住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

新築購入5ヶ月で畳の下にカビ


<大阪府大阪市・匿名さん(会社員・35歳・男)>


 新築購入5ヵ月ですが、2F和室(5畳くらい、寝室)の畳の下にカビが生えていました。畳をめくると裏はビニール張り。コンクリートの上に直に置いてありました。部屋への日照はそんなにありませんが、真っ暗ではなく、また、風も通ります。もちろん、布団も敷きっぱなしにしておりません。工務店に問い質したところ、落ち度はないとのことで門前払いでした。
 本当にコンクリート直置きで良いのでしょうか。ネットで確認すると防湿シート等が要ると書いてありましたが…。5ヵ月くらいでこんなことになるものでしたら、これから先が不安です。工務店に責任はないのですか? こちらで行う対策は、どのようなものがありますか? よきアドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 新築時期が書いてありませんが、今回の問題は夏型結露によるものと思います。湿った温かい空気はわずかに冷やされるだけで、水になります。そして、今回の畳の部屋はそのような環境にあると思います。
 コンクリートは、打設してから乾燥するまで半年かかるといわれています。新築時点からのコンクリートの湿気、梅雨時の湿気、さらには夏特有の湿気の高さから畳が水分を吸いカビが生えたものと思います。夏の今時期、一日で一気にカビが生えます。コンクリートからの湿気は新築から5ヵ月ということなので止まるとして、後の対策はまめな換気と掃除になります。
 一番大切なことはその部屋で生活をするということです。カビの生えた畳の処理は、工業用アルコールを1/2に薄め、雑巾等で除菌し拭き取ると良いです。今のイグサは防カビ処理になっていますが、生えづらいということだけで、環境が出来上がっていると防ぎ切れません。環境を変えることができないのであれば、除湿機かエアコンにより湿度を下げることが必要になります。タタミ下の防湿シートは特に今回の問題とは関係しないと思います。自然の外的要因に対して室内湿度の自己管理をしてください。


J110 News

鉄筋コンクリート造について


<広島県安芸郡・IKさん(自営業・39歳・男)>


 こんにちは、はじめまして。ネット検索しているうち、こちらのサイトにたどりついた者です。
 現在、新築検討中なのですが、構造は高気密・壁式鉄筋コンクリート造で気持ち的にはほぼ決まりかけている状況です。ですが、メーカーの方と話す限り、自社製品のデメリットについての説明はあまり期待できないような気がして、第三者的立場の方に相談させていただきたいと思っていたので、思い切って相談させていただきました。
 気になっている点は断熱についてなのですが、壁厚120+外周まわり(外壁面・屋根)に断熱材t25(ネオマフォーム)+プラスターボードt9.5となっていて、木軸の内壁には一切断熱材は使わないとのことでした。説明によると、鉄筋コンクリート造では断熱材t25もあれば断熱効果は十分だということでしたが、木造や軽量鉄骨造ではグラスウールt100とかt75とかになっているようです。本当にこの厚さで大丈夫なのか、少々不安になりましたのでアドバイスいただけますでしょうか。
 また、外観はコンクリート打ち放しと考えておりますが、汚れが目立つ、コストがかかるなどの理由で、メーカーの方はあまりオススメできないと言われています(コンクリート打ち放しのモデルハウスを見てこのメーカーと話をしてるのに・・・)。確かによく汚れがスジ状についたコンクリート打ち放しのビルを見かけますが、この汚れを最小限にする策があればアドバイスいただけますでしょうか。
 その他、鉄筋コンクリート造のメリット・デメリットや、建築する際の注意点などアドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 RC住宅(鉄筋コンクリート)ということですが、ハウスメーカーの建物ということなので、現場打ちの注文住宅?ではなく、RCパネルを現場で組み立てる住宅?と思いますが、どちらにも共通のこととして回答します。
 断熱材仕様に関するご質問ですが、住宅金融公庫の地区区分は広島県なのでIV地区(北海道から沖縄まで地区割りされており、その地区別に断熱材の仕様厚みが決められている)になります。今回使用されるネオマフォームはF仕様に規定されており、その厚さは、

<IV地区で気密住宅とする場合のネオマフォームの厚さ規定>
床の外気に面する部分は厚25mm(その他15mm)
壁部分は20mm
屋根・天井部分は30mm
<IV地区の省エネルギータイプとする場合のネオマフォームの厚さ規定>
床の外気に面する部分は厚40mm(その他20mm)
壁部分は30mm
屋根・天井部分は40mm

になっています。このように普通の断熱基準と省エネタイプの断熱基準が決まっていますので、どちらかの断熱レベルにするかを決めた上で、基準どおりに仕様レベルを決めていただきたいと思います。さらに上を行く次世代基準もありますので、高断熱のレベルを良く話し合って決めてください。
 RC住宅の仕上げは、もちろんコンクリートの打ち放しが基本であり、外部の汚れ等については、いろいろな防汚の透明な塗料も出ていますので問題ありません。コンクリートの打ち放しは、一切の補修(専門の部分補修屋さんがいますが非常に高価です)がききませんので、慎重で高度な仕事が要求され、やり直しのきく塗装仕上げとは比べものにならない技術が必要になります。したがって、よほどコンクリート打ち放しが得意な業者でないと取り組むことができません。コンクリート打ち放し素地仕上げにするのであれば、業者をよく調べ吟味することが大切です。業者(ハウスメーカー)がコンクリートの打ち放しを逃げているのであれば、得意とは思われず、選定が好ましくないと思います。実際に完成した建物を何件も見て、その中できれいなコンクリートの打ち放しの仕上げができている住宅に、業者(実際に携わった会社)の担当した技術者・型枠大工を指定すると間違いないと思います。
 その他、RC住宅は重量があるので地盤調査、地盤改良(できればべた基礎より支持杭)が大切になります。コンクリートは湿気が抜け、乾燥するのに半年かかります。その間は湿度対策を十分に取り、夏型結露を起こさないように気をつけてください。最後に、工事のことではありませんが、税金が木造に比べて非常に高いので資金繰りに気をつけてください。


J110 News

筋交い金物と取付方法について


<茨城県日立市・HKさん(会社員・37歳)>


 はじめまして。現在、某ハウスメーカにて従来工法(2階建て)で建築中です。筋交い金物の取り付け方についての質問をさせていただきます。
 筋交い金物は柱、梁、筋交いの3ヵ所での固定取付が通常の方法と思っておりましたが、某ハウスメーカでは、柱と筋交いの2ヵ所での固定となっております(添付)。柱と梁は、別の金物で固定はされておりますが、このような施工で問題ないのでしょうか? ご教示くださるようお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 裏面の状態が把握できないため、残念ながら2枚の写真だけでは断定できません。しかし、現在は構造体に瑕疵担保責任が課させるれるため、金物の使用について厳しくなっております。特にハウスメーカーの住宅では、しっかりと管理されていると思われます。写真で見える限り、認定済みの金物のようです。また、裏面に平板の補強金物がある場合もあり、問題はないものと思われます。しかし、梁の下面に欠き込みが見えますが、少し気になります。
 いずれにしても「瑕疵担保責任」で構造強度が担保される事を施工者に確認させて工事を進めてください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

湿気対策と断熱について


<兵庫県加東市・匿名さん>


 「住宅110番」をごく最近知りました。いろいろ役立つことや興味深い事柄が多く、時間の経つのも忘れて拝見しております。
 今年、建て替えを予定しております。2年前に都心から田園地帯に移転し、気候風土の違いに戸惑い、建築の工法や湿気対策、断熱方法など迷い悩んでおります。
 周辺は水田地帯で、地下水位も高く朝霧も発生します。昼頃まで霧が晴れないこともあります。計画の建物は、在来木造で外壁のみ土壁に漆喰、焼き杉の腰板張り、入母屋で燻し瓦葺きとします。外部建具はアルミと樹脂の複合サッシでペアガラスです。内部は大壁で珪藻土か漆喰塗り仕上げ、床は全てヒノキのフローリング、天井は杉板張り仕上げです。外部吸気の薪ストーブも導入します。
 問題は湿気対策です。基礎断熱をして床下に湿気を入れないようにしたいのですが、この工法は気密性が必要とのこと。土壁の室内側にPBを張るにしても必要な気密性が得られるか不明です。矛盾したような工法ですが、アドバイスを頂けないでしょうか。私が化学物質に過敏なため、上記のような仕上げとなっております。

よろしくお願い申し上げます。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 温暖地における夏場の湿気は本当に厄介なものです。大まかな計画が決まっているようですが、地下水面位も高いとのことですが、湿気を防ぐためには床下の高さがポイントとなります。まず、外部の地盤面よりできるだけ高さを取ったベタ基礎構造にすべきでしょう。床下の部分だけの気密性をあげることは極めて困難です。
 私どもが構築した工法では、床下も含む家全体の湿度を管理するものもあります。換気で床下の空気を動かす方法もあります。低温の床下に湿気の多い夏の外気を取りれることは、床下にその湿気が凝縮して湿度が高まるという指摘もあります。しかし、床下に湿気が入らないように密閉することは事実上、無理なのです。やはり、普通の住宅では空気を動かしておくべきです。内装仕上げについては、自然素材を多用しており素晴らしい仕上がりとなると思います。
 さまざまな工法がありますが、キャッチコピーに惑わされないで、実際に住んでいる複数以上の人の話を聞いてから決断すべきでしょう。悔いの残らない家づくりを楽しんでください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。