住宅クレーム110番

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J110 News

この程度は結露の内に入らない?


<北海道函館市・H・Kさん(40歳・男)>



 2年前に住宅を新築しました! 高断熱・高気密で、熱交換換気による24時間換気で、蓄熱暖房のオール電化住宅です! 冬場の外気温が下がり気味(−7〜8℃以下)のときに、サッシのFix部分のペアガラス(Low-e)の下部分に1〜2センチ程度の結露が出ることがあります。朝の内だけで、カーテンを開けておくと昼くらいまでには自然に消えています。リビングの床から2メートルくらいのサッシに出ることが多く、あとは脱衣場です(これは除湿器を置いてますが、洗濯物を干しているので仕方ないかなと思う)。
 工事を施工した担当者は結露はしないと言っていました。いろいろなハウスメーカーや工務店のHP等を見ても結露をしないと書いてありますが、私の書いた程度の結露も全くしないものでしょうか? それとも、この程度は結露の内に入らないものなのでしょうか? 私が気にしすぎなのでしょうか? 
 追伸、ひどいときにはサッシ樹脂部分の下端のほうでも結露していることがありました。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 結露しない家はありません。そもそも「結露しません」などとPRする工務店やハウスメーカーが存在する限り、日本の住宅のレベルの低さを象徴しているようなものです。
 住む人に健康な湿度を維持すれば、どんな高性能のサッシを取り付けても外部の温度次第で結露が発生します。例えば、20度の室内で湿度が80%のときの露点温度(結露が始まる温度)が約16度です。つまり、わずか4度低い部分に結露が生じます。このような場合は、外部温度によっては必ず窓に結露を生じさせます。同じ室内で湿度が50%のときは9度が露点温度です。この場合でも、外部がマイナス10度以下になれば窓に結露が生じます。同じ部屋で湿度が30%台になれば露点温度が3度になるので、結露が生じることはありません。しかし、この状態は完全に過乾燥と空気の乾きすぎで、風邪の菌(ウィルス菌)などが猛繁殖し、住む人にとって極めて不健康な家となります。
 本件のような結露の生じ具合は、家の性能とライフスタイルがフィットした、適切な状況であると思われます。施工者の説明に知識不足を感じますが、出来た家の性能は適切な機能を持っているといえるでしょう。安心して大丈夫です。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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集合住宅の湿気対策、内側から何とかならない?


<秋田県・匿名さん>


 築10年になるコンクリート集合住宅の湿気についておうかがいします。
 1年目から、長雨が続くと、踊り場の壁に水が浮いてくるような建物だったのですが、昨年、北側の和室の外壁側のクロスが剥がれ、カビが発生しました。管理者に防カビ剤を塗布してもらい、クロスを張り替えてもらったのですが、半年もしないうちにクロスに黒ずみが浮いてきました。窓からの結露がしみ出ているのだろう、防カビ剤が塗布してあるのでカビはすぐには発生しないと思うので、様子を見てください、と言われました。社宅なので、大規模な補修は困難だと言われているのですが、子どものアレルギーも気になるので、内側から何とかできないものかと思っています。
 良い案はないでしょうか。ちなみに居住は秋田県です。よろしくお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 大変に難しい問題です。コンクリート自体が冷やされて、室内の通常な生活で発生する「生活発生水」がそのコンクリートに凝縮(結露状態)され、カビの発生やクロスの剥がれを引き起こします。当然、カビが発生する前にカビの胞子が浮遊しますので、これがハウスダストなり、子どものアトピーやアレルギーにも影響を与えます。
 一番簡便な対処方法とは除湿機を置くことです。秋田の場合は換気量を多くすれば逆効果になりますので、除湿機を多用することが今すぐできる対処法です。
 本来、外から断熱するとこのような問題は起きないのですが、社宅だということなので、何か内部から簡易的に行う方法を模索してみました。コンクリートに湿気を吸わせないように、コンクリート面にポリフィルムを張り付け、その上から壁を仕上げる方法がありますが、仕上げ材にお金がかかり、社宅においてそこまで行うことは無理だと思われます。
 本件は現状から判断して除湿機の多用と、燃焼方式の開放式ストーブはたくさんの水分を放出しますので、燃焼式暖房機を止めて蓄熱暖房機などで家の中に低温部分をつくらないようにすることが肝心です。家をいじるより、低温部分をつくらない工夫と除湿機で解決したほうが賢明と思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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基礎工事の欠陥?


<神奈川県川崎市・KTさん(公務員・50才)>


 はじめまして、自宅の建設を行っていますが、気になる点が多々あるためご相談します。
 現在、地下車庫のコンクリート工事中ですが、コンクリ打設後の状態がひどいと思われます。まず、配筋のかぶり状態が偏り、写真のように大きく外側にずれてしまいました。施工会社に指摘して、基礎を取り壊して工事のし直しすることとなりました。さらにチェックすると、コンクリートの付け根部分の5ヵ所ほどが、写真のような断面となっています。荷重がかかる部分であり、これで強度は問題ないでしょうか? また、見た目と強度補強が必要な場合の補修はどのようにするのでしょうか? 適切なアドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 写真に見えている鉄筋は最終的にどうなる予定だったのでしょうか。床スラブやコンクリート壁が付くのであれば差し筋があるはずですし、これで打ち止めなら鉄筋は見えないはずです。
 ご質問の偏った鉄筋の部分をつくり直すとのことですが、つくり直す部分と既存の部分とのコンクリートの付着が低下し、強度の低下や漏水の原因になります。また、コンクリートの付いた鉄筋はコンクリートを完全に除去しないと、コンクリートとの一体化が低下してしまいます。打ち継ぐ場合は、部位や方法を専門家に相談したほうが良いと思います。
 コンクリートの付け根の砂利の見えている部分は、ジャンカと呼ばれる欠損で、軽微な場合は、砂利の部分を除去しエポキシモルタル等で補修します。状況によっては、専門業者に依頼して注入工法で補修する場合もあります。
 美観的にコンクリート打ち放しにこだわるのであれば、特許工法で復元する方法や、半透明の薄く色の付いたコート材を塗る方法や、塗装でコンクリート模様を描く方法があります。このように、打設したコンクリートを直すのは大変な作業になります。


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流し台の排水トラップの交換について


<東京都練馬区・匿名さん>


<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見や同様の問題を解決されたなどのアドバイスをいただける方、メールをお寄せください。>

 15年ほど前にS社のキッチンセットを購入(分譲マンション)しましたが、流し台の排水トラップ(直径17センチ)を交換しようとしたところ、ホームセンター等では売っておらず、S社にも交換部品はもう売っておらず、キッチンセットをまるごと交換するしかないとのことでした。市場に出回っている排水トラップは、18センチと18.5センチのものしかないようです。排水トラップのためのみで、全部のキッチンセットを交換するわけにはいかないので、非常に困っております。
 住宅のトラブルでネットを検索したところこのサイトをみつけたので、メールさせていただきました。



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基礎の幅がばらばら


<愛知県名古屋市・KYさん(会社員・32歳・男)>



 はじめまして、よろしくお願いします。
 基礎について質問があります。最近、基礎が完成し枠がはずれたところですが、立ち上がりの幅がばらばらです。図面では135ミリとなっているのですが、150ミリのところもあります。担当者に聞いたところ、厚いのは問題ないとのことでした。また、図面にはないホールダウンが追加されており、補強のため追加したとのことです。さらにベースの横の部分からボルトが数ヵ所でており、これは枠を固定していたボルトらしく、コンクリートを流したときに枠が外に膨らまないようにするためにしていたものらしいです。後から表面を削り、モルタルでかぶせるらしいのですですが、大丈夫なのでしょうか? GLから15センチぐらい下のところにあります。ほかにも枠の間に木の板が入れてありました。ちょうどコーナの部分で深基礎のところと通常の基礎の境目です。
 通常このようなことはよくあるのでしょうか? 他の基礎工事の現場に足を運んでいろいろと見たのですが、このようなことはありませんでした。よろしくお願いします



アドバイスいたします
ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 建築基準法に基づく告示で、布基礎の立上り部分の厚さは12センチ以上と定められていますので、厚さは基準を満たしています。しかし、鉄筋のコンクリート被り厚さ等、鉄筋の位置によっては問題も考えれれます。また、告示で柱や梁の接合方法が規定されていて、壁の筋かいの種類や部位によってホールダウン金物等の緊結方法が定められていますので、必要な部位だと考えられます。
 次に、型枠を固定していたボルトですが、セパレーターと呼ばれているものです。仕上げの種類によっては、プラスチックのコーン付きのものを使用しますが、基礎の類はボルトだけのものを使用し、型枠取外し後にハンマーでボルトを除去し錆止めの処理を行います。
 続いて、枠の間の木の板ですが、目地棒のことだと思います。ご質問のように力の掛かり方が変化してクラック(ひび割れ)が予想される部位に、あらかじめ目地を入れておく方法です。基礎巾(最低12センチ)を確保し、その目地にコーキングを行います。しかし、深基礎のところと通常の基礎の境目は、斜めに基礎を連続させる(バットレス)等の構造補強が必要な場合もあります。


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瑕疵担保責任の範囲はどこまで?」へ私見


<会社員・40歳・女>


「NPO住宅110番より」  
 以前に掲載中の「瑕疵担保責任の範囲はどこまで?」について、すでに掲載済みのアドバイスとは違った見地での、以下のようなアドバイスが寄せられましたので、掲載いたします。それぞれのアドバイスを参考にしていただけると幸いです。

 水道配管の赤錆ですが、赤錆を止める工法として、薬剤(カルシウム等)、機器装置(脱気・磁石等)、洗浄(サンドプラスト?ライニング液剤等)、いろいろあります。しかし私見ですが、築35年以上も経過しているのであれば、配管更新(取り替え)以外考えられません。13ミリ程度の細い管がサビで細くなっているところにコーティングしても、静脈瘤のようになったサビ瘤はすぐに「ゴロン」と剥がれ、最悪はそこから漏水します。管の一部は錆びで鉄部分がなくなっており、その錆びの塊で漏水が止まっているような状況ではないでしょうか? そこに高圧の砂洗浄を掛けたら一気にあちこちから漏水しはじめます(事故になるので普通は業者がやりませんが)。
 少し長くなりましたが、20万円まで負担してくれるというのであれば(かなり良心的な対応ですね)、それをいただいてご自分で納得の行く配管をされてはいかがでしょう。架橋ポリやPB、ステンや銅管、ポリ複層管等、いろいろな配管材料もあり、建物寿命なども考慮して選ばれてはいかがでしょう? また、露出配管でもリフォーム用の配管目隠し材が豊富で、意外ときれいに仕上がります。各プラスチック系配管材などは長尺で継ぎ手が要りませんので、床下や2階床下などに転がして配管を取りまわしたりもできます。どうしても目立つ所は隠蔽で、あとは目隠し材を併用して施工を行うなど工夫されてみてはいかがでしょうか。
 地域にもよりますが、業者の得意、不得意によって施工費にかなり差が出る工事なので、各社比較検討して、十分に検討されると良いでしょう。
@配管材卸売業



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