住宅クレーム110番

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J110 News

セルロース断熱材について


<静岡県富士宮市・Nさん(会社員)>


 最近テレビ番組でセルロースを紹介していました。値段は高いようですが、断熱効果と遮音性が優れているといっていました。断熱材にはよく安価なグラスウールが使用されますが、湿気を吸収してズレ落ちると聞きました。セルロースも材質が新聞紙との事ですので、何十年と経った時に湿気の吸収でズレ落ちることはあるのでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

■断熱効果と遮音性について
 グラスウールには吹き込みと高性能グラスウール(整形された板状)があり、熱伝導率は前者が0.052、後者は0.038です。セルロースは同じく熱伝導率が0.038〜0.040なので、吹き込みの場合はセルロースのほうが断熱効果(密度が高く)があるといえますが、高性能グラスウール(整形された板状)は遜色がありません。遮音性能については、グラスウールが重量35キロに対してセルロースが45〜50キロなので、重い分セルロースのほうが高いといえます。

■ズレ落ちと湿気の吸収について
 比較で言うと密度が高いほうがズレ落ちにくいといえますが、グラスウールも改良を重ねていますので、建築の断熱材としての選択的には差は少ないものと思われます。

 どちらにおいても、問題は内部気密・外開放で湿気を壁の中に入れず(気密シート)・溜めない(通気工法)システムにすることです。九州地区では、セルロースの吸放湿性が豊かなことから、気密シートが免除されていますが、静岡地区では気密シートと放湿出来る状態(通気工法)を施工してください。


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屋根を葺き替えてからすがもり


<北海道登別市・レミさん(自営業・56歳・女)>



 3年前に屋根を葺き替えました。トタン屋根で長尺ですが、雪止めをつけております。葺き替えした冬から毎年すがもりを繰り返しています。板金店にクレームをつけて軒先の氷を割ってもらっていますが、すがもりはトタン屋根には付きものだというのですが、友人宅も同じような屋根形態ですが、すがもりはありません。また、葺き替え前にはすがもりはしていなかったのですが、どのように補修したらよろしいでしょうか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 3年前の葺き替え前にも雪止めをつけていなかった場合は、雪止めがスガモレの大きな原因といえます。しかしながら葺き替え前にも雪止めが同様にあった場合には、ハゼ部分にハゼ専用テープかハゼコーキングを施工し、スガモレ防止を行わなかったことが考えられます。対策としては、まず軒先から2メートルくらいのハゼを起こし、ハゼコーキングを施工してください。
 また、軒先のハゼにおいても、小口をはさみで切らないで、ともつかみし、倒した修まりのほうがスガモレに効果があります。そのほかには、施工費と電気代がかかりますが、軒先の氷を電気ヒーターで溶かしスガモレを防止する専用のルーフヒーターを取り付ける方法もあります。
 根本的な問題は、雪が溶け、軒先で凍り、水がたまり、逆流してハゼから漏水することなので、対策としては室内の熱を天井裏に上げず(天井の気密と断熱性能で決まる)、小屋裏換気をしっかり行うことによって、屋根に積もっている雪を溶かさないことに尽きるのですが、施工は難しいものがありますで、高気密・高断熱に詳しい建築家か工務店に相談ください。


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屋根から茶色い液体が垂れてくる!


<神奈川県鎌倉市・MKさん(会社員・34歳・男)>


 「屋根裏の結露で悩んでいます」と類似の相談です。
 2004年1月に新築した木造住宅なのですが、同年12月に屋根から茶色く粘っこい液体がたれてくるようになりました。うちは吹抜けで屋根裏がそのまま見えており(勾配天井)、その天井からポタポタ液体が落ちてきます。3月も時折たれてきますが、だんだん色・粘り気とも薄くなってきています。
 新築1年も経っていないので当然、工務店に無償修理してもらおうと相談したら、結露が原因と言われ、保証書記載の保証免責事項(「結露等による室内のシミ・水滴(自然現象の場合)」と記載)に該当するので、有償修理となりますと言われました。
 確かに現象からして結露っぽいとは思っていますが、結露には気を使って建てた家であり、工務店にも当初から伝えているため、有償には納得がいきません。そこでアドバイスいただきたいのですが、
・本当に免責になってしまうのでしょうか
・どこか調停してくれるような機関はありませんか?
・工事する場合、どのような施工が最適でしょうか。

以上よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 確かに結露水のようですね。雨漏りの場合は、住宅品質確保促進法の適用を受けて施工者の責任が義務化されていますが、結露の場合はその法律の対象外となります。表し天井の場合、屋根断熱が構造上、どうしても薄くなり、このようなトラブルが起きやすいのが実情です。
 対処方法としては、屋根の断熱材を強化する以外にないと思います。内部から断熱補強する方法と、屋根を一旦、剥がしで外部から行う方法があり、いずれの相当の費用がかかる思われます。
 施工者には法律の適用を受けなくとも道義的施工責任を問えますので、まず冷静に業者と交渉して、少しでも質問者の負担を少なくなるよう努力すべきでしょう。裁判所で民事調停制度もありますが、結果として道義的責任は施工業者の誠意を引き出す程度のものであり、全額、無償で行うのは大変に困難だと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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断熱材の必要性について


<神奈川県秦野市・STさん(自営業・38歳・男)>


 昨年、一級建築事務所に頼み新居を建てました。建築中にユニットバス部分に断熱材が入っていないことに気づき、入れるように頼んだのですが「通常入れない」と言われ、結局入れませんでした。
 現在、 入居後4ヵ月でひと冬過ごしましたが、やはり風呂場と脱衣所と風呂の上の部屋が寒いように感じます。ユニットバスの天井点検孔からは外壁、脱衣所の天井、上の部屋の床が見えます。また、和室部分の床にも断熱材が入っていません。「畳に断熱性があるので不要」と言うのですが、他の部屋より寒いように感じます。本当に必要ではないのでしょうか? 場所は神奈川県です。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 ユニットバスであっても、その周辺の外壁部分に断熱材を入れるのが通常です。設計事務所の多くが意匠や構造に詳しいのですが、温熱環境に精通している設計事務所はほとんど存在しません。神奈川県でも断熱材の充填されていない浴室の場合、当然、冬の寒さが気になります。
 しかし、バスユニットの天井部分の上部は、かなりの空間があり、人が入れるので点検口から出入りをして後からでも断熱の充填が十分にできると思われます。断熱材を壁の上部から下部に押し込む形になりますが、頑張れば自分でもできないことはありません。しかし、施工業者にお願いして充填していただいても費用は2〜3万円程度で済むと思われますので、我慢をせずにその方法で断熱材を充填すべきでしょう。設計事務所に抗議をしてもさまざまな理由をつけて責任を回避されるのがほとんどです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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シーリング材の亀裂について


<大阪府・k.kさん(主婦)>


 家を新築してもうすぐ2年になります。
 昨年の秋の大雨の時に障子の木枠が湿っているのを見つけ、初めて雨漏りに気づきました。業者にきてもらうと、サイディングとサイディングの境目のシーリングのシーリング材は切れずに、サイディング材とシーリング材の界面で切れている部分から雨漏りしていると言われました。その後よく調べてみると、家の周りのほとんどのシーリング材が切れているのが見つかって、すべて剥がしてもう一度塗り直してもらったのですが、塗り直してもらってからまだ半年しかたっていないのに、また切れている部分を見つけました。
 こんなに短い期間に切れることはありえないと思うのですが、何が原因だと思われますか? ぜひ、ご意見をお聞かせください。



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 正会員
(株)トーヨーホーム
原口智哉


ホームページ:http://www.toyohome.biz/
JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 一般論として、ヨウ業系サイディングの特徴としては、環境の温度や湿度の変化により、常に伸縮する力が働くため、シーリングの施工は防水を兼ねたクッション材としての大切な役割を果たします。シーリング剤自体は可ソ剤と呼ばれる水剤が入っており、これにより適度な弾力を持ち、材料同士の隙間が空かない働きをするのですが、年数が経つとその水分が抜けはじめ、ヒビ割れ片寄りが、陽当たりの良い面よりはじまります。これが通常のマニュアルどおりに施工した場合の現象です。
 今回のお尋ね内容ですと、このシーリング剤を施工する前に、粘着を良くするプライマーと呼ばれる一種の接着剤が小口断面に塗布されるていない部分があったため、きれいに隙間が空いたのではないかと思われます。他の箇所が不具合ないようであれば、その部分のみ、一度シーリング剤をとり、プライマー塗布後、再施工してもらうと良いでしょう。


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リフォームローンの確認のはずが契約になっていた!


<東京都町田市・TSさん(会社員・30歳・男)>



 はじめまして。よろしくお願いいたします。
 あるリフォーム会社で見積もりをお願いし、見積もりと図面ができたというのでリフォーム会社まで行きました。大体良かったのですが他社でも見積もりを取っていたので、また次回ということにしたのですが、「リフォームローンが通るか確認しないと先が進められないので、とりあえずハンコを押してほしい。後で取り消すことはできますから」と言われ、ハンコを押してしまいました。そうしたら、その中に契約書もあったらしく契約をしたことになっていました。まだ正確な値段もでていないし、契約書とはまったくしらなかったのでとても困っています。
 どうしたら良いのでしょうか?



アドバイスいたします
ジャパン・リフォーム・ネットワーク 正会員
(株)トーヨーホーム
原口智哉


ホームページ:http://www.toyohome.biz/
JRNホームページ:http://www.jrn.jp/

 内容がはっきりしないため、回答しづらいのですが、信販会社のローンのこととしてお答えします。
 通常、個人情報保護法対応版ですと、全部で6枚(複写式)仕様で、その1枚目のタイトルが「お申し込み(告知)の内容○○○」、2枚目が「契約書(正)○○○」、3枚目が「工事完了引渡し通知書」、以下(控)となっています。リフォーム会社では、個人情報保護法の点から、自筆でなければ審査が受けられないと説明し、署名・押印を求めたと考えられます。その際、前述の書式説明が足りなかったために、2枚目の「契約書○○○」を見て、このご相談をされたのだと思います。まだ正式に契約する意思のないことを、リフォーム会社に説明し、さらにローン会社にも同様の主旨を説明されると良いでしょう。それで解除自体はできると思いますが、うまくいかない場合は消費者協会等に相談されてはいかがでしょうか?


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ヒラタキクイムシ被害について建材店からの問い合わせ


<匿名さん>


 築1年目にヒラタキクイムシの被害にあいベニヤにクロス張りしたところに発生し、手直しに費用がかかり、どこが費用を保証するかで、たいへん困ってます。メーカーは工程上、熱処理しているので責任はないので、どこかでついてしまったのだと全く責任逃避のみです。工務店は全額保証してほしいと言っていますし、お客様にも迷惑をかけている状況をどう対処したらいいのか解決策はありませんか?



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押入れやクローゼットの中に給気口?」へのアドバイス


<神奈川県平塚市・さしがね至宝さん(会社員・40歳・男)>


 「給気口」の意味が、その口から空気を吸い込むという意味であれば、非常に適切なやり方と思いますので、一度業者にきちんと確認して説明を受けて見てください。化学物質による室内汚染が騒がれて久しいですが、その中には布団や衣服の防虫剤等による健康被害も取り沙汰されています。
 そこで換気の仕方として、わざと押入れやクローゼットから空気を吸い込むことで、室内への汚染を防ぐということも行われるようになっています。クローゼットや押入れと室内空間は密閉されているわけではないので、ゆっくりとした換気の中では問題なく室内空気を取り込むことができます。



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