住宅クレーム110番

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J110 News

布基礎について教えてください


<北海道札幌市・Kさん(主 婦・32歳・女)>



 2005年、木造三階建てを2×4住宅(柱は2×6)にて建てる予定です。今は契約したばかりですが、基礎について少々不安があります。
 某ハウスメーカーでは通常、布基礎でやっていて防湿フイルムの上に押さえ砂をのせて湿気対策をとっているそうです。建築予定地は軟弱地盤で杭が9mはいるため、土間コンを流した方が良いのでは(素人考えです)と思い担当営業に提案したところ、鉄筋コンクリート布基礎で防湿フィルム+メッシュ筋+コンクリートT−60という返事をいただきました。
 湿気対策はどのようにしたらよいのでしょうか? また、ベタ基礎でなくても大丈夫なのでしょうか? 是非アドバイスお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

住宅金融公庫の基準では、
■通常基礎の場合の床下防湿について
  1. 防湿用にコンクリートを施工する場合は、床下全面に厚さ60ミリ以上のコンクリートを打設する。コンクリート打設に先立ち床下面積は盛り土し、十分につき固める。
  2. 防湿フィルムを施工する場合は、床下全面に指定されたものに適合する防湿フィルム厚さ0.1ミリ以上のもの(重ね幅150ミ以上)を敷きつめ、乾燥した砂、砂利またはコンクリート押さえとする。厚さ規定なし。

■基礎断熱の場合の床下防湿について
  1. 防湿用にコンクリートを施工する場合は、床下全面に厚さ100ミリ以上のコンクリート(ワイヤーメッシュ4ミリ以上のもの敷きこみ)を打設する。
  2. 防湿フィルムを施工する場合は、床下全面に指定されたものに適合する防湿フィルム厚さ0.1ミリ以上のもの(重ね幅300ミリ以上)を敷きつめ、乾燥した砂、またはコンクリート押さえ、押さえの厚さは50ミリ以上とする。

とあります。
■今回、通常基礎とした場合、上記から1と2のダブル施工で基準以上の仕様となります。
 従って防湿工事としては良い方法と思いますが、ご心配は地盤沈下のことと思います。
 地質調査を行い支持地盤までの杭を打つということで、布基礎の地盤沈下はなく建物そのものは問題ありませんが、表土部分が軟弱地盤であれば、1階床が下がることが懸念されるので下記のことを検討して下さい。
  1. 布基礎の間隔を考慮して、大引きを布基礎に渡し束石を使用しない。この場合、大引きが大きな断面になり乾燥収縮をおこすので、構造集成材を使用する事。
  2. 床全面を十分に突き固め砂利事業を行い、基礎断熱の場合に準じて床下全面に厚さ100mm以上のコンクリート(ワイヤーメッシュ4mm以上のもの敷きこみ)を打設し、プラ束で大引きを受ける。



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マンションでの給湯の水量が少ない


<東京都羽村市・SYさん(会社員・40歳・男)>


 マンションの給湯で着火が出来ないほど水量が少ないです。ガス給湯器を使用していて、湯の出口は浴室シャワーと洗面台と台所の3箇所です。シャワーについては着火し、湯が出ますが着火まで1分位かかります。青色蛇口の水を止めて、赤色蛇口を全開にして1分かかります。水量は十分ですが、着火すると少量になります。洗面台は、水量は十分ですが、いつまでたっても着火はしません。台所は、水量も少なく着火もしません。いずれも単独で、温度は最低温度で行っています。また、青色蛇口では3箇所共に水量は十分有ります。
 ガス給湯器の修理を依頼し、業者に診てもらいましたが、買い替えを勧められました。給湯器は13年位なので、買い替えの時期ですが、給湯器経由でくる水量(赤色蛇口)に不安があり、買い替えで上述のような現象が治るかが心配です。何か良いアドバイスがあればお願いします。



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 湯沸し器のメーカーは沢山あり、同じメーカーでも機種は多いのでSYさんのお宅のものがどのようなものか分かりませんが、経年変化により湯温や湯量を感知するセンサーが劣化したものでしょう。着火するには湯栓(赤色水栓のこと)を開いた際に水の流れを感知するセンサーが必要で、これにより湯沸し器のガスのバルブが開いて着火します。水量が少ない台所(水栓・湯栓のストレーナーの目詰まりが原因でしょう)では感知しないのでしょう。洗面所と浴室も見た目は同じでも水量に違いがあるのでしょう。(浴室シャワーとありますが、浴室湯栓のことですね?)このセンサーが劣化して感知能力が鈍くなっているのが、着火不良の原因と考えられます。また、温度センサーで湯温を感知して、ガスの燃焼量を変えて湯温を一定にする機能がありますが、何か部品類の不具合でガスの燃焼量の不足となり、設定温を維持するために湯量が絞られたものと思われます。
 買い替えでトラブル現象が解決するか不安とのことですが、原因究明のためにも湯沸し器は新しくするべきです。よく13年持ったなと言うのが小生の感想です。
 尚、細かい機能面で分からないこともありますので、ガス湯沸し器のメーカーその他の方には、上記にコメント等ありましたら追加をお願いします。


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通気配管の設置方法について


<熊本県熊本市・KTさん(55歳・男)>



 自宅1階の浴室・トイレから排水完了時にボコボコと音がでます。トイレにいたっては汚物が少々戻ってきます。洗面台からも時々音がします。新築して5年後に合併浄化槽から市の下水に変更する際に配管工事をしました。似たような事例について別のサイトで、通気配管が必要というような事が掲載されていました。
 多少日曜大工に自信がありますので、具体的な方法(設置場所・取り付け要領)について教えて下さい。



アドバイスいたします
山本技術士事務所
所長 山本廣資


 排水系統がトラブルなく機能するためには、適切な管径・排水勾配・通気管等が必要です。しかし一戸建て住宅の場合は通気管を設けないことが多く、2階にトイレがあっても通気なしで問題ない場合もあります。これらは排水配管系全体のバランスによります。KTさん宅のトラブルは現象から見ると排水系統の機能不全です。通気の不良もその原因の一つでしょうが、他の原因も考えられます。

  1. 通気不良又は通気管の不備:これが原因とすれば竣工時点から発生しています。
  2. 排水管の勾配不良:市の下水管に接続替えした後に、まもなくトラブルが発生したのなら、工事の際に十分な勾配が取れなかった等の原因が考えられます。
  3. 排水管の維持管理不良:新築後何年か不明ですが、長い間には排水管にいろいろなものが付着して、機能不全になります。厨房の流しに油類、洗面器への化粧品等流さないつもりでも排水管内に付着している可能性もあります。
  4. 1、2、3の複合要因:配管図もなく現象面からだけでは、原因を一つに特定できないのが建築設備トラブルの難しいところです。

と言うことで、原因が特定できないので残念ながら具体的な方法についてはアドヴァイスできません。通気システムの不備としても排水系統全体の図面がなければ、どこに通気管または通気弁を取り付ければ効果的なのか不明だからです。

 KTさん宅のトラブルが最近の現象ならば、排水管の洗浄をお勧めします。以前からのトラブルならば、新築時または下水管接続時の施工業者に相談されたらいかがでしょうか。技術的判断を要することなので、日曜大工では対応するのは無理と思います。


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冬でもジメジメ、湿度が高い


<大阪府寝屋川市・KSさん(主 婦・28歳・女)>


 去年8月に築30年の全面リフォーム済み2階建て木造住宅を購入しました。3LDKで夫婦と子供1歳で生活しています。最近になって気がついたのですが、湿度計をみるといつも60〜70%あります。冬場になり乾燥しているはずがいつもジメジメしているような感じです。お風呂に入ったら必ず換気扇をまわしています。
 この家をリフォームしたところに風呂の換気扇に欠陥はないかと調べてもらったりしましたがわかりませんでした。1階はそうでもないのですが2階の寝室(フローリング)、使っていない2つの部屋まで夜になったら湿度は70%になります。乾いていたはずの服をかけていて朝起きるとぬれていてびっくりしました(寝てる部屋ではありません)。考えられる原因何かあるでしょうか? ちなみに前は川が流れています。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 1階だけがジメジメしている場合の要因は、床下が乾燥状態に維持できていない場合がほとんどです。本件の場合は、湿気を出さない2階の部屋に限って湿度が高く、洋服が濡れるほどだと言うことですが、考えられる要因としては、2階の気温設定が低いと言う事です。生活空間が1階にあると思われるので、1階は充分な暖房を取っているのが普通です。
 しかし、普段、あまり使用しない部屋の温度を低く設定しておりますと、1階から湿気が気温の低い2階の各部分に凝縮されて湿度が高くなります。特に明け方の気温が最も低くなる時間に、結露が一番ひどくなります。
 本件の問題解決には、2階に開放式燃焼機器以外の暖房機を取り付けて、2階全体の気温を上げることで解決すると思われます。前の川は関係ありません。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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築25年、新築時からの雨漏り


<宮城県仙台市・Hさん(37歳・女)>



 鉄骨ALC築25年、地下1階・1〜2階店舗、3階住居の雨漏りについてお聞きします。
 雨漏りは新築時からあったようで、1階は窓のあたりから雨漏りがあり、天井にもシミがあります。3階にいたってはサッシ枠からポタポタと流れ落ち、クロスは剥がれ石膏ボードがポロポロと崩れています。天井からはバケツに溜まるほどの雨が流れ落ち、部屋中がカビの臭いで大変です(現在は住んでいません)。屋上を塗りましたが効果はなく、今では塗った所が浮いてきている状態です。店舗ということもあり、外壁には看板(ここからも雨が漏れていると思います)がありましたが、老朽化で剥がれています。
 近々改装を考えておりますが、鉄骨が錆びて建物自体の強度が弱くなっているのではないかと心配です。鉄骨の強度を調べてもらうことはできるのでしょうか? 専門家の方から見て今の状況はどうでしょうか? 教えてください。



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 この文章からでも深刻な状態であることが伺えます。新築当時から雨漏りがあることと、25年前の鉄骨造にALC張りということ(たぶん鉄骨に直張りされていると思われる)を考えると、主要構造体の鉄骨の梁や柱に影響がでている可能性は高いと感じます(強度にどの程度問題があるかは、調べないと何とも言い様がありませんが)。しかも、現在住まわれていないことを加味すると余計心配されます。屋上の防水塗布をされたようですが、これも、十分に乾燥させないまま施工した上に万が一湿気が残っていた場合や、どこからかの湿気の侵入に対応するための脱気筒を取り付けていないのではないでしょうか?
 いずれにしても、改装をお考えになっているということであれば、まずこの雨漏り対策を万全にして、根本原因を解決しなければ、いくら費用をかけて、きれいに仕上げても何の意味も持ちません(原因が解決されなければ、またいずれ同じ結果になってしまう)。改装をする前に改装に耐え得る建物(構造的に、また対費用効果として)かどうかの判断が必要です。これは、鉄骨造の得意な信頼のおける業者さんに調査を依頼した上でお考えになることが、まずは最優先と考えられます。


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床下に断熱材が入っていない


<宮崎県宮崎市・NTさん(公務員・41歳・男)>


 家を新築し初めての冬を過ごしています。南国宮崎といえども冬はやはり寒いです。宮崎は断熱性能地域区分が「V」ということで断熱材は屋根と外壁まわりにグラスウールが50施工されています。1階床下は施工されていません。設計図の仕上げ表によると、下地が合板27、床暖12、合板9、仕上げがコルクタイル4となっています。オール電化にしたため、暖房はエアコンと連動したヒートポンプ式床暖房です。床暖房が入っていないところは床が冷たく、また、床暖房で部屋が暖まるという感じはあまりしません。床暖房の熱がかなりロスしているのではないかと思います。電化でナイトを利用していますが、先月は電気料が25000円でした。設計図には当初「床下断熱材ポリスチレン」の記載があったのですが、最終的に削除となりました。その分厚めの材が入っているとの説明でした。おそらくコストダウンのためではないかと今はそう考えます。ということで、エアコンを入れていない部屋はかなり寒いです。
 このままエネルギーを使って部屋を暖めるか、寒くないように断熱材を補うのがいいのかアドバイスください。私としては省エネのためにも後者を選択したいのですが、それって可能ですか。どのような施工方法があり、費用はどれくらいなのでしょうか?



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 当然、断熱材をしかっりと充填すべきです。そもそも断熱基準が間違っているとしか思えません。例えば太陽高度の高い温暖地では天井断熱を北海道なみの断熱材厚さが必要です。本件の場合、どんなに厚い床材を使用したとしても、断熱材の熱伝導率と建材の熱伝導率では5倍も暖かさが異なります。今からでも遅くありませんので、床下に潜り込んで下から上に向かって、密度の高いグラスウール(最低50ミリ)か、スチレンフォーム(これも最低50ミリ)を根太と根太の間に正確に切り込んで挿入するか、出来るのであれば断熱材を平板のまま下から根太に打ち付けることが出来ればそのようにすべきです。費用は、現場の状況によって大きく異なりますが、いずれにしても、平方メートルあたり5千円程度で出来ると思います。
 床下に潜り込めない状態の場合は、基礎外張り断熱と言う方法があります。これは基礎の外側にスチレンフォームをコンクリート釘で打ちつけて、コンクリート釘の頭に結束線をくくりつけておき、モルタルラスを取り付けてからモルタルで仕上げます。床下換気口を塗りつぶしてしまいますので、床下の乾燥状態を維持するために、そのGLより床下のGLを最低10センチ以上高くして、その上にポリフィルムを重ね幅を多くして敷き込みます。現場の状況によっては、この方法の方が工事がし易く、価格も安価になると場合があります。
 当然、どちらかの断熱補強を行うことで、省エネで暖房費が半分以下になるだけでなく、暖房空間のクオリティーが格段に向上します。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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