住宅クレーム110番

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外壁リフォームはサイディングかタイルか?


<広島県広島市・Hさん(40歳・女)>


 こんにちは。築10年の2×4の住宅のモルタル外壁のリフォームについて質問があります。
 工務店からタイルをすすめられています。素人の考えではサイディングが最適かと思うのですが。外観よりも耐久性を重視した場合、その工法が最適か教えていただけませんか?



アドバイスいたします
建設大臣賞受賞
リフォーム・新築の北海道工房(株)(JRN正会員)
代表 廣瀬 誠
電話:011(882)1200


ホームページ:http://www.do-ko-bo.co.jp/

 外壁リフォームにおいての仕上げ材の選定要素には、費用、工事期間、耐久年数、重量的負担、デザイン性等があります。どれを基準にするかは、それぞれの方の価値基準によって違いますので、一概にどれと言うことはできません。しかし、リフォームということを考えた場合における注意点というのがありますので、そのことも選定の要素にすることをおすすめいたします。
 サイディングとタイルでは仕上りの厚みが違うので、現状の開口部(窓や玄関ドア等)や屋根等との雨仕舞いの納まりは問題ないか、また、仕上げ材の重さも相当違いますので、本体への影響や、これから20年、30年のメンテナンスサイクルをどう考えていくか、という点に注意して考えてみてはどうでしょうか。また、ご質問にあるように耐久性を重視した場合には、やはりタイルが仕上げ材としては現段階ではすぐれていると言えると思います。タイル仕上げにも大きく分けると2通りあって、湿式と乾式でそれぞれ工法の違いで施工期間やメンテナンス性がかわってきます。しかし、耐久性だけで選ぶのではなく、現在の建物の工法との相性がどうかといことがたいへん重要になってきますので、相談している工務店さんに十分に確認した上で最終判断されることが良いと思われます。


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土留め壁にクラック発生


<東京都小金井市・IKさん(会社員・56歳・男)>


 東海沖地震が騒がれる静岡県三島市の住宅です。
 平成16年10月完成の、隣家とのコンクリート打ちっぱなし土留壁の、スリーブ入れしたアルミフェンス支柱の埋め戻しモルタルを中心に、両側に連続したクラックが発生した。フェンスの支柱は8本あるが、そのうち2本で全く同じ形のクラックが発生した。フェンスつきアルミの簡単なもので、たて格子、5〜6kgの軽量である。
 コンクリート断面はL字型、異径配筋は13ミリを150ミリピッチで4段施工。ベースのコンクリートから立ち上がり部は600ミリで、この立ち上がり部の両側にほぼ連続し、GLまでほぼまっすぐなクラックが発生した。断面で表現すると逆U字型にクラックは伸びている。上部に水をたらすと、すべて内部に浸透してしまい、クラックがかなり深いと思われる。
 「施工業者はVカットして接着材を充填し、弾性塗装を実施する」といっているが、もともとあまり信用の置けない下請けだったので、果たして、
1 この方法でよいのか。
2 残りの支柱6本の周辺で同じ事象が発生するのではないでしょうか。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 住宅の基礎におけるクラックについては、瑕疵担保責任が義務化されているのですが、フェンスの擁壁に対する法的な拘束力が弱いので、施工者の誠意にすがるしか方法がないと思われます。
 擁壁の仕様をみると決して問題の起きるような仕様ではありません。しかし、コンクリートを打設する際に、打設作業の簡便化を図ってコンクリートを柔らかくするため、水を混入する場合があります。このような打設を行いますと、コンクリートが乾燥する際に収縮率が大きくなり、クラックは発生します。特に、アルミフェンスを取り付けるために、打設時にスリーブを埋め込んで穴をつくりますが、そのスリーブを抜く際に、亀裂の要因をつくったとも考えられます。処置としては業者さんが言う「施工業者はVカットして接着材を充填し、弾性塗装を実施する」方法でも効果は期待できると思います。
 施工責任を追及するより、気持ちよく補修ができるようにモチベートしたほうは賢明のようです。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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2階床の結露と品質保証住宅について


<富山県高岡市・Kさん(会社員・33歳・男)>



お世話になります。長文で失礼いたします。

1)洋室の床について
 2003年夏、建売住宅を購入いたしました。先日、寝室として使用している2階のフローリング床への結露が見つかりました。
 昨冬も、ある日気づくと布団の裏側の一面がカビだらけになっていたのですが、原因がわからず「不思議だなぁ」と思って過ごしていました。今冬は、あるよく冷えた朝、床に水溜りができていることから、結露であることに気がつきました。
 フローリングの継ぎ目には黒いカビが発生し、一部では床材自体が少し盛り上がってきている状態です。部屋は北向きで、水蒸気を発生させる暖房機器は使用しておりません(エアコン暖房とハロゲンヒーターを使用しています)。部屋は寝るときにのみ使用しており、フローリング床の上にカーペットを敷き、その上に布団を敷いております。
 また、結露が発生した部屋の中でも結露する場所としない場所があります。結露しない場所は1階が居間、結露する場所は1階が玄関となっています(朝晩、玄関は外気温と同じくらいに冷え込みます)。
 このことから結露の原因は、
・部屋が北向きであること
・2階ではあるが、床と床下との温度差が大きい
ためであると考られます。
 ということで、売主の会社から調査に来ていただきました。原因につきましては売主の会社の方も「断定はできないが、おそらくそういうことであろう」とのことでした。しかし、「1階と2階の間には断熱材は入れない。一般的にどこでもそうである」「補修を行う際には有償となる」といわれました。
 しかし、私の購入した住宅は(財)住宅保証機構の「品質保証住宅」として保証されています。

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・一戸建住宅性能保証約款 第4条(短期保証)
(前略)別表に定める短期保証基準に違反する事象が保証住宅に発見された場合には、自らの責任において保証住宅の修補を行い、又は修補に代え、もしくはその修補とともに損害賠償を行う責任を負います。(後略)

・別表(短期保証基準)
保証対象部分:断熱・防露工事(壁、床、天井裏等の断熱、防露工事を行った部分)
保証期間:2年
短期保証基準:壁面、押入れ、床下等は、水蒸気の発生しない暖房機器の通常の使用により、結露水のしたたり、結露によるかびの発生等の事象が生じてはならない。
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 条文を読む限りでは、私の家のケースは保証範囲にあり、無償で補修を行っていただけそうな気がするのですが、売主の会社の方は「品質保証住宅とは家が傾いたりしないように10年間保証するものだ」とおっしゃられ、有償を主張されています。
 「住宅性能保証」の富山県内での窓口機関である(財)富山県建築住宅センターへも電話で問い合わせましたが、短期保証基準についてはご存知ないようで有効な回答を得ることはできませんでした。このような場合、私はどのように対処すればよいのでしょうか。

2)和室の床について
 同じく、2階和室の畳の上にもカビが発生しています。
 この部屋は、北・西・南の3方向で外壁で囲まれており、1階は吹きさらしの車庫となっております(やはり床と床下との温度差が大きいと思われます)。この部屋は普段使用しておりません。廊下側の戸は通風のために常に開けてあります。
 売主の会社の方に調査してもらったところ、「使用していない部屋は空気が滞留して畳がカビやすい」「イ草が青いうちはカビやすい」「カビは畳の表面だけなので、拭けば問題ない」とおっしゃっていかれました。が、その後、畳をめくってみると、畳の裏面(ビニールが張ってあります)に白いカビが発生しており、床板は一部が濡れている状態でした。
 今は使っていない部屋なのですが、将来この部屋で暖房を使用するようになれば床下との温度差はさらに激しくなり、カビが多く発生するのではないか? このカビの発生も購入してから2年以内の今であれば、「品質保証住宅」の保証範囲内として、何か補修をしていただけるものなのではないか? と、悩んでおります。

 以上、2点につきまして、何かひと言ずつでもアドバイスをいただけると、たいへん助かります。長文となってしまい誠に申しわけありませんでしたが、どうか何卒よろしくお願い申し上げます。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 業者が言っている10年保障というのは「瑕疵担保責任」といって、雨漏りと構造体に対する竣工時の瑕疵(家の傾きも含む)に対して10年間、施工業者が責任を負うことが義務化されています。保証というより、その責任を法的に義務化されているに過ぎません。
 本件は明らかに断熱と気密性能不足による結露現象と思われますが、生活発水量(生活する際に発生する水蒸気)によっては、どんなに気密と断熱の性能を上げても結露が発生する場合があります。
 したがって、
【(財)住宅保証機構の「品質保証住宅」の保証期間:2年・短期保証基準:壁面、押入れ、床下等は、水蒸気の発生しない暖房機器の通常の使用により、結露水のしたたり、結露によるかびの発生等の事象が生じてはならない】
 この条項は、あくまでも家の性能に欠陥があることが前提となりますが、結露の要因がライフスタイルと大きく関係するため、実際に保証金で補修させるには、非常に難しい対応が求められます。
 本件の問題においては、通常、部屋ごとの温度差を少なくするために、1階と2階の間に断熱材は入れません。本件の要因は、1階と2階の空間に強烈な冷気が入り込んでいるように思われます。断熱材の欠損か、不適切な換気口の取り付けなどが考えられます。まずは、この1〜2階の空間に冷気が入り込む箇所を探して断熱処理することで解決できると思われます。
 なぜ、2階の床や畳にカビや結露が発生するかというと、1階の天井は暖房熱が上昇して天井の温度を上げるため露天温度にならないからです。その点、2階の床は1〜2階の空間の冷気によって常に露天温度以下になっているものと思われます。また、1〜2階の空間に温風を流し込むことができれば、2階床の結露や畳のカビを防ぐことができます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


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基礎の補修・補強工事について


<大阪府吹田市・FYさん(自営業・42歳・男)>


 最近、地震があちこちで起こり、甚大な被害が出ています。一人暮らしの母がそれらのニュースを見て、築40年の木造建売住宅の実家の基礎(布基礎)を部分的に補修・補強することにしました。工事業者から補修・補強工事としてエポキシ剤の塗布を行うことをすすめられています。この工法はどのような効果があるのでしょうか? また、工事単価として適正価格が分かれば教えてください。



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代表 廣瀬 誠
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 阪神・淡路大震災以来、建物の耐震性能に関心を持つ方がいっそう増えたことに伴って、その方法や考え方がさまざま出てきています。その中でも、やはり一番に考えなければならない構造部分として基礎があげられると思いますが、この基礎の補強というのは実際には非常に難しいと言わざるを得ません。
 ご質問の中にあるエポキシ剤の塗布というのは、一般的にはモルタルやコンクリート等の表面防水保護剤として使われることが多いものです。中には2液性のひび割れの補修材としている製品もあるのですが、いずれにしても、ひび割れ等からくる水の浸入を防ぐ等の目的に補修材として使われています。ですから、この材料を塗布することによって基礎の強度を補強することはありません。今回、工事業者さんにどのような内容の依頼をしたかにもよりますが、現状がひび割れが目立つ状態だが、強度に関して支障のない程度のひび割れという範囲で、この状態を解消、補修する意味でのエポキシ剤の塗布ということであれば、この工事の目的は意味を成すと思います。しかし、基礎全体の強度を上げる目的での工事ということであれば、意味のないものと言えるでしょう。その辺の工事に対する効果と意味を確認することをおすすめします。
 一般にエポキシ剤の塗布としては、地域や塗る場所等によっても違ってきますが、大体2,500〜3,000円/平米ではないでしょうか。いずれにしましても、現状がどうなっていて、何が不安なのか、その不安を解消する方法があるのかどうか等をきちんと説明してくれる業者さんに相談してみるのが良いと思います。


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下の階の住民は異常な神経質」へ共感


<匿名さん>


 2階建て10世帯の賃貸集合住宅(不動産の種別では「マンション」との表示でした)の2階に1年ちょっと前に引っ越しました。階下には子どものいない夫婦が私たちより少し後に入居したようです。
 うちは、夫婦2人暮らしで子どもはおりません。共働きなので、ふたり共、朝7時には外出し、私が帰宅するのが7時くらい、夫が帰宅するのが10時ごろなので、日中は土日以外は家にいません。ところが昨晩、急に階下の方が騒音の苦情を言いにやってきました。30代らしき夫婦が揃ってきたのですが、奥様のほうが手にしたメモ帳にびっしりと文句を書き連ね、それを私たちの前で読み上げました…。
 文句を要約すると、
1.椅子を引きづる音がうるさい。
2.歩く音がうるさい。
3.蛇口をひねる音がうるさい。
4.トイレを流す音がうるさい。また、トイレットペーパーを引き出す音がうるさい。
5.ドアの開閉音がうるさい。
6.包丁で何かをたたくような音がうるさい。
とのこと。
 しかも、その音に1年間耐えたが、そろそろ耐えきれなくなくなって、じかに文句を言いにきたとのことでした。実は年末に一度、不動産管理会社から全戸に文書が配布され、「深夜の入浴は控えてください、携帯のマナーモードで目覚ましを使用しないように」などの騒音に関する注意事項が2度配布されていました(うちでは11時以降には入浴しないようにしていますが…)。
 自分がそんなに非常識なことをしているという自覚はありませんでしたが、たいへんびっくりしたと同時に、「毎日7時に帰宅されますね」「トイレットペーパーの音もうるさいんです」「朝、6時半にガスを使われますね」などと言われ、生活を見張られている感じがして、気味が悪くなりました。また、「うちではこれを戸や椅子の裏に貼っています」と言って防音グッズを見せられました(残念ながら、くれませんでしたが…)。
 まだ苦情を言われたのが初めてなので、昨日の夜から気をつけて生活しています(トイレも夜は怖くて流せません…)。
 それにしても、このサイトを見て、騒音に対する人の許容範囲は千差万別なのだということがわかりました。また、私のように苦情を言われてショックを受けている方もいらっしゃると知り、勇気が出ました。

3/18 「下の階の住民は異常な神経質・続報」の解決策

3/11 「下の階の住民は異常な神経質・続報」の方へ

「下の階の住民は異常な神経質」続報



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