住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

2×4住宅での開口まわりのヒビ


<群馬県太田市・HKさん(会社員・30歳・男)>


 10ヵ月前に2×4の輸入住宅を新築したのですが、住みはじめて3ヵ月ぐらいからクロスにひびが入りはじめました。初めは、2階の窓の下に1mぐらい縦にまっすぐ入りました。業者の理由は、開口まわりは湿気乾燥などで力が加わるためひびが入りやすい、とのことでした。日本の住宅はしょうがないと言われました。
 それから直しててもらったのですが、同じところにまたひびが出てきて、あちこちに出てきました。それにクロス下のビスの跡も目立ちます。下のパネルが湿気で収縮しているとのことですが、構造上問題はないのか不安です。建てる前は乾燥した木材を使っているから日本の住宅とは違うと言っていたので不安です。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 ツーバイフォー工法の木材は含水率が19%以下と決められていますが、現場搬入時点で実際に含水率を測定しない限り、確認できません。実施されたのでしょうか? また、19%以下であっても建て方後10%前後まで含水率が下がりますので、やはり木材の乾燥収縮によるさまざまな問題が起きます。
 今回問題になっている開口部まわりのひび、パネルのジョイントの目違い、クロス下ビス跡等の全ては使用木材の乾燥収縮によるものと思われます。したがって構造的な問題はないと思いますが、耐力壁の計算などを建築士に確認してもらってください。完成時期などの状況によって変わりますが、通常3ヵ月くらいはその進行が顕著で、1年経って安定します。
 10ヵ月経つということなので安定期に入り、これ以上の進行はないと思いますので、木材の乾燥収縮のことはご理解の上、“程度の許容”について十分に話し合い対応を決めてください。今後は、このような問題を起こさないために、在来工法にしても、ツーバイフォー工法にしても、現場搬入時点で含水計による測定を実施し、さらには含水率の低い構造集成材(含水率15%以下)を使用することが大切と思います。


J110 News

基礎の結露・換気について


<千葉県八千代市・FKさん(会社員・38歳・男)>


 基礎断熱の基礎の結露・換気について悩んでいることがあり、書き込みいたします。
 私は、千葉県の北西部で計画しており、今検討している工務店では、2×4の基礎内断熱を手がけています。C値が1.0以下で施工し、第3種ダクトレスシステムです。その工務店では基礎内が結露したクレームがあったとのことです。その解決策として、基礎立ち上がりに1ヵ所75センチほどの給気口を開け、第3種ダクトレスシステム(c値1.0以下)の中の1階トイレの排気口から排気すべく、トイレ床にガラリを設置する処置をとっています。ただ、この方式で解決されたのかどうかは、まだ検証中です。
 お聞きしたいのは、上記の改善策が有効なのか、また、より効果的な床下空間の結露防止策にはどのようなものがあるのか、です。ご教授願えませんでしょうか? 過去レスを読んでみると、1階床ガラリの有効性が記載されていますが、関東地区ではどうなのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 基礎断熱の場合、床下も内部空間になりますので、高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セットを考える必要があります。4畳半か6畳の部屋と思えば良いわけです。高気密のポイントは、基礎と土台の気密化になります。高断熱は外断熱として、計画換気をどのようにするかが今回の質問です。1階床が気密化になっているのであれば、3種換気として自然吸気・強制排気のシステムを組むと良いのですが、通常は外断熱の場合、床に気密シートを貼り気密化を図っていないと思います。したがって換気システムのひとつを床下に入れても、その近くから吸気して床下の空気は動きません。
 解決のための工法と注意点は、
■現在、確立されているのは、建物の南面・北面・中央それぞれにバランス良く床ガラリを設置し、春夏秋冬の太陽・暖房による部屋の温度差によって、それぞれのガラリが吸気口と排気口の役割を果たし、1階の空気と対流する方法です。また、全館暖房からいうと、床下も暖房すると良いのですが、ガラリからの対流により1階の暖房で床下を暖房することができます。
■外断熱工法の時に一番注意すべき点は、床下の防湿をしっかりすることと、コンクリートが発生する水分を除湿機によって取り除くことです。コンクリートは乾燥するまで半年かかりますので、その間の除湿が必要です。
 上記のことで対応できますので実施してください。


J110 News

畳の表面にカビ


<福岡県大野城市・GKさん(公務員・39歳・男)>


 今年の3月に家を建てました。6月末ぐらいから1階の和室の畳の表面にものすごいカビがはえました。SRC基礎の上に厚さ3cmぐらいの畳が置いてあるため、SRC基礎によって畳が冷やされ、畳の表面に結露ができているようです。この結露を防止するために、畳の下に薄めの断熱材を敷くと解決するかもしれませんが、「1階全室温水式床暖房」のため、冬場はその効果が薄れてしまいます。
 メーカーに問い合わせても、「他にも同じような状況が寄せられてはいるが、今のところどうしてカビが生えるのかわからない」と言って、なかなか対応してもらえません。このままでは、健康にも害がありそうで、どうしたらよいでしょうか。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 今年の春先の竣工ですから、コンクリートの水分が抜け切っていない状態で畳を敷いたことが要因と思われます。とにかく、先ず畳を日干しして乾燥させるこです。その次に畳を剥がしてコンクリートの乾燥を促すと良いでしょう。
 今年の冬に床暖房を稼動させますと、コンクリートの湿気が飛んでしまい、以後は発生しないと思われます。畳のカビは胞子を多く飛散させて、住む人の健康に極めて大きな影響を与えるといわれております。畳の乾燥だけは早急に行うべきです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

床下に水が1センチも…


<山口県山陽小野田市・KNさん(会社員・26歳・女)>


 今年、某ハウスメーカーにて家を建てました。今月7日に引渡しがあり、その時は特に何も問題はありませんでした。その後、家庭の事情で引越しがなかなかできず、いまだに家具も何も入れていません。
 引渡しから1週間目に、掃除をしに入ったのですが、何となしに階段下の収納スペースから床下にもぐれるドアが床についているので開けてみました。すると1cmぐらいの水がたまっていました。最近3日も雨が降っていないのにおかしいということで、すぐに下水道の水漏れを点検してもらいましたが、何も異常はないとのこと。
 ハウスメーカーに問い合わせの電話をすると、結露ではないかと言われるのです。しかし結露で1cmも水がたまるでしょうか? 納得がいかない私たちは、はっきり原因をつきとめて対応策をだして欲しいとお願いし、3日目に水がひいたので点検をしてもらいました。結果は同じく結露だろうということでした。しかし、例え結露だとしても、水が1cmもたまってしまう床下では安心して暮らせません。ハウスメーカーからの対応策は換気口を塞ぎ、調湿材を敷くというものでした。しかも結露が乾燥する冬季に工事をするというのです。
 本当に原因は結露なのでしょうか? 他に原因があるのでは? 私たちは調湿材に対しての知識がないので、よくわからないのですが、換気口を完全に塞いでしまっていいのでしょうか? それに、これから冬季までの間は床下を気にしながら生活しなくてはいけないのでしょうか? 床下に水がたまる原因の種類と、その対応策について教えください。よろしくお願いします。ちなみに、現在も少しぬれている状態です。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 結露で床下に1センチも水が溜まることは有り得ないといえるでしょう。設備関連に漏水などの問題がないとすると、地盤に要因があると思われます。考えられる事は床下が外部地盤面より低くなっている場合、このような現象が起きることがあります。
 地下水面位(地面を掘って水が溜まる水位)が高い地盤では、雨が降るたびに床下に雨水が回ります。雨の降り方で水が溜まったり引いたりいたします。特に雨水を浸透しやすい地質の地盤では、この床下地盤の低さが致命的な影響を与える場合があります。
 このような床下地盤のままでは、調湿材などを敷いても全く効果がありません。調湿材が一気に湿気を吸って飽和状態になるからです。まして、床下換気口を塞ぐのは大きなリスクを伴います。何をするにも床下地盤面を外部地盤面より高くして、その上にポリフィルムを張って完全に地盤の湿気を抑え込む必要があります。もっとも、このような対策を講ずれば調湿材も必要としなくなるでしょう。
 ハウスメーカーへの要求ですが、この現象によって床下の土台や柱に腐朽菌などが発生した時に、瑕疵担保責任(施工者がその要因を造った事に10年間の責任を負う)の対象となる場合があります。そのあたりをハウスメーカーの確認を得ることで対応が円滑に進むと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。