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外断熱工法とは?<愛知県名古屋市・IMさん(会社員・37歳・男)>
こんにちは。外断熱、木造在来工法で新築一戸建てを計画中の者です。「外断熱」というものはどんな工法なのか知りたくて投稿させていただきます。よろしくお願いします。
ある中堅ハウスメーカーにて計画中ですが、建物は外断熱ですが基礎は内断熱となっています。メーカーによれば、シロアリ対策の為だそうですが、基礎だけ内断熱で、何か問題はないのでしょうか? 施工さえしっかりしていれば、熱橋による結露等の問題はないのでしょうか? なにぶん、建築に関して素人であり何もわからない状態です。勉強不足なのも悪いとは思いますが、アドバイスをいただけたら幸いです。 アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
木造在来工法で外断熱といえば、本来は基礎も外断熱(発泡スチロール板打ち込み)、外壁も外断熱(構造の外側に断熱材を貼る)、屋根も外断熱(構造の上に断熱材を貼る)にすることです。しかしながら一般的には、外壁のみが外断熱にし、後は床断熱または屋根断熱・天井断熱を組合せたものも、外断熱と言っているようです。どのような組み合わせでも断熱に対する技術があれば問題ありません。
外壁については軸間断熱(充填断熱とも)がありますが、どちらの断熱工法もしっかり理解している会社であれば総合的に性能の優劣はありません。 今回、基礎断熱が内断熱ということなのですが、ご指摘のように必ず断熱欠損を生じ、外断熱工法を論じる前にありえない話です。シロアリについても断熱材(特に発砲スチロール板)が大好きと聞いていますので、どのような対策なのかわかりません。嫌いな成分を入れた断熱材が開発されたと聞いていますが、その効果のほどは確認していません。 いずれにしても、基礎廻りは外断熱にするか、断熱型枠で両面断熱にするか、基礎をやめて床断熱(床の断熱パネルも販売されています)にすることです。 |
マンションの床上浸水の費用負担に納得できない<神奈川県横浜市・NKさん(公務員・38歳・男)>
昨年9月に購入した新築マンションの1階に入居していますが、台風(横浜の雨量は1時間に38ミリでした)の影響で床上浸水の被害に遭いました。マンションは南北に通る4メートル道路の東側に面しており、土地は南側のほうが高く、道路の向かい側は一般住宅が多数あるものの次第に高く、小高い山のような地形です。敷地の北側は3段式の駐車場になっており、地面とほぼ同じ高さにあります。南側は居住部分がありますが、階数を増やすため、エントランスも含め1階部分は掘り下げた部分に位置します。また、この地域は「洪水予測地域・浸水危険地域」に指定されており、重要事項説明書にも記載があります。このことから、1階入居者の大部分がデベから依頼を受けた販売会社の担当に浸水について確認しており、書面での記録はないものの浸水に遭わないだけの排水設備が整っているとの回答をいただいていました。
台風の影響で道路の下水溝で間に合わない山側と道路南側からの雨水が道路部分より低く位置する専用庭にある緊急避難用の門からテラスへ、また、マンション玄関からエントランスへ流れ込みました。結果、浴室排水口及び洗濯機用防水パンから逆流が始まり、敷地内に降った雨水と道路から流れ込んだ雨水によりテラスにある集水桝があふれ、テラスが池のような状態になり窓枠部分から侵入し、エントランスに溢れた雨水が玄関から居室内(バリアフリー)に浸入しました。被災後、デベに対し設計に瑕疵があるのではと問い合わせたところ、台風の影響で下水道本管が満水になったために発生した事象であり、デベに責任はなく、今回の浸水にかかる費用は全額入居者負担との回答がありました。下水道本管が満水について、下水道局の見解か確認したところ、施工会社の報告から、そう考えられるとの回答でした。しかしながら、敷地北側の3段式駐車場にはまったく影響がなかったこと。近隣の地域で床上浸水の被害に遭ったのが当マンションだけであること。エントランスおよび1階居室部分を掘り下げた位置に設置する以上、相当の対策が必要と考えられること(「洪水予測地域・浸水危険地域」であることが重要事項説明書に記載されており、デベは当然知っていた。販売会社の担当が十分な排水設備が整っていると回答している)。このことから、瑕疵に相当するか、不実告知であり、デベが修繕費用並びに対策費用を負担すべきと考えています。 その後、マンション管理会社に確認してもらったところ、当マンションには湧水槽はあるものの、雨水調整槽はなく、湧水槽には雨水の調整機能はないとわかりました。過去ログから「マンションのエントランス・駐車場の冠水で悩んでいます(神奈川県茅ヶ崎市・A.Mさん)」の質問に対するハウテックさんのアドバイスを読ませていただきましたが、近隣の一般住宅は1階のレベルを道路面よりあげて未然に冠水を避けるような工夫をしております。やはり、天災による被害とあきらめ、入居者側が負担と考えるのが当然なのでしょうか? よきアドバイスをお願いします。 アドバイスいたします ハウテックさん
うーん、気の毒というより他ありません。私の友人で横浜の保土ヶ谷でマンションを所有している人も以前罹災した際、同じようなケースで補償は得られませんでした。基本的に日本の下水道、排水路は50ミリ以上の集中降雨の場合、冠水の危険があると考えないとこの手の災害は防げませんが、マンションの場合50ミリまでは大丈夫と決め付けて設計しますから、他の戸建のようにそれでも基礎を少しあげて置くとか、プラスアルファの配慮が不足していると思います。実際には横浜では30ミリ以上で冠水するケースが多いようなので、やはり1階を買うときは注意をようする地域なわけです。おっしゃるような雨水調整槽は外部インフラの能力補填のための流量制限方式なので、外が溢れてしまえば何の効果もありません。結局は内部の問題ではなく、インフラの不整備のとばっちりというのがデベの基本的姿勢ですから、かなり困難な交渉と思えます。ですから、交渉に対して技術的には有効な手立ては残念ながらありません。あくまで設計の配慮不足という点と周囲排水路の設計基準と実際の降雨量との食い違い等を探して、弁護士さんと相談して見舞金程度のものでもせしめる方法を考えるより他ないかと思われます。
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耐震補強について<三重県員弁郡・MDさん(会社員・30歳・男)>
現在、某メーカーと打ち合わせをしていますが、不安に思うところがあり投稿しました。
建設予定地は東南海地震の地域にあり、私は耐震面を特に気にしています。某メーカーの標準仕様(木造軸組工法、通柱4寸、その他3.55寸、筋交90×30、構造用集成材)では住宅性能評価の耐震等級が「1」の為、少ない予算で地震に強い構造を提案していただくようお願いしました。そこで某メーカーから1F外周壁のみに構造用合板(ダイライトパネル)を貼るという提案がありました。確かに1F部分は荷重がかかると思われ、1F部分の壁を構造用合板で補強すると安定するかと思いますが、はたして1F部分のみの補強でいいのでしょうか? それとも下手に補強するよりも、通柱以外の柱の太さを大きくすることで地震に強い建物になるのでしょうか? また、この悩みの基本となると思われますが、住宅性能評価の耐震等級が「1」では大きな地震の際は倒壊する可能性は高いのでしょうか? どうかアドバイスをお願い致します。 アドバイスいたします 住まいを科学する技術集団・新住協メンバー 須藤建設(株) 副社長 須藤芳巳 ホームページ:http://www.sudo-con.co.jp/
■条件
建設地/本州、積雪荷重無し地域 構造/木造2階建て専用住宅 、在来軸組構法、外部耐力壁:ダイライト パネル/準不燃壁倍率3強度の建材を使用 ■まず最初に住宅性能評価の耐震等級に関することですが、住宅性能表示は消費者保護を目的に施行された法律で、全国共通のものです。 耐震性については「構造の安定に関すること」のひとつであり、等級は1〜3で評価されており、等級「1」は現在の建築基準法を満たした強度で、設計壁量が基準法の示す地震力、風圧力を満たしていれば、この数値になるものです。等級「2」は建築基準法の1.25倍の地震に対して倒壊しない程度。 等級「3」は建築基準法の1.5倍の地震に対して倒壊しない程度であります。これは数百年に 一度発生する地震力ということで、気象庁の震度階6から7程度に相当するとのことです。阪神・淡路大震災では、ところによって、これをこえる地表の加速度があったとも言われています。 ■質問にありました1階だけを構造用合板(ダイライトパネル)、2階は軸組のみでは、との質問について。 阪神大震災で倒壊した木造住宅の調査から、いくつかの倒壊の要因が報告されています。まずは壁量の不足や壁配置のアンバランス。床や屋根面の水平構造体の弱さ。接合部分の弱さ。基礎や地盤の弱さ。木材の耐力劣化など。この中で地震や風圧に対して最も重要なのが「壁」にあります。建築基準法ではこの壁の強さを1〜5までの「壁倍率」という数値で表していますが、この壁倍率に壁の長さを乗じたものを「壁量」と呼んでおり、1階・2階ごとに縦方向横方向それぞれの壁量を足し算したものが「建物の耐力」になります。少し大まかな説明ですが、この「建物の耐力」が「地震力」や「風圧力」より大きければ倒壊しないことになりま す。但し壁量があっても部分的に集中していたりして壁バランスが悪いと、建物はねじれるように倒壊する可能性があります。特に縦長の建物や片面に長い吹き抜けがある建物なども注意が必要です。 もうひとつ、建物の耐震構造上、大事な働きをしているのが床面と屋根面にあります。この床や屋根面にも壁量と同じように倍率が決まっており、床倍率が地震時と風圧時にそれを上回っていれば安全ということになります。 ■これらを考えると1階だけを補強する方法は賛成できません。特に建物平面によって耐震性や耐風性も異なることを十分認識して下さい。外壁面は構造用合板による面材耐力壁とすること、内部壁も両面石膏ボードによる耐力壁をバランスよく配置した平面構成とすること。また床面にも構造用合板を使用した耐力上有効な仕様とすることを推奨します。柱梁等の端部の処理も耐震上重要な個所なので、設計の段階で確認をして下さい。 ■最後に耐震等級「1」での倒壊する可能性について。 住宅性能表示の評価では建築基準法の基準強度が最低基準であり、この仕様通り施工されると等級1があると判断されますが、阪神大震災でも築10年以内の建物も倒壊していると報告されています。一般的な施工では等級1と2とでは構造体にかかる工事費はわずかな差しか生じませんので、これから建物を考えられる場合は「耐震等級2」以上を推奨します。特に耐震等級2」の場合設計段階で等級1よりより多くのポイントをチェックされますので、合理的な設計が出来ることになります。 以上、大まかですが、まとめてみましたので参考にして下さい。 |
境界のブロック塀が心配<匿名さん>
2004年の5月に隣家が新築しました。元の地表から50センチ程削って駐車場になりましたが、当方のブロック塀が地盤沈下して、ひび割れ、小さな地震でも倒壊するのではないかと心配です。添付ファイルのように、薄くノロを塗っただけのようで沢山亀裂がはいっています。形の違うブロックは元々地中に埋まっていました。すでに崩れ始めているのか、ブロック塀にも亀裂があります。
アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
写真を見る限り、いかにも危険な感じが致します。最近の地震でもブロック塀で多くの被害が出ており心配される気持ちはよく理解できます。
ブロック塀の裏側が解りませんが、倒壊防止の支えブロックが積んであるのが普通です。おそらく本件も自分の敷地内に倒壊防止の支えブロックが積んであると思います。しかし、隣の方とよく話し合いながら、地震で倒壊した際の保障問題を今のうちからしっかりと話し合っておく必要があると思います。基礎部分も必ずしも完全とはいえません。たとえ敷地に倒壊防止のブロックが積んであったとしても、基礎の破壊からこちら側に倒壊しないとも限りません。 出来るだけ感情的にならずに、万が一の地震被害が発生した場合を想定して、冷静な話し合いをしておくべきでしょう。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
高気密・高断熱・オール電化で結露に悩んでます<新潟県東蒲原郡・TAさん(公務員・41歳・男)>
大工さんから「結露がでなく暖かい」と進められて建てたのですが、毎年冬は窓ガラスが結露で滴が垂れるまでになります。また、我が家は50坪で蓄熱暖房器がリビングに一台、六畳の和室に一台設置しています(二階には付けていません)。大工さんからは、「夏涼しく冬暖かい」と言われましたが、夏は朝から暑く、冬は夕方になると寒いのでエアコンを使用しています。二階には蓄熱暖房がないため、とても寒く二階で過ごすときは朝からエアコンが必要となります。
50坪程度の家で快適に過ごすには何台くらい蓄熱暖房機があればいいのでしょうか? また、結露対策で何かいい方法があれば教えていただきたいのですが…。よろしくお願いします。 アドバイスいたします HQ住宅研究所 FAS本部 代表 福地 脩悦
安易な高気密、高断熱はむしろ結露を助長する場合があります。オール電化住宅は比較的、結露がし難いのが特徴ですが、高気密、高断熱は家全体の性能をつかさどる一部でしかありません。気密性能にフィットした換気や暖房、冷房の完備が合せて必要になります。先ず、寒さに関しては蓄熱暖房器が、家の断熱と気密の性能に合せた容量のものが必要になります。文章だけで判断すると、蓄熱暖房器の容量が足りないと思います。家の熱損失係数(Q値)をしっかりと計算し、家の性能に見合う容量の暖房器の設置が不可欠です。また冷房設備においても、夏場の日射遮蔽の対策や天井裏の断熱材が足りないと思います。これも家の性能に合せた冷房容量が不足していると思われます。蓄熱暖房器の数はその家の熱損失係数が解らなければ、数を特定できません。今一度、家の熱損失計算をし直して適切な容量の暖房器と冷房器の設置と、夏場の日射遮蔽対策が必要と思われます。
結露に関しては、一昨年からシックハウス対策の換気法と言われる法律が施行され、時間当たり、家全体の容積の2分の1以上の換気量が法律で義務化されております。先ずはそれだけの換気量が確保されているかどうかを、施工者に再確認を求めるべきでしょう。例え、換気量が足りていたとしても、家の中で洗濯物を乾燥させたり、浴室のドアの開放、熱帯魚や金魚などの飼育など、水分を出しやすい環境で生活しますと予想以上の結露が発生する場合があります。換気扇の点検と生活水の発生を防ぐ工夫などが必要です。また、換気量が多すぎても室内を冷やして結露を助長する場合がありますので、除湿機を併用する工夫が必要です。 ★回答者に、もっと詳しく知りたい場合、また、直接聞きたい場合は、回答者のホームページに質問欄があります。アドレスは http://www.fas-21.com/ です。もちろん住宅110番に今まで通り質問していただいても構いません。 |
NPO住宅110番はリニューアルいたしました。 |