住宅クレーム110番

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J110 News

土間コンクリートが基礎から離れています


<長野県飯田市・Hさん(会社員・45歳・男)>


 新築して5年ですが基礎に何本かヒビが入りました。地盤が弱いのはわかっていてベタ基礎を依頼したのですが、床下を覗いて見たところ基礎部のヒビは土間コンクリートにはつながらず、基礎と土間の境目が離れています。見積もりはベタ基礎となっていて、図面では土間コンクリート100ミリ(さし筋)となっていたので業者に聞くと、ベタ基礎と同じです、との回答でした。
 不同沈下が起きる心配がありますが、土間コンクリートは基礎から離れるものなのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 住宅の基礎については、建築基準法において「建築物の構造、形態及び地盤の状況を考慮して、建設大臣が定めた構造方法を用いるものとしなければならない」と規定されており、建設省告示「建築物の構造方法及び構造計算の基準を定める件」において、基礎の寸法、形状、鉄筋の方法等が定められています。本告示において、地盤に対応して基礎の種類を定めており、基礎の不同沈下を防止するため、「地盤に長期に生ずる力に対する許容応力度20kN/m2以上30kN/m2未満の場合に、べた基礎又は基礎ぐいを用いた構造にすること」とあります。さらに、べた基礎の寸法および配筋については、「建設地の地盤状況を勘案のうえ、構造計算により決定すること」になっています。
 したがって、べた基礎は布基礎と土間コンクリートが一体になった構造をいい、さし筋で土間コンクリート厚100ミリのものは、べた基礎には当てはまりません。
 まず、地質調査を行い、「地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度」を確認し、その上で現況基礎が地耐力に対応する形状、鉄筋の配筋になっているかをチェックし、必要があれば補強工事を行うようにしてください。
 これらの一連の検査・確認・検討・方法については、一級建築士など専門家に依頼して進めてください。


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震度2〜3位に感じる程揺れます


<東京都品川区・ITさん(自営業・39歳・男)>


 2年半前に木造3階建てを新築したのですが、建物の揺れに悩んでいます。家の前がバス通りなので大型車やバスが通るたびに揺れます。多少は仕方ないと思うのですが、階段の昇り降りや部屋を歩いても揺れ、やや強いかなと?と思う風でも震度2〜3くらいに感じるほどです。
 建てた大工さんに問い合わせてみたのですが、小規模都市型住宅なので仕方がないの一点張りで話になりません。最近気づいたのですが、外壁のコーナー部(サイディング)に亀裂が入っています。外壁を直したとしても、この先このままでよいのでしょうか? 何か補強をしたほうが良いのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 今回の揺れに関して、2つのチェックが必要になります。
 ひとつは敷地の地耐力です。建設されるとき地質調査を行い、基礎の種類を定めたか確認してください。バスが通るたびに揺れるということは、地盤に基礎が対応されていないことが考えられます。もうひとつは建物の構造です。階段の昇り降り、部屋を歩いても、風が吹いても揺れるということは構造的に問題があると思います。設計図で構造・壁量計算が適正か確認してください。小規模都市型住宅?とあるので、おそらくは1階がカーポート、2階も採光のため正面に大きな窓設置など、壁量・耐力壁のバランスがとりにくいプランになっているものと思います。しかしながら、「小規模都市型住宅だから仕方ない」ということにはなりません。
 一級建築士など専門家に依頼し、地質調査・建物構造計算から現況建物のを把握し、あくまでも計算に基づき補強を行ってください。経験と勘だけではなく「住まいを科学する」ことが大切です。


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ベタ基礎でシロアリの進入は大丈夫?


<K.Kさん(男)>


 木造2階建ての新築2年目ですが、ベタ基礎の床に大量のだんご虫が死んでいるのですが、おそらく設備配管を基礎壁に穴をあけて通したまま、穴埋めをしていないのが原因ではないのかなと思うのですが、シロアリ等の侵入もあるのでしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 おそらく床下で死滅していたダンゴ虫は、工事の際に材料と一緒に混入して成虫になり、餌不足で死滅したものと思われます。シロアリの生態からしますと、地中よりコンクリートの亀裂から侵入するといわれています。そのほかに基礎に蟻道をつくり、基礎を上り上って土台に食いつく場合もあります。
 確率は低いのですが、コンクリートに穴があいていれば、当然ながら蟻道になる可能性もあります。それよりも、雨水の浸入で床下の湿気が増大することのほうが遙かに心配です。早急にモルタルでしっかり穴を塞ぐべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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エアコン穴から雨水が入ったらどうなる?


<兵庫県尼崎市・ヒデさん(会社員・36歳・男)>


 こんにちは。外壁に関する質問ですが、入梅前に購入した新築戸建て(1階はRC、2〜3階は木造)で、先日エアコンを取り付けに来た電気屋さんから、電線からの引きこみをした2階外壁(サイディング材)の穴がコーキングされてないと言われました。確認をしたところ、1階ガス湯沸かし器の壁(RCに吹き付け)穴もコーキング忘れでした。
 電気屋さんがコーキングしてくれましたが、外壁のコーキング忘れの穴から雨水が入ってないか心配です。もし雨水が入ってたら最悪どうにかなってしまうのでしょうか? 入梅に入って何度か雨が降っているので気になっています。気をつけて見ておく所・期間など教えてください。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 南面の壁であれば、あまり心配は要らないと思われます。サイディングの内側には通気層が設置されているはずです。雨水が浸入したとしても、多くがこの通気層を伝わって排水されます。南側ですと日射熱で通気層内に上昇気流が発生し、グラスウールが吸い込んだとしても、次第に蒸発するようになっています。
 陽の当たらない場所の場合は、このような作用が起きませんので、湿気を含んだグラスウールが断熱効果を低下させ、さらに壁の内部を腐らす場合もあります。穴のあいた下部を注意深く観察してください。内部から腐朽菌が発生した場合は、壁の仕上げ材の色が変色してまいります。しかし、冬期間の乾燥時期にグラスウールの湿気を、通気を通じて吐き出す場合もありますので、もうひと冬、様子を見ても大丈夫と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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