住宅クレーム110番

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J110 News

ひび割れが気になります


<神奈川県大和市・WKさん(会社員・40歳・男)>


 はじめまして。不動産屋さんに築20年ほどの木造2階建てアパートの購入をすすめられています。全体的には気に入っているのですが、玄関土間に3〜4ミリ程度のひび割れが数本入っており、気になっています。ひび割れは、添付の画像ファイル(50KB)のような感じで写真に撮ったものは、左右の段差も1ミリくらいはあります。また、土間と建物の間にも、全面に渡って3〜5ミリ程度の隙間があります。
 不動産屋さんの社長は「土間と建物本体は構造上別になっている。ここの土間は無筋で工事の程度が良くなかったので経年変化でひびが入っているだけ。建物自体にはまったく問題ない」と言っていましたが、本当に大丈夫なものなのでしょうか? 最終的には自分で判断するしかない、とは思っていますが、ご意見をお聞かせ願えればありがたいです。
 以上、よろしくお願いいたします。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 相談内容と写真を拝見させていただきました。
 ご質問にある土間のひび割れの件は、不動産業者さんの言われたように無筋であって、なおかつ、土間打設前に締め固めが不十分だったために時間経過と共に出てきた現象であると考えられます。
 この状況からだけで考えると、土間と建物本体とは必ずしも緊結されているとはいえないので、建物の善し悪しを考える基準にはならないでしょう。しかし、築20年くらいという状況で、本当に土間を無筋でつくったということならば、当時の予算的なことなのか、業者の考えなのかははっきりとしたことはわかりませんが、そんな考えで建てられている建物であると思って、建物の価値判断をしてみてはいかがでしょうか?
 現在の建物の状態がどうなのかということを、もし信頼を置ける建築業者さんがいるのであれば、一度見てもらうのも良いと思います。アパートの購入ということで、これからの資産として、十分な価値があるのかどうかの見極めは必要だと思います。


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基礎の通気孔について


<北海道札幌市・匿名さん(会社員・30歳・男)>


 公庫や建築基準法?では、床が木造の場合、外周に対して、4メートルもしくは5メートルごとに通気孔(300平方センチメートル)を必要とするというような記載があった記憶があります。
 現在、新築中の物件(軽量鉄骨軸組)の基礎をチェックしたところ、6メートルにおよぶ外周に通気孔がありません。疑問に思い、ハウスメーカーに確認したところ、寒冷地は上述のルールは当てはまらないとのことでした。
 果たして、本当なのでしょうか? 疑問です。ご教授願います。



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ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


ホームページ:http://homepage3.nifty.com/hi_design/

 ご質問のとおり、建築基準法で最下階の床が木造の場合は、床下をコンクリート等で防湿した場合や、最下階の床の構造が地面から発生する水蒸気によって腐食しないものとして、国土交通大臣の認定を受けたもの以外は、長さ5メートル以下ごとに床下換気口を設けることが規定されています。寒暖の差の大きい寒冷地であっても、この基準は適用されます。
 最近は、床下を防湿した上で換気口を設置し、場合によっては強制換気を行うケースもありますが、何の配慮もなく床下換気口を減らすことは認められていません。また、内部基礎の換気口が、床下の空気の流れに配慮して設けてあるか注意する必要があります。


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木造の2階に防音室を設置したい


<兵庫県明石市・Kさん(35歳・女)>


 現在、築7年、2LDK、木造2階建てのアパートの2階の一番端に住んでおります。6畳の一番端の部屋に防音室の設置を考えておりますが、建物が重量に耐えられるかどうかお聞きしたいのですが。
 広さは1395×1395×高さ2076のサイズで、重量は286キロのタイプを購入しようと考えております。床の補強などは必要でしょうか?



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ヒガシノデザイン
ひがしの雅司
電話:011(717)5166


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 建築基準法で構造計算を行う上で定めた基準では、住宅の床は180キロ/平方メートル程度に耐えられるはずですから、約2平方メートルの床面積の防音室を設置する床は、中の機材や人を含めて360キロまで耐えられる計算になります。また、床を支える基礎や柱、梁は130キロ/平方メートル程度に耐えられるはずですから、約10平方メートルの6畳間は1300キロまで耐えられる計算になります。以上のことから、基準どおりの性能の建物であれば、耐えられることになります。しかし、ほとんどの木造の建物は構造計算を行う必要が無いため、その建物や設置場所によって性能にバラツキがあります。
 設置の位置や補強方法等は、床下の梁の状態や1階の間取り等も含めて、防音室のメーカーもしくは、専門家に見ていただいたほうが良いと思います。


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サッシ枠にも大量に結露


<岩手県北上市・匿名さん(38歳・男)>



 サッシの結露で悩んでいます。アルミと樹脂の複合サッシにペアガラスですが、ガラスに加えてサッシ枠にも大量に結露します。もちろん24時間換気は使っています。湿度は過乾燥気味(40%以下)です。近頃は室内のサッシも変形して、窓枠が浮き上がったり反ったりしています(最大5ミリ)。確かに窓周辺は湿度計で見る限り70%と高いのですが、カーテンを開けたりしても効果がなくお手上げです。
 やはり、生活環境というよりは、施工方法に問題があると思うのですが…。



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HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 この文章だけでは正確な結露の要因をずばりと断定するにはあまりにも情報不足ですが、いくつかの要因を記述いたします。
 通常、40%以下の湿度ですと、まさに過乾燥気味であり、結露が生ずることは考え難いといえます。まずは、湿度計の精度が正確であるかどうかを、今一度、確認する必要があります。精度の高い湿度計で正確な湿度を計測してください。
 アルミと樹脂の複合サッシでも、70%の湿度であればガラスやサッシの温度が13度以下になりますと、結露を生じます。岩手県でも外気温によっては、13度以下になる場合は十分に考えられます。ペアガラスサッシでも、ガラスの間隔が6ミリのものは、そんなに精度の高い断熱性能はありません。12ミリの間隔があり、中にアルゴンガスが入り、さらにLOE機能がついたガラスであれば、岩手県あたりならめったに結露を起こすことはありません。このように、どのようなガラスを採用したかによってもガラスの表面温度が大きく異なり、場合によっては結露を生じさせます。
 窓枠が反ったということはサッシの取り付けにも問題がありそうです。サッシの取り付け状態が悪い場合に、その部分から冷気が侵入して低温部分を助長させ、結露を生じさせる場合があります。また、窓の付近で湿度を測るとその部分は低温になっておりますので、当然、湿度は高い値を示します。その湿度計を暖かい場所に移して計測した場合、40%以下の低い値を示すことも十分に考えられます。
 対応策としては、サッシの取り付け状態を把握して熱柱部分のないような改善が必要と思われます。さらに、過乾燥と言いますが、窓付近で70%の場合は、やはり室内の実質湿度が高くなっていることが考えられますので、除湿器を用いて湿度を下げることも試してください。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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屋根裏断熱の不備


<神奈川県横浜市・NNさん(会社員・50歳・男)>


 2×6、ダグラスファーで輸入住宅を建てました。全館空調システムを入れましたが、夏、特に2階が暑くて耐えられません。22度に設定しても28度以上になってしまいます。屋根裏にも2階用の空調システムが入っていますが、屋根裏の温度が夏高いのであまり熱効率は良くないようです。
 屋根裏の断熱施工に問題があると思われます。普通の大工さんが施工しました。10センチのグラスウールを垂木の間に押し込んで、その上からビニールシートを張っているのですが、グラスウールが自分の重さでずれてグラスウールの隙間が数センチ空いています。ビニールシートもきちんと施工されてなく、ところどころ穴が空いています。このような状態ですから夏の屋根裏は灼熱地獄です。
 的確なアドバイスをお願いいたします。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 2×6工法の場合、屋根断熱となり、梁と屋根垂木を兼ねた木材は150ミリ幅で、100ミリのグラスウールを入れますと上部に50ミリの隙間がでます。この隙間が通気層になり、屋根材が受けた日射熱を棟上のほうへ上昇させ、棟から排出する仕組みになっているのが、通常の施工法です。
 文面から判断できることは、グラスウールが正確に充填されていないようです。また、グラスウールの上部の通気層が棟に解放されているかどうかが疑問です。神奈川県ですと、真夏の屋根材の温度は直達日射熱で100度近くにもなります。
 上記の条件が揃っていなければ、この熱が室内に入り込み、構造体や内部の建材などに熱を吸収させて、エアコンの効果を著しく低下させます。
 本件の問題解決には、屋根材のすぐ下の通気層が機能しているかの確認と、断熱材の精度の高い充填がなされているかどうかの確認が必要であり、不十分な場合、その改善を施工者に強く要求すべきでしょう。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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ワラジムシが出ます


<北海道札幌市・Sさん(32歳・男)>



 最近、築30年の木造一戸建てに引っ越しました。まだ3月だというのにもうワラジムシが出ます。外は雪が1メートルくらい積もってるというのに。毎日、4〜6匹は出ます。子どもがまだ1歳半なので殺虫剤を撒くのも良くないと思い、床という床の隙間にコーキングをして肉眼では隙間が見えないくらい、徹底的に塞いだのですが、まだ出てきます。おそらくまだどこかに隙間があるんだと思うのですが、ワラジムシは壁中など垂直の壁を登るのですか? 天井もコーキングしたほうがいいのですか? 子どもがいても大丈夫な駆除剤はあるのですか?
 ちなみに、家の右側と後ろ側は土の庭と空き地です。左側が鉄筋マンションで正面がロードヒーティングです。今までは1年くらい人が住んでいなく、私たちが住んで急に暖房をつけたので、今は家の中が暖かく、それで家の下の土から上がってきたと思うのですが。古い家なので下はツカイシです。



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害虫のことなら駆除から再発予防まで
(株)青山プリザーブ
前林 十三男
電話:011(882)1722


ホームページ:http://www.aopuri.co.jp/

 Sさんのお便りから次の質問についてお答えします。

・「子どもがまだ1歳半なので殺虫剤を撒くのも良くないと思い、」
 もちろん良くありませんが、私たちが病気をしたときに薬を飲むように、それが必要なときもあります。もしそれほどまでに不快感が著しいのであれば、医師が処方しくれるのと同様に薬の扱いに精通した人にやってもらうのがいいでしょう。

・「床という床の隙間にコーキングをして肉眼では隙間が見えないくらい、徹底的に塞いだのですが、」
 こんなに塞いだのに、なぜ? 自分の努力は報われないの? という無念の思いがよく伝わってきます。でもおそらく、ワラジムシは目で見て自分の行こうとする目標を決めているのではないでしょう。いくらやってもきっと隙間を発見されてしまいますから、その作業はそのへんで止めにしましょう。

・「ワラジムシは壁中など垂直の壁を登るのですか?」
 私の経験上の話ですが、おそらく登ります。

・「子どもがいても大丈夫な駆除剤はあるのですか?」
 正しい使い方(取扱説明書に従って)をすれば市販品は一般的に大丈夫です。どんな殺虫剤でも駆除剤はそのときだけの対処療法ですから、心構え(キャンプは好きだけど虫は絶対嫌いなどという矛盾のないように)も含めて、もっと根本的な方法を実行していくほうがいいでしょう。また、ここで言う大丈夫の意味も深いですね。「すべての物質は毒である」と何かの本で読んだことがあります。食塩より安全な殺虫剤もあったりします。

・「私たちが住んで急に暖房をつけたので、今は家の中が暖かく、それで家の下の土から上がってきたと思うのですが」
 大筋で合っていますね。したがってこれからは、床下にワラジムシをできるだけ入らせないようにすることです。甲殻類等脚目ワラジムシ科といってエビなどの仲間ですから、湿気が多いほうが好きなのです。犬走りには何も物を置かないで、風通し良くして乾かし、床下も通風を良くして乾燥を促す。時間はかかりますが、健全な方法です。自分でできないときは駆除業者やリフォーム業者に相談しましょう。しかし悪徳業者と言われる輩も多くいますので、十分注意してください。


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基礎のひびの補修について


<千葉県八千代市・FKさん(会社員・47歳・男)>


 築14年の一軒家に住んでいます。ハウスメンテナンス会社と契約し、年に2回程度、床下、屋根裏のチェックをしてもらっています。先日のチェックで基礎にひびか入っているというコメントがありました。デジカメでひびの画像を確認しました。半年前に来たときには無かったとのことで、確かに大きな地震もあったし、そうかもしれません。
 対処が必要とのことで「アラミド」繊維を使った補強工事の提案がありました。家の基礎のひびの対処にはエポキシ樹脂が一般的だと思いますが、アラミド繊維を使った補強というのは今後の主流なのでしょうか? 費用も250万程度かかるようです。床下の外基礎を内側のみからアラミド繊維を「吹きつけ」ただけで、十分な強度がえられるものなのでしょうか?  いまひとつ効果に疑問があるのですが…。というか、そもそもアラミド繊維は吹き付けるのではなくて、巻きつけて貼るのだと思いますが。



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建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 ご質問にある基礎のひび割れは心配なことと思います。ひび割れの程度によっては、きちんと補修工事を行わなければなりません。
 ご質問の中にもあったように、エポキシ材を使った補修が一般的ではありますが、最近はさまざまなやり方を各業者さんで考えられているようです。しかしながら、肝心なところを勘違いしていませんか? 補強工事と言われるので、前述されているようなことをすると、元々の基礎自体の強度が増すと考えられている方も実は少なくないようです。ですが、これらのことはあくまでも、ひび割れに対して、これ以上の進行を食い止めたり、進行のスピードを著しく遅くするという効果のものがほとんどです。
 今回提案してくれている業者さんの提案が、現状からどうように対応するものなのか再度確認されてはどうでしょうか? その上で、不安が解消できないのであれば、コンクリートに強い業者さんにも見ていただいて、現状がどういう状況なのか、また、問題があるとすれば同様の対処の仕方が良いのかを、ほかに1〜2社くらいに聞いて見て、ご自分に合った考えはどれなのかを判断してみてはいかがでしょうか?
 どのやり方にも絶対というのは無いといっても良いと思いますので、最後は自分自身で判断するしかないのです。慎重な業者選びをしてください。


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基礎工事について


<三重県尾鷲市・HYさん(会社員・36歳・男)>


 現在、木造2階建てを建築中で基礎工事にかかっています。基礎はべた基礎とし、湿式柱状改良工事を行い、砕石を転圧し防湿シートを敷いて、D13ならびにD10にて配筋をしています。配筋の際、捨てコンを打っていないため、配筋のレベル合わせのため60センチほどのD13鉄筋を杭のように、基礎立上り部分に何本も防湿シートの上から地面に打ち込み、それに合わせて立上り部分の主筋高さを決めていました(その鉄筋も主筋・肋筋に結束してあります)。配筋の結束が終わり、サイコロを下に挟み、そのまま生コンを打設してしまいましたが、レベル合わせ用のD13の杭はサイコロ分は浮き上がったものの、地面に突き刺さったままでした。基礎屋さんが言うには、この刺さった部分はコンクリ打設時に配筋がずれないようにするためには必要であるとのことでした。
 そこで質問ですが、
  1. 鉄筋の錆を防ぐためにコンクリートのかぶり厚が十分必要であるとのことですが、地面に刺さった鉄筋はむき出しのままですので、そこから錆がコンクリート内部へ入り込むことにより、どのような悪影響が考えられるでしょうか?
  2. 影響が出るとしたら、対処方法はありますか?
  3. こういった工法は一般的に行われているのでしょうか?

 アドバイスいただけたら幸いです。長文・乱文で失礼します。



アドバイスいたします
一級建築士事務所 atelier i
飯岡哲司
電話:011(581)0609


ホームページ:http://www.h7.dion.ne.jp/~ai-i/

ご質問の順序どおりにお答えします。
  1. 一般的には、差筋の錆が進行することでコンクリートにクラックが発生し、そこからのコンクリート中性化、鉄筋の発錆と続いていくと思われます。
  2. 敷地の状況がどのようになっているのかが一番重要になります。地下水位の位置、敷地の水はけ、地質の保水性などにより、錆等の進行状況は大幅に変わると思います。対処方法としては、地質の状態がわかりませんが、差筋が空気、水分に触れない状態をつくりだすために基礎周辺の水はけを良くして、常に乾燥した状態にして、錆が進行しない状況にすることだと思います。
  3. 小規模な工作物では、捨てコンなしで施工することはあります(その場合でも差筋はさせませんが)。ある程度の規模の建物は、鉄筋工事の作業性を考えると捨てコンが必要になると思います。公庫の仕様書(全国版)でも捨てコンは表示されているので、地域性の問題ではなく、施工サイドで工程の簡略化を計るため捨てコンを省いたのではないでしょうか。



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