|
床・壁・天井の不陸に疑問<神奈川県座間市・SKさん(自営業・57歳・男)>
私も、長年直張りフローリングの不陸に疑問を持ち、こちらのHP「新築マンションの床鳴り」にたどり着きました。非常に参考になります。不陸は床面のみならず、戸境壁、天井にも及びます。
1998年に神奈川県内に現在住んでいる「技術と高品質、内閣総理大臣賞2回受賞」が売り物の団地型マンションを購入しました。入居以前から次々と不具合が発見されました。 ●戸境壁の不陸(20ミリほど)は全長8メートルに及びます。 おそらくコンパネが外れたものと思われます。デベロッパーは仕上げの問題を主張するばかりですが、とりあえず「隠れた瑕疵」を認めさせ、修理は決まりましたが、ベランダ側との直角度は保障できないという始末です。直角も出せずにどうして修理するつもりなのでしょう。私でさえ簡単なレーザー機器は持っています。直角など簡単に出るはずですが、いかがでしょうか? ●天井の不陸は、全部屋に及びます。
ボードはほぼ平らに張れるはずです。入り隅は波をうっています。程度としてはいかがなものでしょう。 ●直張りフローリング 私のマンションも、みなさん解決できずに困っております。住人は床スラブの不陸を主張していますが、デベロッパーは、「スラブ面を左官で仕上げるマンションなど無い」と主張し、フローリング面で20ミリ程度は、許容範囲を主張。私としては、SL後の張り込み現場も見ております。 そこで質問ですが、このスラブ面の仕上がりは1998年首都圏と考えて、いかがなものでしょうか? 施工会社は比較的正直な回答をしています。よろしくお願いします。なお、フローリング材は紙です。 アドバイスいたします ハウテックさん
うーん、困りましたね。SKさんのご不満はまったく妥当なことばかりと思いますが、1つずつ説明します。
まず、戸境壁のフリク。これは、この頃すでにGL工法の太鼓現象が判明していましたから、すでにコンクリート打ち放しに薄塗り直クロス張りが一般的な工法として採用されています。通常は型枠のベニヤの目違いをグラインダーではらって薄塗りをかけます。SKさんのお宅の20ミリというのは目違いの程度を超えているので、建て入りが悪いということになるのでしょうが、それにしても20ミリはひどいかなと思います。部屋がいびつになっているということでしょうか。20ミリの違いあると、その周辺の窓枠なども収まらなくなるから、基本的には直さないと施工そのものが不可能かと思いますが、文章からはちょっと読み取れません。入り角の直角は素人の人が考えるほど簡単ではありませんが、20ミリはひどすぎます。いずれにしろ型枠の精度が極度に悪いということになります。 次に天井のボード継ぎ目ですが、これはボードを張る下地が悪いということになります。この年代ですと、木下地も使用していない時期と思われますが、はっきりとは言えませんが、軽量の場合は後から狂うことがありませんから、悪い場合は最初からそうだといえます。木下地の場合は乾燥状況で狂いは出ますから、後からボードの継ぎ目が出てくる可能性は考えられます。ボードの隙間が見えるというのは、クロスを剥がして見たのですか? 通常、ボードとボードジョイントはパテ処理をしてクロスを張るので、このパテが割れた場合を除き、ボードの隙間は目視できません。ボードの端は面をとってありますから、ジョイント部は必ずVカット状の凹みがでますが、ここをパテで埋めていないといのは考えづらいのですが、こういうことですか? ちょっと、信じられないですねえ。天井の高さが違うというのは床から測ったのでしょうか。まあ、床もフリクだらけということですから、床から測っても意味ないですが、ある程度の目安にはなるでしょう。窓枠等から測ってそうであれば本当にそうかもしれません。でも、これはたまにあります、下地の墨だしを間違えていて25ミリ天井が間違っているマンションを私も見たことあります。これはユーザー検査で発覚したので、当然直しましたが、ユーザー検査までなんでわからなかったの?と思われるでしょう。これは、バブル崩壊直後で、私の在籍した会社では予算が合わずに他社に丸投げしました。ただその会社は与信に問題があり、職人の集まりがよくありませんでした。竣工時はこちらから人を入れて終わるのがやっとの現場で、ダメ直しの期間などありませんでした。ばたばただから、当然管理もよくありません。その結果がこうなりました。ひどい話だと思うでしょう。そう、ひどい話です。 最後に床のフリクですが、この頃は直張りでもSLをとって張っているゼネコン多いですよ。なぜか、直張りのクレームがすでに定着して、そんな手間暇かけないと必ずクレームになるとわかっている年代です。左官補修だけで張っていた現場は、みんな手直しが多かったですね。この時期のマンションの直張りフローリングの補修に悩まされて、SLをやってから張るのが常識となりました。SKさんは、これじゃなんだ、ただ運悪いのかと怒られるかもしれません。でも、施工したゼネコンは比較的正直に話をしているとありますが、この時期はすでにSL施工法は当たり前です。大体コンクリートに木を直に張るなんて(裏にゴムが付いてますが)もともと無茶苦茶ですよ。下地のフリクをなくさないとあれは張れません。よほど予算がなかったのか、見識がなかったのでしょう。しかし、直張りフローリングは、容積を少しでも多く取るために階高を下げようとしたデヴェの方針から出た工法です。研究が不足している間に市場に出回った悪い例です。ですから、これは個人的にデヴェとメーカーの責任が大きいと思っています。初めのほうの施工精度はゼネコンが悪いですよね。 では、直しはどうするかといえば、1年、2年のアフターからこのような箇所の是正を要求し続けていたのであれば、これは瑕疵ですから、売主にやはり要求し続けるしかないでしょう。最近、ぽっと気がついたのであれば5年以上経過しているので、売主のアフター基準から外れるものは苦しいと言わざるを得ません。文章などにして正式な要望書として、どこまで直してもらえるか相談するしかありませんが、最終的には弁護士さんを通した法律的な話になると思います。ただ、これはエネルギーもお金も必要になりますから、そこそこの覚悟が必要となります。どうしても納得のできない範囲に絞って行うことをおすすめします。 |
施工中の水濡れによる断熱材への影響について<山形県山形市・KTさん(公務員・32歳・男)>
断熱材(フェノールフォーム)に対する施工中の水濡れの影響について教えてください。
ベタ基礎の基礎断熱工法で住宅を建築中で、基礎コンクリートの打設と立上り部分内側の断熱材(フェノールフォーム)の施工が完了したところです。ブルーシートをかけて養生してもらっていたのですが、基礎内部に結構な量の雨水が溜まってしまいました。 養生中の雨はコンクリートには問題ないことは当サイトでも拝見して理解しているのですが、断熱材も5センチほど水に浸かってしまっているのが気になります。フェノールフォームは吸水すると、その後、劣化しやすくなるというようなことも某住宅メーカーから聞いたことがあるのですが、施工中の水濡れは問題ないのでしょうか。なお、フェノールフォームの厚さは50ミリで、床下換気も入る予定です。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
フェノールフォーム断熱材は難燃性で熱伝導率が低く、フロンを使用しない優れた断熱材です。フェノールフォームの断熱材はさまざまなメーカーが、各々の商品名で商品化され、それぞれのメーカーごとに特徴があります。本件に使用されたフェノールフォームがどこのメーカーか特定できませんが、上記の特徴については共通性があります。
しかし、この断熱材は質問者が懸念されている吸水性が課題の断熱材といえるでしょう。 メーカーによっては独立気泡率(断熱ガスを閉じ込めるセル膜の割合)をあげて、吸水性に改良を加えたものも存在します。ともかく、5センチ程度、工事期間中に水に浸かったとしても、その後において床下の乾燥状態を保つことにより、大事に至ることはないと思いますが、念のため、竣工後も業者さんに定期的な点検を依頼すべきでしょう。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
床下の湿気に悩んでいます<千葉県柏市・KDさん(会社員・48歳・男)>
お世話になります。2005年の5月に建売住宅に引っ越しました。その40日後、床下収納の醤油を取り出そうとしたら少し形が変形していたので、中のものを取り出したところ、収納庫がポコンと飛び出し、驚いて取り出すと床下に水が約20センチ溜まっていました。今までは収納庫の重さで沈んでいたのです。
早速、施工業者を呼んで、計算上、床面積40平米×20センチもの大量の水をポンプで吸い上げ、残り水は基礎の根元に数ヵ所穴を開け、手で押し出す方法で大抵の水を排水しました(まだ完全には取りきれていません)。水はきれいな水だったので、お風呂などの排水ではなく、雨水か給水管からの漏れであろうと調査したところ、給水管からちょろちょろ漏れていたことが分かり、早速、交換修理してもらいました。 基礎はベタ基礎で、コンクリートの立ち上がりは高さは35センチです。床下の木は水に浸かってなかったのでほっとしましたが、当然コンクリートは水を吸っているものと思われ、また、逆に完全防水状態でのベタ基礎工法なのでプール状態となっていた模様で、わずかの床下換気口でこれから完全に湿気が取れるのか心配です。また、水に40日間浸かっていたことからベタ基礎の劣化や鉄部の錆び、床下木材の吸湿による劣化等が心配です。一応、施工業者に定期的に床下を検査してもらうことになってますが、これらに対して業者に要求したほうが良い作業内容はありますでしょうか。アドバイスお願いいたします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
まず、水が大量に溜まったことでコンクリート劣化や中の鉄筋の酸化を心配する必要はありません。また、配管からの漏水と要因が特定されたことも幸いです。
基礎の根元に穴をあけて溜まった水を押し出したということは、少なくとも外部の地盤面より床下のベタ基礎面の高さが高い証拠であり、構造的に問題はないと思われます。しかし、床下に40日間も大量の水を抱えたまま梅雨時期と真夏の外部湿気の多い期間を経過したことから、土台や柱の構造用木材の含水量が増大しているものと思われます。含水量が多いまま推移しますと、腐朽菌が発生して土台などを腐らす場合があります。 床下の溜まった水を排除したことにより、段階的に含んだ含水量が少なくなっていくと思われますが、業者さんには、この木材の含水量を定期的に調査していただくことが大事です。通常ですと20%未満まで低下すれば問題ありませんが、30%以上ですと床下の通気をさらに促すなどの措置を必要とします。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |