住宅クレーム110番

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J110 News

鉄骨のサビについて


<兵庫県新温泉町・NYさん(会社員・55歳・男)>



 施工不良でバルコニーより新築当時(築7年)から漏水してクロスが浮き剥がれ、新築直後に一部補修してもらいました。その後もクロスが浮き剥がれ、先日バルコニーの防水シート全面をやり直しました。
 点検口から覗きますと漏水は止まっているようですが、H鋼がかなり激しく錆びていて、新築当時からの漏水と察せられます。大部分は軒先から外部に流れ出たので、室内には一部しか漏水がなく、発見が遅れたと思われます。わが家は海岸に近く塩分を含んだ雨水のためか、H鋼の一部はボロボロになっています。
 このようなとき、どのような補修を要求できますか? 皆様のご意見をお尋ねいたします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 文面では木造なのか鉄骨の建物なのか判断がつきませんが、新築直後に一部漏水補修し、その後の対応として近々にバルコニーの防水シート全面補修を行い、漏水は止まっているとのことです。法律的なことでは、今回築7年ということなので、2000年4月1日から施行された品確法(漏水に関しては10年保証)は適用になりませんが、民法での瑕疵(瑕疵の存続期間は木造5年、鉄骨・鉄筋コンクリート10年)には鉄骨の建物であれば適用になると思います。
 今回の問題は、漏水のために錆びてしまったバルコニーの鉄骨補修の要求ができるかどうかについてです。民法において、瑕疵が重要ではないもので、その補修に過分の費用がかかるものは要求できないとあります。したがって、鉄骨の錆の問題ではなく、錆びたことによって鉄骨の耐力が落ち、構造的に不適格なところが確認できれば、部分的に補強をすることを請求できると思います。


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床暖房とムクの床材について


<三重県・KTさん(主 婦・45歳・女)>



 床材について質問があります。床暖房を取り入れたいと思うのですが、ムク材には適さないと聞きます。
 エアコン等の暖房器具はあまり好きになれず、足元からの暖房をいれたいのですが、床にムク材を使っては無理でしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 床暖房の種類が書いていないのですが、通常は、
1.湿式工法(コンクリート床の上に温水配管をしモルタルで埋めたもの)。
2.乾式工法(木造の床の上に温水配管パネル<電気含む>を敷くもの)。
の2つが考えられます。

 特に1の場合は、下地のコンクリート・モルタルの乾燥状態が一番問題になります。床暖に無垢材が使われないのは、乾燥材を使用しても、一度下地の水分を吸ってから乾燥するので大きく狂うためです。下地の乾燥が十分にはかられるのであれば、含水率8%以下の完全な乾燥材を使用するとある程度は可能と思います。ただ、どのようなメーカーでも、無垢材を床暖に使用することを保証しないと思いますので、自己責任で使用することになると思います。
 私が知っているもので、ひとつだけ無垢材で床暖使用を謳っているものがありますので紹介します。サーモウッドというもので、フィンランドの木材高熱乾燥技術により、形状変化が通常の人工乾燥に比べて30〜50%減少(変形しにくい)するものです。工事においても、釘打ちをせず敷き並べるだけで施工OKですので床暖向きです。興味があれば「サーモウッド」で検索すると販売店もわかりますので、検討してください。


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増築した和室が寒くて困っています


<福岡県北九州市・UKさん(49歳・男)>


 天井に上がって見ると、増築した部分と隣接した既存の部分との間に断熱材が入っていませんでした。業者は「一般的な方法です」といいます。本当でしょうか? 
 また、柱と柱の間に断熱材を入れ込むだけで、柱を覆うようには断熱材を使っていません。これでは柱と断熱材の隙間から冷気が入り込みませんかと業者に聞くと、「一般的な方法です」としかいいません。これも本当でしょうか? 
 最後に和室床の断熱材の一般的な施工方法はどのようなものでしょうか? わが家は垂木と垂木の間に発泡スチロールをはめ込んでいるだけです。以上よろしくお願いします



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 断熱材はどんな場合にも、断点なく充填することが原則です。断点部分から熱が逃げるのは当然で「一般的な方法」などでは断じてありません。九州の冬の寒さは空気が乾燥するので、人体から水蒸気を奪うため、北海道の冬より寒く感じることもあります。柱の間にも切れ目なく充填することが「一般的な方法」です。
 床下の発泡断熱材の施工方法が「一般的な方法」といえるのですが、発泡断熱材は入れ方を雑にしますとほとんど効果がありません。隙間なく入れ込んでいれば問題ありません。今一度、点検を行って、適切に補充していただくことが肝心です。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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棟木の継ぎ足しについて


<匿名さん>


 こんにちは。初めて投稿させていただきます。
 私は今、東京で新築一戸建てを建設中の者です。上棟が終わり、屋根工事に入った状態です。そこで、少し不安になり投稿させていただきます。
 棟木の長さが足りなかったのか、継ぎ足して使用しているようです(添付写真)。一般的には、一本物を使用すると認識していたのですが、途中で継ぎ足しを行っています。また、棟木の幅も小さくなっています。構造的には荷重はあまりかからないかと思いますが、風力のほうが少し心配です。
 建設業者は、一般的な工法だといっているのですが、不安を覚えたのでアドバイスいただけないでしょうか。ぜひ、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 ご指摘のとおり、棟木は荷重が特別にかかる部位ではありませんが、単に上から下への荷重だけでなく、屋根を持ち上げる風圧がかかることがあり、その揺さぶりで雨漏りなどの要因となる場合がありますので、念には念を入れて施工すべきです。
 本件の場合、添付写真で見る限り、このような棟木の継ぎ足しは通常行われており、珍しいことでありません。また、棟木の下には受け框があって束柱があります。施工も丁寧に行われているように見受けられますので、問題はないと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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