住宅クレーム110番

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マンションのクラックの修理で外壁がまだらに!


<神奈川県横浜市・AMさん(男)>


 ご教示ください。
 私は現在、マンションの理事会役員をしています。うちのマンションは築2年ですが、ベランダや外壁にクラックが多数発生しています。2年目アフター保守で修理してもらったのですが、理事会で承認した工法としては、V字カット後、シールドをして、色を塗るというものでした。しかし、実際にはシールドのみして、色を塗る工法が無断で行われました。理由を聞くと、V字カットをした際に、ホコリが舞って苦情が出たとのこと。さらに、修理した部分だけ色を塗ったため、外装がまだら模様になってしまいました。添付ファイルにその模様となった一部を載せました。ご確認ください。
 まだ築2年目なのに、つぎはぎだらけのマンションになって、住人から不満の声が多数あがっています。
「こんな模様になるのなら、修理しないほうがマシ!」という声も聞かれるほどです。
 そこで、ご教示いただきたいことがあります。
・クラックの修理工法(V字カットしないで、シールドのみ)は、正しいか? 耐久性はあるか?
・まだら模様について、全体を塗装し直すことは可能か? 交渉相手は売主か?

以上、良きアドバイスをよろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 写真を拝見しました。はっきりとしたクラックの形状はよく見えませんが、サッシュまわりですから、大方、開口部鉄筋補強がうまくなかったのでしょう。よくあるクラックのパターンです。お住まいのマンションの構造をうかがっていませんが、マンションの場合、90%近くは柱、梁で主体構造をつくるラーメン構造なので、この壁のクラックがすぐどうこうするといった重大な不安を持つ類のものではありません。この手のクラックを補修する最大の理由は、この部位から雨水などが浸入し、鉄筋を錆びさせ、爆裂を起こし、ひび割れを周囲に広がらせ、最終的にはその周辺のコンクリートの中性化を促進させ、強度低下させる恐れがあるからです。その意味では、バルコニー軒下で雨も掛かりづらい場所なので、深刻の度合いは低いといえます。
 じゃあ直さないでも良いかといえば、2年のアフターの切れる時期ですから、今やらないともうやってもらえない可能性はものすごく高く、やらざるを得ません。そしてその方法はといえば、クラックにシールするだけでは補修とはいえません。なぜか? シールは、熱収縮等の動きのないコンクリートなどは3面密着が常識で、その意味ではクラックの補修はVカットではなく、Uカットが補修法の代表となっています。要するにU字形にコンクリートをカットして、3面にシール材が接するようにするのが正解となります。ですから、平たくいえば、今回の補修はNGとなります。しばらくしてクラックが広がれば、また口を開きます。シールの弾性が全然生きませんから。
 塗装もあれでは、そりゃ、文句も出るでしょう。多少の色違いは外壁の汚れもあって色合わせをしても出ます。これは我慢しなくてはいけません。しかし、どこかで塗装の区切りをするにしても、例えば、柱形の出隅とか入り隅などの出こみへっこみのある部分など区切ってもらわないと、写真のようにパジャマの柄になってしまいます。補修費をケチッタという見本ですね。売主に話をしてまっとうに直してもらうより仕方ないでしょう。自分が悪いのですから。
 窓まわりのクラックは昔に比べると激減しています。こういう直しは後でお金が掛かりますから。中間検査などで気が付かなかったのでしょうかね。その時やっていれば、こんなネットでも公開されないし、本当に下らんミスです。致命的ではありませんが、現場監督が気をつけていれば、ないミスです。直すのが当たり前、これが結論です。


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非常用進入サッシについて


<東京都江東区・NYさん(会社員・31歳・女)>


 都心のタワーマンション低層階を契約したのですが、ベランダに「非常用侵入サッシ」があり、セキュリティに非常に不安を感じています。
 私たちは、名前どおり非常時のみ開けることのできるサッシだと思い込んでいたのですが、改めて確認したところ、「カバーを外せば開錠できる」「進入の意思があれば誰でも(泥棒でも)進入できる」というものであるそうなのです。オプションでマグネットセンサーを付けられると言われたのですが、無償で付くべきではないかと思い、納得できていません。
 デベロッパーは次のとおりの見解であるとのことです。「バルコニーにおいて、非常時進入サッシを開けるということは、窓ガラスを割って鍵を開けるということと同じと解釈しております。どんな形状のサッシでも進入不可能ということはないので、オプションで防犯センサーをご用意しております(非常時進入サッシではない住戸も同じです)」。
 ご意見おうかがいできればと思っております。
・「非常時進入サッシ」とは、マンションではあり得るものなのでしょうか。
・デベロッパーの見解は正しいものなのでしょうか。

何卒宜しくお願いいたします。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 ちょっとメールのご説明だけでは、そのサッシュが室内に入れるサッシュなのか、バルコニーと外部(共用廊下など)との境にあるものなのかよくわかりません。ただ、セキュリティ云々の下りから室内に入れるものと察しざるを得ません。
 通常の掃き出しサッシュですと外部にノブハンドルカバーなどありませんから、想定するにバルコニーに勝手口等の開き扉形状のサッシュがあり、不幸にもこれが消防隊用の非常侵入口に該当してしまい、扉形状よりガラス部分を割っても、そこから有効な消防活動ができないという判断を役所より下されて、やむを得ずハンドルカバー付きのサッシュとなったとこういうことでしょうか。もしそうであれば、確かにセキュリティの問題を懸念されるのは当然のことと思います。しかし、法的な指導ですから、非常侵入口を付けないわけにいきません。区分所有の不利益な部分をNYさんはある意味で引き受けてあげたわけですね。そして、バルコニーは専有使用権はあるが、専有部ではありません。したがって、そのサッシュにつけられたドアノブカバーも、言わば共用部だという論理は必ずしも筋違いではないと思います。そうです。共用部のものにNYさんの費用でオプションでドアセンサーを付けるなんて云われはありませんよね。当然、売主側でも用意すべきものです。侵入口そのものは飲まざるを得ませんから、せめてそこで抵抗するしかないかなと思います。
 また、ドアセンサーはおそらくインターホンに接続して警報を出すものを想定していると思いますが、これは一般的にはそのお宅のインターホンしか発報しないので、自分が留守の場合、何のセキュリティ効果も期待できません。一般サッシュとは違うので必ず管理室経由で管理センターまで届くようなシステムにするように要望してください。ただし、自分で警報設定しておいて自分でドアの開閉をした場合はセンターまで行って大騒ぎになりますから、その辺は覚悟してください。某大手デベの1階住戸サッシュセンサーもあまりに誤報が多いので、各戸完結形で、センターはおろか管理室にも発報しません。ただ、ガラスを壊さないと入れない一般サッシュとハンドルカバーじゃ、話が違います。
 安全、快適をおそらく謳い文句にしているタワーマンションなら、こんな所でミソをつけてもしょうがないでしょう。私の説明した論旨でデベさんに交渉してみてください。いやとは言わないと思いますが…。


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フローリングの一部に段差


<北海道北見市・DNさん(会社員・59歳・男)>



 いつも拝見しています。築4年の2階建て自宅について相談させていただきます。
 玄関ホールのフローリングの一部に段差が出来ているのに気がつき、業者(工務店)に確認したところ、施工時に工具類の落下等で傷がついたので、部分的に下地まで切り取りフローリングを張り付けたとのことでした。合板のフローリングですが、その部分だけ切れ目が入っています。ホール全体の張り替えは困難なので、再度同じ箇所のフローリングをはがして張り替えたいとのことでした。
 引き渡し時には何の説明もありませんでしたし、指摘されると「実は…」では不信感がつのります。ほかに雨漏り等もありました。このようなフローリングをボンドで貼った処置でも、将来不具合が起きないものでしょうか。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 うれしいはずの新築なのに、思わぬ出来事で残念な気持ちが伝わってくる相談ですね。しかしながら、残念なことにこういったことは人の手でつくっている限り、程度の問題はあれ、付きものと言わざるを得ないのが現状でなないでしょうか。そういったときにどう対処するかで、その会社の姿勢や考え方がでるものです。
 今回は傷つけたことはわざとではないと思いますが、そのあとの対処の仕方やその方法に少し配慮が足りなかったのではないかと感じます。全体の張り替えが困難ということが書かれていたので、時間的な問題で張り替えることができなかったのか、または、最近は床鳴り等の関係から非常に強力な接着材を用いて張ることも多いので、剥がすと別な問題が起きてくると判断したのかはわかりませんが、部分的に直す方法を取られたようですね。その際、合板フロアーとありますので、この物には、目地が縦と横に入っているのが一般的には多いので、その目地から目地を切り取って、部分的に張り替えたのだと思います。こういった方法はごく一般的に取られることのひとつでもあります。ただ、今回の場合、何らかの原因によって部分的に張り替えたフローリングとそのまわりのフローリングとに、微妙な段差ができてしまったのでしょうね。これは、補修をされた人の技術的な問題も大きく関係します。私共でも他に方法がなく、こういった補修方法を取った経験も多くありますが、多くの場合はどこを補修したのかもわからないことがほとんどです(時間が経過したものほど、同じものを使用して補修しても、色違いが目立ちます)。
 建てた工務店さんからは4年経過したにもかかわらず、自分たちに非が有ることを認めているため、補修の申し出があると思いますので(問い合わせがあってからですが)、前記したことをふまえて、工務店さんときちんと話し合い、納得した上で補修していただくことが最善と思います。


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玄関のドア枠修復が心配


<千葉県・Nさん(会社員・35歳・男)>


 新築購入当初より(最近、原因がわかった)西側、玄関ドアの枠が外側に開き、ドアが完全に閉まらず、カギのかかりが悪いなどで、何度か診てもらっていました。その都度、一時的に応急処置をしてきました。入居してから頻繁過ぎるので、水平器で測ったり、枠をメジャーで測ったりしました。すると、枠の長さが違うことが原因じゃないかと思い、言ったところ、会社に帰って上の者と相談させてもらいたいと帰りました。その際に、もしかしたら、枠のやり直しになるかもしれないと、話されました。どうしたら良いのでしょうか(築6ヵ月)?
 施工会社の方に聞いたのですが、玄関ドア枠のやり直しをすることになったら、周りの壁や玄関の床のタイルなどを、全て壊すことになると聞きました。内容を聞いて唖然としている反面、これって施工ミスではないのか?と怒りも込み上げています。また修復工事をすることにいろいろ心配もありますし、不安です。玄関の周りをすべて壊すということは大丈夫なんでしょうか? 長いローンを組み、やっとの思いで手に入れた家、こんなことで良いのだろうか? また、これから先どのようにしていけばよいのでしょうか?



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 大事な家の玄関ドアの問題ということで大変さが伝わってきます。問題の玄関ドアがどういったものなのかがわからないので、的確なアドバイスになるかどうかわかりませんが、答えさせていただきます。
 玄関ドアの枠の長さが左右違うというのが原因と書かれていますが、枠や建具自体は製作でつくられたものなのでしょうか。既製品といわれるもの(サッシメーカー等でつくって、完成品として現場搬入され、現場では、組み立てなどせずに、取り付けを行うもの)であれば、枠の左右の長さが違うということが現場サイドの問題としては考えにくく、組み立ての時点で、すでに違っていたんではないかと思われます。
 いずれにしても、玄関ドアの取り付けや物自体に問題があるとすれば、根本解決をめざすとすると、付け替える工事をしなければならいと思います。確かに外と内をつないでいる場所なので、外壁、内装、土間、床等がせっかく仕上がっているのを、再度やり直しをしなければならず、お客様自身の精神的にも、また、手直しに掛かる時間的にも負担のかかることではありますが、仕上げ材を張り直したりすることによって、構造的に問題がでることにはならないので、この先の不安要素を考えるならば、きちんと直してもらうことが良い結果になると考えます。
 ただ、始める前にきちんと現状の説明と直し方を十分に話し合い、納得した上で進めることをおすすめします。


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マンション竣工図書が引き渡されていない!


<東京都足立区・SJさん(会社員・37歳・男)>



 はじめまして。今期初めて輪番で小規模マンション(築7年目)の理事長になりました。
 で、現在(2005年12月)とてもHOTな話題になっている構造計算偽造問題(とは直接関係ない事業主・売主・建築スタッフ)の物件ですが、住民の心配の声が聞かれるため、今一度、検査を試みたいと思いました。
 ところが! 確認してみると、組合に竣工図書が引き渡されていません。管理会社に問い合わせしたところ、管理会社も工事前の設計図書は断片的に持っているけれど、竣工図書は預かってない、とのことでした。事業主に問い合わせてみるということですが、建設会社は竣工後に倒産しているということで、入手の実現性が極めて薄くなってまいりました。
 果たしてこのような状況で、耐震診断、大規模修繕計画の再策定などはできるものなのでしょうか? 建築士関係の方で、お詳しい方がいらっしゃいましたら、アドバイスをいただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 うーん、不運というしかありませんが、昨今はそんなに珍しいことではありません。竣工後すぐ倒産したのなら、おそらく竣工図もつくっていないでしょう。しかし、確認申請の図面があるはずですから、それをまず管理会社に確認してください。細部は多少の変更はあってもおおむねそれでやっていないと、検査に通りません。また大幅な変更があれば、確認取り直しをやっているはずですし、若干の変更であれば、軽微な変更届けが提出されているのでわかります。まさか、確認の副本がないわけがありませんから、とりあえずこれをコピーして製本して竣工図代わりに使うしかないかと思います。また、電気、設備工事に関しては確認図ではすべて網羅されませんから、売主につぶれたゼネコンの使っていた協力業者リストを出してもらい(ゼネコンは必ず施主に提出します)、これから電気、設備施工業者を割り出し、そこから直接コピー代などの実費を払って施工図の焼きだしをしてもらうより手はないかと思います。
 まずは、管理会社への確認と売主への協力業者確認かと思います。


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