住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

ガルバリウム鋼板の施工の問題点について


<三重県度会郡・HSさん(42歳・女)>


 「ガルバリウム鋼板の施工の仕方を教えてください」への回答を見ていて気になっています。
 わが家は、今年の春完成しましたが、ガルバリウム鋼板+タイベック+重量鉄骨(軸間グラスウール断熱)+石膏ボード+クロス張りとなっており、

  1. ガルバリウムの内側に通気層がない
  2. いきなり鉄骨の柱
  3. タイベックをきちんと張っていない(適当にテープ留めしてあるだけ)

という状態です。結露や断熱の性能について非常に不安です。真夏になって内壁の鉄骨がある部分が熱くなってます。
 このような施工方法は標準なのでしょうか? ちなみに、施工業者は木造土壁瓦屋根の日本家屋を得意としています。問題点を教えてください。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 今回のお話は、ガルバリウム鋼板のことよりも、鉄骨の建物の“高気密・高断熱・防水施工”の問題になります。
 鉄骨の建物の場合は、木造のように柱・梁の取り合いに先張りシートのような施工が不可能なので、気密化を計るためには外断熱工法の導入が必要になります。断熱だけのことを考えても、

  1. 外断熱にする。
  2. 鉄骨外部に合板を張り、壁下地C型鋼ともども発泡ウレタンを内側から吹きつける。内断熱。
  3. 外壁下地のC型鋼の間にGW(軸間断熱)を入れ、その内側に壁下地を組み、その間にGWを入れ、GWの2重構造にし、C型鋼部分の断熱欠損をカバーする。

のどれかにすることが必要になります。
 防水についても、タイベックを防水シートと考え、完璧な防水施工をすることが大切です。ガルバリウム鋼板の際の通気工法については、タイベックと鋼板がピッタリとついていないので必要ないとの考えもありますが、やはり開口部の収まりなどを考え、通気工法を採用したほうが安全と思います。
 いずれにしても、木造の一番良いところは“木”そのものが断熱材であるということですが、鉄は断熱材ではないので、鉄骨造に軸間断熱というのは成立しません。


J110 News

床暖房のフローリングが浮いてきた


<愛知県名古屋市・Tさん(主婦・37歳・女)>


 床暖房がついてるフローリングの浮きで悩んでます。
 平成14年3月に新築で購入しました。今年6月ごろに床暖房付きのフローリングの一部(30×50くらい)が浮いてきました。
 このままの状態にしておいても問題はないのでしょうか? 修繕しないといけないのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 通常、床は、床タルキの上に構造用合板(厚12ミリ程度)を張り、その上に床暖房付きフローリングを釘打ち(実部分)で止める構造になっています。そこで、今回のフローリングの浮きが“構造用合板とフローリングの剥離”によるものなのか、それとも“床タルキと構造用合板の剥離”による浮きなのかを検証する必要があります。特にツーバイフォー工法は、床勝ち工法なので、床の構造用合板を張りながら建て方を進めていきます。屋根が出来る前に雨が降ると床合板が濡れ、乾く前にフローリングを張ると、合板の反りなどから剥離を起こすことがあります。そのほか、住宅建築に使用される木材(規定は含水率20%以下)は、完成してから1年くらいかかって乾燥収縮(10%以下)し安定しますが、その過程で床タルキと床合板とがズレを起こし、フローリングに影響を及ぼしたことも考えられます。
 対処策としては、床下から床タルキと合板の浮きを確認し、必要があれば下から補強してください。床合板とフローリングの剥離であれば、床暖房配管に当たらないようにフローリングの上からビス止めし、補修してください。ビス止め補修に際しては、ホゾを掘りビス止め後ダボ栓で穴を埋め、補修の専門家に頼むと補修箇所がわからなくなります。試してください。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。