住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

地下車庫のカビ対策について


<千葉県船橋市・まりも さん(匿名さん)>


 地下車庫組み込みの家にするか、迷っています。
 友人によると、地下車庫と地下物置がある家では、カビに悩んでいるそう。地下車庫や物置をつくりたい場合、カビ対策として、どういったことを建てるときや建てた後にすれば良いでしょうか? ぜひ教えていただきたいです。一度発生したら、どんどん広がっていきそうで…。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 地価の高い敷地に地下を利用するスペースをつくりたくなるのは当然です。地下スペースに地下水が浸透するのは、その敷地の地下水面位に大きく影響されます。
 地下水面位とは地面を掘り起こしたときに、何メートルで水が浸透してくるかを言います。
 地表より30センチくらいまで水が上がっている土地も珍しくありませんし、また、何十メートル掘っても水が浸透しない土地もあります。その土地の状況によって対応が異なります。業者さんに状況をしっかり調査してもらい、防水仕様を決定してください。最近はコンクリートに添加して防水したり、打設したあとに内側から浸透防止剤を塗布する素材も開発されております。いろいろな対応がありますので、地下スペースの設置を諦める必要はありません。
 いずれにしても、地下スペースの隅のピット(地下の床より数十センチ深く掘った穴)に揚水ポンプを取り付ける必要があります。地下水面位に関係なく、大雨のときなどに水が流れ込むことがあるからです。また、どんな土地でも地下スペースには必ず大きめの換気扇を取り付けておくべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

クロスがめくれて石こうボードにカビ!


<匿名さん>



 築6年の2×4住宅に住んでいます。1階リビングのビニールクロスが少しめくれていたので見てみると、石膏ボードに黒いカビが出ており、他の場所も調べてみると数ヵ所10×10センチくらいの大きさでクロスが浮いており、めくってみると同じような状態でした。
 業者に調べてもらいましたが、漏水、断熱不良などはないようでした。私も確認しましたが、漏れているよいうな跡はありませんでした。ボードの含水率も調べてもらいましたが、乾燥状態で問題ないようでした。業者が言うには、ビニールっ気の多いクロスなので、蒸気などが壁紙の裏に入り込み、抜けない状態が続き、カビが発生したのではないか?と言っております。本当にそんな状態はあるのでしょうか? ほかに考えられる原因はありませんか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 クロスの下地部分にヒートブリッジ部分(熱の伝えやすい部分で木材の補強金物などが貫通した部分など)があり、低温部分が発生して室内の水蒸気を凝縮させ、含水量が増えてカビが発生したということが考えられます。ビニールクロスといっても、ほど良い水蒸気の透過ができるようになっておりますので、入った水蒸気は出てくるのが理屈です。上記のような低温部分があれば、生活空間での水蒸気の発生時に含水量が増加しますので、それ以外のときは乾燥しているのも不思議ではありません。
 また、もっと単純な理由で、クロスの接着剤成分とに室内で発生した有機ガスが結合して、黒いカビのように変色する場合もあります。本当にカビなのか、クロス糊の腐れなのか、クロス糊の成分変化変色なのか、さまざまな要因が考えられます。
 しかし、クロスが浮いているということから判断しますと、ヒートブリッジによるクロス下地の含水量増大が、最も濃厚な要因と思われます。外気温の低いときに赤外線の非接触温度計で測定しますと、低温部分が判断できますので、どのようなものがヒートブリッジになっているのかを調査して改善する必要があります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

防水シートのたるみについて


<茨城県東茨城郡・ANさん(会社員・29歳・男)>


 初めまして。防水シートのたるみについておうかがいしたいのですが、ほぼ全体の箇所で防水シートがたるんでいて、サイディングに付いている状態です。それについて、通気は問題ないのでしょうか? パンフレットでは外壁換気工法・劣化等級3で、図面上は、サイディングと防水シートの間は15ミリになっています。業者と話し合いをしていますが、多少なら問題はないといいます。しかし、これで劣化等級3といえるのでしょうか? 家を建てる前に、防水シートについてかなり打ち合わせはしました。しかし、入居してから屋根裏に上がってみたら、このような状態でした。屋根裏は直してもらいましたが、1〜2階は見ることができません。たるみにより構造体に問題はないのでしょうか(湿気はこもらないのでしょうか)?
 ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 劣化等級3とはこの性能では最高等級で、75年から90年間にわたり、大規模改修を必要としない構造であることを示すものです。通気層はもちろん、床下換気口や構造体にも多くの条件が付けられております。通気層の防水シートがたるんでいるということは、当然、自然な通気を阻害しますので好ましいことではありません。しかし、それだけで劣化等級3を否定できるものでもありません。
 防水シートの役割は、サイディングより漏水した雨水が断熱材に触れないようにして通気層の下部から排出すること、断熱材が含んだ湿気を透過して通気層から蒸発させること、サイディングを乾燥状態に保つことなどがあり、これらを理由に用いられます。通気層は本来18ミリが良いとされ、それ以下だと通気量が少なくなり、それ以上なら対流現象の発生で上場気流が発生し難くなり、通気層の効果が低下します。
 本件の場合、このたるみは決して好ましい状況ではありませんが、湿気がこもると断定するのも難しいと思います。劣化維持性能を機関表示(第三者機関の評価表示で数十万円のお金がかかります)で行った場合、図面審査評価と現場審査評価を行いますので、本件のような状況にはならいと思います。また、自己表示方式(お金はかかりません)といって、施工者が自らの責任で建築する住宅の性能を表示するものがあり、双方も性能表示として認知されております。しかし、いずれも表示された性能を保証、担保するものではありません。
 本件はおそらく後者の自己表示方式で行ったものと思われますが、施工者には施工責任が伴います。性能表示は契約書に添付されるもですから、本件で問題が生じた場合、施工者に対して、劣化維持性能等級3を表記した責任を全うすることを要求することができます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

シロアリ駆除業者の対応


<京都府向日市・HIさん(主 婦・50歳・女)>



 リフォームの際にシロアリ駆除をしました。リフォームは大手会社に頼みました。シロアリ業者はリフォーム会社が連れてきました。1年経って風呂場に出ました。会社曰く、駆除はしてありますので放っておいて大丈夫とのことでした。また1年経って、今年はトイレに出たのです。業者が言うには、近所で発生していてウチに飛んできたと言うのです。いつもよく出る場所と言われている場所に都合よく飛んでくるものなのでしょうか? 
 私はリフォームの前にシロアリ駆除はしていました。その業者はシロアリが出たとき、すぐに来てやり直しました。それ以来、出たことがなかったのです。なのに、リフォームをした途端にこんなことになりました。
 私は散布しているときから変だと思ったことがありました。前の業者は床下だけでなくフローリング等、木材で出来ているものについては床下部分全体に散布していました。が、今度の業者は言っても本当に下の土だけに散布しているのです。あまりのやり方の違いに驚いてしまいまいた。またシロアリが発生し、保証期間であるにもかかわらず何もしない姿勢に怒りを感じています。これは業者として責任上やり直す義務はないのでしょうか? 精神的にも参っています。いい方法を教えてください。



アドバイスいたします
環検サイエンス(KAN-KEN Science)
代表 中尾清孝
電話:048(840)5766


ホームページ:http://www.kan-ken.com/

 先に結論から申し上げますと、業者として保証書を発行していれば、再施工を実施するものです。保証期間は会社の形態などによりますが、一般的にヤマトシロアリという種類であれば5年間の保証が付いています。ただし、今回はリフォームの一環としてシロアリ駆除をしていますので、おそらくリフォーム業者の手元に保証書があるのではないでしょうか? 保証書を手に入れて、シロアリ駆除業者またはリフォーム業者に再調査をさせるべきです。
 「近所に発生したのが飛んできた」というのは微妙ですね。無いとは言いませんが、そんなに多いものではありません。家の内側に出ていれば床下、外側にいれば飛んできた。大量にいたら床下、数匹〜数十匹程度なら飛んできたくらいの考えでいいと思います。実際に調査をしているわけではないので、これが原因だ!とは言えませんが、それを教えてくれるのが駆除業者の役目でもあるのですから、再調査をしてもらいましょう。
 施工についてですが、近年「化学物質過敏症」などが問題になり、シロアリ駆除も変わってきました。企業方針の違いはありますが、薬剤はなるべく撒かないのが基本になりつつあります。噛み砕いてお話ししますと、シロアリは土からやってくるから重要なのは土の消毒であり、今まで木部まで薬剤を撒いていたのはあくまでも念のためだ!ということです。したがって、土だけしか消毒しないからといって「ダメである」との結論にはなりません。土だけしか消毒しなければ、人が薬剤に触れる量が減りますので、安全性は高くなります。その反面、木部にシロアリが到達してしまった場合、家への被害は出ます。どちらを選択するかは業者の考え方であったり、お客様の要望であったりしますが、この件については、方法や薬剤が適正かどうか、技術者がちゃんとしているかなどは別にして、土のみの消毒は間違いではありません。


まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。