住宅クレーム110番

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通気層を抜ける風で屋根が飛ばないか心配


<秋田県秋田市・AMさん(会社員・54歳・男)>



 木造住宅で内断熱パネル工法で外壁と断熱の間には通気を設けてます。屋根は寄棟です。外壁は金物で掛けるものです。
 北西に風が強くなる時期、気になったことがあります。北西の2階の角はトイレになっているのですが、風が吹くと、通気の穴を通る風の音なのかわかりませんが、コトゴトと音がしたりドントンと音がします。外壁が揺れて音がするのではと思い、外へ出てみたのですが、確認はできませんでした。仮にそこに寝室があったら寝られないほどうるさいです。一応、建築した所で音を確認してもらったのですが、わからないといっています。
 通気を通った風が小屋裏へ抜けるので、屋根が飛ばないか心配です。また、この音が原因で構造体への悪影響がないか心配です。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 おそらく外壁材を抑える金物に不具合があり、強風によって外壁材が揺すられているものと思われます。引っ掛け式の外壁材は、雨水を抑える機能が小さく、通気層から下部に排水する構造になっており、通気層が特に大切な部位なのです。この通気層からの通気量は、どんなに強風でも外壁や屋根を吹き飛ばすほどになりません。構造体への影響はないものと思われます。
 外壁材の種類と留め金具の形状にもよりますが、バネ式の金物は強風で煽られると揺れる場合があり、目で確認が難しいのですが、音がする場合もあります。放置しておくと騒音だけなく、金属疲労などで脱落する場合も考えられます。状況から判断して、音の原因は金物の不具合による外壁材の振れ現象だと推察されます。施工業者に、しっかりと調査を行い、強風からの揺れを止めるための対策を行うよう、要請すべきでしょう。引っ掛け式の外壁材が落下事故を起こして人災になる場合も考えられます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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クロスの総平米数について


<岡山県岡山市・ASさん(自営業・42歳・男)>



 クロスの張り替えをやってもらいました。わが家の総平米は366ほどです。でも請求書は475平米でした。業者さんに聞いたら3割はクロスのロスですと言われました。クロスの張り替えはこれが常識なのですか? よろしくお願いします。



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 正会員
(株)専秀堂
中川伸行


ホームページ:http://www.sensyudo.com/
JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 クロス張り平米数の話ですが、クロスの材料は92センチ幅の50メートル巻物になっています。現場施工では、この92センチ幅のものをつなぎ合わせて(ジョイント)張り合わせていくわけですが、その際に上下に必ず切りしろが一幅につき5センチから10センチ必要になります。これがクロスのロスといわれるものです。
 また、張る壁の幅が80センチでも90センチの材料が一幅必要になります。この幅の落ちもロスになります。さらに柄物になりますと、柄合わせに柄の大きさ(リピート)分の材料ロスが必要になります。クロスのロス率は建物の造りにより変動はありますが、無地柄で約10%〜20%ぐらいと思われます。柄物になりますと、柄の大きさにより変わりますが、無地柄よりロス率は多くなります。
 業者さんによりますが、クロス単価は材工共単価で表示されることが多いとは思います。それぞれ材料費と施工費の設定に違いがありますので、一概には申し上げられませんが、あまり柄によってロス率が多くなる場合は、材料費と施工費をわ分けて表示してもらうのもひとつの手段かと思います。


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通気層を水が流れています


<愛知県愛西市・NYさん(27歳・男)>


 今年の2月に注文住宅が完成し引渡しを受けました。住みはじめて気がついたことなのですが、雨が降ると通気層の中を水がぽたぽたと流れています。
 構造は、家の外側から「塗り壁材→フラットサイディング→通気層→透湿防水シート→合板→断熱材(GW)→防湿シート→プラスターボード」で建てられた2×4の家です。
 雨の日に基礎の立ち上がりが変わった濡れ方をしていたので見てみたら、水切り金具の網目の中からぽたぽたと水がたれてきていました。床下に入って確認すると通気層を伝ってきているようでした。業者に電話をすると「透湿防水シートが一次防水になりますので大丈夫です。外壁からは水は入るものです」との返事で確認にも来ていただけませんでした。

1.台風の時に雨水が多少浸入するのならばわかりますが、よくある普通の雨でこのように外壁から通気層へと水は浸入するものなのでしょうか?

2.品確法でいう瑕疵保証の対象である、「雨水の浸入を防ぐ部分」の瑕疵に今回の場合は該当するのでしょうか(外壁から通気層への水の浸入。ただし、通常の雨でおきる)?

 お手数ですが、上記の2点につきまして教えていただけますと幸いです。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 確かに通気層の役割は、外壁材の乾燥を促すこと、日射熱を通気層から逃がすこと、断熱材の湿気を蒸発させることと、雨水を下部に排出することです。本件のように軽い雨水でも外壁から通気層に雨水が回るということになると、質問者だけでなく、誰でもがいささか気になります。しかし、その外壁材の種類と施工法、さらには納まりによっても異なりますが、あらかじめ通気層から雨水を排出するように仕組まれる場合もあります。その場合、通気層の透湿シートはかなり厳重に防水する構造になっていなければなりません。
 もし、その透湿シートから漏水して断熱材に吸収され、断熱劣化を起こす事態になれば、当然ながら「瑕疵担保責任」が適用されると思います。瑕疵担保責任は、雨漏り対策と構造体に竣工までの間に瑕疵(トラブルを起こす要因)があった場合、10年間にわたり施工者が責任を負うことが義務化されております。本件において、通気層から雨水がたれている状態での瑕疵担保責任を負わせるのは困難ですが、そこから内部に漏水したことが判明しますと、その可能性が強くなります。
 品確法の瑕疵担保責任という法律は、質問者がいう「瑕疵保証」ではなく、瑕疵担保責任です。保証というと金銭的賠償などが伴いますが、責任真っ当というと必ずしも金銭賠償だけとは限りません。そのような雨漏り状況を改善する対策を実施させることです。これも、雨漏りを起こす要因が、家の出来る過程にあったことが前提です。竣工後に劣化現象、自然災害などでの漏水は対象になりませんので、この法律の趣旨を踏まえながら、今のうちから施工業者さんに適切な対応を確約しておくべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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