住宅クレーム110番

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高気密高断熱の家は塗壁に隙間やはがれが目立つ?


<茨城県取手市・NKさん(会社員・41歳・男)>


 質問です。高気密・高断熱構造の家を建設しようと考えています。私の家は、関東です。
 母親が、数年たつと京壁や珪藻土壁の隙間?はがれ?切れ込みなどが目立ち、左官の技術に疑問を持っています。私的には、高気密ですと乾燥気味になると思うんですが(24時間エアコン作動なども原因の一つでしょう)、技術のほかにもこのような環境が原因の一つではないかと思うんですが、いかがでしょうか?
 これまでの経験上、このような苦情はありませんか? なるべく自然材と考えていますが、しょうがないものなんですか? 何か対策はありますか?



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 今回の隙間?はがれ?切れ込み?は、高気密・高断熱・左官の技術の問題ではなく、使用する木材の含水率の問題になります。
 昔は、十分に自然乾燥された木材を、さらには時間をかけて建築を進めていたものが、現在では人工乾燥で短期間に工事を進めるために、完成後に木材の乾燥収縮が進み、このことに付随する問題が起きることになります。
 現在使われている木材は、在来の無垢材で含水率20%、ツーバイ材で15%、構造集成材で10%くらいです。通常、完成後1年くらいまでは乾燥が進み、10%以下までになります。したがって、塗り壁を仕上げとする場合は、構造集成材の乾燥状態が必要になります。大壁であれば構造集成材を使用し、真壁であれば15%以下の木材を手配(簡単ではありません)し、使用すると塗り壁でも対応できます。
 このほか、必要以上の温度で!急激に!木材乾燥をするような、集中暖房と過換気に注意を払ってください。


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断熱の工法で悩んでいます


<北海道釧路市・TMさん(41歳・女)>



 現在新築に向けて、計画中です。大まかな、プランは次のとおりです。
 1階はコンクリートスラブ、玄関、事務所、車庫。2〜3階は、住宅部分で、木造軸組。断熱方法は、一般的なグラスウールの替わりに、ウレタンを使うそうです。外断熱ではありません。暖房は、1〜3階までセントラル暖房です。
 問題は、1階部分の断熱方法です。当方としては、ここの記事を読ませていただいて、外断熱を希望したいのですが、業者さんは、壁厚が外に向かって大きくなり、1階が大きく外にふくらみ、2階部分との仕上がりが悪く、壁を伝わる水が1階の壁に浸みる可能性が大きいので、内断熱をすすめます。車庫部分と部屋の部分があるため、内断熱のほうがいいのか迷っています。結露が非常に心配です。どのような、工法が良いのか、注意点などアドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 コンクリートの建物は外断熱をしないと断熱欠損を防ぐことができません。
 今回の建物は、1階と2階が階段の縦の空間がつながっているので、この部分も必ず断熱欠損の箇所になります。1階と2階の外壁部分は、壁厚の違いにより水切り鉄板の必要な納まりになりますが、水切りの十分な立ち上がり、タイベックの重ね、テープ押さえの通気工法により問題はありません。車庫部分に関しては、シャッターが気密の良い断熱戸にならないので、あくまでも外部空間(非断熱ゾーン)と考え、車庫内部(壁・天井)に断熱材を打ち込み、この部分は内外断熱(内部は木毛板の複合板)にします。したがって、車庫(外)と玄関等(内)の出入り口は断熱戸が必要になります。
 なお、外断熱の外部仕上げはどのようなものを考えていますか? コンクリートのサンドイッチ工法、GWによる乾式工法など、さまざまな施工法も確立され紹介されていますので、十分に外断熱の技術に造詣のある会社を選ぶようにしてください。


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マンションの床のそり・浮きについて


<東京都調布市・KYさん(会社員・40歳・男)>



 築5年のマンションの床(フローリング)の件で相談があります。
 廊下の端の部分(ちょうど和室の入り口のところです)なのですが、約40センチの長さにわたって、床がそり、浮き上がってしまっています。浮きは最も大きいところで8ミリ程度の高さで、ちょうど浮きの部分に接している敷居の高さをも超えてしまっています。
 近くのリフォーム会社に相談してみたところ、築5年でこのようなことになることはあまりなく、施工上の問題がある可能性があるから、施工会社に相談をしたほうが良いとアドバイスされました。そこで、施工会社にその旨を説明し、まず見に来てほしいと依頼したところ、「アフターサービス基準を過ぎている。見に行くのも有料になる」の繰り返しです。
 そこで質問ですが、やはり施工上の不具合の可能性はあるのでしょうか。施工上の不具合がある可能性があるのであれば、まず見てからその後の対応を相談というのが普通の対応のような気がしますが、この施工会社の対応は一般的なものなのでしょうか。なお、補修で考えられる方法はどのようなものがあるのでしょうか。また、施工上の問題の可能性が高い場合、補修は有料になるものなのでしょうか。お教えいただければ幸いです。



アドバイスいたします
ハウテックさん

 難しいところですね。2年すぎているから、確かにサービス基準からはずれているのでしょう。ただ見にいくのも有償といわれるとちょっと辛いですね。売主のアフターサービス担当に問い合わせしていないのですか? まずはそれが初めだと思います。
 確かに5年で8ミリ浮いてくるのはちょっと異常ですが、何か湿気の溜まりやすい状況の1階とか外壁からの漏水などが絡んで、下地に水を含むような状況にならないと、そこまでは反らないでしょう。外周壁の漏水保証は10年でしょうから、これが絡んだ話なら瑕疵で直してもらえます。
 とりあえず原因究明にはお金がかかりますが、実費でコンサルタントの方などに頼むか、リフォーム屋さんに床を解体してもらい調査するしかないかもしれません。その原因次第で瑕疵かどうかの判断となると思います。


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消防法をクリアする防犯ガラスは?


<OYさん>


<〜NPO住宅110番より〜ここに寄せられたご相談へ、読者のみなさんでご意見・アドバイスをいただける方、メールをお寄せください>

 マンションの窓ガラスの取り替えについて。
 消防法により通路側の窓は網入りガラスの指定があります。でも2回もガラス破りで空き巣に入られた私としては不安です。今は防火よりもむしろ防犯のほうが頻度からしても重要と考えます。それほど、防火の面から網入りと防犯ガラスは違うのでしょうか。現在、防犯と防火を兼ね備えたガラスはないと聞きましたが、そうなのでしょうか。
 どうにか消防法をクリアして防犯ガラスにする方法はないのでしょうか?



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防音のしっかりした物件を探すには?


<宮城県仙台市・SYさん(30歳・女)>


 隣人の騒音に悩まされ、引っ越しを考えています。現在のマンションは「RC造、隣との境は左隣が15センチ幅のコンクリートで、その上に石膏ボード、クロス仕上げ、右隣が軽量鉄骨6.5センチ+防音ボード(1.5センチ)2枚の間にグラスウールを入れてある」といった造りですが、どちらの壁からも音がほぼ筒抜けのような状態で聞こえてきます。このような造りはあまり防音性能は良くないと聞いたことがあります。
 これから部屋探しをする上で、防音のしっかりした部屋を探すコツなどありましたら教えてください。希望の間取りは1Kです。専門の知識は全くないのですが、素人でもわかるような物件の図面から判断する方法、実際に下見した場合に音の響き具合を判断する方法はありますでしょうか? 賃貸の1Kほどの間取りで防音のしっかりした物件を探すこと自体が困難なのでしょうか?



アドバイスいたします
ハウテックさん

 結論を先にいうと残念ながら、賃貸の1Kで防音を念頭において建物をつくる発想は特に首都圏以外では生まれ得ないでしょう。マンションでもファミリー系が防音に気を使いはじめてしばらく経ちますが、ワンルームはサッシュ等級、排水管遮音シート巻きぐらいはやるところはあっても、本格的な防音は隣戸間ではやっていません。ですから、既存物件で探すのは、ほぼ不可能といわざるを得ません。もう少し広いファミリー系で、大手デベの関与したマンションか戸建てを借りるしかないですよ。賃貸に詳しいサイトで再度あたって見てください。私のは施工経験によるものですから、防音賃貸ワンルームなんてのが存在するかもしれませんから。


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床下換気扇の効果が出ない


<山口県周南市・SKさん(会社員・27歳・男)>


 2年前に築10年の中古住宅を購入したのですが、去年1階の和室にカビが大発生してしまいました。和室は子ども部屋にしていたのですが、押入れから玩具、写真立ての裏まで緑色のカビがついていたので大掃除しました。それからというもの、1階の部屋から2階の部屋のモノにまで湿気の臭いがしみついていることに気づきました。
 このままでは健康にも良くないと思い、業者の方に相談して床下を見てもらったら、地盤が粘土質だから湿気が多く部屋にまで湿気が上がってくるのだろう、ということで、床下換気扇を付けることにしました。そして去年の12月に3個の換気扇を付けたのですが、いまだに効果が出ておらず、服やかばんも湿気臭いし、最近では台所に食べ物を置いておくと、ご飯やお菓子まで湿気の臭いが染み付いてしまって、このままでは健康まで損ねてしまうのではないかと不安で仕方がありません。業者の方は半年は様子を見て、それで駄目なら床下に炭のマットを敷くしかないと言われるのですが、それで本当に今度は効果が出るのだろうかという不安もあります。
 湿気臭さは床下が原因なのでしょうか? なぜ換気扇の効果が出ないのか、ほかに何をしたら湿気臭さがなくなるのか全くわかりません。あまりお金をかけずに効果的な方法がないだろうかと頭をかかえています。アドバイスをお願いします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 床下地盤面の高さが問題です。外の地盤面より床下地盤面を最低5センチくらい高くするために、乾燥した砂を床下に敷いて、その上にポリフィルムを重ね幅を20センチくらいとり、敷き込んでください。その上にさらに乾燥した砂で重ね幅の部分を押さえ込んでください。床下換気扇は、このような地盤仕様を改善せずに行っても効果はあまりありません。また、このようにすれば炭などを敷き込む必要もありませんし、ほぼ間違いなく床下からのカビを防ぐことができますが、床下換気扇が稼動した場合、当然、吸気口が反対側にあり、基礎の間仕切りなどで換気扇の通気が阻害されていないことが前提です。土台や柱が心配になので早急に上記の処置を行ってください。1階の湿気、臭いやカビも出なくなります。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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マンションでの隣の騒音に悩んでいます」へ私の体験談


<青森県青森市・KSさん(会社員・30歳・女)>


 わが家の体験談を聞いてください。
 新築マンションで同時期に入居。引越し挨拶で階下のご主人は教職と知り、安心。時々挨拶のお付き合い生活の始まり。今の時代、職業により生活のリズム・帰宅時間も違うもの…と思い生活していました。夜10時を目処に静かにしていました。しかし、下の階の住人の音で悩みました。家族は小さい子どもが2人で奥さんは専業主婦。騒がしくテレビをつけないと下の階の会話がまる聞こえ。深夜11時頃までテンヤワンヤノ大騒ぎ。夜9時、入浴時間がわが家と重なると、階下の入浴状況が聞こえました。しかし、わが家は日中は共働きで留守。それでも、わが家の生活音で、階下の奥さんにいつも怒鳴り散らされるしまつ。わが家は休日が土日で、休日は階下の怒鳴り声地獄でした。階下の奥さんは出産後間もなく、育児ノイローゼ気味かと我慢していました。私は生活のストレスで円形脱毛症になり、隣人に相談すると隣人宅も階下の音で悩み中。
 要するに、建物構造に問題。その結果、わが家は借家に引越し。しかし、運命とは怖いもので、わが家が引越した後の入居者は親戚の知人。その家族も結局、怒鳴られ生活の始まり。しかし、知人は「ウチは階下に負けないぞ」精神で暮らし、結果的に毎週末、階下は奥さんの実家での気晴らし生活をし、最後は借家に引越したそうです。「私は集合住宅に向かないようで、借家が見つかりましたので引越します」と挨拶して。
 あのとき引越さずに我慢したら、無駄な出費をせずに済んだかも…と思うこともあります。現在は借家中の家賃を考え、あの生活がトラウマとなり新築計画中。

2003/02/01 「マンションで隣の騒音に悩んでいます」に私の経験から

2002/07/27 「マンションでの隣の騒音に悩んでます」への私の感想です

2002/06/29 「マンションで隣の騒音に悩んでいます」への私の意見



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網入りガラスの熱割れは不良品では?」へアドバイス


<Nさん>


 文面からでは破損の原因の特定は困難ですが、考えられる原因は、熱割れ、および錆割れかと思われます。
 まず、「熱割れで、いわゆる不良品ではないか」とのことですが、熱割れは製造不良によって発生するものではありません。熱割れについてご説明いたします。
 日射がガラスに直接当たる部分は日射熱を吸収して高温となり、熱膨張を起こします。一方、ガラス周辺部はサッシに呑み込まれているため日射を受けず、サッシ本体、躯体の低温の影響を受けている状態で、熱膨張しません。その結果、高温部の熱膨張を周辺部が拘束する状態となり、この歪みによる破壊を「熱割れ」と呼びます。従いまして、「ガラスの製造過程で時折起こる自然現象」ではなく、複層ガラスをサッシに施工した後のさまざまな環境によって発生するものです。網入り板ガラス、Low−Eガラス、熱線吸収ガラス等を用いた複層ガラスは太陽日射を多量に吸収するため温度上昇しやすく、通常のガラスと比べて熱割れが発生しやすいといえますが、破損したガラスが使用されていた環境について、以下を確認してください。

  1. ガラス表面に目隠しフィルムやシール等貼っていませんか。
  2. カーテンやブラインド等をガラス面に密着させていませんか。
  3. 「日干し」等で座布団やクッション等をガラスに立てかけませんでしたか。
  4. 空調の吹き出し口や強い照明(ハロゲン球等)がガラス面に直接当たっていませんか。
  5. ガラス表面に顕著に影がかかるような障害物が前面にありませんか。

 これらはガラス内の温度差を著しく大きくしてしまい、熱割れの原因となりやすいものです。
 一方「錆割れ」ですが、通常サッシ内に溜まった雨水や結露水はサッシ枠に設けられた排水穴を介して室外に排出されますが、これが機能していないと滞留した水分により金属線を錆びさせてしまい、ガラスが割れてしまうことがあります。
 割れの直接の原因を探るには、ガラスをサッシから取り外して見なければなりません。また、いずれのガラス破損についても通常、ガラス製造メーカーでは保証の対象外となっております。



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