住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

強風で家が揺れる


<東京都新宿区・MAさん(31歳・女)>


 毎週かかさず拝見させていただいてます。今回の相談内容は、強風の際に家が揺れるのが心配で問題ないかどうか教えていただきたいと思いメールさせていただきました。
 わが家は都心にある狭小住宅3階建て築3年です。ちょうど、わが家の北西側は2階建てが多く3階の窓からは遠くが見渡せる状態になっています。そのため北西から強い風が吹くと家が揺れます。震度1弱程度ですが、3階2階どちらも同じです。3階部分に風がぶつかっているので揺れるのだとは思いますが、強度など問題ないのか心配になってきました。今後何らかの調査をお願いしたほうがいいのかどうか、教えていただけたらと思います。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 ペンシル住宅といわれる、上に細長い建物だと思います。建物が風によって揺れる大きな要因は、地盤特性(地盤の柔らかさなど)と構造体の剛性特性がフィットしたときに揺れます。地震の揺れを建物に伝える地盤波長と建物剛性波長を異なる波長特性に換えることで、揺れが少なくなります。
 本件の場合、2階、3階が同じように揺れるということですから、おそらく地盤波長と風で揺られる波長が合っているものと思われます。このような建物は「柳に風」の作用が働き意外と地震なのに強いものです。しかし、放置しておくとことは決して好ましくなく、構造体の継ぎ手や金物が緩んだり、さまざまなところに狂いが生じる場合があります。
 超音波探査方式という地盤調査で地盤波長を分析し、場合によっては地盤にセメントミルクなどを注入して地盤波長を変える方法があります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

筋交いと床束について


<愛知県・H.Mさん>


 いつも勉強のために拝見させていただいております。また、楽しみに拝見させていただいております。早速ですが、小生は現在、木造軸組みにて2階建ての新居を建築中です。どうしても仕事がありますので、夜になりこっそり覗いては、施主にできる範囲でチェックしておりますが、チェックする中で2つほど気になる点がありますので、質問させてください。
 添付写真の1枚目ですが、アンカーボルト??の位置に問題があるのか、よくわからないのですが、これに筋交いが当たってしまうようで、筋交いを欠けさせてしまっています。筋交いは耐震上重要であると認識しておりますが、このような施工は当然なのでしょうか?
 次に、添付写真の2枚目ですが、木製の床束に、鋼製の束?が併用されているようなのですが、鋼製床束の施工時は、通常は接着剤を基礎の面に使用するのが普通と認識していますが、接着剤が使用されていません。こちらも強度に問題がないか不安です。
 不安だらけから長文になりましたが、ぜひともアドバイスいただきたいと思います。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 写真によるとアンカーボールトは確実に固定されております。筋交いは固定されている柱の基に取り付けられるのが基本ですので、写真のような納め方も致し方ない場合があります。しかし、欠き込んだ下部に金物が取り付けてあり、問題はないと思われます。本来、筋交いは、圧縮と引っ張りの双方の過重に備えるため欠き込みを行わないのが原則です。しかし、写真で見る限り、施工も丁寧で、おそらく見えない部分の反対側にも金物で補強してあると思います。
 床束ですが、ベタ基礎の床の下部には、フーチングといって地中布基礎が入っているものと思われます。したがって、このような施工も不思議ではありません。床束はもっぱら真上からの荷重を支えます。ところが、地震の際に、上に飛び跳ねる荷重を補うために、ベタ基礎に鉄芯を埋め込んだものです。理屈にあっており問題はないと思われます。
 このような不安感を抱くのでなく、施工者に忌憚なく尋ねていただいたほうが良いと思います。家は竣工してからが本当の家づくりですから、施工者との信頼関係が不可欠です。家づくりを楽しんでください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

木質系屋内建具の反りに悩んでいます」の方へ


<北海道虻田郡・take chanさん(会社員・50歳・男)>


「暖房室と非暖房との仕切り木質系屋内建具が、特に片引き戸で壁に擦って開閉が困難になると同時に、閉めたときキャッチ金物が上手く機能しなくなりました」。

 そもそも、非暖房室、暖房室があることが問題だと思います。たとえ滋賀県とはいえ、温度差は無視できないのでは? あたかもバイメタルのように、建具が反っても、なんの不思議もないと思いますが?

「『当該製品』に関しましては、木質製品のため、室内外の温度差・湿度差が著しいと云う厳しい使用環境下では、扉の耐反り能力を超えてしまいますので、製品だけで反りを解決することには無理があるケースがあることをご理解下さい。引戸やドアなどによって仕切られた2つの空間に極端な温度差や湿度差があり、反りが発生した場合は、お部屋の換気や空調などを合わせて対処していただく事が非常に有効です」。
 
 というメーカーの見解は、なんの問題もないと私は思います。私も、きっと同じことを言うでしょう。このメーカーさんはずいぶん言葉を選んでいるようですが。

「反りは製品の不具合から生じているものと考えていて、反らない製品の要求をお願いしていますが、一向に対応してくれそうにもありません 。小生宅の使用環境は、極端なものではなく通常の日本における平均的な環境と自認しています」。

 その要求に100%答えられる、木質系建具は無理だと思います。多かれ少なかれは反るでしょう。それを少なくしたり、反りに強い物は可能、というだけでしょう。
 極論を許していただけるなら、温度差がある間仕切りでは、木である以上は必ず反ります。ましてや、非暖房室側には結露して水分を含んで、反る原因を増やしてしまうでしょう。それが逆に言えば、「本物」の木である証拠だともいえると思いますが?
 平均的な使用環境とは? 逆に聞いてみたいと思います。時代と共に家に求められる性能。そして、得られている性能には、隔たりがあるのではありませんか?
 少なくとも、ここ最近の家は暖房室、非暖房室があることは、避けるべきことと認識していますが?

「メーカーの言い分は『木質系室内建具とは、反りが出てあたりまえ、反りが出ないように対応して使いなさい』と言っているように聞こえます」。

 そのとおりです。少なくとも、記されている環境下では、当たり前だといえます。 



J110 News

木質系屋内建具の反りに悩んでいます」への私の意見


<千葉県・Hさん(公務員・36歳・男)>


 私も築1年で引き戸の開閉が困難な状況となりました。夏までは良かったのですが、冬になり乾燥が進んで建具が大きく反ってしまったのが原因でした。
 木製建具ですので日曜大工で自分で直せるのではないかと思い、建具のメーカーに相談したところ、修正の仕方を教えていただき(具体的には、引き戸の上のL字部分の上と内側を少し削る)、それでもダメな場合はまた連絡してほしい、といわれました。自分でサンドペーパーで削ってみると、すぐに直りました。
 木製、特に無垢の木材はどうしても狂いが生じるものですので、生活の中で自分で修正できるものは修正する、というような大らかさもある程度必要なのではないかと思います。



まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。