住宅クレーム110番

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J110 News

エフロレッセンスの説明について


<長野県・匿名さん(会社員・22歳・男)>


 私は床下(シロアリ)関係の仕事をしています。とあるお客様のところで、建築会社とトラブルになってしまいました。それは、外基礎にエフロレッセンスの発生があり、表面がボロボロになっていました。それについて説明しました。内容は「基礎も呼吸をしいるため、基礎が水分を吸って、その水分を発散するときに、基礎の固まる成分(ミネラル分、カルシュウム分)が出てくるため、年数がたつと基礎の打ち直しが必要になる可能性がある」と説明しました。その家は表面にモルタルを塗ってあり、塗っていないところもエフロレッセンスが出ていました。建築会社は、「絶対大丈夫、どこの家でもなっている」と説明したらしく、お客様が不安に思っています。私も建築会社と言い合いはしたくないですし、その家の床下を見る限りでは、しっかりつくっていると思います。
 私たちも嘘をついたと言われたくはないですし、建築会社の信用を奪うことはしたくはありません。私の説明が間違っていないか、また解決する方法はないですか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 質問者の説明には多少間違いがあると思います。エフロレッセンスは白華現象とも言われ、セメントの硬化途中で水酸化カルシュウムが空気や水と接触して水に溶けない炭素カルシュウムをつくり、これが表面に出来たものであって、気温の低い冬期に風当たりの強い所に出来やすい現象です。これは、コンクリートの硬化後、内部に発生していた白華成分が降雨などで浸みこんだ水分が乾燥するときに表面に引き出され、これを繰り返すことで徐々に広がっていくとされています。コンクリートに使用した砂や砂利などに混合された成分などがその要因とされていますが、好ましい状況はありません。当然ながら「自然現象なので大丈夫」と言い切れるものではありません。
 対応方法としては塩酸を薄めて洗い流し、モルタルの塗り直しを行う方法がありますが、必ずしも万全といえる方法ではありません。コンクリートの混合成分によって、思いもよらない、このエフロレッセンスが発生する場合があります。しかし、放置してゆくと雨水が浸透して、鉄筋を酸化させてコンクリートに亀裂を生じさせます。上記の対応くらいは実施すべきと思いますが、非常に厄介な現象であり、素人の第三者が深く入り込む案件ではないと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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擁壁と水はけについて


<福岡県前原市・Kさん(主 婦・38歳・女)>


 業者からは、擁壁はL型に埋め込むような形でつくると聞いていました。中は盛土をしています。擁壁の高さは約1.0〜1.5メートル、幅約14メートルで、一部L字型に欠けたような土地形状です。擁壁にはブロックを積み上げたものがあるのでしょうか? 私はコンクリートでつくるものだと思っていました。また、その擁壁に排水の穴がありません。周囲の家の、同程度の高さの擁壁にはどこも皆あります。自宅の庭は南に面しており、一日中、日光があたっているのに、この半年の間にコケが生えてきています。これは水はけが悪いのではないでしょうか。
 排水の穴の設置は、こちらから業者に言わないとしないものなのでしょうか? 排水の穴設置に関する規則などはないのですか? また、排水の穴をつくるには、一般的に費用はどれくらいになりますか? よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 擁壁を構築するにはさまざまな方法があり、その敷地の状況によって対応が異なります。コンクリートを一気に立ち上げる方法では必ず水抜き穴が必要となります。しかし、L型の擁壁ブロックは、敷地内の盛り土をL型の底辺に盛り込みながら積み上げて行きます。この場合、重ね部分から水が抜け出るので、通常、水抜き穴が不必要となります。また、ブッロク状の擁壁材も存在しますが、これも盛り土をブロックの突起部分に絡めて積み上げてゆくので、通常、水抜きを必要としません。いずれも「通常」ということは、地下水面位が高かったり水はけの悪い場合には、暗渠を設けて、その排水パイプをL型擁壁やブロック擁壁から抜く必要があるからです。
 本件の場合、陽当たりのある場所にも関わらずコケが生えているということですが、敷地内の浸透水が積み上げ擁壁の間から染み出てくるとコケが生えてくる場合もあります。また、単に穴をあけて問題が解決するわけではありません。穴の内側には、土が埋まらないように砂利を敷き詰める必要があります。
 文面からは断定できませんが、文章のニュアンスから判断して、擁壁に大きな問題が生じているとは思いません。あまり気にする必要はないと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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給湯器の騒音のトラブル


<東京都多摩市・TYさん(66歳)>


 団地の理事を務める者です。深夜、風呂やシャワーを使用するため発生する給湯器からの騒音に対する苦情が、隣人から理事会に出ています。深夜の使用禁止を促しているのですが、深夜帰宅する仕事に携わっていることもあって、なかなか受け入れてもらえません。給湯器は室外のベランダ側の壁に取り付けています。
 そこで、給湯器を覆って防音するなど、何か良い手だてはないものかと思っていますが、良い方法をご存知でしたらお教え願います。



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 騒音トラブルはいろいろ聞いていますが、給湯器の騒音は初めてです。よほど静かな立地条件なのでしょう。
 着火音・燃焼音いずれにしても、それほど大きな音ではないと思われますので、給湯器を囲う、給湯器の設置位置を替えるなどの方法で対応可能と思います。
 ただし、排気筒との関係もあり、詳細は現地を見ないと何ともいえません。ガス会社のサービスセンターまたは給湯器メーカー等に相談されてはいかがでしょうか。


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外壁のタイルの下地について


<北海道室蘭市・SSさん(34歳・男)>



 住宅新築プランニング中です。メンテナンスが将来できるだけ不要なように、外壁はタイルで考えております。下地ですが、繊維混入けい酸カルシウムパネルの場合とALCパネルの場合では、耐久性など将来的にどんな違いが考えられますでしょうか。費用的にも結構異なるので、ご意見いただければと思います。



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 寒冷地で外部湿式タイルの下地に、ALCを使用することは好ましくないと言われてきましたが、いくつか事例はあるようです。しかしパネルの目地とタイルの目地を一致させたり、コーキング目地(定期的な打ち直しが必要)を多くつくったりする配慮が必要です。最近では木造用に工場でタイルを貼ったタイルパネルも製品化されていますが、寒冷地でのパネル目地部分の凍害対策が、どの程度なのか経過を見る必要があると思います。外部湿式タイルの下地に繊維混入けい酸カルシウムパネルは使用したことはありませんが、乾式タイル(目地詰め無し)の下地ボードが木繊維混入セメントけい酸カルシウム板の製品は15年ほど経過した建物でも問題はないようです。


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床暖房の上にピアノを置いても大丈夫?


<兵庫県神戸市・かんかんさん(主 婦・33歳・女)>


 娘のピアノを購入しようと検討中で、置き場所を床暖房の設置してあるフローリングの上に置こうかと考えています。壁から数センチは床暖房が入っていないとは思うのですが、多少は床暖房にかかると思います。湿気や熱でピアノの調律が狂ったりしないか、また床暖房の故障の原因にならないかと心配しています。
 ピアノを置いても問題はないでしょうか。置ける場合、注意事項はありますでしょうか。アドバイス、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 ピアノは、温度や湿度の変化にとても敏感で、赤道を超えて船で運んだだけで、音が変わってしまうそうです。日本製のピアノは湿気には強いようですが、床暖房の上にアップライトのピアノを設置した場合の乾燥には問題があると思います。
 また、ピアノを置く場合には、構造的に床の補強が必要になります。一般的なパネルタイプの床暖房に物を置く場合は、1平方センチ当たり1キログラムを目安に重量を分散させる必要があります(ピアノは200キログラム以上あります)。さらに床がフローリングの場合は、キャスターで動かしただけでへこんでしまうので注意が必要です。
 このように、事前の対処が必要になると思います。


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