住宅クレーム110番

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J110 News

クロスの亀裂や染み、珪藻土の浮き…


<北海道札幌市・KTさん(自営業・42歳・男)>



 工務店で4年前に家を建てました。先日、1階の平屋部分の天井のクロスが約3メートルにわたって亀裂が入っており、壁の珪藻土が圧縮されて剥がれかけているのに気づき、その工務店に連絡しました。設計図では、その部分は梁が入っている箇所で外部から強い衝撃がかかったのではないかということです。基本的に無落雪の設計で、2階部分の雪の張り出しを除雪のプラスティクスコップで削って落とした(奥行き50センチほど)衝撃だというのですが、どうも納得できません。それくらいの衝撃で壊れるほど、屋根って弱いものなのでしょうか。また、壁の珪藻土にも何度か浮きが見られて何度か塗り直してもらいましたが、その他にも、和室のクロスに水染みのようなモノがあったり、外壁のジョリパッドにも細かな亀裂が無数入っています。
 契約に記載されている3年点検にも、再三連絡しているにもかかわらず、来てくれません。社長から直接連絡をくれるように頼んでも、担当者が対応するばかりです。今後のこともあるので、第三者を立てて、はっきりさせておきたいと考えていますが、どういう手順で事を進めればいいでしょうか。アドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
中山建設(株)
中山善彦((社)北海道建築士会 余市支部 青年委員長)

 相談者さんと工務店との間で意見が平行線をたどっているようですので、確かに二者での話し合いで解決することは困難であると思われます。
 2001年に新築されたようですが、2000年4月より「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)」が施行されています。この法律では全ての新築住宅において「構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、小屋組、屋根版、梁等)」と「雨水の浸入を防止する部分(屋根、外壁、外廻り建具の取り付け部分等)」に瑕疵(欠陥)があった場合、契約書の内容に関わらず最低10年間その瑕疵を修理したり、賠償金の支払いをすることを請負業者に義務づけています。和室のクロスに水染みのような跡があるとのことですので、この「雨水の浸入を防止する部分」に瑕疵がある可能性がありますし、また、屋根版や梁が雪庇の落下による衝撃で破損するようであれば、状況にもよりますが「構造耐力上主要な部分」にも瑕疵がある可能性があります。
 まずは第三者の建築士等に調査を依頼し、欠陥の原因をはっきりさせ、それが「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵によるものであれば、工務店に修理や賠償金の請求をすることができます。また、建てられた住宅が、品確法の「住宅性能表示制度」により性能評価書の交付を受けている場合は、指定紛争処理期間が1万円程度で調停・斡旋などの処理、解決にあたってもらえます。ただし、この制度は施主や工務店が任意に申請してある住宅に対するものですので、全ての住宅が対象とはなりません。
 なお、(財)北海道建築指導センター(電話011-222-6070)や(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター(電話03-3556-5147)では住宅相談窓口を設けていますので、一度こちらに相談されてみてはいかがでしょうか。


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屋根裏の木材のひび割れについて


<埼玉県熊谷市・KSさん(公務員・42歳・男)>


 築3年の2階建ての家に住んでいます。2階の屋根裏に収納スペースがあり、中の荷物を取り出そうと久しぶりに上がってみたところ、屋根を支えている木材にひびが入っているのを見つけました。木は乾燥するとひびが入るということは聞いたことがありますが、どの程度まではOKで、これ以上は×であるという基準が私にはよくわかりません。写真を送りますので、アドバイスをいただければ幸いです。
 ひび1の写真は左に写っている木材の接合部から亀裂が走っていて、段差ができています。ひび2の写真は、ひび1の写真の亀裂が右側にある垂木との接合部分まで延びている様子です。ひび3の写真は、ひび1、2の写真と同じ木材で、ひび1の写真に写っている接合部より左側にある部分に走っている亀裂です。



アドバイスいたします
北洋建設(株)
高橋博美/(社)北海道建築士会千歳支部


ホームページ:http://www.hokuyo-cam.jp/

まずは、KSさんのおっしゃっているとおり「木は乾燥するとひびが入る」もので、木が割れるということは「木が呼吸している」ためであって、生きている証ということです。木が「ひび割れる」などの現象は木が乾燥していく進行度合によって生じていき、木が乾いているほうがそういった現象が出にくいということになります。現在では、多くのビルダーやハウスメーカーが人工的に乾燥した木材「乾燥材」を使用しており、割れや反りなどの発生を極力抑えています。また、住宅金融公庫融資住宅の「木造住宅共通仕様書」では、構造材には乾燥材(含水率19%以下)を使用することを推奨しています。
 木材の強度としては、乾燥率に比例して強度が高くなる傾向にあり、乾燥すればするほど強度はアップしますが、これが木の割れと比例的に増えてしまうというのも現状です。
 JAS(日本農林規格)では干割れ(乾燥による割れ)が強度に影響しないとしています。しかし、いくら強度に影響はない、もしくは、少ないといわれても、実際にひび割れを目てしまうと…特に最近の構造強度云々の問題もマスコミ等で大きく取上げられ心配になってしまいますね。これは、ビルダーやメーカーが、本来の木に対する説明をきちんとしてこなかったことも原因のひとつです。
 前置が長くなってしまいましたが、今回のひび割れは、まず工事の段階でどのくらいの木材含水率だったのか知りたいところですが、それは無理でしょうから、きちんと乾燥材を使ったのか(工事の見積書があればその中に乾燥材使用の有無があるかの確認をしてみてください)、乾燥材を使っているのならば、ひび割れの状態を確認し貫通割れ(上から下まで割れていて向う側が見える)かどうかの確認が必要です。貫通割れではなく、表面だけの割れなら心配はないと思われます。安心して大丈夫といえるでしょう。また、貫通割れだった場合には、その部材を取替えるか、樹脂系の接着剤を注入して補修する方法などもあります。写真から判断すると構造的には問題はないと思います。
あくまでも写真のみの状況判断なので、実際の状況の確認をしてみて心配があるようなら信頼の置ける建築士に相談、確認してもらったほうが良いかと思います。


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住宅用電気の引き込みポールについて


<京都府八幡市・YMさん(50歳・男)>


 住宅用電気の引き込みポールについてお伺いします。
 通常、引き込みポールの根元にはコンクリートの寝巻きが必要なのでしょうか? 法律で決まっているのでしょうか? また寝巻きなしでも大丈夫でしょうか? 教えてください。お願いします



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 住宅用の電線引き込みポールは、各メーカーごとに施工要領を定めております。引き込みポールには、電線の引込み線が片方にかかる場合が多いため、ポールが傾かないようにしっかり固定するように定めあります。
 コンクリートで根巻きを行うのもその手法のうちの一つということになります。つまりは傾かないような対策を講じなさいということです。
 自分の敷地内に立てる引き込みポールには、法的な定めがないのが実状です。しかし、万全を期して、多少お金をかけてもコンクリートの根巻きをすべきと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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無垢フローリングの手入れについて


<兵庫県西宮市・まろんさん(会社員・47歳・男)>



 毎週見させていただき、勉強させていただいております。築10年の木造在来工法の住宅です。全部屋に厚さ35mmの米松無垢無塗装のフローリングを使用しています。10年間まったく手入れらしいことはせず、まれに水拭き程度です。にもかかわらず、年月を重ねるほどに美しい木目と色合いになり、また、素足での感触もすばらしいものがあり、たいへん満足しております。しかし、ただひとつ不満があり、ネットでもいろいろと検索しましたが、答えが得られませんので、質問させていただきます。
 時々「ささくれ」ができ、それがとげとなり、足に刺さってしまいます。「ささくれ」を出さないようにするのは、どのような手入れをすればいいのでしょうか? お手数をおかけしまして恐縮ですが、ご教授のほどよろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 正会員
(株)トーヨーホーム
原口智哉


ホームページ:http://www.toyohome.biz/
JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 「ささくれ」現象は、無垢フロアー材の宿命といえます。根本的な解決方法はないため、ささくれ部分にサンドペーパーをかけるか、不具合箇所にカンナをかけて処理するしかないと思われます。ただし、カンナをかけるとその部分だけ色変わりが目立ちます。
 日頃の手入れとしては、6ヵ月に1度のワックス掛けをおすすめしますが、木本来の肌触りの感じは幾分変わります。欧米人のように、室内で靴を履いて生活する習慣のない日本人には少々手のかかる素材として理解し、付き合っていくしかないと思います。


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電気線の接続に関する相談です


<神奈川県相模原市・AKさん>


 はじめまして。この3月に注文住宅にて新築したものです。そこで、電気配線の接続に関する疑問がありますので相談させていただきました。お忙しいなか恐縮ですが、素人の私には判断ができないものでご回答をいただければ幸いです。

物件:H18年3月29日引渡し 従来工法 木造2階建て

■質問内容
 電気線の接続個所について、浴室の天井裏(湿気の多い場所)や、その近辺には防水キャップが施していなく写真のように端子に接続しているだけなのですが(写真1写真2)、浴室以外の場所には、写真のような防水キャップが施してあります。浴室の天井裏こそ防水・防湿のためのキャップ等が必要だと思いますが、電気配線の接続規格はどのようになっているのでしょうか。不良施工ではないのでしょうか??。

■施工業者の対応
 以下、販売会社の見解(メール原文)を記します。
・電線のジョイント部の防湿キャップの取り付けについて
⇒電気業者に確認したところ、従来は電線のジョイント部は漏電防止のために、ビニールテープで巻いたり、防湿キャップをつけるようにしていましたが、現在ジョイントの部品品質が良くなり、防湿キャップをしなくても良いとなっております。また、当社として電気業者に対し、必ず防湿キャップを設ける仕様にはなっておりません。もし万が一、漏電が発生した場合は、当社保証書の保証内容の対応となります。

■相談内容
 水気が多い箇所(浴室の天井裏)の電気線の接続に関して施工規格を知りたいです。この住宅販売会社の言うことが正しいことなのか、そうでないのか素人の私には判断できません。どうぞご回答をお願いいたします。

よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 質問の電気配線に関するものに、対象省令:第7条と56条に接続方法が記載されております。
 この対象省令によりますと、屋内配線の接続方法としてあり、特に浴室だとか水まわりの近くだということの特別な記載はありません。たとえ湿気が多いところであっても、その湿気が天井裏などに漏れたら、配線障害以前の問題で、構造体を腐食させるなどのトラブルになることでしょう。つまりは湿気を構造体に漏らさない施策が最初から不可欠なのです。
 本件の質問においては、あくまでも写真を見ただけの判断ですが、1枚目の写真のコネクタも接続方法の省令マニュアルのJIS規格に記載されております。一見、乱暴な施工法のように見える2枚目の写真ですが、これも適合した接続部材を使用していることと判断されます。全てが3枚目のような保護キャップで覆われると安心なのですが、JIS規格の部材を使用している限り、これを合法と判断せざるを得ないのです。
 いずれにしても施工業者が施工保証を宣言しているのですから、その約定をしっかりと認めておくことが必要と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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中古住宅の擁壁について


<匿名さん>


 突然の参加をお許しください。また過去に類似の話題があった場合はご容赦ください。
 私は今、中古住宅購入の検討をしている最中です。その土地に高さ3mの石垣があり、その構造は現在の基準に照らし合わせると構造に対する保証は無い「よう壁」のようです(自分で市役所に行き調べてきました)。また、その「よう壁」のことを仲介する不動産業者の担当者に説明を求めても、いまいちあやふやな返事しかかえってきません。

そこで質問させてください。
・重要事項の説明の中に、「よう壁」に関する項目はないのですか?
・また仲介する不動産業者さんは、よう壁に関してきちんとした(ある程度化学的に)説明する義務はあるのでしょうか?
・購入後に、天災などで崩れた場合は、保証(瑕疵扱い)はしてもらえるのでしょうか?
・よう壁に関する「特記事項」などを契約に盛り込めるものなのでしょうか? また盛り込む場合はどのようにするといいのでしょうか?

 以上よろしくお願いいたします。
 重ね重ね一方的な質問をお詫びいたします。以上よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 正会員
(株)トーヨーホーム
原口智哉


ホームページ:http://www.toyohome.biz/
JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 重要事項説明書の中に、具体的な既存擁壁の強度調査、また、保証に関する文章表記はありませんが、過去の判例に不動産業者に対して以下の指導がなされております。
1.擁壁が適法かどうか。擁壁の亀裂の有無。
2.法規則の調整及び市町村等への確認。
3.不明な点や問題点が生じた場合は、設計事務所等の専門家による調査および検討も必要となる。
 東京地裁・判決・昭和57年2月22日を参考としました。


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