住宅クレーム110番

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窯業系サイディグに最適な塗装について


<匿名さん>



 サイディングのことでお尋ねします。わが家は築11年経つのですが、コーキングが剥がれてきて、2〜3ヵ所のクラックも見られます。タイル柄のサイディグなのですが、何ヵ所か浮いている所があり、その柄がかぶさって見えます。またよく見ると、壁に凹凸が見えます。業者の方は、サイディングの下の、よく乾いてないまま使った木が反っているせいだと言われました。
 それらの補修を考えているのですが、業者の方はそれぞれ違うことを言われるので、迷っています。塗装をすすめる業者がほとんどですが、今はコーキングの処理だけで、あと10年後に塗装をしてもいいのではと言う業者もいます(塗装をすれば、タイル柄の目地の部分も同じ色になり、のっぺりとした感が否めないような気がして、したいというわけではないです)。 塗装をするとしても、業者によってすすめられる塗料もまちまちです。窯業サイディングなのですが、するとすればどんな塗料が最適なのでしょうか?
 ちなみに、油性の二液性のウレタン、弾性の水性のシリコン、弾性ではなくシリコンとセラミックを合わせた水性塗料などが主なものです。アドバイスよろしくお願いします。



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 準会員
(有)丸豪カナマル塗装
金丸 豪
電話:011-778-9164


JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 コーキングの寿命は約5年といわれています。11年間メンテナンスをすることなく住まわれてきたとしたら、これらの現象の原因のひとつとしてコーキングの老化による浸水が挙げられるかと思います。塗り替え塗装も5年から10年が目安とされていますので、すでにメンテナンスが必要な時期を迎えているといえます。
 ただ、現状によっては外壁もしくは下地の補修が必要な箇所もあるかと思いますので、専門家に判断していただくことをおすすめします。
 お話にあったように、タイル柄を一色で塗りつぶしてしまうとせっかくの質感が失われてしまいます。塗り替え時にできる対策としては、目地とタイル柄部分を塗り分ける方法(この場合は時間と労力が通常の数倍かかります)や、下地の状況が良ければクリア(透明色)での塗装といった方法もありますので、ご参考にしてみてください。
 最適な塗料というお問い合わせですが、塗料それぞれに特性がありますが、油性2液性ウレタンは水性系より臭気があり、耐用年数は約8年前後、水性シリコン系は10年前後を目安として、予算に合わせて選択されると良いでしょう。
 また、塗装下地処理の施工方法(シーラー、プライマー)によって仕上げ塗料の密着性が劣る場合もありえますので、施工業者さんと下地処理の仕方についても打ち合わせすることが必要です。
 塗膜をいくら頑強にしてもコーキング類は前途のとおりの耐用年数ですので、塗り替えの周期よりも細かい周期でのメンテナンスは、どちらにせよ必要になるのです。耐用年数が長ければ長いほど良いというわけではなく、長期的なメンテナンスの計画を立てられた上で予算と耐用年数のバランスを検討し、塗料選びをしていただけたらと思います。


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断熱材と木材の選択について


<愛媛県松山市・Aさん(公務員・男)>


 「断熱材施工のチェックポイントを教えてください」に関して私も質問させてください。
 現在、新築を考えています。何社かと相談したのですが、やっぱり、断熱材で悩んでいます。最初の業者は高気密・高断熱を売りにしていて、外断熱でA社最新のNフォームをすすめられました。他の業者によると、同製品は水に弱く柔軟すぎて釘が立たないので合板が必要と言われました。四国なら外断熱の必要はないのではともいい、値段の高さもあったので内断熱で、同じくA社のSライトかD社のSフォームを提案されました。ただ、総合的な値段の点でまだ高いので、プレカットで安価を売りものにしている別の業者に相談したところ、うちは断熱材はグラスウールが標準だが指定のものも使えますよというものの、A社Sライトをいうと充填やカットに自信がなさそうで、加工賃をいただきますとも言われました。グラスウールをバチバチとホッチキスでとめるだけというのを見ると、なんとも耐久性に頼りなさを感じします。四国は夏の暑さが厳しく、冬も瀬戸内側なので乾燥した寒さが続きます。断熱材にはお金をかけてもいいと思っていますが、技術力のない業者に任せていいのかと不安になってきました。アドバイスをお願いします。
 ついでで申し訳ないのですが、プレカット業者の仕様をみると、梁部分の大きな横柱が米産松とありました。外材は耐久性に問題があるのではというと、じゃ集成材にしますかと言います。確かに安定している集成材はプレカットに向いていると思うのですが、それが外材だとやっぱり腐れやシロアリの危険をはらんでいる言われていますが、どうなのでしょうか。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 何を持って高気密・高断熱かなのですが、各業者が独自の判断で勝手にその言葉を使用しているようです。まず、その家の熱損失係数(Q値)を特定できるかどうかを確かめてください。温熱環境における熱収支計算書をしっかりと提示できるとしたら、本物に近いと思われます。松山市に建てる家は、完全に夏型対応を備えた性能が求められます。断熱材の種類もさることながら、窓の日射熱の遮蔽性能も考慮しなければなりません。
 断熱材にはそれぞれ特徴の一長一短があり、どの断熱材が良いとか悪いとかと断ずることはできません。グラスウールは、乾燥した空気を静止させることで断熱効果を得ることができます。天井裏の断熱には向いている断熱材といえますが、四国でも夏場を考えると国の基準を無視しても北海道並みの厚さを敷設すべきでしょう。夏場の屋根材の温度が100度を超え、小屋裏気温が70度にもなるからです。また温暖地では湿度制御のできる性能なども考慮すべきでしょう。
 樹脂断熱材にはスチレンフォームとウレタンフォームがありますが、いずれもグラスウールより断熱性能が高いのが特徴です。しかし、ステレンフォームは熱に弱く、ウレタンフォームは火に弱いという弱点もあり、また相当、施工手法に長けた方々でなければ十分な性能を得られない場合もあります。
 温暖地の家づくりは、断熱・気密手法と換気システムが大きく関わってまいりますので、施工業者の知識と技術力が求められます。断熱や気密手法については、私のサイトなども参考していただき、さまざまな情報を集約してください。
 温暖地に外断熱など必要ないのではないかという議論も多く存在します。日射熱を入れて、構造体がその熱を吸収して蓄熱すると、冷房負荷が大きくなるからです。無防備な外断熱は、場合によって温暖地に向かないという意見も一理あります。温暖地で外断熱を行う場合、それ相応の他の機能、性能と整合させる必要がありますが、そのような外断熱の家は、温暖地でも優れた快適性を維持できますし、耐久性も高くなります。
 プレカットの場合、寸法が正確に出来上がり、工程が管理できるために割と安価に建築できるようになりました。梁などの横架材は無垢の木材より、集成材のほうが狂いの仕方が少ないのでリスクは少なくなるでしょう。耐久性には特別、大きな違いはないと思われます。またシロアリ対策については、外材とか集成材の問題でなく、施工時のシロアリ対策の有無が課題となります。
 いずれにせよ、温暖地の家づくりは、寒冷地より多くの機能と性能が要求されますので、十分に吟味され、悔いの残らない家づくりを楽しんでください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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既存不適格建築物について


<匿名さん>


 はじめまして。L字形をしている実家を建て直すことになりました。L字形の「母屋」部分を解体し、L字形の「離れ」部分は(離れといっても母屋と廊下でつながっていたものです)解体せず残そうかと思っております。
 しかし、市役所に行ったところ、道路後退が確定すると、おそらく2.5センチほどひっかかるので、「解体してください!!!」と言われました。解体って…。調べたところ、登記はS26年1月24日。建築基準法は施行S25年11月23日。少なくとも「工事中」だったと思われ、「既存不適格建築物」にあたるのではないかと思います。
 そこで問題となるのが、昭和30年頃に、「離れ」部分はキッチンだったものを和室にリフォームしております。そのリフォームが「一定の範囲を超える増改築等を行う場合には、同法の規定に適合するように手直しを行わなければならない」という「一定の範囲を超える増改築」に抵触するのか否か? また、そのリフォームだけでなく、今回、L字形全体のうち、残したのはその1/5程度の「離れ」だけです。それも「一定の範囲を超える増改築」に当たるのでしょうか?
 わずか2.5センチのために建て替えができないのか、すべて解体しなければならないのか…、お先真っ暗です。どうかお知恵を与えてください。よろしくお願いします。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 リフォームをしてると世の中に「既存不適格」物件の多さに驚かされます。内容はさまざまで、以前、私も「外壁後退距離」の問題でかなり役所とやりあ合ったことがあります。しかし、経緯はわかるが法律に照らし合わせると…の一点張りでした。結果どうしたかはここでは言えませんが、今回のご相談内容ではすべて解体しなければならないような気もします。やはりプロに相談して、あらゆる可能性を考えてもらうのが一番だと思います。差し障りがあるので、あまり詳しい回答ができないことをお詫び申し上げます。


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住宅性能表示の図面について


<千葉県鎌ヶ谷市・未来家さん(会社員・39歳・男)>


 ハウスメーカーにて住宅性能表示を申し込もうと思い、そのことをメーカーの営業に伝えると図面を作るのに60万円かかりますが?との答え。図面とは、それようにわざわざ作らなければいけないのですか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 住宅性能表示には「自己評価表示法」と第三者による「機関評価表示法」があります。自己評価表示の場合、あくまでも自分の責任で性能を評価表示する方法ですので、契約の際に自社のつくる住宅の性能を10項目にわたり表記するのですから、料金はかかりません。地域の工務店などは責任の所在がハッキリしており、逃げも隠れもできませんので、この自己評価表示も十分だと思われます。
 本件においては第三者による「機関評価表示」の場合であり、評価機関が審査できることに足りる図面の提示が必要です。いろいろな種類の図面を書きますので、家の大きさや装備にもよりますが、一般には数十万円くらいが相場といわれています。その他に審査と検査費用が十数万円くらいかかります。通常、ハウスメーカーはこのような費用を「無料」というところが多いのですが、無料といっても積算書に記載していないだけで、目に見えない形でしっかりとお客様からいただいており、本件のように金額を提示される方が良心的だといえるでしょう。
 機関評価表示を行うにしても、まず自己評価表示が必要です。いずれにしろ、お金をかけて機関評価表示を受けても、そこに記載された家の性能が担保保証される保険ではありません。つまり住宅性能表示は、つくる家の性能が性能評価表示によって、施主と施主の双方がしっかり認識していることが目的といえると思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。