたのでは?と思うのですが、きちんとした作業をしていても数ヵ月でそこらじゅうというほどに、多くのひび割れが生じることがあるのでしょうか? このような状態で問題はないのでしょうか? また、補修作業はこのようなやり方が普通なのでしょうか? 素人の住居人からしたら、新築マンションです。修復した後がわからないような作業をするべきではないのかと思います。とてもずさんな作業に思えてなりません。
 その他、共用廊下と外とをつなぐ階段部分(雨ざらし)でもコンクリートに亀裂が入りボロボロと落ちている部分がありました。モルタルの部分も非常に大きな亀裂が生じて下のコンクリの部分が見えてコンクリもひび割れしていました。施工会社は「仕上げ材のモルタル面に発するクラックであり構造的な不具合はない。階段に発生していたひび割れは相互の動きの違いを緩和させる目地材の位置がずれていた」と言います。
 補修作業は完了して見た目は綺麗になりましたが、その場しのぎの手抜き工事ではまた同じことになるのではないかと心配です。その他お部屋でも不具合が出ていますので、建物の構造上に問題がないのか心配です。施工会社の工事、対応に問題はないのでしょうか? 回答の方、よろしくお願いいたします。(写真1写真2写真3写真4写真5



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 新築マンションの共用部分のコンクリートひび割れについての質問ですが、規模や階数等について不明なのであくまでも添付写真から考えられる一般論としての返答をいたします。
 投稿者がごく一般の方なので、できるだけ専門的用語や理屈を省いてまとめてみました。

1.コンクリートのひび割れについて
 コンクリートは圧縮には強いのですが、引っ張りやせん断には極めて弱い材料のためコンクリート打設後、コンクリート内に起きるひずみによってひび割れが発生しますが、たいていは1年以内で収束することがほとんどです。しかしこれとは別に、外部からの力がコンクリートに働くと構造ひび割れが発生します。
まず、一般的に考えられるひび割れとしては、以下のようなものがあります。

�@内部鉄筋に沿って発生する「沈みひび割れ」といわれるものですが、コンクリート打設時に表面を叩いたり、コテで十分に表面を仕上げると防ぐことができるものです。
�Aコンクリートの床や屋根、壁のように面積が広く、薄い構造物に多く発生する「乾燥収縮ひび割れ」があります。コンクリートのひび割れで一番多いのがこの乾燥収縮ひび割れと思います。このひび割れの防止策としては、水分量やセメントの量を減少させたり、収縮量に応じた混和材という膨張性のある剤を混入する方法があります。また、壁のような広いところには誘発目地を入れてひび割れを抑える工法もありますが、コンクリートの品質管理検査を正確に行うことによりほぼ避けることができるひび割れです。
�B構造体の柱や梁などコンクリート断面寸法が大きい部材に多く発生したり、真夏に行われたコンクリート工事などで工期短縮のため、型枠脱型が早期に行われた場合等に発生することが多くあります。これは、コンクリートが硬化する際にセメントと水が水和反応を起こして温度が上がり、その後温度が下がるときにコンクリート内に引張力が生じて、「温度ひび割れ」がおきます。この場合のひびは比較的早い段階で発生するため、入居時にはすでに発生していることが多いです。

 �@~�Bはコンクリートの特性ですが、近年のコンクリート建物では太径の鉄筋や高強度鉄筋が多く使われ鉄筋に大きな力が働くことにより、鉄筋に沿ってひび割れが生じることも注目されるようになっていますが、これも十分な施工能力や品質管理能力がある施工業者の場合は問題がありません。いずれもコンクリートの特性を熟知している施工業者であれば、さほど大きなひび割れを発生させることは無く施工できます。

 さて、地下駐車場の壁と床に亀裂が多くあるということでしたが、おそらくこの地下駐車場には平面計画上多数の壁があり、大きな梁で構成されていると思います。さまざまな大きな部材によって拘束されたコンクリートが乾燥収縮する際に、ひび割れが多数発生したのではないかと推測します。特に地下壁には建物全体が地震力に抵抗する耐震壁があると思いますので、施工者以外の専門家に見ていただき、「せん断耐力」の劣化が予測される壁などはエポキシ樹脂圧入等の補修をするなどの必要が生じるかもしれません。
 階段部分の亀裂に関してはコンクリとのひび割れではなく、おそらく外部外力によるか、階段部分の基礎体力不足による亀裂と思われますが、平面形状や構造体がまったく不明のため、これ以上のことはなんとも言えません。しかしこの亀裂から雨水浸入が間違いなく進むと考えられますので、早急な処理が必要です。
 最後にひび割れの補修について簡単に記載します。
�@ひび割れ幅が大きい部分
 鉄筋のさびを防止するためにも、ひび割れ部分に樹脂やセメントを圧入する。
�Aひび割れ幅が小さい部分
 ひび幅が0.2ミリ以下のような場合は、引張り強度が高い樹脂による皮膜施工をする。地下の内壁などは良いが、樹脂は紫外線に弱いので専門家の判断に従って施工をする。
�Bひび割れが大きい場合は、構造的欠損箇所が生じている場合も考えられるので、構造の専門家に見てもらうことをすすめます。

 できましたら、マンションの施工業者とは関係のない管理組合と相談して、調査専門会社に一度見てもらうことをおすすめします。その後、専門家の意見書を添付し施工業者に改善をしていただくことが良いでしょう。


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外壁施工中のとび錆び


<北海道登別市・KMさん(主婦・30歳・女)>


 現在、新築住宅を建築中ですが、外壁(ガルバリウム)施工中のとび錆びがひどい状態です。錆びは外壁、1階部分屋根、樹脂サッシ、一部木製サッシを使っているんですが、木製サッシに関しては、木の部分に付いた錆びがカビが付いたように黒い点になっています。
 施工会社も「しゃれにならない錆び…」と話しており、錆びは落とすと言うことなんですが、木製サッシに付いた錆びは落とすことはできるのでしょか? また、錆びが取った後なんらかの補修は必要ですが? このとび錆びが原因で外壁、屋根、木製サッシのメンテナンスの時期が早まる可能性はありますか?



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 外壁を切断したときの切粉が付着して錆びたものと思われます。錆を落とすだけでなく、切粉を取らないとまた錆が出てきますので、注意してください。
 早いうちに処理を(何年も放置しない)するとメンテナンスの時期が早まる可能性はないと思います。外壁の張り終わった後に、別の業者さんが開口などをするときにたまに起きます。今は、錆取り専用のものがありますので、早いうちに対応してください。


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墨入りモルタルとクロスの割れ


<大阪府泉南郡・SCさん(32歳・女)>


 2年前に実家を改築し2世帯住宅として暮らしています。
 まず外構ですが、改築時に外構もやり直し、墨入りモルタルを門から玄関迄の通路に使用しました。施工した数日後、雨で墨が流れてしまい所々色がハゲてしまいました。業者は「墨入りモルタルはこんなもの」と言うのですが、目立つので何とかして欲しいとお願いすると、修理の方法として上からもう一度墨入りモルタルを塗り、墨が流れ出るのを防ぐためにさらにその上からニスを塗りました。このニスで雨の日に滑って転んだこともあります。さらに、モルタルのヒビ部分から水が入り、モルタルがめくれ上がってきたり、剥がれたりする箇所や、保護用のニスもむなしく色はどんどんはげ落ちてきました。知り合いの左官屋さんがたまたま家に来て、「これは酷い」と言ったので再度業者に修繕をお願いしたら「墨入りモルタルはどうしてもこうなるので、どうしても黒がいいなら…」と外構用の黒いペンキで塗装されてしまいました。しかもヒビの入った上からの塗装なので晴れて気温が上がった日は空気が膨張し、通路の至るところに(一番大きいので10センチくらいの)コブのようなふくらみが出来ています。墨入りモルタルはそんなに難しく醜い工法なのでしょうか? (写真1写真2
 また、室内のクロスがミミズ腫れのように天井中央から壁まで破れているのですが、クロスの継ぎ目ではなくその下のボードに沿って破れているのです(写真3写真4)。クロス屋は張り替えるのはいいけれど、これは下地の問題だから何度張り替えても同じかも、張り替えるのも破れている部分だけをすると目立つのでと、詳しくクロスのロット番号の話などをしてくれました。で、前記の工務店に一度話してみると言ってくれ、それから3週間後、いきなり家にきて「いや~クロスのこと、忘れていました」と第一声。この間のクロス屋の話をすると「クロス屋も自分たちの良いようにしか言わない、構造には問題ない。何年か経つともっといろんな所でクロスが割れてきますよ」と言われました。クロスはその他に窓枠の縦枠に沿って天井までひび割れている箇所が3ヵ所ほどあります。
 クロスの修理方法として一度めくってみないとわからないが、全て張り替える予定になっています。でも、この工務店を信じていいのでしょうか? 1年に1度ちゃんと修繕箇所を申請すると対応はしてもらえます。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 なんだか一つボタンを掛け違えると、その後のボタンは掛けてるつもりでも全部違ってるような感じですね。
 最近、墨入りモルタルの仕上げはとても多くなってきましたが、北海道の左官屋さんに聞くと、40年くらい前はかなり多く使われてた仕上方法のようです。木を燃やした後の炭を粉体にした商品を左官材料に混ぜて使うようです。乾く前に雨などにあたると流れたり、ムラになったりするので注意が必要です。通常でもやはり若干のムラが出るようですが、それはまた味ということのようです。
 今回の場合はまず、墨入りモルタルが乾くまで雨にあたらないようにしなければいけませんでした。また、それを直すのにニスや黒ペンキを塗ったりしちゃいけません。左官材料にコーティングをしてしまうと、その後どんな現象が起きるかは想像がつきます。乾かないうちに雨が降りそうなら、なぜ雨にあたらないような養生をしなかったのか。それを素人でもやらないようなコーティングをしてしまったことは、業者のレベルが低いのか、または、とりあえず目先をとりつくろわざるを得ない理由があったのかですね。もちろん、このような対応をする業者側に責任があるとは思いますが、コーティングしてしまった以上どうやってもこの延長上には直らないと思います。
 この工務店を信じられるか、信じられないかはわかりませんが、一つずつ順を追い、納得して進めるのが良いのではないでしょうか。お互いに大変ですが、まず仕上げ部分をハツった(砕いて取ること)ほうが良いと思います。どれくらいの厚さを取り除くかは下地の造りや厚さにもよりますが、新たな仕上げにひび割れがおきない程度の厚さや施工方法を相談してください。あまり面積が大きくなるとひび割れの可能性もあるので、あえてデザイン的に目地を入れて逃げるという考え方もあります。やる前に工法や仕上げのメリット、デメリットを説明してもらうことと、仕上げ見本を作って確認することをおすすめします。
 クロスのひび割れに関しては、木材の乾燥や収縮が原因で“そりやねじれ”が起きているケースがほとんどです。一般的に、木造住宅の場合は1年くらいそのままにしてから直しています。今度直す場合はあまり薄いクロスを選ばないことと、施工費が高くなりますが、ボードのジョイント部分に寒冷紗テープを貼ってひび割れを防ぐ方法もあります。

<独り言!>
 一般的に言えることなんですが、本物の素材は工業製品のようにいつまでも新しくはありません。時間と共に傷ついたり劣化して、素材に歴史を刻み込んでいくことが、風合いとなって人の心に響きます。雨で流れた墨入りモルタルがどの程度だったのかはわかりませんが、“これも味”の範囲をきっと超えていたのでしょうね。工事完成直後は本物素材の特徴として、バラツキやムラ、傷など、とても気になるものです。業者の対応が良くないのはもちろんですが、場所が外部でしかもいつも人が通る場所なので、何ヵ月かしてそのムラも馴染んでくるような気もするのですが…。この時点での判断としては何ヵ月間かは様子を見るのも選択肢かなとも思います。これって業者側からの見方なのでしょうか?


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