住宅クレーム110番

投稿ページ続きです
J110 News

セミセントラル暖房について


<北海道札幌市・Rさん(会社員・29歳・男)>



 はじめまして。北海道札幌市(里塚)に低予算ながらも、平成17年春に新築工事する者です。
 1階が14坪(リビング・ダイニング、水まわり)、2階が13坪(3部屋)、なおリビングに2階への階段を配置してます。
 そこで質問なんですが、最近の住宅の暖房設備としてセントラルヒーティングでほぼ全室にパネルを配置するのが一般的になっているようですが、予算の関係上、簡易セントラル(セミセントラル)1階の中心付近に本体、2階3部屋にパネルを各1枚配置するという提案でした。施工業者は実は簡易セントラルは寒い外から帰って来たときなど急激に暖めることができるし、使い勝手はなかなか良いですよ。また視覚的にも火が見えると暖かく感じるものです、との提案でした。全てパネルにするのは安全ですが、火の見える生活は子どもの教育にも良いかなとは思います。しかし、いろいろ調べても簡易セントラルを使用している家はほとんどなく、低予算だからといって簡易セントラルに決めていいものなのか悩んでます。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 暖房方式には全館暖房と個別暖房があります。全館暖房とはパネルヒーターなどをバランスよく配置し、家の中の温度差を限りなく少なくするもので、温度差による空気の流れ(館内の風)を起こさせないものです。暖かい空気は比重が軽くなるため上昇し、冷たい空気は逆に下がります。家の中の空気の移動で風が生じるため体感温度が下がり、結果として室温を上げることになります。
 しっかり高気密・高断熱・計画換気・全館暖房の4点セットを行うことによって格段に“省エネで快適な住環境”(床と天井の表面温度の差を1度くらい)にすることができます。
 上記のことから、オール電化住宅であっても、電気蓄熱ストーブの設置をFFストーブのように数台設置するだけなら個別暖房の扱いになります。
 このように全館暖房と個別暖房では根本的に違うものです。
 今回のお話は、FFストーブから3枚ほどのパネルヒーターを取るツインバーナー方式のことですが、まず全館暖房としてのパネルヒーターとは根本的に違うことと、パネルヒーターもFFストーブの部品なので耐久年数もFFストーブと同様であることを認識してください。ツインバーナーのFFストーブは、本来1つのものに2つの機能を持たしているので複雑なため、3年目くらいからかなり高額のアフターメンテが毎年必要になると聞いています。
 今回は比較的小住宅であり、低予算で考えているということなので、ツインバーナーのFFストーブを利用することも一考とは思いますが、建築設備としての観点からはボイラーによるパネルヒーターと全く違うものであるということを踏まえ、今回の住まいが“高気密・高断熱・計画換気”の家であるならば、長期的に考え、他を削ってでも全館暖房の4点セットにすることをおすすめします。


J110 News

外壁のクラックに悩んでいます


<匿名さん>


 外壁のクラックについての相談です。新築戸建住宅に入居後半年がたつのですが、外壁のコーナー部分に幅1.5ミリ程度で延長は1階から2階屋根までほぼ連続してクラックが発生しています。その他の部分にはみられないのですが、北側のコーナーの1ヵ所だけ、このような大きなクラックが発生しています。深度は25ミリほどあり、下地の防水紙のあたりまで及んでいるものと思われます。業者に連絡したところ、
1 補修に入る
2 補修方法はUカットを行った後に充填および吹きつけを行う
3 雨水の浸入については防止紙が効いているので支障ない
4 コーナー部の縦樋の影響があるのかもしれない
との回答でした。
 周囲でも同様のクラックが発生している家が数件あり、皆同じような補修を行っています。構造的な大きな問題はなく、上記のような補修で支障ないのでしょうか? アドバイスよろしくお願いします。クラックの状況については添付ファイル img1(50kb) img2(59kb) img3(58kb) として送信させていただきます。よろしくお願いします。



アドバイスいたします
住まいを科学する技術集団・新住協メンバー
須藤建設(株)
副社長 須藤芳巳


ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/

 外壁のモルタル塗りに関しては、モルタルのクラック対策が施工的に一番の問題になります。

■原因としては
1 下地である木材の乾燥収縮から、その仕上げであるモルタルにクラックが入る。
2 湿式工法(水を使うもの)であるため、モルタルが乾燥する過程での収縮クラックが入る。
3 地震などの外的要因で力のかかる所にクラックが入る。
などがあります。
 このようなクラックから漏水すると、木材が濡れ腐り、下地のラス(モルタルを下地につなぐ金網)などが錆びて腐り剥がれ落ち、構造的にも多大な問題を生じます。

■対策としては
1 構造である木材に乾燥材を使用する。
2 収縮の少ないモルタルの配合とする。
3 構造的に力がかかる窓のコーナーなど、あらかじめクラックが入ることを予測し、バランスよくエキスパン(収縮)目地でモルタルを区切ること。
4 通気工法を採用すること。現在では、通気工法の採用から、クラックが入り漏水しても、タイベック等の防水紙で防御されると共に、通気の隙間から排出される。
5 モルタル下地のラス・スティップルなどを錆びにくい材質にする。

■補修方法
1 エポキシ系の接着剤を入れたモルタルをクラックに充填する(手で擦り込み後、スポンジで拭き取る)。
2 隙間の少ないクラックは質問にある通り、Uカットして1と同様に擦り込む。

■今後の状況
 今回、外壁のコーナー部分にクラックが入った原因は、コーナー部分のモルタルがL型に固定されるため、下地・モルタルの収縮、外的要因的の力が作用したときに逃げがなく、一番クラックが入りやすい場所のためです。
 木材の乾燥、モルタルの収縮などは1年くらいで安定します。
 質問を見ると築6ヵ月ということなので、今回補修するとほぼ収まると思いますが、1年後もう1度チェックしてください。


J110 News

台所照明から水漏れ


<兵庫県・Hさん>



 ぜひアドバイスをお願いいたします。
 注文住宅に住んで2年になります。3週間ほど前に漏電遮断機が働き、停電となりました。早速調べていただいたら、キッチンの照明器具に水が大量にたまっていたことがわかりました。見せていただくと、かなりの水の量で、無臭でしたが黄色く濁っていました。これは大変!とメーカーと連絡をとり、1度目の点検では配管を中心に見ていただきました。キッチンのちょうど真上が洗面所になっているので、そこから漏れていることも考えられました。しかし、メーカーの話では水圧をかけるなどして入念に調べたが、どこにも水漏れの形跡がない、断熱材等も全く濡れていない、との説明でした。さらに1週間後の2度目の点検では、台風の影響も考えられるとのことで、外から水を大量にかけるなどの実験を行いました。また、台所の天井をめくって点検していただきましたが、全く水漏れの形跡がないのです(私も見ましたが、濡れている様子はありませんでした)。
 この2回の点検で、メーカー側からは「原因がわからない。何かあれば、また連絡ください」との回答のみで終わりでした。あと、考えられるのは食洗機の湯気とのことでしたが、あれだけの水がたまるとは考えにくいですし、ビルトインなので移動も不可能です。「食洗機メーカーに聞いてみます」との回答だけでした。メーカーは結局これで終わりにするつもりみたいなのですが、また時間が経てば水がたまると思うと安心して住んでいけませんし、なんだかしっくりきません。一応、今後、火災等の事故が起きれば、保証をしてもらうという書面を提出していただくことにとどまりましたが、それ以外にメーカーに対し、何かできることがあればアドバイスしていただけませんか。
 また、メーカーを疑ってかかるのはどうかと思いますが、本当に原因がわからなかったのか? この辺りが心配なのです。別の業者に入ってもらって、再度点検していただいたほうがいいのでしょうか。お返事をお待ちしております。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 2回にわたっての点検で配管に異常がないということは、配管以外の要因だと思われます。雨漏り試験にも異常がないとするならば、考えられる要因がひとつだけあります。それは小屋裏結露で、食洗機のある台所や家事室では水蒸気が多く発生して、断熱材を通過し、小屋裏に結露します。この結露は、水蒸気が発生しやすい状況と屋根が外気で冷やされているときにのみ発生いたします。したがって調査の段階では見つけ難いことが多々あります。外気温が低いときに、台所で換気扇をつけずにお湯を沸かして、意識的に水蒸気を発生させるとわかります。
 メーカーにこの調査を行わせ、もし小屋裏結露が原因の場合は、天井裏のグラスウール取り外し、天井裏にポリフィルムを重ね幅を大きく張り付けて、その上に断熱材を200ミリくらい敷き込み、小屋裏換気を完璧に行うよう、補修していただくことで解決できると思います。
 小屋裏結露でなかった場合には、本当に要因が判明しないわけですから、メーカーに万一の際の保証を完璧に行うよう、書面だけでなく公正証書のような法的な根拠のある約束を行うことが良いと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

掘り込みガレージ床面部に水溜り


<大阪府豊中市・STさん(63歳・男)>


 築17年の戸建住宅です。昨年ごろより大雨が降ったり、冬場冷え込んだりしたときに、ガレージ床面コーナー部の数ヵ所に(小さなクラあり)水がしみでて小さな”水溜り”ができるようになりました。ガレージは掘り込み式でH=1.8m、広さ=15平米で鉄筋コンクリート造り、ガレージの上は2階建て住宅です。現在コーナー部にコーキングしていますが、なおわずかながらしみでてきます。
 ガレージ周囲または底部の隠れた場所に水がたまっているのか、排水がうまくいかずに水漏れを起こしているのか、建物の基盤部分だけに心配です。
 できれば、考えられる原因とその対策、どこに頼めばいいか、ざっとした費用等について参考までにお教えください。



アドバイスいたします
HQ住宅研究所 FAS本部
代表 福地 脩悦


 「地下水面位」といって地表を掘って、地盤から何センチまで水が上がってくるかの高さです。この地下水面位は、周りの環境で変わる場合があります。周辺にビルや大きな工作物が建ったり、大きな工事を行った際に地下水面位が上がる場合があり、本件も何らかの環境変化によって水面位が上昇したものと思われます。最初から地下水面位が高い場合は、コンクリートを外側より完全防水を施す場合もあります。完全防止も地震や経年変化で水漏れを起こすこともあります。
 本件の対応策としては、ガレージの隅の邪魔にならない場所にピット(45センチ×45センチ×深さ45センチくらいの穴)をあけて電動ポンプ式の揚水ポンプを取り付けることが、一番安価でできる方法でしょう。最初からこのような装備を行っている、半地下あるいは地下式車庫も多くあります。工事は水道工事などを行う設備屋さんが行います。費用はポンプも含んで数十万円くらいはかかると思います。しかし、本件の場合は、ガレージの使用に支障を来たしているようでもなく、そのコンクリートの強度や上の建物に影響はありませんので、当分、このままでも構わないと思われます。

★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。


J110 News

隣地境界問題について


<京都府長岡京市・匿名さん(72歳・男)>


 小生の場合も全く同問題で、係争しています。建築業者は、超一流メーカーの系列建設部門ですが、これまでも、民法違法建築を常習としながら、今日まで罰せられることなしにきたので、建築基準法には合法を盾に取り、常に違法建築を繰り返している模様でした。
 小生の場合、建築工事の足場の了解を取りながらも、その段階でも違法の建築内容には全く説明なく、小生、建築中に気づき、着工後1ヵ年前に、撤去、設計変更をさせるべく申し入れつつ、調停と訴訟に持ち込み、その結果、被害はないとして、損害賠償金請求は拒絶されました。民法では、1ヵ年経過後は、損害賠償のみ請求可としながら、違反建築も罰せられなければ、建築者は、違法を繰り返すので、損害賠償金額の請求基準を確立していただきたい。とにかく、不良の大手メーカーをこそ罰するため、損害賠償金を請求できる司法の奮起を望みたい。



まだまだ投稿ページは続きます 新しい記事    古い記事

NPO住宅110番はリニューアルいたしました。
新たに質問がある場合はコチラからどうぞ。

※このページはリニューアル前のもので、回答の中には十数年以上前の情報もございます。技術は日々進歩していますので、その点をご理解の上参考になさってください。