住宅クレーム110番

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J110 News

新築マンションで木製建具にカビ


<大阪府大阪市・TKさん(会社員・31歳・男)>


 新築マンションに住んで1年半になるのですが、玄関の建具にカビが生えて、木造の建具が水分を含み膨らんでいます。部屋の構造は、玄関が北にありバルコニーが南にある、ごく普通の3LDKです。夏は湿気があまり目立たないのですが、冬場は玄関小窓(ちなみに小窓は開けないタイプのものです)に結露がたまり、あふれてきます。とりあえず、対処として頻繁に水を拭き取ったり、まめに換気を行っていました。
 半年点検の頃から施工会社の方にも相談していたのですが、構造上玄関に湿気がたまるのは仕方がない。対処方法があれば逆に教えてほしいと言われていました。そして1年点検の頃からカビが生え始め、施工会社には市販のカビ取り剤の使用をすすめられているのですが、それで解決になるのかとても不安です。
 木材が腐ってしまったりはしないのでしょうか? 木材が含んだ水分を蒸発させる方法は自然乾燥しかないのでしょうか? 何か良い対処方法があれば手直ししてもらえそうなので、ご意見ください。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 北側の玄関の結露は構造上仕方ない…。もっともらしいですが、そんなこといいわけないですよ。結露しないように断熱しているんですから、まともに25ミリ(公庫融資物件)吹いてれば、枠回りなどでたまたま欠損したりして発生する以外、最近は北側外壁でも結露に出くわしません。
 やはり、玄関まわりのボードを一度剥いで検証したほうがよいと思います。断熱の厚さが、おそらく足らないのではないかと思います。中が結露しているんですから、外からカビ取り剤をまいても効果ないですよ。点検の時に、ゼネコンではなく売主に剥がして調査してくれと依頼してください。もし、断熱に欠損があれば、ついでに直してもらえば良いことです。もしも、断熱に不備がなかったらどうするか? おそらくその可能性は低いですが、その原因を検証してもらいもう一度NPO(住宅110番)にメールください。


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これから竣工するマンションの遮音に不安


<(会社員・33歳・女)>


 来春竣工のマンションを契約しました。遮音に不安があり、間取り変更の話の時に防音措置も一緒にお願いしようと思っています(契約してしまってからいろいろ知りました。もっと勉強してから契約すれば良かったです)。今は上からの音はかなり大きいですが、隣の生活音は全くしない環境です。所詮コンクリートの箱なので、振動音が伝わるのは仕方ないと思っていますが、テレビの音や話し声がするのは嫌だと思っています。ウチの音がお隣に聞こえて迷惑をかけるのも避けたいです。

●仕様
床:コンクリートスラブ200ミリ直床+クッションシート+LL-45フローリング アンボイドスラブ構造
戸境壁:コンクリート180ミリ、木軸下地+PB+ビニールクロス
天井:二重天井

下記をお願いしようと思っていますが、これ以外でお願いしておいたほうがいいことはあるでしょうか。

・戸境壁
 プラスターボードは二重張りとし、間に遮音シート3ミリ以上を挟んでもらう。グラスウール200k以上の密度のものを充填してもらう間柱は躯体と縁を切るようにしてもらう。
・また、角部屋で、外壁側も同様の壁ですが、外壁側にも施してもらったほうが良いでしょうか。
・床については仕方ないかな、と思っていますが、天井はどうでしょうか。配管や電機配敷をするとのことですが、ここもグラスウールを充填してもらうべきでしょうか。
・また、こういったお願いは、実際にちゃんと行ってもらったかどうかを確かめる術がないので、「これこれのことをする」という念書を担当者に取り付けておこうかと思っているのですが、やりすぎでしょうか。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 お考えのオプション追加で差し支えないものと思います。ちょっと気になるのが、もともとの戸境壁の仕様が木軸PB張りということです。向こう側もそうだと太鼓が心配ですが、こちら側で2枚張り、遮音シート、グラスウール充填を行えば大丈夫でしょう。
 遮音シートは厚みもそうですが、できれば比重の稼げる鉛入りのサンダムシートなどがいいかと思います。この場合、2枚貼りの重みもありますので木軸のピッチを増やすに考えてください。450ピッチなどでは心元ありません。本当にやったかどうかは施工写真を要求してください。おそらく断られることはないと思います。天井のグラスウールは、無いよりはましです。ただ基本的にグラスウールは高周波数帯にだけ威力を発揮するので、可聴範囲での効果は限定的と考えてください。


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リフォーム後に緑色のカビがクロスの内側より発生


<千葉県千葉市・YTさん(主 婦・42歳・女)>


 4月に(築27年)2階をリフォームしました。クロス張りした一部(納戸の外壁の面した部分のみ)で、リフォーム1ヵ月くらいから緑色のカビがクロスの内側より発生。今3ヵ月目ですが、かなりカビが増えてきました。内部からのカビのため拭いても落ちません。同じ外壁に面したクロスからは今のところカビは発生していません。
 なぜ、このようなことが起こるのでしょうか? 改善方法等を教えてください。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 リフォームでクロスを張り替えた時期と梅雨の時期が重なったことが、一つの要因ではないかと思われます。また、文面だけで断定できませんが、心配なのはカビの生えている部分の外壁面の断熱材が、冬期間の寒さで内部結露を起こしていることが考えられます。カビの生えている部分とそうでない部分があるということですが、内部の断熱材が湿気を持っている場所と、乾いている場所との違いであることも考えられます。クロスの糊に問題があるとすれば、全面的にカビの現象が見られるはずです。
 対処法としては、壁の内部を検証する必要があると思われますので、工務店と相談して場合によっては、壁の内部の断熱材の取り替えも必要になるかもしれません。少し大きな補修になりますが、壁の中を調査して対応すべきと思います。断熱材が内部結露で湿気を含んでいますと、いくら拭き取っても解決しません。家の寿命にも関係しますので、思い切って壁内の断熱材の調査を行うべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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新築中に地盤沈下!!


<東京都・高島さん>


 いつも拝見させていただいております。とても勉強になります。
 宅地造成した土地を購入して現在新築中ですが、たいへん困ったことが起きて、どうしたら良いのかわからず、ご教授いただければと思い、メールしました。
 大工さんの仕事も終わりかけた頃(残り内装関係)、基礎から約20センチ離れた場所が直径約120センチ、深さ約20センチ、地盤沈下しているのを発見しました。びっくりして、家の建築をお願いしている施工会社に相談したところ、「基礎部分は地盤調査しているので心配しなくても大丈夫です」と言われました。また「もうそろそろ地盤も安定してくるので、地盤沈下も無くなってきます。造成したところでは、たまに有ることで、それほど心配することではありません」とも言っていました。確かに沈下場所は基礎から外れているし、べた基礎なので、これぐらいの沈下なら気にすることではないのでしょう。しかし、沈下した場所は、これから外構工事で犬走りを作るところだったので、作った後だったらどうなっていただろうと思うし、他にも床暖房のボイラーや石油タンク、LPガスのボンベなどが設置される予定ですが、それらが設置された地面が沈下したらどうなるのでしょう。
 施工会社は心配しなくて大丈夫と言ってくれたのですが、そもそも地盤沈下は宅地造成の仕方に不備があったのではないかと思い、土地購入仲介の不動産会社の担当者に連絡して、現場を見てもらいました。実は、以前に土地購入後(まだ家を建て始める前)、地盤沈下を見つけて不動産担当者に見てもらったことがあったのですが、その時は宅地造成した売り主に聞きに行き「トラックのタイヤの跡ですから大丈夫です」との回答でした。その時は、あまり納得はできなかったのですが、施工会社で地盤調査するので気にしていませんでした。しかし、今回、その時の写真を見直したら、タイヤの跡のはずなのに、そこに生えていた雑草は全く潰されていませんでした。そのような事情もあったので、不動産担当者から、どのような回答が返ってくるか心配していたのですが、4日後に電話があり、「施工会社の社長さんは大丈夫と言っています」との報告でした。今回、売り主には話に行かず、施工会社へ聞きに行きお墨付きをもらってきたかのような説明でした。私はすでに施工会社へは相談しに行っているので、その旨の説明はしたのですが、不動産担当者は「何十年もいろんなことを見てきた経験のある施工会社の社長さんが大丈夫ですと言っているのに、それ以上説明しようがない」と言って、何を聞いても返ってくるのは「社長さんは大丈夫と言っています」でした。そのような調子だったので、私としてはあまり言いたくなかったのですが、「宅地造成に問題は無かったのですかね?」と聞いたら、不動産担当者は「1メートル以上も沈下したなら、その時は私も造成の仕方に問題があると思いますが、今回の状況では問題ないと思います。ちゃんと市の開発許可を取り、宅地造成の確認も取れている土地なので、大丈夫です」と言われました。また、土地売買の契約書に宅地造成関連等の注意書きなどが無かったことを話したところ、瑕疵担保責任の話が出て「この件については理解しておりますので心配しないでください」とも言われました。隠していることでは無いことを言いたかったのでしょうか。
 私としては「xxx理由で沈下はもうしません」とか「xxxが問題なのでxxx処置を行えば沈下はしません」といった回答がいただきたいのですが、そのような回答はできなのでしょうか。この先、工事が進むにつれて妻も私もとても不安で精神的にも参っています。
 この件以外にも、地盤の状態が悪いせいなのか、浸透トレンチの坑上蓋の土台部分がずれて、かつ、斜めになってしまい、隙間から土が入ってしまっています。このことも不動産担当者に聞きましたが「浸透トレンチは開発申請するのに付けているもので、ただ埋めてあるだけなので、そのままでは使用できないものです。土地の持ち主が使用用途で使わないのであれば取っても良いし、雨水をそこへ配管するのであれば、浸透トレンチを使用できる状態にして使うものです。土地の持ち主が考えて使うものですから」と言われました。浸透トレンチの用途は知ってはいますが、不動産担当者の言っていることがよくわかりませんでした。
 以前畑だった場所に80〜100センチくらいの盛土して造成し、6ヵ月以上は経っていることを近所の方に聞きました。
 たいへんお忙しいところ、誠に申しわけございませんが、何かアドバイスをいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 確かに写真を見ると、かなり大きな地盤陥没状態で心配される気持ちがよくわかります。また、不動産業者の言い分も理解し難い内容であることに不安をもたれる気持ちも理解できます。
 まず地盤陥没ですが、盛り土の転圧が不十分であったことがうかがえます。この地盤陥没で不同沈下を起こして家が傾くような事態になれば、平成12年に施行された、住宅品質確保促進法で施工者の瑕疵担保責任が義務化されているので、その対象になります。つまり、そのようなトラブルには施工者が責任を負うよう、法律で義務化されています。地盤調査の結果、どのような措置を取られたかが記載されておりませんが、瑕疵担保責任のことを承知しているのであれば、しかるべき対応を行っているものと思われます。不動産業者はそのことを言っているのだと思われます。
 しかし、犬走りやガスボンベ、石油タンクなどは、瑕疵担保責任の対象外なので、確実な地盤の転圧を行なって、問題が起きたら全面的に無償責任を負うことを、今のうちからその約束を文書で取り交わしておくべきでしょう。
 浸透マスに関しては、不動産業者の言い分がまったく理解できませんが、写真で見る限り、浸透マスの底に水が溜まっていないようなので、浸透マスとしての機能は確立しているように思われます。浸透マスが造成の申請に必要だったということですが、宅地造成に関する開発行為申請の際にそのような条件が付く場合があります。いずれにしても、写真で見る限り、水はけのわりと良い敷地と思われます。
 今後、地盤陥没した部分をしっかりとした転圧を行い、それ以外にも陥没が起きたらその責任を真っ当するように、不動産業者と施工者に今のうちから確認書を取っておくべくでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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建築士の監理に甚だ疑問を感じています


<北海道石狩郡・NNさん(会社員・34歳・男)>


<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 設計事務所の建築士(50代)と設計監理契約を結び、この夏に専用住宅を竣工しました。設計段階では細やかな配慮と丁寧な説明があったのですが、着工し始めた頃から相談や業者との仲介役をおろそかにするようになってきました。ネットコンペで仕事が入り、その設計が佳境に入った時期と重なるように思います。
 設計にはおおむね満足しているのですが、監理についてははなはだ疑問を感じています。
 私たち夫婦は平日働いているため、毎週、土曜日に大工さんたちへ差し入れをし、日曜日に自分たちでじっくり観察したり、写真を撮っていました。建築士自身が仲介役になるとのことで、気づいた点をその都度連絡していました。
 大半は施工ミスだったのでしょうが、それを放置していた姿勢に憤りを感じています。

<監理ミスと思われるもの>
A.5つ並んだ縦すべり窓の開閉の向きが全て左右逆になっていた。
→何の説明もなく「こっちの方がいい。結果オーライですよ」と笑い飛ばす。

B.窓枠に大きな削れ
→全く気づいていなかった。
 私が指摘すると「簡単に直るから」と言いながら放置。
 再度、私が指摘すると「網戸やシェードでほとんど隠れるから」との返答。

C.造作机が設計図と大きく異なっていた(2つに分割・可動式が、1つで固定式)。
→全く気づいていなかった。
 私が示した譲歩案に全く耳を貸さず「業者のミス。作り直しを命じた」のみ回答。
 完成後、大きなえぐれが2ヵ所あったが、それにも気づかず。

D.エアコン(1部屋のみ)が設置されていなかった。
→竣工検査直前に全く気づいていなかった。私が業者に確認。

E.内玄関の物入の扉が、折れ戸のはずが開き戸になっていた。
→全く気づいていなかった。
 扉を付ける前に私たちが気づき、修正してもらうように依頼。
 その後、無断で母屋犬走り増量分追加費用と相殺の手配済み。
 私が説明を求めると「開き戸の方が使い易い」との返答。
 内玄関の上がり框の奥行き350ミリの部分に立って開く扉で、私たちが何度もシミュレーションしたが折れ戸しかあり得ないとの結論を伝えると「今からの交換は難しい」と渋る。

F.UTの洗濯機置き場
→設計図では給湯ボイラーの下に平行に床暖ボイラーだったが、床暖ボイラーが直角に配置され、洗濯機置き場を圧迫していた。
 「床暖ボイラーが想定より大きく床下点検口を塞がないよう移動した」とのこと。
 私が事前に現場で「洗濯機はここまで置けるか」と確認すると「余裕」と即答。
 私がそのままでは新たに購入した(ごく普通の)洗濯機が置けない旨を伝えると、「返品すればいいじゃないですか」との返答。
 「言った言わないを論じるつもりはない」と一方的に電話を切られた。

G.内玄関の物入の土間の上に床材を敷かれていなかった。
→全く気づいていなかった。

H.内玄関の天井照明のスイッチがなかった。
→全く気づいていなかった。
 私が指摘すると「意匠的な共通認識はあったはず。こっちには打合せメモもある」と理解できない返答。
 実際に夜に帰宅して非常な不便を感じていたため、依頼すると「対応する」との返事のみで、日程や費用等については全く触れず。
 結果、施工業者から費用を請求された(器具代金のみ)。

I.洗面所の壁面のタオル掛けがなかった
→全く気づいていなかった。

J.トイレの紙巻器の品番が違っていた
→全く気づいていなかった。

 この他にも多くありますが。こちらの言い分を施工業者に納得していただき、積極的に対応していただいたため、基本的には全て解消または妥協点に落ち着いています。

<設計に対する疑問>
A.外壁は白系と黒系で室内温度に影響ないかと質問すると大差ないとの回答。
B.母屋と違って別棟車庫には犬走りがなく、泥はねがあったが、何の改善策も示さず。
C.トイレはタンクレスは不要といったが、それを受け入れていれば、足元が狭すぎた。
D.照明関係は詳しくないと言い、全くの素人の私に電気工事業者とのやり取りを依頼。

<姿勢に対する疑問>
A.竣工検査でほとんど口を利かない。
B.竣工後も不具合等の第1窓口はずっと自分と言っていたが、竣工検査で各業者の前で自分は連絡先にしなくていいと発言。
C.確認申請も郵送と言いながら、施工業者に持参させる。
D.入居後に気づいた点として、「内玄関照明とその他いくつか」と書いたにも関わらず、その他の部分については全く触れようとしない。
E.入居後しばらくして、礼も住み心地どうですかもないまま、報酬請求のみのメール。

 この建築士は、建築家と呼ばれるのは嫌と言い、住む側の立場に立った実用性と合理的なコスト配分を約束すると言っていました。ところが、言葉を選びながら「この方が使い易いように思うのですが」と言った途端にヘソを曲げたかのようになったり、使い易いと思えないものを放置したり、追加費用の有無について全く言及しないなど、当初の発言とは全く違うものでした。
 幸い、施工業者はこちらの立場で考えてくれたので助かった部分もあり、竣工検査後も建築士は一言もなくさっさと帰っていきましたが、現場監督はしばらく私たちと一緒に家を見ながら、感慨にふけっていました。
 むしろ、建築士の方が一緒に完成の喜びを分かち合えるように思っていたのですが、このような応対が当たり前なのでしょうか。また、多くの監理漏れがありましたが、請求どおり、満額の報酬を支払うべきでしょうか。裏切られたようでがっかりし、その姿勢に腹立たしく思い、結果として後味が悪いものとなりました。設計70点、監理0点というのが私たちのこの建築士に対する評価です。



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