住宅クレーム110番

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J110 News

2×4住宅の不同沈下の補修方法について


<広島県広島市・MNさん>


 はじめまして。主題の件についてご質問させていただきます。アドバイスをよろしくお願いします。

築10年 2×4住宅
構造材:ダグラスファー

 上記の住宅に住んでおります。築10年を迎える前に住宅が傾いている現象が生じ、およそ10メートルで5ミリの沈下が認められました。
 2×4住宅の補修方法としては、どのような方法で補修するべきなのか教えていただけますか? 在来工法などほかの方法の住宅と違って、2×4住宅は面で支えているのが特長であると認識しています。その特徴上、不同沈下の補修において、安易にジャッキアップしても大丈夫なのかどうか、構造上どのような影響が生じるのか、などよく分かりません。2×4住宅における、補修方法や留意すべき点など教えてください。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 まず、不同沈下の原因を特定することが大切です。地質調査(ボーリング)を行い、建築士など専門家に見てもらい、地耐力が足りないのであれば、地盤改良の工事が必要になります。
 施工法もべた基礎に補強する、地盤にセメントミルクを注入する、基礎の下を掘って鋼管杭を施行するなど、事によっては大掛かりな工事になります。
 地盤に問題がない、原因が外的な要因で今後は沈下の心配がないなどのときに、初めてジャッキアップなどの施工になりますが、一部分ならともかく、家全体のレベル補修であれば、曳き舞いなどの専門家の仕事になります。
 よく調査をしてからにしてください。工事にあたっては在来工法もツーバイ工法も変わりないと思います。


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窓ガラスや玄関ドアの結露について


<北海道旭川市・Iさん(会社員・31歳・男)>


 窓ガラスや玄関ドアの結露について、アドバイスをお願いいたします。
 昨年(2005年)10月に2×4高断熱・高気密住宅(気密測定値0.63)24時間換気、セントラルヒーティング全室暖房、オール電化で新築したのですが、12月ごろから毎日のように1階、2階の全窓(樹脂製ペアガラスLOW−E)の下部に2センチほどの結露が出ます。ひどい時は樹脂サッシにも結露が発生します。また、玄関ドア(断熱区分 K2仕様)にも結露が発生します、これはひどい時には氷になることがあります。このことをハウスメーカーに相談したところ、換気のことや暖房のことを言われたとおりにしたのですが、まったく改善しません。玄関ドアについては建て付けを調整し直したのですが改善せず、床暖房をすすめられました。外気温は、約−10度〜−20度。室温23度〜25度。湿度15%〜30%です。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 今回は、1)高気密、2)高断熱、3)計画換気、4)全館暖房の4点セットに関しての質問です。建築と設備の設計図があるとすぐに判断できるのですが、おそらく本当の意味の4点セットになっていないのだと思います。気密測定でC値が0.63で窓が高断熱ペアガラス、湿度は15〜30%ということなので、高気密・高断熱・計画換気はなされているとして、後は全館暖房の問題になります。
 結露は湿った温かい空気が冷やされて水になることです。全室暖房といっても、窓ガラスが結露するということは、その部分の温度が低く冷やされているということです。窓の冷気流を防ぎ、ガラス面の温度を上げるために窓下にパネルヒーターが設置され、本来、家中の温度差を限りなくなくすことがベストな全館暖房になります。
 オール電化といっても、現在は電気温水セントラル暖房・オイルパネルヒーターなど方式がありますが、蓄熱暖房機の場合、館内に何台か設置したと言うことでは個別暖房方式になり、真の全館暖房とはいえません。このほか、窓が2面ある部屋で1ヵ所しかヒーターが付いていない、出窓が多く窓が冷える、ヒーターの温度設定が悪い、使わない部屋の暖房・換気を止めているなど、バランスの悪い使い方をしていることが考えられます。
 家中の換気を意識して、家中の温度を一定にし全館暖房を心がけ、それでもダメなら窓下・玄関にオイルヒーターを設置してください。


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擁壁の継ぎ目から水漏れ


<奈良県奈良市・OSさん(主婦・35歳)>


 添付した写真にもあるように、雨が降った翌日はガレージの継ぎ目からかなりの量の水がもれてくるうえ、雨がやんでからも手前の隣家の階段に面するガレージ継ぎ目からは常に一筋の水が漏れてくる状態です。また、擁壁自体の縦横の継ぎ目からもじわじわと水がもれています。雨水を流す穴からはほとんど流れずに、継ぎ目からもれていては擁壁の耐久性や、地震が起きたときの安全性が不安です。ちなみにこの土地は丘陵地を造成したところで、開発後10年ほど経ってから売り出されました。購入時から1年ほどたってこのありさまで、かなりショックを受けています。コンクリートの質が悪かったのか、工事が手抜きだったのかなど考えてしまいます。
 土地を購入したハウスメーカーに対して擁壁のどういった補修を求めればよいのでしょうか。アドバイス願います。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 写真にはコンクリート擁壁に亀裂のようなものが見当たらないように思います。擁壁造成の際に、擁壁に取り付けた水抜きパイプを取り付けますが、その取り付けパイプに浸透水が向いていないのが要因と思われます。水抜きパイプの位置には、砕石を埋設してからその上に盛り土を行いますが、埋設した砕石の隙間を通じて水抜きパイプより排水されるようになっております。
 本件の場合、浸透水が流れ着くところが、ガレージとなりの階段付近に集中したように見受けられます。ガレージ右の水抜きパイプが低いところに在るも関わらず、まったく役目を果たしておりませんが、内部が砂利でなく浸透性のない土が埋まっているものと思われます。
 浸透水が抜けなければ、擁壁の上部の土が乾燥せずにドロドロ状態を維持する場合があります。このような状況を放置しますと擁壁の土圧が高くなるなどのストレスが溜まり、擁壁破壊などを引き起こす場合もあります。
 予兆としては、上部の土の乾燥度合い、擁壁コンクリートの亀裂や膨らみなどで判断できます。このようになっていない場合、強度的に致命的な状況にないと思われます。しかし、やはり水抜きパイプからスムーズに水が流れていることが望ましいことは言うまでもありません。
 対策としては擁壁コンクリートに亀裂や膨らみがないのであれば、上部の土を掘り起こして、水抜きパイプの高さに砕石を敷き込み埋め戻します。その際、水抜きパイプを増やすことをおすすめします。工事の状況から、工事費用を業者負担にさせるのはかなり困難かと思われます。ある程度の費用負担も必要と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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サイディングの出隅の角が裂けています


<熊本県宇土市・KYさん(28歳・女)>


 5年ほど前に木造2階建てモデルハウスを購入。レンガ調サイディングの出隅の角がきれいに裂けはじめ、すべての出隅部分に同じ現象が見られます。2年後に売主は倒産しており、サイディングメーカーに問い合わせ中ですが、同じような事例はありますでしょうか?。
 また、このままですと雨水の浸入が心配です。今後、どのような対処をすればいいか悩んでいます。裂けの大きさとしては2〜4ミリ。縦方向としては、ほぼ上から下まで全体といっていいほどです。アドバイスありましたらお願いします。
 アルミL型スレートを上から貼り付ける、もしくは出隅用サイディングを新たに上から施工することは可能でしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 写真がないので、詳細状況を把握できませんが、レンガ風サイデングといっても、サイデングに変わりありません。その出隅の納まりは多くの方法がありますので、その種類を見ないで断定できません。しかし、「縦に上から下まで2ミリの裂け目」という表現から判断しますと、役物の縦型出隅用サイデングを使用したものと思われ、それを前提に回答します。
 おそらく、この役物出隅サイデングと普通サイデングとのコーキングに裂け目が生じたものと思われます。このコーキングが3点接着といって、役物出隅と普通サイデングとの間の目地に、バックアップ材が使用なかった場合、出隅とサイデングと目地下地の3点が密着してしまいます。本来コーキングは、役物とサイデングの2点を密着させ、サイデングの収縮、構造体の動きなどを吸収する役目を担います。3点接着の場合、このエキスパンションの役目が果たせなくなり、本件のような裂け目を生じさせる場合があります。
 対策としては、コーキングを綺麗に取り去り、バックアップ材を埋め込んでから新たにコーキングを行います。文章だけでの判断なので断定できませんが、業者さんへの点検依頼の参考にしていただきたいと思います。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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