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木造住宅の疑問<北海道・TMさん(会社員・40歳・男)>
「木材は生き物」と言っておられた方がいますが、確かに私もそう思っておりますが、ここで、いくつかの疑問を感じます。
まだまだ疑問はありますが、こんな疑問を持っているのは、私だけでしょうか。こんな疑問にアドバイスください。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
日本の家屋は古来から木材を常に生き物として扱い、家づくりにさまざまな工夫を凝らしてきました。しかし、住宅の大量生産、大量消費の時代を迎え、その思想が生かされなくなりました。しかし、あくまでも木材は生き物であることを前提に家づくりを行うべきです。
回答1 おっしゃるとおりです。家屋を構成する木材全てが、常に空気に触れるように細工をすべきです。これは気密性、断熱性を高めて省エネ住宅をつくるにも工夫によっては可能なことで、すでにそのような技術で家づくりを行っているものも存在します。 回答2 匠の技によって木材は、収縮して狂うことで継ぎ手の仕口が複雑に絡み合い、剛性を増すようになっておりました。また木材に含水量があるため、打ち込んだ釘が酸化して膨らみ、引き抜き強度が増すように工夫されていたのです。しかし、新建材との収縮率が異なるため、人工乾燥を行い、約15%程度まで乾燥させ、新建材の収縮性と整合させるようにしております。 ただ、人口乾燥木材だからといって、自然乾燥木材(自然乾燥ではせいぜい25%が限度ですが、新築後、最終的に人口乾燥剤木材と同等の含水量になる)より、特別水分を吸収しやすいということはありません。 回答3 木材の強度は乾燥率に比例するといわれています。したがって、限りなく0%に近いほうが強度があるということになりますが、空気中には常に湿気があるため絶対に0%になりません。乾燥イコール強度というのはあくまでも木材の圧縮力と引っ張り力の強度だけで、極端に乾燥しますと、おっしゃるとおり、柳の木のような「しなり」に弱くなります。しかし、家に使用される木材はどんなに乾燥しても8%程度までしか乾燥しませんので、乾燥による「しなり」の弱さを心配する必要はありません。 回答4 気密性能と断熱性能を極めていなければ、家屋内や湿度管理はできません。機械で湿度を管理する方法もありますが、家自体が家屋内の湿度や構成木材の含水量まで管理する住宅システムは実際に存在します。当方のホームページに詳細が記載されていますので勉強してみてください。 多くの質問に回答しておりますが、このような質問に回答するのは初めてです。日本の気候風土にフィットした住宅にはやはり、木材の素材の特徴を生かした家づくり行うべきだと思います。質問者の疑問や意見に感心し共鳴いたします。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
外壁がふくらんでいる<千葉県松戸市・Nさん(公務員・35歳・男)>
在来軸組の木造2階建ての新築の家に住みだして2ヵ月です。住みはじめた直後に、外壁(構造は、内側から防水シート+縦胴縁+耐震パネル+モルタル7ミリ+弾性リシン吹き付けです)の1階と2階の間の梁が通っている部分が(梁に沿って)ふくらみはじめ、どんどん横に広がりだしました。この部分はちょうど耐震パネルの継ぎ目にもあたります。構造に支障が出てはいけないと思い、工務店に相談したところ、外壁の業者を連れて見に来てくださいました。膨らんでいる部分のモルタルを剥ぎ取ってみたところ、業者さんの意見は、
とのことで、その日はモルタルを剥ぎ取った部分のコーキングだけして、モルタルは後日塗ります(コーキングが十分乾いてから)、と言って帰りました。 質問は3つです。
アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
まず、耐震パネルの外側に通気層があると記載されていませんが、必ず通気層はつくべきはずのものです。もし通気層がついていないとしたら、雨漏りの水がモルタルとパネルの間に停滞するなどの問題を起こす場合があります。
質問1 無垢の木材はかなり収縮率が高いので、多少、耐震パネルを引っ張って本件のような問題を起こす場合があります。ただ、その程度がこの文章では明確に把握できないので、断言することはできません。 質問2 モルタル下地の下に通気層があれば問題ありませんが、無い場合、構造材まで浸透する場合があります。 質問3 暫定的な補修工事であれば致し方ないと思いますが、できるだけ早急に本格的な補修を要請すべきでしょう。 本件のような工事で雨水が浸透して、耐震パネルや構造体が腐るような事態になれば、平成12年より施行された住宅品質確保促進法で施工者の瑕疵担保責任を問うことができます。この法律は義務化されているので、施工者側にこの法律の存在を理解していただき、満足の行く解決法を行ってください。しかし、いくら法律が存在するからといっても施工者側の見解によっては紛争になる場合がありますので、感情的にならず、施工者の立場も考慮しながら十分に冷静な対応を行うべきでしょう。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
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